Menu
 > レビュワー
 > 目隠シスト さんの口コミ一覧。2ページ目
目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2253
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234
投稿日付順1234
変更日付順1234
>> カレンダー表示
>> 通常表示
21.  テッド 《ネタバレ》 
彼女との大事なパーティを抜け出して、車を走らせる主人公。軽快なBGMにフラッシュ・ゴードンがフラッシュバック。ジョン・ベネットの顔面アップ、アップ、アップ。テールランプが尾を引きます。このフザけた演出に大爆笑しました。私はこの場面で作品の空気(笑いのリズム)を掴めた気がします。こうなればもう何だってこい。これ以降のネタは全弾命中です。笑いが笑いを呼び込む連チャン状態。バカ笑いしました。この感覚はベン・スティーラー主演のアメリカンコメディ『ズーランダー』を観た時の感覚に似ていました。如何に作品世界(すなわちテッド&ジョン・ベネットの濃密な関係)の“内側”に入り込めるかがポイント。ローリーも、2人の“スキーの付く名前ボケ合戦”への参入を試みましたが、あえなく撃沈。空気を掴めていないと、こういう目に遭います。この時の彼女は“外側”に居る状態と言えるでしょう。彼女と同じ立ち位置では、物語を楽しめないのは道理。アメリカンコメディは登場人物と一緒になって、馬鹿にならなきゃ意味が無いです。ハッパなんて要りません。ナチュラルトリップで楽しみましょうよ。日本人のワビサビ感覚でいうと、テッドの魔法が解ける結末の方がしっくり来ます。でも本作はアメリカ映画。それにコメディです。しんみりなんてノーサンキュー。ハッピーエンドで正解だったと思います。友情も恋愛も魔法と同じ。何時までも、何時までも、このままで。映画の中くらい夢をみさせてください。『ズーランダー』の感想でも同じ事を書きましたが、ネタの微妙なニュアンスが日本人では理解し難いところがもどかしいです。フラッシュ・ゴードンは日本芸能界で言えば倉田保昭という受け止め方でOK?
[ブルーレイ(吹替)] 8点(2013-10-30 18:59:16)(笑:1票)
22.  テイク・シェルター 《ネタバレ》 
【【ネタバレあります。未見の方はご注意願います。】】 結末について。“主人公の悪夢は予知夢だった。嵐は本当に来た”との見方も勿論可能ですが、“妻も夫と同じく精神を病んでしまった”との解釈の方が、妥当性が高いと判断します。客観的な証拠(例えば妄想説を支持する医師の嵐目撃情報など)が無い以上、統合失調症という一度は確定した“現実的な解答”を覆すのは難しいと感じます。具体的な“核戦争”ではなく、“奇妙な嵐”という点も、精神疾患の可能性を後押しします。そして、真実がどちらだとしても、この家族の置かれた状況が好転しないのが辛いところです。果たして、この家族が救われる正しい選択とは何だったのでしょうか……。もし嵐が本当に来た場合。家族は片時も家を空けてはいけませんでした。エンディングソングの歌詞のとおり、折角のシェルターも活用できなければ意味がありません。自分を信じ切れなかった時点で“詰み”です。しかもこの選択は、精神疾患だった場合は目も当てられません。リスクが高すぎて、とても選べないでしょう。真実がこちらであれば、グッドエンディングへの道筋は無いに等しいと感じます。では、精神疾患だった場合はどうでしょうか。最善手は、早い段階で投薬治療を始めること。大事に至らなかった可能性は大いにありますし、娘も手術を受けられたはず。統合失調症の可能性を疑いながらも、自分に甘い判断を下してしまったのは痛恨の極みでした。しかしこの段階では、まだ“最悪”ではありません。ポイント・オブ・ノーリターンは、おそらく食事会。大暴れをした夫に妻は寄り添いました。2人の絆が伝わってくる美しい場面。しかし愛するが故に、夫の妄想に取り込まれたとも言えます。あの時娘を連れて席を立っていれば、彼女と娘は助かったのではないかと。誰かを守りたい、支えたいと願うなら、まず自身の身の安全を最優先させなくては。同じ景色を見られることに喜びがないなんて、遣りきれません。軸がぶれぬ脚本は上質で役者の技量も充分。映像表現も上出来でした。夢・現実・幻覚の境目が明瞭で、観客を煙に巻く意図が感じられない点も好印象です。いい映画でした。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2013-10-12 17:59:46)
23.  デンジャラス・ラン 《ネタバレ》 
設定、脚本ともにクライムサスペンスの定番とも言える“逃走もの”。安心して楽しめましたが、ややパンチに欠ける印象。そんな中、人物造形には観るべき部分がありました。デンゼル・ワシントンとライアン・レイノルズがドロップアウトした元CIA諜報員と新米エージェントを好演。とりわけデンゼルの“懸命に走ろうとしない男”の役作りには奥深さを感じました。真面目な人ほど絶望し易く、純粋な人ほど染まり易い。2人の性質は良く似ていたと思います。ですから主人公が第2のフロストになる可能性も十分にあったと考えます。ただ、彼は運が良かった。闇に落ちた人間の行き着く先がどんなものかを、教えてくれる先生が目の前に居たのですから。どうやら主人公は正しい選択が出来たようです。でもそれが、正解であったかどうかは分からない。どう転んでも満面笑みのハッピーエンドには辿り着けない仕組み。なんと人生は難しいのでしょうか。以下余談。日本語吹き替え版で観賞しましたが、デンゼルの声をあてたのが声優の小山力也。そうジャック・バウワーです。いつ「お言葉ですが、大統領」と言い出しやしないかと不安で不安で(笑)。変な感覚でした。
[ブルーレイ(吹替)] 6点(2013-07-04 22:14:22)(良:1票)
24.  デス・レース2000年 《ネタバレ》 
ジェイソン・ステイサム主演の2008年リメイクの方は観賞済み。しかしリメイクとは名ばかり。全くの別物でありました。“デスレース=生死を賭けた命がけのカーレース”という意味ではなく、単に人殺しコンテスト。殺した人間の性別や年齢で得点が違うというクレイジーぶり。下手なスプラッターホラーより悪趣味だと思いますが、悲壮感など微塵も感じさせない徹底したバカ映画の体裁ゆえ、怒る気にもなれません。これはこれで高度な演出手段なのかもしれません(考え過ぎかな?)。ただ、これだけは確信を持って言えます。ラストの社会風刺や当局批判は、取ってつけたオマケであると。監督が描きたかったのは、単純にカーアクションだけであると。翌年製作された『バニシングIN TURBO』の方が、個人的には好みです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-06-13 19:27:30)(良:1票)
25.  TEST10 テスト10 《ネタバレ》 
薬剤投与により超人的な治癒力を身に付けた被験者たち。副作用は薬剤の中毒性に、危険察知能力の欠如と理性の喪失。傷が治るスピードが速すぎて手術のメスも通らないとか、人間という枠を超えたから動物本来の能力が退化するとか、構想は実にユニークだと思いました。物語後半、制御が効かなくなっていくあたりの流れも定番ながらドキドキします。ただ、これだけアイデアが豊富なら、もっと面白い脚本が書けたのではないかとも思いました。解毒剤をキーアイテムとしたドラマ展開も可能でしょうし、実験成果を製薬会社上層部が単に揉み消すというのも芸が無いような。軍事利用も含め、この薬は金の成る木。物語終盤はもっとエキサイティングな展開が望めたと思います。
[DVD(吹替)] 5点(2013-03-18 18:22:41)
26.  デイブレイカー 《ネタバレ》 
“太陽で焼かれる”、“人血を求める”等、ヴァンパイアのメジャーな性質だけでなく“鏡に映らない”という極めてオカルトな特徴まで押さえているのはポイント高し。通常物理攻撃が無効だから、銀の矢を放てるボウガンなのですね。ハイテクノロジーを誇る近未来社会の中で描かれる正統派のオカルトホラー。えも言われぬ魅惑の世界観が広がります。一匹のコウモリから始まったという吸血鬼病。奇しくもそれは、人間にとって究極の夢“不老不死”を叶えるものでした。“人間を辞める”という犠牲を払ってでも、手に入れる価値のあるもの。製血会社の社長のように、自ら望んでヴァンパイアになった人間も少なくないはずです。また、ヴァンパイアが一定数(駆逐不可能な数)を超えた途端、人間を辞める決断をした者が多数いたであろうことも想像に難くありません。食物連鎖の頂点にいる事の重要性を、マジョリティであることの恩恵を、その座を脅かされて初めて人間は気づく。この設定にはリアリティを感じました。あなたにとって一番大切なものは何ですか。あなたが人間である証はありますか。冒頭、自らの命を絶った“老いぬ少女”の絶望を感じ取れるかどうか。観る者の価値観が問われます。ラスト、ただ吸血鬼病治癒の希望だけでなく、人類再生への具体案(自爆テロ方式ですが)を提示した点も評価させてください。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-02-28 22:13:43)(良:1票)
27.  デッドボール
SHSHI TYPOONレーベル作品全般に言える事ですが、本作も正気の沙汰とは思えぬ脚本でした。分別ある大人の鑑賞に堪えうる映画とは思えません。でも観終えて何となくアリだなと思わせるのは、役者の技量に依るところ大かと。主演はお馴染みの坂口拓。当代きっての馬鹿映画役者です。自慢のアクションは控えめでしたが、あの雰囲気は彼でなくては醸し出せないもの。タバコの吸い方もカッコイイです。そしてもう一人。準主役の星野真里嬢です。ビン底メガネの少年コスのハマりっぷりと言ったら絶品(制作時もう30歳ですよ!)。清楚なイメージのある彼女がこんなバカ映画で鼻血を飛ばし、爆発ちりちりカツラを被ってくれるなんて、もう個人的に10点進呈しても惜しくありません(単純に私が無類の星野真里ファンだというだけなのですが)。なんとか理性を働かせ、常識的な採点としておきますが、星野真里フリークにとっては、ある意味『さよならみどりちゃん』以上のお宝映画かと。やっぱり、星野真里いいですわ~。
[DVD(邦画)] 6点(2012-11-21 20:29:30)
28.  電人ザボーガー 《ネタバレ》 
笑いの構成としては、一部が前フリで二部がオチ。ところが一部が、単独で十分に面白いのです。すでに笑いとして完成しています。こうなると二部の立つ瀬がありません。単に悪ふざけ。『ごっつええ感じ』のコントを観ているような気分でした。それでも終盤の盛り上がりはなかなかのもの。観終えてみればトータルバランスは取れていたように思います。不思議な魅力を持った映画でありました。それでは、まず一部の感想からまいりましょう。何と言っても、石川遼似の青年大門・古原靖人が素晴らしい。まさしく熱演。生真面目な演技だからこそギャグが際立ちます。元グラビアアイドル山崎真実は、ミスボーグの悲哀を見事に体現していました。二人の“全力演技”が茶番に魂を吹き込んでいます。人間とサイボーグがまぐわうシーンなど、もはや正気の沙汰とは思えませんが、ジャンルを超越した“訴えかける何か”があったのは間違いありません。二部の方は前述のとおり、コントと何ら変わりませんが、ザボーガーの戦闘シーンは『アイアンマン』と見紛うほどに素晴らしいものでした。冗談抜きで、ザボーガー格好良かったです。それにしても佐津川愛美は役を選びませんね。若手女優NO1のオールラウンダーかと。正直諸手を挙げて褒めてよいものかどうか戸惑うのですが、これが『片腕マシンガール』の井口監督の味。クセになりそうな自分が怖いです。一部が8点、二部が6点、間を取って7点の採点です。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-10-27 19:55:02)(良:2票)
29.  テネイシャスD/運命のピックをさがせ! 《ネタバレ》 
やっぱりジャック・ブラックにはロックがよく似合う。『鬼に金棒』(又は子どもに棒きれ)あるいは、『猫にまたたび』(又は吉田類にホッピー)というべきか。JBがギターを持つと、しっくり来ます。カイル・ガスとのコンビネーションは流石だし、おバカ加減もイイ感じ。そして何より音楽が良かった。ミュージカルかと見紛う程、ふんだんに盛り込まれたロックンロールシーンは、どれもレベルが高く楽しめました。自分はリアルバンドの方の“テネイシャスD”の存在を知らずに映画を観ましたが、ノープロブレムでした。悪魔とのロック対決への持って行き方や、オチの付け方も上手いと思います。活き活きとしたJBを観られて満足しました。ただ劇中での大麻の扱い方だけは、どうにも受け入れ難い。カリフォルニア州は米国の中でも大麻に寛容な地区とのこと。現実に大麻は生活に入り込んでいるのかもしれないけど、アングラなものはひっそり扱って欲しいと思います。自分が監督だったら、マリファナの代わりに“緩衝材のエアクッション”を使うかな。あれでも結構トリップできますよ。勿論、悪魔の角は「無限ぷちぷち」で。
[映画館(字幕)] 6点(2012-06-13 19:39:19)
30.  伝染歌 《ネタバレ》 
(冒頭からネタバレあります。未見の方はご注意ください。)  不遇な死を遂げたシンガーソングライター五井道子。彼女が自作した「僕の花」という歌が歌われる度、まるで呪文のように彼女の霊魂は呼び寄せられた。そして彼女は歌った人間の自殺願望を叶えてあげたのです。これが「歌うと死ぬ伝染歌」の正体。あんずの台詞にあるとおり、伝染歌は“歌うと死ぬ”というより、“死にたい者が歌う”が正しい。でも、それは道子の本意ではなかったと考えます。彼女は一家心中を図った父親から、少女を救うためにその身を犠牲にした女性。誰かを呪う意図はありません。彼女に在ったのは絶望。作品(歌)を盗まれた事に対する深い悲しみだけでした。少女を助けるためとはいえ、結果的に自殺した道子。その魂は成仏出来ず、絶望を抱いたまま現世をさまようことに。歌に導かれた道子の魂が、自殺希望者の絶望に呼応した。彼女は乞われるまま、幾度となく自殺希望者の頭上にその身を投じ続けます。自殺幇助の無間地獄。歌った当人が自覚しない小さな自殺への欲求まで叶えてしまう、不幸な死の連鎖です。これを断ち切るには、道子の絶望を解く必要がありました。彼女に命を助けられた少女=夏野あんずが道子の死の真相と向き合い、生に感謝して「僕の花」を歌う事でやっと道子は救われました。これが本作の“あらまし”と解します。秋元康原作のホラーといえば『着信アリ』。本作も同じようなトホホなホラーを予想していたのですが、良い意味で裏切られました。トンデモ系雑誌『MASAKA』の編集長、堀部(元K2)と遊人(エロマンガ家と同名異人)の胡散臭さが、AKB48の素人臭さと絶妙にマッチ。時間を巻き戻したり、カメラアングルを切り替えたりする演出も凝っており、作品には独特の空気感がありました。現在の大ブレイクしたAKBでは、このアングラな雰囲気は作り出せないと思います。アイドル映画としては異色ですが、自分は気に入りました。意外な掘り出し物を見つけた気分です。
[DVD(邦画)] 7点(2012-06-04 22:14:55)
31.  デビル(2010) 《ネタバレ》 
密室はミステリーの大定番。とりわけエレベーターは私たちの最も身近にある密室の一つです。数多くのミステリーやサスペンス映画に採用されてきた優秀な舞台設定。エレベーター自体が人を襲うなんていうブッ飛んだホラーもありましたが(邦題『悪魔の密室』又は『ダウン』)。密室形成が簡易であること、高所に吊るされている不安定な状況、形状から来る閉塞感といった長所を有する反面、その極狭のフィールドゆえ展開や可能性が限定されるという短所も併せ持っています。優秀な作品は洩れなく長所を活かしていますし、イマイチな映画は短所を克服できていない印象があります。本作の場合は、後者に該当すると感じました。本来は正統派のオカルトホラー。サプライズを狙った映画でない事は明白ですが、それでも人間犯行説が早々に潰されてしまうのは脚本上の欠点であると考えます。例えば、“ある女の殺害をカモフラージュするために仕組まれた連続殺人だ!”との推理が披露されますが、それを納得する観客はいません。わざわざ故障中のエレベーター内で殺人を敢行する必然性など皆無なのですから。そういう意味では、このウィークポイントを補えるアイデアがあれば、傑作に化けた可能性はあると思います。基本となる物語の骨格は骨太でした。結末はシャマラン監督らしく人間愛を感じさせるもの。あの男に対する赦しは、主人公自身に対する赦しでもありました。復讐大好き韓国映画では、あのような結末は望めないでしょう。
[DVD(字幕)] 6点(2012-03-01 22:51:12)(笑:2票)
32.  デコトラ★ギャル奈美 《ネタバレ》 
砂浜や河原で「お宝」を探すのが好きでした。砂に埋もれたキレイな貝殻、石ころの中のガラス片。一般的な価値はなくとも、子供の自分にとっては紛れも無く宝物でした。大人になった今、B級映画鑑賞に精を出しているのもその延長という気がする。膨大な凡作駄作の中から、自分だけのお気に入りを見つけ出す楽しみ。果たして本作はどうだったのか。2分で考えたプロット、2時間で仕上げた脚本、演技指導にかけた時間はゼロ。そんな雰囲気プンプンのザッツB級映画。いやC級以下か。それは間違いない。でもまったく駄目ってワケでもない。少なくともエロは頂戴した。結構な美乳を揉みしだいてもらった。そして何よりキャラ設定が気に入った。無理してつっぱてる主人公、そんな彼女にホの字のダサ男。ちょっとお馬鹿な弟子志願。愛せるタイプのキャラが揃っていると、難があってもイライラしません。主人公の弟子になりたいサセ子の必死さ、奈美とダサ男の初情交の甘苦さ。一瞬垣間見える心震わす何かに、道路に落ちている王冠くらいの“キラリ”は在った気がする。それだけに結末を安易なお涙頂戴にしてしまったのが残念でした。サセ子が、ただ可哀想な人になってしまった。処理しきれないドラマに手を出すくらいなら、平凡な人情喜劇の方がずっといいのに。カーチェイスシーンの使い回し、子供も騙せないふざけた展開、安普請もいいところです。でも受け入れてしまえばそこそこ楽しめる。人間の適応力に感謝したい。住めば都。口に入ればご馳走です。何十億円もかけた超大作に文句が言いたくなったら、肥えた目をダイエットしましょう。キャビアに飽きたら、とびっこ食っとけってね。本作はそんな映画です。
[DVD(邦画)] 4点(2011-08-25 21:46:54)
33.  テキサス・チェーンソー
(オリジナルを鑑賞したため、本作を再鑑賞しました。感想を書き直します。)脚本だけを比較するなら本作の方が出来はいい。オリジナルの説明不足を補い、設定の不具合を修正し、強化しています。例えば親父。ガススタンドのオッサンより、警官の方がずっと厄介でしょう。レザーフェイスの家族の体裁を整えた事で、より狂気性が増しました。被害者の顔をお面にして被るアイデアも悪くないです。リメイクとして正しいアプローチだと思います。ただし、『悪魔のいけにえ』に限って言えば、この手法は間違っていたと考えます。例えば熱烈なファンを持つラーメン○郎。体に悪いからといって脂を減らしたらどうなるか。頑固で有名な○野ラーメンの親父が丸くなったらどうでしょう(コレはいいのか)。欠点がすなわち長所となっている場合の修正は至難の業です。リメイクで再現すべきは、オリジナルが持っていた不条理さを特化することだったと思います。ホラーは、優等生ではつまらない。
[DVD(字幕)] 5点(2010-09-27 20:21:38)(良:2票)
34.  ディセント2 《ネタバレ》 
物語の基本構成(危機状況の作り方・話の組み立て)は前作の方が洗練されていると思います。ただ、前作は前半が上質なサバイバルサスペンスだったのに対し、後半はまるっきりB級モンスター映画。その落差に自分は落胆し、良い印象を持てませんでした。そこで続編となる本作。前作の余白「ぜんぶ主人公の妄想でした」という可能性を完全否定するデリカシーの無いアプローチに若干の反感を覚えたものの、結果この開き直りが吉と出た気がします。モンスターパニック映画として面白かった!それはひとえに徹底していたから。観客が生理的に嫌悪するであろう“痛い”“汚い”をとことん重ねました。精神は崩壊寸前、血と汗と糞が入り混じった臭気に意識は朦朧。観客を極限状態に追い込むことに成功しました。だからこそ、最後の最後で友情を取り戻したサラとジュノ、2人の心に共感できたのだと思います。絶望のサラが発した希望を繋ぐ雄叫びに震えました。前作と違い、作中で生還者が出たことも良ポイント。でも、あのオチはどうかと思います。後味の悪い映画は山ほどありますが、これほど脈略の無いのも珍しい。地底人の存在を隠しておくために、生還者を出す訳にはいかなかった。そんな続編製作への伏線が透けて見えるようです。そんなところに気が回るくらいなら、あのオッサンの素性について説明してくれよと言いたい。最後に味噌は付いたものの、後半の仕上がりは上々。後半失速した感のある前作よりも好印象でした。前作と本作、続けて観ると両方とも評価が上がるタイプの映画だと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2010-08-20 18:00:04)(良:1票)
35.  デス・レース(2008) 《ネタバレ》 
大迫力のカーレースに興奮し、復讐劇のカタルシスに酔いました。娯楽作品として手堅く計算されており、かつコンパクトに纏められていると思います。この手のバイオレンスアクションを好む人ならば、問題なく楽しめるでしょう。レースシーンは上等。アングルやカメラワークは若干煩わしいと感じるものの、臨場感は抜群でした。レースのルールも判り易く合理的で、各車に搭載したギミックの数々もマル。もう少し戦略的なバトルを観たかった気もしますが、取り立てて不満はありません。復讐も腑に落ちる結末でした。まるでジェイソン・ステイサムのボディのように、贅肉のないつくり。ただ難点を挙げるとすればその部分です。キレイ過ぎた。上手くまとめ過ぎた。本作の趣向を考えれば、ドラマが弱いのは仕方がないと思うものの、殺された奥さんの扱いが可哀相でした。結果的に主人公は、ブサイクな(失礼)古女房とおさらばして、ピチピチナイスバディのイケてるお姉ちゃんを手に入れた訳です。何となく後ろめたい。後日談を全部カットするか、あるいはお姉ちゃんより奥さんを圧倒的にイイ女にしないと、この背徳感は拭えません。バイオレンスに不釣合いな爽やかな余韻が良かったのか悪かったのか。本作とは設定が異なるというオリジナルも観てみたいです。
[DVD(字幕)] 7点(2010-08-11 18:38:07)(良:1票)
36.  テケテケ2 《ネタバレ》 
(核心部分のネタバレあります。未見の方はご注意ください。)囲碁でAを打ってからBと打つべき局面で先にB、次にAと手順を逆にすることを「手順前後」と呼びます。これは、ほとんどが悪手です。結果的にAとBを打つのだとしても、その順番には意味がある。手順はモノの筋道であり、指し手の理念。冒頭で前作のヒロインがテケテケに殺されるのですが、これが酷い手順前後でした。“赤色の露見→テケテケに襲われる”と“テケテケに襲われる→赤色の露見”では意味が異なります。インパクトのあるのは後者。でもそれでは道理が通らない。案の定、前作で取得した重要なルール「赤色を身に着けていると襲われる」が本作では無視されてしまいました。これでは続編として立つ瀬がない。もっとも、そんないい加減なところも都市伝説らしいと言えますが、それなら伝説の面白解釈をもっと頑張って欲しかった。襲われる人間の名前に着目したのは良いとしても、肝となる「呪文を唱えると助かる」の解釈を放棄したのは失敗です。何故男の呪文は効かなくて、女子高生の呪文は効いたのか?是非真相を知りたい。仲村みうの上半身が不自然に起きていた時点で、その後の展開は予想されたものの、“何故そうなるのか”は不明。名前が似ていたから?それだけ?ちゃんと肉付けすれば面白くなりそうな題材なのに勿体ないです。前作に比べて殺戮シーンが増えたのはエンタメ的にプラスですが、被害者がみな無用心で緊張感が希薄なのはマイナス。さらに女子高生ボスの殺され方が一番のお楽しみなのに、どう殺されたのか判り難いのもマズかった。前作は「悪くなかった」、本作は「良くないな」という印象。「アートポート製作の2部作は右肩下がり」という法則が自分の中で出来つつあります。1作目しか観ていない『クレーマー』シリーズの2作目も確認のために観てみようかな(苦笑)
[DVD(邦画)] 4点(2010-06-09 18:09:09)
37.  テケテケ 《ネタバレ》 
邦画ホラーは本当にハズレが多いので、この出来なら自分は及第点を付けられます。ただ、もう少し何とかならなかったものかとも思う。難点は後半部の脚本の粗さです。『リング』よろしく、テケテケの死の呪縛から逃れるため、解決策を模索する主人公たち。手をこまねいて死を待つのではなく、生き延びる努力をするから緊張感が生まれます。結構ドキドキしました。だからもう一歩、感情移入するための工夫が欲しい。問題解決までの道のりを丁寧に描いて欲しかった。棚ぼた方式で難問の答えが見つかったのではツマラナイです。テケテケが人を襲う理由もいまいちグッと来ません。都市伝説のオモシロ解釈もお楽しみの一つでは?グロテスクな殺傷シーンを極力抑え、クライマックスの“真っ二つ”にインパクトを与える演出プランは悪くありません。でも折角グラマラスな女優さんを血祭りにあげる訳ですから、その肉体的魅力を事前にアピールしておかない手はありません。真実ちゃんにはセクシーな衣装を着せてあげてください。下世話なところもB級ホラーには必要です。そういう意味では、もっとガツガツとスプラッターシーンを放り込んでも良かったかもしれません。予告編を観る限り、『テケテケ2』はそんな映画っぽいですが、同じアートポート製作の2部作・『制服サバイガール』を鑑みると、2作目の方の出来が芳しくない傾向にあるようです。(またもや仲村みうが主役級ですよ!)『テケテケ2』観ようか観まいか、悩むところですな(嘘)。
[DVD(邦画)] 6点(2010-06-06 19:10:22)(笑:1票) (良:1票)
38.  鉄コン筋クリート 《ネタバレ》 
子供の頃、宮崎駿の『未来少年コナン』や『カリオストロの城』が大好きでした。いや愛していました。今もそれは変わりません。ロマン溢れる物語もさることながら、あの“動き”に魅了されたのだと思います。「コナンの足の指掴み」とか、「ルパンの大ジャンプ」とか。思い出しただけでワクワクする。物語世界の中で自分も一緒に走り回って跳び跳ねました。その感覚に近いものを本作から感じ取りました。縦横無尽に街の中を疾走するシロとクロ。まさしくネコのよう。これがもう楽しくて楽しくて。常職の垣根を越えたアクションに脳が喜びました。それは終盤、クロの内面世界に突入しても継続します。今度はイメージの渦に飲み込まれる。ゆっくりと闇に心が奪われていく。絵に侵されていくような感覚。“アニメ”という手法が持つ武器を最大限に発揮していると感じます。これはもうホントに素晴らしい。かといって、派手な要素のみが優れている訳ではありません。ちゃんと人が演技をしている。ドラマがある。人間の役者顔負けです。あのアクの強いキャラクターに魂を宿すのだから大したもの。そう、声優も良かった。特に蒼井優。声質がたまらなく魅力的です。「こちら地球星シロ隊員。応答どーじょー」頭の中でリフレインしています。その他声優素人さんの淡白な声も世界にマッチしていました。メッセージもしっかり胸に届きましたよ。文句なし。これぞ魅せるアニメーションです。『マインドゲーム』に引き続き、またしてもスタジオ4℃にやられました。
[DVD(邦画)] 9点(2009-07-16 21:18:12)
39.  転々 《ネタバレ》 
三木監督の笑いは、少々自分には過度だったりします。結構グロかったり、頻度が過多だったり。物語のテイストはユルくても意外と疲れます。でも本作は違った。相変わらずユルいのだけれど、ちょっと質が異なるような。序盤は戸惑いがちだった今までの作品と比べて、冒頭からとても心地良く観られました。作品全体が本当の散歩のような空気感。リラックスしているので小ネタがバンバンはまるのです。クスッ・ニヤッ・爆笑の連続でした。三木作品の中で一番笑いました。肝心の物語はどうか。最初から明確に提示されていたとはいえ、あまりにもあっけない結末。エンドロールを眺めながら、物足りなさを感じました。起承転結の結が抜けている。句読点の句点が打たれていないような。エンドロール後、ワンカットでもオダギリの表情が写されていたら納得したと思います。彼がまた歩き出してくれたら、スッキリ出来た気がする。でも最後に映されたのはお馬鹿トリオのどうでもいいお話。ゴム臭いのは最初から分かってますって。ここに来てこのスカシ。でもこれこそが三木聡イズム。本作はいわばファンタジーです。主人公が過ごしたこの数日間は夢と何ら変わらない。こんなに都合の良いことは現実にはありません。福原が去って目覚まし時計が鳴りました。さてどうしますか?これから彼は“今”を生きるのか。それとも小泉の元で夢の続きを見るのか。主人公がどんな道を進むのかヒントさえ出ないまま終わる。なんて不親切なんでしょう。でも人生はそんなもの。夢を見るのは自由だけど、時間は無限ではありませんよ。何処へ向かうかは自分で決めてね。誰にも当てはまる痛烈な真実を突きつけてきます。本作のテイストには相応しくない“福原は人殺し”という設定もそのために在ると思えば納得です。彼に、私たち観客に、「逃げる」選択肢を与えないため。転々とお散歩。楽しいね。でもいつか終わる時がくる。だからなるべく笑って歩きたい。
[DVD(邦画)] 10点(2008-11-14 19:23:06)(良:4票)
40.  デート・ウィズ・ドリュー 《ネタバレ》 
ご指摘のレビュワー様もおられるように、雰囲気はモーガン・スパーロックのドキュメンタリーのよう。でもかの作品のように洗練されていません。展開に戦略性が足りない。本当に素人が行き当たりばったりで撮ったみたいです。ドキュメンタリー映画としての完成度は決して高くありません。でも、心に響きました。観終わって不覚にも涙しました。半分は頑張った主人公に感動して、半分は彼が羨ましくて。“リスクを冒さないのは、人生の浪費だ”その言葉が胸に刺さりました。若い頃は金もないし、地位もない。守るべきものなんてありません。裏を返せば何でも出来るということ。誰でも知っています。でも実践は意外と難しい。周りの顔色を窺って、ちっぽけなプライドを守って、当たり触らず生きてきた自分を呪う。人生、一度くらい無茶しなきゃ。当たらなくてもいい。とりあえずバットは振っておかないと。主人公(監督)が、この“冒険”で手にしたのは何か。お金?自信?業界へのコネ?いや違う。彼が手にした最大の宝物は、「死ぬ間際にニッコリ出来る権利」だと思いました。彼がこの先、悲惨な人生を歩んだとしても(失礼)、この冒険譚は彼の心を満たしてくれるはずです。自分はこの権利を手にするために生きている気がする。よーし、明日から毎日長澤まさみにファンレターを書くぞ! ←コレは違う。
[DVD(字幕)] 8点(2008-09-19 21:21:10)(良:1票)
030.13%
1110.49%
2311.38%
3994.39%
41587.01%
540918.15%
649722.06%
749021.75%
836616.25%
91446.39%
10452.00%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS