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やましんの巻さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 731
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自己紹介 奥さんと長男との3人家族。ただの映画好きオヤジです。

好きな映画はジョン・フォードのすべての映画です。

どうぞよろしくお願いします。


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人生いろいろ、映画もいろいろ。みんなちがって、みんないい。


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1.  ウインズ
誰が何と言おうと、キャロル・バラード監督は、アメリカ映画最大の映像詩人であると信じる者にとって、この映画の評価の低さには怒りを禁じ得ません(ぷんぷん)。ストーリーうんぬんより、ワンシーンごとの、いやワンカットごとに映像から吹き抜ける風の爽やかな官能性に陶然とならないで、何のために今まで映画を見てきたのですか、皆さんっ!(…失礼、言葉が過ぎました)。とにかく、ヨットレースのシーン以上に、砂漠でのシークエンスにこそバラードの天才的な映像感覚がいかんなく発揮されています。そして、あの信じ難いほど美しく幸福なラストシーン…。物語の妙味や興奮を味わいたいなら、本でもゲームでも何だって代わりはある。けれど、そういった次元を超えた「貴きものの顕現(エピファニー)」とすら言いたいほどの瞬間に出会える体験を、この『ウインズ』はもたらしてくれる。星の数ほどもある映画だけど、そういった超越的な体験を与えてくれる映画なんて、一体どれだけあるでしょう?   《追記》帆に風を受け、波を蹴立てて海上を疾走するヨットのダイナミズム。音もなく空中を滑空するグライダーの、ゆるやかな浮遊感。砂漠の乾いた大地を、カタカタと駆けるオンボロトラック・・・。「海」「空」「陸」それぞれの“表面”を滑るように移動する、その〈運動感覚〉にこの映画は満たされている。その感覚にぼくたちの眼差しが一体化する時、ぼくたちは映画を「見る」というよりひとつの“体験”として「生きる」ことになる。この、映画との感覚の共有化というか「一体化」は、実にエロチックで官能的だ。しかしそのエロチシズムの、なんという爽やかさだろう! そしてラスト、光の粒子のひと粒ひと粒までもが見える(!)一連のモンタージュは、そんな〈運動感覚〉がもたらす官能的な体験の後の、けだるくも心地よい“余韻”そのものと言っていい。そう、「最高のセックス」を知りたければ、この映画の前に自身の感覚をさらけ出す、それだけで十分だ。もっとも、視線をあくまで「物語られていること」の読解(リーディング)やら解釈にのみ従属させる向きには、不幸というか“不毛=不能”というか、そういうインポテンツな出会いしかもたらさないかもしれないけれど・・・。  少なくともぼくにとって、これは、そういう「最高」で「おそろしい」映画なのです。  《追記の追記》・・・もうおれも若くないんだ、日本盤DVD、いやBlu-rayを早いとこ出しやがれこのヤロー!!(魂の叫び)
[映画館(字幕)] 10点(2022-04-01 17:53:32)
2.  雨月物語 《ネタバレ》 
映画を見ていて、「どうしてここでカットが変わるんだろう」とか、「何でこのポジションからの構図なんだろう」などと思う時がある。もちろんぼくは映画を撮ったこともない、ただの観客だ。けれど、この場面ならロングショットで見たかったな、とか、ここはぜひこの女優のクローズアップを見せてほしかった! という、たぶんに勝手な物言いもまた、「映画を見る」者にとっての権利ではあるまいか。 もっといえば、こっちが思いもかけない画面を見せてくれた瞬間から、その作品に惚れ込み、心底から評価したくなるのである。  この、「世界のミゾグチ」の代表作の1本を最初に見たのは随分と昔だけれど、見る前はいささか気負っていたのが、見終わってまず思ったのは「めちゃくちゃ面白い!」ということだった。それまでにも、それ以後にも見た他の溝口作品と比べても、この映画は単純に「面白さ」において際立っている。何よりそれは、ここに実現されているのが、天才的というより職人的な部分において「完璧」な映画づくりだということに他ならない。  ・・・映画の終盤近く、森雅之の主人公はようやくわが家へと帰る。妻の名前を呼びながら人気のない家の様子をうかがう夫をカメラは追い、もう一度戸口へとパンした時、さっきまで火の気のなかった囲炉裏に火が入り、そこには田中絹代扮する妻が煮物を炊いているのだ。この場面をワンカットで実現してみせたその技巧は、確かに驚くべきものがある。けれど、それはあくまで、すでにこの世の者ではない妻を描くという「物語」の要請ゆえに実現されたワンシーンワンカットなのである。  その他においても、溝口作品に対して誰もが口にする流麗な移動撮影の長回しというより、この場面を描くならこれしかあるまいと誰もが納得する映像(=ショット)をムダなく編集していく鮮やかさはどうだ。だからこそ、この映画が100分足らずの極めて簡潔な(「B級映画的な」と言いかえてもいい)上映時間におさまったというべきだろう。  『雨月物語』は、溝口健二監督が何より優れた職人的技量をもった「物語映画」の担い手であることを、どの作品にもまして雄弁に告げるものだ。実際、映画の歴史上これほど「面白い」作品も、世界中探したってそうはないのだから。
[DVD(邦画)] 10点(2011-04-28 11:17:46)
3.  ウェドロック
SFアクションという体裁でありながら、作り手たちがひそかにめざしたのが、往年の『或る夜の出来事』に代表されるスクリューボール・コメディ! このあたりのセンスの良さが、実に気分の良い拾い物です(いや、ほんとですってば!)。いつ爆発するかわからない特殊爆弾を首につけられたまま刑務所を逃亡する、ルトガー・“レプリカント”・ハウアーとミミ・“元トム・クルーズ夫人”・ロジャースは、結構緊迫した状況なのに気のおけないケンカ友だちのよう(当然ながら、やがてお互い好きになっていくのもお約束)。そのウイットに富んだセリフと展開は、例えばジェリー・ブラッカイマーあたりが製作している大作イモ映画に爪のアカでも煎じて飲ませたいや。監督のルイス・ティーグは、『アリゲーター』もなかなかの快作でしたよ。 《追記》映画館で見て以来、残念ながら再見かなわず。ですが、やっぱりコレ絶対に面白かった! ということを「声を大」にして言いたかったのでコメント追加(笑)。実は「シリアス」な状況やら物語を、あえてコミカルに描いてみせる。これって相当センスがないとできない芸当なんだと思います。そしてルイス・ティーグって、そんな才能に恵まれた監督のひとりだったことをまさに証明してみせた1作。ジョアン・チェン(は、あの知る人ぞ知る大傑作『サルート・オブ・ザ・ジャガー』でもハウアーと共演してたっけ)の“イカれ悪女”ぶりも好ましく、お近くのレンタル店にソフトが置いてあったなら、そのオフビートでサブミッションな味わいをご賞味ください。映画好きのアナタなら、きっとニヤリとできる作品(じゃなかったら、ゴメンナサイだけど)だと信じておりますので・・・。
[映画館(字幕)] 8点(2009-06-13 16:22:26)
4.  宇宙戦争(2005) 《ネタバレ》 
他のレビュワーの方がトム扮する主人公を「電波男」と評しておられたけれど、実は小生もそう思いました。そう、これは実のところ、あるひとつの「目的(=我執)」にとり憑かれた男の物語に他ならないと。では、その「目的」とは何か? 言うまでもなく、子供たちを母親のいるボストンまで何があっても連れていくということ。この、「何があっても連れていく」ことが、この映画における主人公の<すべて>だ。そしてそれは、決して「家族愛」だの「父親の復権」だのといったものじゃなく、まさしく“電波系”そのもののオブセッション(=強迫観念)として…。  だから主人公は、その「目的」を達するためなら手段を選ばない。車を盗み、他人を蹴散らし、知り合いすらも見殺しにする。そして、自分たちを助けてくれた男すら殺すことさえ厭わないのだ。  ゆえにあの終盤も、原作に忠実であるというより、この映画の「物語」上の“必然”だったと考えるべきだろう。何故なら、主人公が娘とともにボストンに到着した時点で、映画は実質的に「終わっていた」のだから。これは『インデペンデンス・デイ』のような地球的危機を描く「シリアス(!)」な作品じゃなく、徹頭徹尾トム扮する主人公のオブセッショナルな視点に一体化しつつ、その逃避行を描いた映画なのだ。彼が「目的」を果たした時、もはや宇宙人たちはその「目的」を阻む<脅威>としての意味を失って死んでいき、家族は一同に会する。もちろん、それらは決してご都合主義なのではなく、この映画にあっては(あるいは、この主人公にとっては)至極「当然」のことなのである。   …思えば、ある時期までのスピルバーグ作品とは、常にそういった、何らかのオブセッションをめぐるものではなかったろうか? 巨大タンクローリーも、人食い鮫も、UFOも、すべて主人公(たち)の「我執」あるいは「強迫観念」の実体化としてあったのではないか…。そう思い至る時、実のところ『未知との遭遇』までの映画こそを高く評価する者として、この最新作をやはり思いがけない興奮と歓喜の拍手とともに迎えねばならないだろう。そう、スピルバ-グは「狂っている」からこそ面白かったのだ。そしてこの映画は、本当に久々に、「狂っている」。
[映画館(字幕)] 10点(2005-10-14 12:46:58)(笑:1票) (良:5票)
5.  ヴァン・ヘルシング
そう言えば、あの『ハムナプトラ』だって本来は、ユニバーサル映画の古典的ホラー『ミイラ再生』だったんだよなぁ。 で、今回はいよいよユニバーサル・ホラーの主演モンスターたち揃いぶみできたかあ! …たぶん、先に発表された『リーグ・オブ・レジェンド』の内容を聞いて、「あ、俺もそのネタいただき!」てなもんで、嬉々としてデッチあげた企画なんじゃないかな。  そして出来上がったのは、例によってノーテンキな笑いとアクションとサプライズ満載の、まさにマンガ的世界。例によって、観客の微笑・失笑・爆笑を買っているようだ。正直、ぼくもその1人です。ただ、ソマ-ズ作品の場合、至る所にあるツッコミどころやアラも、笑っているうちに、何だかあらかじめ計算している…意識的に仕組んでいる気がしてこなくもない。まさかとは思いながら、実はデタラメすらわざと“ギミック”として用いているんじゃないかと…。 そうだからこそ、単なる新奇なスペクタクルやもの珍しさばかりを見る者に押し付ける、昨今のCGだらけのアメリカ製エンターテインメントの典型に見えて、ソマーズの映画はハッキリと一線を画すものだと言えるだろう。彼の映画を見るぼくたちは、「おいおい、そりゃ何だ!」とか、「そこんとこ、ウソっぽい!」とか否定的な向きであろうと、知らず知らず作品に「主体的(!)」に関わっていることになるからだ。 特にここ最近の映画の場合、ぼくたちは、「見る」んじゃなく、「見せられている」という“受け身”の立場にたたされていることが多い。その時、ただ「面白さ」や「刺激」をスクリーンから与えられているばかりで、もはや何も考えない。結局のところそれはただ映画に“反応”しているだけのことだ。 しかしソマーズは、この映画においてもそうだけど、どこまでも「おバカ」に徹しているようで、観客の積極的なツッコミを“要請”している。「楽しませる」だけじゃなく、「楽しむ」ことを見る側に求めている。ボケとは、漫才がそうであるように高度な“知性”の産物なのだ。  映画とは、本来そういった映画と観客との「間」において、はじめて成立するものだったはずだ。人と人との間に、愛が成立するように。 そんな、「何より大切なこと」を、あろうことかスティーブン・ソマーズの映画に教わるとは…。だから映画は、あなどれまへん。  以上、与太めいてますが、ぼくはマジです(笑)  
8点(2004-09-16 10:49:22)(良:2票)
6.  海の上のピアニスト
この、「産まれてから一度も船を降りたことのない天才ピアニスト」をめぐる、美しくも儚い作品のイタリア語原題が『NOVECENTO』であると知った時、ああ、やっぱり…という感慨にとらわれたものだった。それは、ベルナルド・ベルトルッチの『1900年』の原題と同じだであるからだ。 たぶん、それは決して単なる“偶然”ではないだろう…  あのベルトルッチの大作は、イタリアの大地で繰り広げられた20世紀初頭から第2次世界大戦後までの激動の歴史を、壮大な《叙事詩》として謳いあげる。一方、トルナトーレによる本作は、同じく1900年から第2次世界大戦直後の‘46年までを背景としながら、世界恐慌とも、戦争とも(直接的には)まったく無縁の寓話を《叙情詩》として歌うのだ。 そこに、醜い地上の「歴史(ヒストリー)」を拒否し、あくまで美しい「物語(ストーリー)」を対置させようとするトルナトーレの作家的姿勢をぼくは見たいと思う。彼の『ニュー・シネマ・パラダイス』がそうだったように、彼は、常に“夢見る者”を肯定し、けれどその“夢”が結局は“現実”に押しつぶされるしかない儚(はかな)さを、深い哀悼とともに見送り続けるのだ。 本作における、あの、あくまで地上(=現実)を拒否して船もろとも消えていった主人公がまさにそうだったように…  そんなトルナトーレの映画は、確かに甘く、美しく、“敗北”すらも甘美な「蜜の味」に変えてしまう。ただ、そういった現実逃避を、それ以上に現実を「拒否」するトルナトーレよりも、あくまで聖も俗も美も醜もいっしょくたになったこの現実こそを直視し、まるごと「肯定」するベルトルッチにこそぼくは組みしたい。 何故なら、ぼくらは「物語」ではなく「歴史」を生きざるを得ないのだから。ぼくらの生は、夢じゃなく現実の側にあるのだから。 そのことだけは、片時も忘れたくはないと思うのだ。
6点(2004-09-02 14:59:19)(良:1票)
7.  ウェディング・プランナー
こんなこと書くと、いかにも映画マニア的でイヤラシイんだけど、夜の公園での野外映画上映会で、突然雨が降り出すシーンが本当に美しくて…。それだけでカネ払って見る値打ちがあったと思いましたです。ほんと、上質のイタリア映画を見ているようでした。《追記》TV放映で再見。やっぱりステキな映画だと思うけどなぁ~。まあ、ここまであからさまに1950・60年代のロマンチック・コメディの感覚を 蘇らせたってことが、かえってストーリーの“ご都合主義”を際立たせることになった感は否めない。けれど、それこそがこの映画の最大の魅力であり、「美質」じゃないですか! それにこの映画の監督には、間違いなく“うたごころ”とでもいうべき映画のツボを心得たソフィスティケーションがある。いつか本格的なミュージカル映画を撮ってほしい才能です。断固支持!!!
9点(2004-02-03 18:29:21)(良:2票)
8.  宇宙船X-15号
たぶんビデオ・DVDは存在せず、今じゃ滅多なことで、TV放映もないと思うのですが、あえて紹介させていただきます。日本未公開でTVでのみ見られたこの映画、映画史的にはあのリチャ-ド・ドナ-監督の劇場映画デビュー作として知られるのみ。題名に「宇宙船」とありますが、これは新型戦闘機のテストパイロットを描いた、ほとんど『ライトスタッフ』の元ネタみたいな内容であります。多分テレビ局が大幅にドラマ部分をカットしたからでしょうか、テストパイロットたちの飛行シーンばかりがあたかも記録映画のように淡々と描かれ、その緊張と恐怖に打ち勝とうとする彼らの精神状態が実にリアル。その一方で、成層圏のどこまでも蒼い空(クライマックスでは、あまりに高く飛行したために、星すらが見えてくる…その詩的なこと!)を切り裂いて飛ぶテスト機の姿は、一種官能的なまでに美しい。思えばドナ-監督は、やたら建物をブッ壊すとともに、「飛行するもの」を好んで作品に登場させるのですが、その“原型”的なイメージがほとばしっているあたり、やはりデビュー作ならではの興味深さがあります(もっとも、この「単なる娯楽映画の担い手」ぐらいにしか思われていないドナーに、いったいどれだけの人が「作家性(!)」を求めるのか疑問ですが…)。テストパイロットのひとりに、あのチャールズ・ブロンソン。途中で事故死するけれど、儲け役です。そして若き日のメリー・タイラー・ムーアが、パイロットの妻役で出演しているのもうれしいところ。ともあれ、リチャード・ドナーを「実は偉大な映画作家」とひそかに信じている小生にとっては、ズタボロのカット・吹き替えのテレビ版であろうと忘れ難い1本なのです。
8点(2004-01-30 11:02:10)(良:2票)
9.  動くな、死ね、甦れ! 《ネタバレ》 
何と言ったらいいのか…とにかく、とてもひと言ではコメントしようのない映画です。どうやら第2次大戦後間もない、シベリアに近いド田舎の小さな町に生きる悪ガキと、そのガールフレンドが主人公。ふたりの生きる日常が、リアルに、時にはシュールに、脈絡もなく描かれる。特に男の子の、鬱屈した心情や突拍子もない悪戯(便所をあふれさせたり、果ては機関車を脱線させてしまう!)は、実に生々しく、見ているぼくたちもいつしか彼と一緒になって「日常という名の冒険」を続けているよう(どこかの評論家が「まるでトリュフォー監督の『大人は判ってくれない』のアントワーヌ・ドワメルのようだ」と、言ってたっけ。ほんと、そんな感じです)。劇中、おそらくシベリア抑留中の日本兵が歌う”民謡”が突然聴こえてきたり、とにかくハッとしたり、おおっと唸らされたりする瞬間の連続なんです。その最たるものが、ラストシーンでしょう。まんまと大人たちを出し抜いてカネをせしめたふたりが、残忍な仕打ちを受ける。そしてその変わり果てた姿に気がふれた母親は、全裸になってほうきに跨がり、往来を駆け巡り続ける…。このあまりに残酷で、痛ましい結末は、正直トラウマになります。もう、記憶に焼き付いて消えてくれない。しかし、それ以上に、あらゆるシーンが驚くほどの詩情、「苛酷な詩(=死)の気配」に満ち満ちている。おそろしく口当たりの悪い作品であることは確かだけど、覚悟(?)してでも見る価値があると断言しておきましょう。
9点(2003-11-14 13:29:16)(良:1票)
10.  ウォーターワールド
う~ん、何なんだこの評判の悪さ…。別にアメリカでも大コケしたワケじゃなく、ちゃんと1億ドル以上の興行収益をあげてるんですけど。ただ、製作費が膨大だったんで、ちっとも儲けにならなかったということらしいんスけどね。…って、やっぱりアカンか。ただ、陸地が海に沈んだ未来世界を、セットや小道具に至まで、ここまで説得力豊かに描き出したディテールへのこだわりは十分”センス・オブ・ワンダー”たり得ている。それに、デニス・ホッパー演じる水上バイクの悪党集団”スモーカー”ときたら、1960年代にホッパー自身が出演していた暴走族映画(『続・地獄の天使』とかね)のセルフパロディになっている…といった、「遊び」の要素もふんだん。どうも、ケヴィン・コスナー主演作ゆえに叩かれている本作ですが、意外なほどアクションをうまくこなす彼を含め、決してバカにしたもんじゃない快作だとぼくは思っています。
8点(2003-11-14 12:34:45)(良:1票)
11.  海辺のポーリーヌ
他愛ない男女のよしなしごとを、ほとんど古典的な優雅さの会話劇に仕立て上げるロメール監督。一方で、若い女性、特に少女に対するまなざしがなかなかにスケベで、高尚なロリコン映画としても楽しめます。なかでも、『クレールの膝』と並んで最も「萌え」ているのが、本作。ポーリーヌのきゃしゃな胸の三角ビキニ(?)にゃ、思わずドキドキします。…って、ロメール・ファンに怒られそうだけど。
8点(2003-10-06 12:41:10)(笑:1票)
12.  ウインドトーカーズ
ジョン・ウーは何を撮っても「ジョン・ウー映画」になってしまう…。それが悪いんじゃないけど、そのスタイルは意外にも戦争映画には合っていないという齟齬感が最後まで消えませんでした。…断じてツマンナイ作品じゃないとは思うんだけど。そう言えば、彼の”祖”であるサム・ペキンパーは、『戦争のはらわた』で燃え尽きたんだよなあ。ちょっと心配…
6点(2003-09-18 11:11:49)
13.  ウィークエンド・シャッフル
う~ん、日常の裏側にはこれだけの不条理や背徳(?)がうごめいているんですよ…という内容は面白いんだけどねえ。映画は何かチープでうらぶれた「貧しさ」ばかりが眼について、失望。ただ、秋吉久美子のヌードは「ごちそうさま」でした…。
5点(2003-09-18 11:02:13)
14.  ヴィデオドローム
クローネンバーグの最高傑作のひとつに、おいそれとした点数はつけられない。一応もっともらしい理屈は語られるものの、現実と妄想が一体となって世界が変調していくあたりのいい知れない恐怖は、確かに『ザ・フライ』以上。イッちゃってるよなあ。それ以上に、この現実に対するクローネンバーグの絶望と狂気の深さがひしひしと伝わってきます。最初に見たのが、輸入版(しかもダビングを重ねた劣悪なやつ)ビデオで、こっちの精神が変調するんじゃないかという戦慄を覚えたことを、鮮烈に記憶していることもあって…
10点(2003-05-30 18:25:24)
15.  ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ
意外にも(と思っているのは小生だけ?)点数があまりにも低いんで、あえて10点献上! これをマジで作らず、かといってシリアスなブラックコメディにもしない、実に微妙なスタンスで映画にしたバリー・レビンソン監督って、昨今のアメリカ映画界にあって貴重な”大人”だと思う。だって、イマドキの映画人てば頭ン中お子チャマばかりじゃんすか。国家に絶望はしていても、しかしオレはこの国で生きてんだし…という自嘲が、ひょうひょうとしたエスプリを産んだって言いましょうか。このチカラの抜けたペシミストぶりこそを、こんな生きにくい世の中だからなおさら評価したいです。
10点(2003-05-20 16:07:57)
16.  美しき獲物
ストーリーはチェスを謎解きの伏線に使うなど、本格ミステリしていて面白いんだけど…。何か悪い意味でうらぶれたB級っぽさが、画面を貧相にして気を滅入らせます。でも、ダイアン・レインって、”さげチン(失礼!)”のランバートと別れて、本当に良かったね。
5点(2003-05-20 15:51:51)
17.  ウエスタン
レオーネの映画はどれも素晴らしいのだけど、これはもう別格。はじめてこの誇大妄想的天才が、自分の作りたいように作ったという昂揚と創造力が、もう暑苦しいほど(笑)伝わってきます。ヘンリー・フォンダの悪役は、確かに彼のキャリアの中でも最高の名演だと、ぼくも思いました。実は、初めて見たのがもう20年近く前(歳がバレますが)。その時、『シェーン』と2本立てだったのですが、この映画のおかげで、あの名作の印象がひとかけらもありません…。ああ、もう一度シネスコの大画面で再会したいなあ。
10点(2003-05-20 15:12:10)(良:1票)
18.  ウェイキング・ライフ
人は死の直前に、自分の一生を走馬灯のように見ると言います。だったら、いまの自分が生きているこの人生が、そうした死にゆく者によって見られた”一瞬の夢”であるかもしれない…。いわゆる「胡蝶の夢」というものを、かくもリアルに、かつポエティックに描き出した作品なんて、他にないんじゃないかな。とにかく、見ている間じゅうぼくは異様なまでに意識が覚醒し、興奮している自分を感じていました。映画はとっても”ダウナー”系なんスけどね。本当は10点でも良いのだけど、この監督にはさらなる素晴らしい映画を期待したいので。
9点(2003-05-20 15:02:17)
081.09%
140.55%
250.68%
3202.74%
4253.42%
5598.07%
67810.67%
79212.59%
817123.39%
98411.49%
1018525.31%

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