1. ダイ・ハード
ブルース・ウィリス自らマクレーンにユーモアを加えたとのこと。そのおかげでマクレーンはただのアクションヒーローとはひと味違うキャラクターとなった。個人的には、本作品でB・ウィリスがオスカーにノミネートされなかったことは納得がいかない。弱さこそ時には最大の強さにつながること。この映画は男としての俺のバイブルである。だから、俺は家でも決して裸足にはならず靴下だけは履くようにしている。特にこれからの季節には。 10点(2003-11-21 14:52:29)(笑:2票) (良:1票) |
2. 探偵[スルース](1972)
《ネタバレ》 ローレンス・オリヴィエVSマイケル・ケイン。舞台劇の様式美をも意識した名優二人の演技合戦に、これだけでご飯3杯ぐらい食べてしまえるほどだが、食べた後にお腹が痛くなってくる。軽くおしゃれなゲームかと思いきや、終盤人間の弱さ・醜さを痛いほど痛感させられてしまうからだ。これから観る人は食あたりに注意してほしい。本レビューが食前の胃薬となることを切に願う。 [追記]リメイク決定! ジュード・ロウがケインの役。そして、オリビエの役をケインが演じるとのこと。キャストはなかなか楽しみだが、演出がどこまでオリジナルに迫れるのか? 期待と不安が入り交じる複雑な心境だ。 9点(2003-12-07 18:05:43) |
3. タワーリング・インフェルノ
とにかく豪華なパニック大作。迫力も充分で今観ても充分にハラハラドキドキと心が躍る。しかし、ちょっとオールスターを揃えすぎたためか、役者の見せ場を多く用意しなければならず、少々プロットが散漫なのが残念。もう少しスターを減らしてコンパクトにしてもよかったように思うが、それでは本作の存在意義が薄れるのだろう。それはともかく、マックイーンはやっぱりかっこいい漢だ。 8点(2003-12-07 17:44:54) |
4. 大災難P.T.A.
S・マーチンは本当に素晴らしいコメディアンだ。これだけ次から次へと問題が起き悲惨なことになっていくのに、哀愁をしっかり漂わせつつ笑いへと転化させていく。残念ながら日本ではマイナーだが、アメリカでは大ヒットを連発していたのも納得だ。「家に帰れないもの」「迷惑な隣人もの」「バディもの」を融合したプロットも練られていて、マーチン・キャンディのコンビを最大限に引き出している。 8点(2003-12-06 13:37:29)(良:1票) |
5. 大逆転(1983)
《ネタバレ》 マーフィー、エイクロイドといった人気コメディアンたちについつい目が奪われがちだが、ドン・アメチーもやっぱりいいねぇ。彼が出てくるだけでハリウッドコメディの気品を感じさせてくれて、観ていて気持ちいい。J・ランディス演出も快調。それにしても・・・メスゴリラの気持ちを考えると切ないよね。愛しいオスの皮を剥ぐとおっさん二人が現れてくるなんて!(笑) 8点(2003-12-06 13:27:53) |
6. ダークマン
やっぱりこれぐらいのバジェットで好き放題やらせると、サム・ライミはやってくれるなぁ。当時はまだあまり有名ではなかったリーアム・ニーソンもヒーローは似合わぬ風貌にも関わらず、設定ゆえか輝いていた。悪役(名前わからず)も、いかにもといった感じだがノリがよくていい。アメコミものは大物俳優が悪役をやることが多いが、実は彼のような役者が暴れた方がくどくなりすぎず、作品のバランスはとれるのかもしれない。 8点(2003-12-03 23:01:26) |
7. ターミネーター
キャメロンの当初の想定通りランス・ヘンリクセンが悪役を演じていたならば、おそらくもっと怖い作品になりえただろう。人類最強の肉体を誇るシュワと華奢だが不気味さの漂うサイボーグの死闘。考えただけでもよだれが出てしまう。とはいえ完成作も素晴らしい出来で今となってもその迫力は色褪せない。 8点(2003-11-23 08:42:21) |
8. 大誘拐 RAINBOW KIDS
誘拐されたものが逆に誘拐犯を操る。これまでにもなかったパターンではないが、その老婆の真意がわかると心地よい感動が広がってくる。映画版では北林谷栄の好演が光っている。岡本喜八演出も少々テンポが間延びしている部分があるものの概ね快調。惜しむらくは、犯人グループ3人の演技の拙さ。特に風間トオルは本作で役者として認知されていたが、以前よりはマシという程度でまだまだ観ていられるレベルではないのが残念。 7点(2003-12-07 17:02:39) |
9. ダイヤルMを廻せ!
サスペンスの名手A・ヒッチコックは、常に新しい手法を模索し、サスペンスの可能性を広げようとしていた。本作もその実験的な意味合いを強く持っているが、先に犯行計画をすべて観客に知らせながら最後までひきつけていく工夫がなされている点はさすがである。本来ならば8点をあげたいところだが、ヒッチコックのような巨匠の作品は一部を除けば8点クラスが多いので、あえて厳しく7点。 7点(2003-12-07 15:49:23) |
10. 大怪獣東京に現わる
《ネタバレ》 予算がないのを逆手にとり、怪獣の出ない怪獣映画を成立させた脚本家NAKA雅MURAの発想が秀逸。宮坂監督の演出は手堅くまとめていて爆発力に欠けるのが残念だが、本作こそが「パニック映画」の冠にふさわしいことは確か。窮地に追い込まれると人間は本性をさらけだしていく。今ひとつ実感のわかぬまま人々がTVを観ている序盤も含め、人間描写は興味深い。それにしても・・・竹内力はへたな怪獣よりも迫力満点! 7点(2003-12-06 14:05:29) |
11. ターミネーター3
本来ならばキャメロンが演出をするのがベストなのは当然だが、J・モストゥのアクション演出も決して悪くはなかった。不評のN・スタールも父親カイルを彷彿とさせるルックスで目的を失った青年の成長を上手く演じている。中盤のプロットの停滞が不満だが、負け戦必至の勝負に挑み、ラストでは深く観客を悩ますテーマを突きつけたモストゥに何はともあれ拍手を送りたい。 7点(2003-11-23 08:52:32) |
12. ダイ・ハード2
緻密な脚本が際だっていた前作にどう対抗するのか? ハーリンはパワープレイでこれを乗り切ろうとした。1のテイストが好きだった俺には違和感もあったが、この選択は間違ってはいなかったのだろう。不満点も多く残るが、高いテンションのままラストまで観られるという意味では成功作と言える。 7点(2003-11-21 14:56:18) |
13. 弾丸ランナー
《ネタバレ》 SABU監督の原点であり全てではないかと思われる監督デビュー作。世界の北野が「歩き」に目をつけるなら、俺は「走り」でいくという姿勢は心地よい。しかし、全編それでは少々だれるのも正直なところ。事実、追いつ追われつのはずの3者併走が仲良くジョギングしているようにしか見えなかったりする。個人的には、すれ違う女性を見て3者3様のエロ妄想をしているシーンが全くの意味も持っていないことに笑いが止まらなかった。 6点(2003-12-07 17:50:25)(良:1票) |
14. タイムコップ
職人P・ハイアムズがよくも悪くもその手腕を発揮した作品。破綻はあるものの手堅くまとまった脚本を過不足のない手堅い演出で見せる。その結果楽しめることは間違いないのだが、やはり突き抜けた爆発力はない。ヴァン・ダムもそこそこの輝きを見せるが、観客をぐいぐい引っ張っていく力には欠ける。B級アクション作品のお手本的な作品と言えるのだろうが、制作側はA級を目指していた感もあり、物足りなさも残る。 6点(2003-12-07 15:18:07)(良:1票) |
15. 第三の男
本作をレビューするのには正直勇気がいる。緻密なプロット。役者の的確な演技。シンプルだが雄弁なカメラワーク。どこをとっても非はない。しかし、なぜか俺はノレなかった。理由を知るために対訳シナリオ本も読んだ。そして、ようやくわかった。本作はプロットが完璧すぎるのだ。スキがなさすぎ、骨子が表に出過ぎている。C・リードのように完璧に準備をしても人の心を動かせるとは限らない。創作とは恐ろしいものである。 6点(2003-12-07 14:52:49)(良:1票) |
16. ターミネーター2
キャメロンの当初の想定を思い起こさせるR・パトリックの悪役。T1000の魅力でこの作品は成立している。シュワのイメージアップのためのキャラ変更やメジャー作品ということを強く意識した子供との心の交流など、前作に比べると随分甘くなってしまったなぁというのが本音だが、『シェーン』を彷彿とさせる(柏田道夫氏の指摘)プロットもそれなりには味がある。 6点(2003-11-23 08:47:43) |
17. ダンテズ・ピーク
パニック大作としての見応えは充分備えている。しかし、プロットのいい加減さが主たる要因だろうが、P・ブロスナンが軽妙すぎるのが気になる。何も考えずに身を任せられる、思考力の低下した深夜に観ることを前提に友人にすすめられる映画。ちなみに劇場で本作を観て、火山パニックものはもういいやと『ボルケーノ』はいまだ未見。 5点(2003-12-07 18:12:16) |
18. 誰かに見られてる
R・スコットは好きな監督の一人だが、映像美だけでは最後まで観せきることができないことを証明した作品。『ブラック・レイン』・『ハンニバル』とあわせて、もうこの手の脚本には手を出さないほうがいいのではないか? T・ベレンジャーは決して器用な役者ではないと思うが、このような役柄は見事にはまっている。 5点(2003-12-07 17:37:56) |
19. ダークシティ
監督が描きたかった世界観はしっかりと伝わってくる。T・バートンの構築力に慣れてしまった身としては物足りなく感じるのは事実だが、それは致し方がないところだろう。人間の記憶の曖昧さを題材としているのも興味深いが、プロットが破綻してしまっているのが気になる。後半に説得力をもたせられるよう、序盤からもう少しうまくプロットを組み立ててほしかった。役者では、キーファー・サザーランドの使い方がもったいなかったように感じた。 5点(2003-12-03 22:50:23) |
20. ダンス・ウィズ・ウルブズ
《ネタバレ》 実際には盟友K・レイノルズが大部分を演出したとの噂も流れたが、真偽のほどはともかく的確な演出・編集で4時間にも及ぶ長尺を飽きさせることなく観せきる手腕は立派。とはいえ、俺が本作を好きになれないのは、本作の骨子が動物映画であること。インディアンをゴリラに変えたら『愛は霧のかなたに』とほぼ同じプロットである。インディアンを不必要に美化し、結果人間性を認めていない視点に大いに異論がある。 4点(2003-12-07 17:58:44)(良:1票) |