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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

●今週のレビュー
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1.  セブン
フィンチャ-の映像美が相性の良いサイコスリラーというジャンルでさらに美しく輝いた逸品。日常風景がすべて伏線となり驚愕のラストへと向かう。驚愕といってもけして意外なオチというわけではなく、予想できても予想を裏切ってくれと願わずにはいられないオチ。さんざんエグイものを見せておきながら最後の最後で見せなかったことも評価できる。ミルズが見なかったように我々も見ないことでミルズと共に泣く。
9点(2003-04-25 16:13:25)(良:1票)
2.  せかいのおわり 《ネタバレ》 
中村麻美が男にふられて渋川清彦と長塚圭史が住んでるところに転がり込む。映画はここから始まるがどうやらこの展開は毎度のことらしい。ここ、わからせるのがさりげなくてよい。渋川はいっしょにいる女の子を放って中村をなだめる。これもまた毎度のことのようだ。長塚は事後処理をする。これもまた然り。そして三人の生活が始まる。そしてまた中村に男ができるとこの場所を出てゆく。このサイクルが三人の「せかい」の摂理なのだ。三人ともがこの「せかい」に安住しながらもこの「せかい」が自分たちにとっての理想郷だとは思っていない。だからそれぞれにこの「せかい」をおわりにしようとどこかで思っているのかもしれない。一人にとっての理想郷は一人にとってのみの理想郷でしかなく、それは「せかいのおわり」を意味するのだ。実際には何度目かの、映画の中では二度目の、中村が男にふられる場面がやってくる。中村はこの恋で「せかい」をおわらせようとしたがそれは成されなかった。渋川も「せかい」をおわらせようとするが「せかい」の心地良さを手放せない中村によって阻止される。「せかいのおわり」は免れたようにみえた。だがここに長塚がいなかった(出張で!)。「せかい」は崩壊してしまう。「せかい」を崩壊させて新たなる「世界」を作り出すとき、人はそれを大人への成長というのかもしれない。しかしどうやらこの三人、同じ「せかい」を再生させてゆくのかもしれない。それを人は「青春」なんて言うのかもしれない。堂々巡りの中に何かがあるのかもしれないという希望、いや、錯覚。居心地の良い場所から抜け出せない、大人になりきれない現代の大人の青春物語。傑作。
[DVD(字幕)] 8点(2011-02-04 13:48:33)
3.  世界の心
英国宰相の依頼で作られた第一次世界大戦を舞台にした戦意抑揚映画らしいが、連合軍として独裁政権を共に倒そうとアメリカに促したものであって、作中にも「ひとにぎりの人間が戦争で儲けようとしている」とあるように、けして戦争賛美の映画ではない。実際の前線にカメラを持ち込んで撮った戦争映画ではあるが、印象に残るのは生々しい戦場の描写ではなく、ドロシーの炸裂するお転婆ぶりである。30人定員の小さな映画館で見たのですが、この手の映画館というのはちょっとしたことで妙にわかったふうにクスクスと笑う人が必ずおり、それが鬱陶しくてたまらなかったりするんですが、この作品に限っては場内大爆笑。もちろん私も笑いをこらえることなく大いに笑った。ドロシーの奮闘ぶりも楽しいが、リリアンが嫁いだ先の末っ子がまた大いに笑わせてくれ、そして大いに泣かせてくれる。またぜひ見たい作品なのですが、いつ見られることやら。
[映画館(字幕)] 8点(2005-05-18 13:30:47)(良:1票)
4.  セリーヌとジュリーは舟でゆく
冒頭のセリーヌとジュリーの出会いから即興ならではの先の読めない展開で、終始ワクワクしながら好奇心旺盛な二人に誘われるように不思議な世界を共に堪能してゆきます。キャンディを舐めている間だけ覗ける異世界のドラマはキャンディを舐めきると当然そこで中断します。主人公二人と同様に早く続きを見たくてしょうがない。翌日またキャンディをほうばると待望の続きではなく同じ場面が重複して展開される。「もう、そこは見たって!」私がそう思うように彼女等もそう思う。そんな共感に嬉しくなりながら、異世界に入ってゆく二人と同じように、いつのまにか映画の中に入ってゆく自分がいる。あまみさんがご指摘のように、異世界に入っていった二人は芝居をメチャクチャにしているようで、反対に映画の可能性を提示しているようです。“なんでもあり”な映画の素晴らしさ見せてくれるリヴェットの傑作。そしてリヴェット作品一番のおすすめです。
[ビデオ(字幕)] 8点(2005-05-09 16:56:49)(良:1票)
5.  世界中がアイ・ラヴ・ユー
私がミュージカル映画に対しちょっぴりの不満があったのは、全部セットで歌い踊るならスクリーンでなくても舞台で見たほうがいいではないか、と思っていたところがあったから。では、『シェルブールの雨傘』や『エビ-タ』は?これらも嫌いではないですが、ただ舞台を外に持ってきただけだし、根本的にオペラ色が入っていてジャンルが違います。そこに往年の楽しいミュージカルを継承しつつも映画ならではの今作品の登場は嬉しいかぎり。ミュージカル俳優ではない人たちの滅多にお目にかかれない歌といい、ワイヤーを使った華麗なダンスといい、現実とミュージカルという非現実の絶妙なミスマッチングに一役も二役もかっています。ホント”映画ならでは”です。そしてこれまでのアレンの映画の中で一番「美」を意識したニューヨークをたっぷりと堪能できます。ベニスもパリも美しかったが、ことあるごとにニューヨークに帰ってくるジョー(アレン)の描写にアレンのニューヨーク愛を感じます。ちょっといい気分になれる、そんな映画です。
8点(2004-08-11 12:21:50)(良:1票)
6.  切腹
この度初めて”みんなのシネマレビュー”の正しい使い方(?)をしました。つまり皆様方のレビューを参考に見たい作品を選びました。他にも色々見たい作品があるのですが諸事情によりなかなか見れないのでまずはこの作品。ところが、前半の竹光での切腹シーンで「うぎゃー!やめてくれ~~!!おどれらー、なんちゅうもん薦めてくれたんじゃ~!!」いやいや失礼。本当に見ていて辛かったんで。その後、主人公がどう絡んでくるのか全く先の読めない展開にはしびれました。そしてしてやられました。内容は、まさに時代劇にして社会派ドラマです。チャンバラシーンは確かに「なんじゃ こりゃ」ですよね。変身するのかと思いました(うそです)。それにしても、まだまだ未見のすばらしい映画がたくさんあるということを改めて思い知らされました。↓のレビュアーの方々とJTNEWS管理人様に感謝!今後とも宜しくお願い致します。
8点(2003-12-01 11:40:28)(笑:2票) (良:1票)
7.  
社会派色を色濃くそしてリアルに描写しつつも、いかにもバレバレな陰謀やどこにでも都合良く出入りするキーマンの記者など、リアルとは程遠い描写も随所に見られる。しかし最後まで見ればそれらがすべて確信犯的に作られていることが解かる。映画は見せるものというのを前提に、シリアスにそしてコミカルにブラックユーモアを効かせた良作です。
8点(2003-11-25 17:59:49)(良:1票)
8.  千と千尋の神隠し
テーマやメッセージが押し付けがましいという意見があるようですがそんなことはないでしょう。どちらかというとひかえめに感じるしそこが個人的には好印象を受けました。(「ナウシカ」や「もののけ」と比べても明らかにひかえめでは?)宮崎アニメファンの妻にいやいや付き合い混み合う映画館に足を運んだのだが、なかなかどうして、良かったです。神々の訪れる湯屋という世界観に感心!千尋の名前を千にというアイディアに感心!変身させられた湯婆婆の赤ちゃんのエンガチョに爆笑!絵の美しさにも納得!後半の展開には??な部分もありますが十分満足できました。
8点(2003-10-22 13:06:11)
9.  戦艦ポチョムキン
時代を考慮すれば技術的には絶賛に値するでしょう。はてさて今見たらどうか、、まずオデッサの階段あたりから「無声映画なのに、なに!?この躍動感は!」と思って観ました。編集でここまで見せるなんて凄いです。終盤の戦艦のスピード感もエンジン、船体、煙の細かいカットの繋ぎによってすごく伝わってきた。やっぱ今見ても凄い。  // 追記<H20.4.7> 今観ることのできるサイレント映画というのは傑作だからこそ今も観ることができるわけなのですが、その傑作ぞろいのサイレントを何本も見た後にこれを観ると、この映画が他の傑作サイレントとは全く種類の違う映画なのだと改めて唸らされます。やっぱり凄いものは何度観ても凄く、観れば観るほどにその凄さを思い知る。 1点プラスします。
[映画館(字幕なし「原語」)] 8点(2003-06-17 12:25:16)(良:1票)
10.  戦火の馬 《ネタバレ》 
冒頭、広大なアイルランドの風景が映し出される。この映画が「馬の映画」であることもふまえれば当然のようにジョン・フォードが頭によぎる。しかし一向に(あきらかな)フォードらしい画や(あきらかな)フォード的展開は見当たらない。と思っていたら高地の荒地を耕す様に、おぉ『ヨーク軍曹』(ハワード・ホークス)だ!と。その後のフランス戦線の風景までもがそっくりだ。馬(ロバ)を買い戻すなんて件もあったりと、えらく『ヨーク軍曹』との共通点が多いのはやはりオマージュと考えていいように思う。そう考えると動物をからめたコミカルなシーン(少女の馬調教シーンやアヒルの攻撃)も少女がじゃじゃ馬なのもいかにもホークスだ。と、書いておきながらこの映画で真っ先に想起したのはディズニーの実写動物映画『三匹荒野をゆく』だったりする。動物が人のように思考し行動する様は往年のディズニー映画そのものだ。波乱万丈な馬の生涯の中で出会う様々な人物たちがわかりやすく顔が大写しにされることからも子供にも受け入れられる大衆映画たらんとしていることが伺われる。大人にとってはやや感動の押し売りが気になるも、映画ってそもそもそういうもんじゃんって気がしないでもない。ラストシーンは人間を見つめる馬の顔。母馬から引き離された馬はオレンジの空をバックに人間たちが見せる家族の絆をどう思って見つめているのだろう。と、大人思考で感慨にふけってみる。
[映画館(字幕)] 7点(2012-10-18 17:21:27)(良:1票)
11.  戦略大作戦
評価悪いだろうなあと思って来たら意外に高評価でビックリ。私も好きっすねえ、これ。地雷を探しながら進んでゆく場所、敵の偵察が来てそこから大銃撃戦が始まるところがいい。どこかダラダラとした展開がここで一気に緊張感が高まり、一気に動きが増す。ドイツ軍のタイガー戦車といよいよ対決ってところもいい。緊張感を煽るラロ・シフリンの音楽が効果的に使われています。(ちなみにこの音楽、『イングロリアス・バスターズ』の映画館内でヒットラー暗殺計画が遂行されようかってときに流れるんだけど、あいかわらずのタランティーノの選曲センス&映画オタクぶりに脱帽。)で、その対決の最終的な決着のつけかたが、そんなのありかよ!なんだけどもう最初から戦争映画なのに愛国心もクソもない内容なのでこの決着しかないなとも思うわけで。イーストウッドが出てる映画ってけっこう長尺のものがあるんだけど、全然だれない。たぶんイーストウッドはいるだけで様になってるってのが一つある。さらにそのイーストウッドを食おうかいうくらいのキャラの相棒とか敵キャラの存在も大きい。ここではもちろんサザーランド。
[DVD(字幕)] 7点(2011-06-03 13:48:52)
12.  ゼイリブ
今まさに日本で問題となっている格差社会の原因が暴かれる!なわけないんだけど、そこに堂々と宇宙人をもってくるあたりの幼稚さというか浅はかさこそがカーペンター映画の売りで、メジャーな監督でありながら新人監督が低予算で作る類の映画を恥ずかしげもなく撮ってしまうところに彼の偉大さがある。このB級SFは「百聞は一見にしかず」ということわざを如実に実証する展開が最高の満足感を与えてくれている。「ほらね」「言ったでしょ」ってやつ。その展開に不可欠な、というかそのためだけにあるアイテム、サングラスのチープ感がまたいい。カーペンターにとってここはどうでもいいわけ。実際、途中から特殊なコンタクトレンズになってサングラス消えちゃうし。もちろんどんな構造になってるかなんか知ったこっちゃない。そのあたりのテキトーさがいい。映画にはなんら問題がない。ディテールへのこだわりは映画以外のものが映画を持ち上げるだけで映画そのものが良くなるわけじゃない。少なくともカーペンターにとっては。それを考えずにできるのがこの人の強み。
[DVD(字幕)] 7点(2010-06-24 14:13:43)(良:1票)
13.  センチュリアン
以前見たロバート・アルドリッチ『クワイヤボーイズ』(1975年)と似ている部分が多いなと思ったら原作者が同じでした。「センチュリアン」は原作者(ジョセフ・ウォンボー)がロス市警在職中に書いたものらしく、前半の「警察24時」ばりの他愛のない事件も含めた日々のパトロール風景は実に生々しく描かれており、映画がどこまで原作に沿っているかは知りませんが原作にあるだろうリアルな風景はじゅうぶんに再現されているように思いました。それでいて本作の真に素晴らしいところは登場する警官たちの人となりをその日々のパトロール風景のみで描ききっているところ。ステイシー・キーチ演じる主人公のドラマの行く末はいたってありがちなんだけど、ストーリーを構成する人物、出来事のこれ以上ない合理的な配置には唸らされる。一瞬で緊張のボルテージを上げる一発の銃声といい、凄まじいカーアクションといい、魅せどころもしっかりと用意されている。
[映画館(字幕)] 7点(2010-04-19 17:39:35)
14.  セルピコ 《ネタバレ》 
憧れの警察官になったセルピコはけして強くはなく正義感だって人並みにしか持っていないごく普通の男である。警察全体に蔓延する汚職が異常に過ぎるのだ。だから賄賂を受け取らないという当たり前の行動が異端視される。犯人逮捕に合理的と判断する髭面や浮浪者のような装いも異端であることを増幅させる要因となってしまう。当たり前の行動が出来ない状況で当たり前のことをすることの困難が生々しく描写されてゆく。正直者が馬鹿を見るとは正にこのこと。正しいはずの行いをすればするほどに孤立してゆき、誰かが手を差し伸べてくれるはずという見込みも打ち砕かれ、つまはじきにされ、罵声を浴び、仕事にも支障をきたす。その流れが実に説得力がある。巧い。顔前にヌッと出てくる黒光りした細い銃身の不気味さ。頬から噴出す血。どアップになったパチーノの薄茶色の瞳の美しさ。一つ一つのカットがドラマを越えて印象に残る。
[DVD(字幕)] 7点(2009-09-18 15:46:40)
15.  セブンス・コンチネント 《ネタバレ》 
これはデビュー作になるのかな?ハネケの作品の中では一番面白かったかも。面白いという表現が極めて不似合いな作品ではありましたが。身の回りの何もかもを捨て去って心中した家族、という実際にあった事件を描いてはいるが、なぜ心中に至るのかその原因は描かれない。その原因を誰も知らないから。知っているのは何もかも捨て去ったという事実だけ。映画はその事実だけを映す。つまり捨てられ、壊された物を。あるいは捨てられ、壊される以前の物を。扉を開ける人は映されず、廻されるドアノブだけが映される。朝食をとる人は映されず、スプーンで運ばれるフレークが映される。生活はひたすらシステマチックに見え、画面は常に無機質で無感動を装う。しかしいよいよ最終局面というところで死のうとするその「必死さ」が痛々しく飛び込んでくる。意図されたものかは知らないが、機械的な生と人間的な死が豊かなコントラストをもって描かれている。痛々しく描写する、、、ということは、第七の大陸を目指したこの家族をこの映画は否定していると言えるのだと思う。救いを見出すとすればそれだけである。
[DVD(字幕)] 7点(2007-06-25 13:56:33)(良:1票)
16.  世界
貧しい農村から夢を持って北京にやってきたはずの登場人物たちは、世界に開放をアピールする中国とは裏腹に、誰もが閉じられた世界で生活に追われるだけの毎日を過ごす。そしてその生活に慣れてゆくことの怖さ。「世界」とはほど遠い「世界公園」という極めて閉じられた環境で各国の華やかな衣装を身に纏うダンサーと「世界公園」の警備主任のカップル。彼らはここに長くいすぎたために外国へ飛び立つ知り合いを見送ることしか出来ない。カメラがとらえる二人の長い沈黙が「どこにも行けない」「なにもできない」「なにも見えない」、そんな二人を浮かび上がらせる。北京オリンピックを控える中国において、しかしそのほとんどの人が生まれた地から出てゆくことなく一生を終えてしまう現実を若い男女の物語の中に露呈させる。携帯電話をかけたときに女の心情を表現するアニメーションは正直どうなんだろう?と思うものの、どおってことのないシーンの連なりがとても印象に残るいい映画でした。
[映画館(字幕)] 7点(2006-12-05 14:22:26)
17.  接吻泥棒
実にアホらしい。でも実に楽しい。まずお話がアホらしすぎる。そのアホらしさがスピーディに展開される。セリフも早口だけど、早苗光子の変わり身も早いけど(笑)、やっぱり展開が早い。一人目の女のところにいたかと思えば次のシーンには二人目の女のところ。その間の行程が省かれる。省いて省いて省きまくる。だからやたらドタバタして、アッという間に終わっちゃう。実に愉快。実に爽快。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-09-14 12:51:42)
18.  青春残酷物語
ゴダールをして「本当のヌーヴェルバーグは自分やトリュフォーよりも先に作られた大島の『青春残酷物語』だ」と言わしめた傑作。見事に時代を映し出し、姉と妹両者の青春の傷を浮かび上がらせる。これまで「きれいごと」しか描かれなかった青春像をひっくり返し、あり余る力のはけ口を求め暴力とセックスを繰り返し、強さと弱さをさらけ出した若者像。あやふやで危なっかしい本能が溢れんばかりに画面を覆う。映画自体がものすごいパワーで何かに反発しているかのような作品。もちろんその根底には大島自身の体制への反発があり、それをストレートに映画にしたことだけでも松竹ヌーヴェルバーグの名に相応するかもしれないが、それ以上にその体制への反発と自業自得の男女の成り行きとの絡ませ具合がまた繊細にして絶妙なのである。
[映画館(邦画)] 7点(2006-09-04 16:18:10)(良:2票)
19.  西部戦線異状なし(1930)
時代性で言うならまず原作者のレマルクこそが賞賛されるべきだろう。この映画は原作どおりに反戦を謳ったにすぎない。しかし反戦を謳いながらもかっこよい戦闘やスリルある作戦を見せている多くの戦争映画とは違い、素直に原作のメッセージに沿うことにに徹した演出は評価に値する。戦意抑揚を少年たちに植えつける教師の異様な顔のアップで「国家のために戦うことを美徳とする」ことをあからさまに批判し、実際に戦場にいるものの素直な不満と素直な疑問をはっきりと露呈させる。爆撃のシーンだって1930年公開作品だからといってあなどるなかれ。戦争を現実の問題として語るためのリアル感はじゅうぶんに達成されている。 しかし70年以上も前の作品に思うのは、いくらこのような反戦映画が作られようとも今尚戦争に駆られる人間の愚かさである。
[ビデオ(字幕)] 7点(2006-04-20 15:39:26)(良:1票)
20.  戦争のはらわた
バイオレンスの巨匠がバイオレンスの宝庫である戦争を舞台にした映画を作るのは必然だったと言える。暴力そのものをスローモーションと細かいカット割で美化して見せ、その反面、暴力の持つ無情感を後に残すというペキンパーの作風はこの作品でも健在で、その無情感はソ連の少年兵や婦人兵の描写に顕著に表われる。暴力の世界でしか生きる場を見出せなくなったシュタイナーが、人間の様々なエゴが渦巻く戦場において「男の誇り」を模索する。シュタイナーもまた、終始誇り高く生きているように見えて本物の誇りを手に入れるのはラストシーンなのだ。そのラストで、名誉欲(鉄十字勲章)に固執してきたストランスキーは(シュタイナーを殺して逃げることもできたが、そうせず)共に敗戦濃厚な戦場へ向かう。名ばかりの誇りの象徴である鉄十字勲章ではなく、本物の誇りを持って。最後の「大笑い」はこの後に及んで「誇り」を手にした爽快感と、その「誇り」とやらがいったいなんになるんだ、という無情感を含んでいるのではなかろうか。
[ビデオ(字幕)] 7点(2005-05-27 14:57:15)(良:1票)
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