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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1252
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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21.  殿、利息でござる! 《ネタバレ》 
劇中では特に説明がないが、黒川郡吉岡は伊達家重臣のいわば城下町のようなもので、そのうち町人町に当たる部分が吉岡宿である。遠景で小山が何個か固まって見えるところは「七ツ森」と呼ばれており、これが景観的にこの場所であることを印象づけている(ちなみに仙台からは反対側が見える)。現実の吉岡宿が映像に出たような場所だったかは不明だが(もっと街が大きい、家々の裏手に山林はない)、最後に現在の風景など出して連続性を感じさせるようにはなっていた。 全体としては気楽に見られる内容になっており、特に序盤では、都合の良すぎる展開を笑いに転化してスピーディにこなしていたのがよかった。終盤になるとまた極端に都合良すぎの展開になって、何から何までいいことづくめで終わったようだが、主人公が数年後に亡くなってしまったのは事実らしいので、それ以外の部分が完璧ハッピーエンドであることも気分的には正当化される。ちなみに個人的に泣ける場面などは特になかった。 キャスト面では、役柄との関係で印象深かったのが松田龍平と千葉雄大で、うち大肝煎様はまるきり年齢不詳に見えるのが面白い。ほか「暗殺教室」で見たはずの山本舞香という人がどこにいるか意識しないまま終わってしまったが、自分が気づかなかっただけで実際は結構目立っていた。  ところで江戸時代でも「大名貸し」自体は普通にあったことだろうから、相談しただけで処罰というのはコメディらしい誇張ではないか。それより劇中の事例が特徴的なのは、各種事業者が共同で地域全体の共通利益のために行ったという点であって、今でいえば商店街とか温泉街の維持発展のために事業主有志が尽力するようなものだろう。劇中の例では結局、資産家の個人的な人徳に頼る形になっていたが、「無私」などとあまりご立派なことを言わずに、われ人ともに栄えるという志をみなが少しずつでも持とうということであれば、現代にも十分通用する話と思われる。 しかしこれが実際に貸付金だったのか出資金のようなものなのか、あるいは献納を条件に実質的な交付金が出るようになったのか、というあたりは何となくごまかされたような気もした。そもそも主要街道(現在の国道4号)の伝馬を運営するための対策が、伊達家直轄領と家臣の拝領地で統一的に行われていないことが真の問題だった気がするが、まあ大昔の幕藩体制に今更もの申しても仕方ないので、今も昔もやるべきことは初めからちゃんとやりましょうという話である。
[映画館(邦画)] 5点(2016-05-28 14:11:06)
22.  都市霊伝説 幽子 《ネタバレ》 
学園ホラーのような感じで特に凝ったところもないようだが、映像・音響面の印象が良好で雰囲気としては悪くない。 ストーリーとしては何がどうなっていたのかよくわからないところもあるが、最後に主人公が題名の人物(本名は夕子)を受け入れてやろうとした行動は少し意外だった。この決着のつけ方が当初の事件の背景を暗示していたようでもあり、また終盤からエンディングにかけての意味不明な映像は、主人公が夕子を抱いたまま火葬炉に入ったと取れなくもない。ほかに各種の疑問点が残るが(成人の役者と子役の人数が一致しない、一人だけ同意書に署名していないなど)、意図的なものかどうか不明のためあまり突っ込んで考えないことにする。  ところで自分がこの映画を見た動機は女優のキャスト順で1番目の人を見るためだったが、前年の別のホラー映画であまりにかわいすぎる演出だったのに比べると今回はそれほどでもなく、普通にすごくかわいいという程度である。この人を含めて、この映画では若手女子が6人も揃っている点が大きな見どころになりそうなものだったが、実際問題としてはやかましい連中という印象の方が強かった。 そのほかDVD特典によれば、夕子の中の人も当時17歳程度の若年女子だったようである。劇中の目だけ見てもこれはやはり女の子だなとは思うわけだが、実際に素顔を見ると、この相手なら主人公の最後の行動もありえなくはないと思ってしまう。  なおどうでもいいことだが、劇中の児童がプールで死んだのを見ると否応なしに「告白」(2010)とか「麒麟の翼」(2011)を思い出させられる。この映画は殺された本人が復讐する話であるからごく自然な展開であり、また隠蔽した教員が最初に死んだのも真っ当な因果応報ということになるだろうが、それが前記映画のようなメッセージ性につながっているわけでもなく、単に思い出させられて終わりのようだった。
[DVD(邦画)] 5点(2015-06-29 19:30:36)
23.  東京喰種 トーキョーグール【S】 《ネタバレ》 
基本設定が間違っているというのは前回書いたのでいいとして、また変に被害者ぶるのが気に食わないが聞かなかったことにするとして、今回は変態男の変な生態や変な欲望の描写が長いのでダレる。それぞれ持っているはずの武器のようなものもほとんど一瞬出るだけで、基本はただのアクション映画になってしまっていないか。あらかじめ原作段階から馴染んでいる人々が見て、ここは違うとか突っ込みを入れるための映画という印象だった。 出演者に関しては、いたいけな少女(今回少し大人っぽく見えた)は序盤で顔を見せただけで退場してしまい、また前回は古畑星夏さんがやっていた役も別人になってしまっている。呆れたのは、今回は佐々木希が少し活躍する場面があるのかと思っていたら出てもいなかったことで、それなら前回の顔見せは何だったのかと思ったが、考えてみれば当時もプライベートでいろいろ忙しかったからか。 なお山本舞香という人は、本人がけっこう硬派なタイプとのことでこういう役も向いているということらしいが、顔を見ればやはり可愛いのはいいことだ。またその友人役の森七菜(もりななな?)という人も、フレンドリーでちょっと煩わしい普通の女子になっていて好印象だった。やはり友達は大事にしよう。  ちなみに雑談として、偏見かも知れないが個人的感覚では、12星座のうちで最も格好悪いのはカニ座だと思っていた。カニ自体に罪はないわけだが、多くの人がカニといえば食い物としか見ていないような気がして(自分の周囲だけか?)、例えば自分は獅子座だ、というほど誇らしげに言えない。食い物というより先に、生き物には生き物としての敬意を持つことが必要だ。
[インターネット(邦画)] 4点(2020-06-13 08:57:02)
24.  時時巡りエブリデイ 《ネタバレ》 
カワイイ系女子が出ていないので事前の期待が高まらなかったが、主演の鳥居みゆきという人は独特な雰囲気で悪くない。また仁後亜由美という人が「かしこい狗は、吠えずに笑う」(2013)に出ていたのは最近見たので覚えていたが、覚えていたというだけで親しみがわくわけでもなく冷ややかに見ていた。それでも結果的には「なんだとー」という台詞が心に残った。 タイムリープの濫用で問題が起こるのは「時をかける少女」(2006)でも見られたが、今回はやっているのが女子高生でもなく可愛気もないため気分が乗らない。時間遡行に関する基本設定はよくわからなかったが、こういうのは真面目に考えるだけ損をする予感があるのでこだわらないことにする。主にタイミングの関係で突発的に笑わされる場面はあったにしても、基礎的なところでそれほど面白いと思わなかったので、平均点を落として大変申し訳ないがそれなりの点数にしておく。要は個人的に合わない映画だったということだ。 なお主人公の居住地は都市部だか農村部だかわからない微妙な生活環境で、映像的にもしょっぱい感じの印象を出している。撮影場所はよくわからないが、少なくとも主人公の家があったのは埼玉県草加市(東京都足立区に隣接)である。また登場人物同士が衝突した自販機のある場所は東京都板橋区だったようで、大体そういうところで撮影していたものらしい。
[DVD(邦画)] 4点(2019-08-17 09:56:51)
25.  東京喰種 トーキョーグール 《ネタバレ》 
原作は人気マンガだそうだが、少し前に見た「寄生獣」の映画版とどこが違うかわからなかった。「寄生獣」の方はまだしも原作段階で当時なりにいろいろ考えていたようだったが、この映画は特に考えもなく上っ面だけ似せたように見える。 キャストに関しては、序盤の蒼井優は黒木華の物真似かと思った。また古畑星夏さんは、自分が見た限り昔から毎回違った顔で出る人で、女優としての固有イメージがないように見えるのはいいのか悪いのかわからない。相田翔子という人は、既にそれなりの年齢のはずだがいまだにかわいく見えるのは大変よいことだ。なお佐々木希はどこに出ていたのかわからなかった…というか薄々気づいたが同定すること自体に意味を感じない。次回は活躍の場があるのかどうか。  ところで、人間同士であればたとえ敵対関係でも妥協の可能性はあるが、人間を食わなければ生きられない生物とは妥協も共存もありえないのであって、人間側が向こうを絶滅させるか、人間側が家畜化されるまでは闘争が終わらないことになる。劇中の哀れっぽい母子は同情を誘うが、自分や身内を食わせてまでこの母子を養う義理は誰にもない。それは生物として当然のことである。 そういう設定にもかかわらず、登場人物が「正義」「倫理」「罪」といった善悪に関わる言葉をやたらに口にするのは理解不能で困った。もともと善悪の観念というのは人間が平和的に共存していくためのツールであって、共存できない生物に善悪を説いても意味がない。向こうの立場でいえば、いたいけな少女が「これ、やっぱりいけないことだよね」と思う必要も全くないのであって、目玉が栄養になるなら食えばいいだろうが、人間側としてはそんなことは許さないというだけのことである。 ちなみに個人的感覚としては、「正義」という言葉を出すからにはその「正義」を相対化して無意味化することで、社会が押し付ける正義を否定する方へ話を持って行きたいのだろうと思うわけだが、そもそも善悪の適用できない問題では何を言ってもどこにもたどり着けそうな気がしない。「この世界は間違ってる」とのことだが間違っているのは基本設定の方ではないのか。 噂によればこの映画では原作の3巻くらいまでしか行っていないそうで、次回はまた違った展開があるのかわからないが、最終的には万人が納得のいく収め方を考えているのだろうと思っておく(特に期待はしない)。
[DVD(邦画)] 4点(2018-10-25 20:42:01)
26.  都市霊伝説 心霊工場 《ネタバレ》 
心霊を製造する工場の話だとすれば斬新なアイデアだと思ったら違った。 大まかにいえば心霊のいる廃工場を訪れた連中が破滅する話で、いわばスタンダードな邦画ホラーである。全体としてそつなくできた印象はあまりなく、個別の台詞や人物の動作が不自然で引っかかる点もなくはない。ドラマとしては編集者同士の確執と姉妹の情愛の二本立てのようだったが、それ自体が大して心に訴えるところもない。こういう場所にわざわざ行く連中は本当に馬鹿だと思うが、哀れとかとか思わなくて済むので気は楽だ。ただ、こんなことでリーダーシップを求められる会長というのもしょうもない役職だとは思った。 ホラーとしても別にどうということはなく、何かに引きずられる、便所に籠るというのは定番である。しかし内部に夫婦者のようなのがいて、暗いところで密談していたあたりは悪くない。また何か良からぬことが起こっているのを音で暗示する場面があり、クラクションとか固定電話とか救急車などはありきたりの部類だが、たまたま近くにいた男が別件で怒鳴り始めたのは日常に紛れた凶兆の表現のようで面白かった。  登場人物としては、姉役の深月ユリアという人が本物の魔女?とのことで存在感を出している。時々説明なしで呪文を言っていたようなのは何語だったのか(ヘブライ語? アイヌ語? ポーランド語?)。また色っぽい編集者役の大塚麻恵という人は他の映画でも見たことがあったが、現在は結婚して別の方面にも活動範囲を広げているらしい。メイキングで大あくびしていた石原あつ美という人が実質的な主役に見えたが、ほか編集部に残っていた男女や便所ペアの扱いなど見ていると、とにかく若い役者に出番を用意しようという意図をもった企画なのかと思った。
[DVD(邦画)] 4点(2018-09-07 22:12:26)
27.  トリハダ -劇場版2- 《ネタバレ》 
ホリプロ所属タレントを主に使ったオムニバスホラーである。前回見てくだらないと思ったにも関わらずまた見るというのもどうかとは思うが、女優目当てで見ているわけなのでやむを得ない。 今回も個別エピソードが6話のほかに全編通しの石橋杏奈編があり、これが他エピソードとも関連付けられた形になっている。超常現象に頼らないというわりに荒唐無稽で絶対ありえない話になっているのも前回と同じで、おそらく「今回はラブホ」「今回はキャバクラ嬢」といった設定が先行でストーリーは後付けだろうが、どうせ作り物ならラブホの話のように小噺的なオチを付けた方が単純に面白い。また似たような構成要素を繰り返し使うのが惰性的に見え、せめて劇場版一つの中で複数回使うのはやめてもらいたいと言いたくなる。 ただし今回は石橋杏奈さんが全編の主役のため、自分としてはどうしてもこの人の姿に目を引かれてしまって見るのを途中でやめられない。前回の主役が悪いわけではないが、個人的にはこれでかえって今回の満足感の方が高かった。また今回は笹野鈴々音さんの「がまんできないよー」というのに笑った。そのほか、佐津川愛美さんが前回よりかなり細身に見えたのが少し意外だったが、こっちの方が本来あるべき姿なのかも知れない。
[インターネット(邦画)] 4点(2016-09-12 20:14:19)
28.  トイレの花子さん 新劇場版 《ネタバレ》 
主演女優が好きなので見た。特別の美少女ではないが普通に可愛らしくほんわかして和む顔である。エンディングの歌も本人が歌っており、この曲自体は元気がよくて爽やかでいい感じだが、ただし本編の内容とは全く合わないので呆れる。 この人を見るだけで自分としては十分だが、本編についても一応書いておくと、まず途中までの雰囲気は悪くなかったが、しかし結局最後は包丁を持った女とか貞子風のバケモノを出さなければ済まないと思っていたらしいのは失望する。また最初は学校内のいじめが問題になっていたので、これに関わった連中が一人ずつ死んでいくとかなら勧善懲悪的でよかったと思うがそうでもなく、いつの間にか家庭の問題に移行してしまったのは残念なことである。人知れず葬られた無戸籍児を怪異の発端に位置づけること自体はいいのだが、基本は学校の怪談なのだから、ストーリー全体がずれた方に行ったように見えるのはよろしくない。さらにいえば、そういったビギニング的な内容にするにはこの話自体が古すぎる。大昔からある著名な怪談を劇中人物が誰も知らず、まるでこの場が発祥地だったように見えるのは異次元世界のような印象があった。 ほか特に言いたいのはラストがこれではあんまりだということだが、その直後に前記エンディングの歌が出て元気よく爽やかに終わるので、まあこれはこれでよかったということにして、とりあえず主演女優と主題歌に若干加点しておく。人も好きだが曲も好きになってしまった。みんなに聞いてもらいたい。
[DVD(邦画)] 4点(2015-09-20 10:23:21)
29.  ドラキュラZERO 《ネタバレ》 
15世紀の史実と小説「ドラキュラ」から少しずつ要素を取り入れて、あとは勝手にストーリーを作ったような形である。 ヴラド公の生地は実際にトランシルヴァニア(ルーマニア北部)であり、オスマン帝国に人質に取られたのも事実だが、同地の君主という設定にしたのは小説に合わせたものである。史実としては隣接のワラキア(ルーマニア南部)の君主であって、メフメト2世の大軍を迎え撃ったのもここである。このメフメト2世も歴史上の著名人のため、終盤の対決の場面ではどちらも死ぬはずはないと思っていたらメフメト2世がやられてしまったので驚いた。ここで死んだのだとすれば、これが史実からの最大の逸脱ということになる。またDraculaの意味について、映画の序盤でSon of the Dragon、終盤でSon of the Devilと言っていたのは、実際に両義性のある言葉だったのをストーリー展開に合わせて使い分けたもので、これは少し感心した。 そのほかラストで現代に飛んだ場面はロンドンだったようだが、これは小説の内容がロンドンにドラキュラが来るストーリーだったことによるもので、ここで女性の名前がミナだったのは小説の登場人物と同じである。 長くなったが考証的なコメントは以上である。  それでストーリーに関しては、一応まとまったお話ではあるがダイジェスト感が強く、意味不明な人物や事物が目につくほか特に序盤の展開が急で、あっという間に大軍が攻めて来るので呆れてしまう。ドラマ的にも薄味で、現実問題として息子を人質に出すのが当時としてそれほど過酷だったか疑問なため、悪魔と契約してまでの反抗に至る動機に全く共感できない。ラストは時代を超えて二人の魂が共鳴し合うといったところだろうが、それで特に心が動かされるようなものでもない。 結局は映画の中身自体より、この時代のこの地域の歴史を扱っていることが個人的に興味を引くというだけのものだった(デタラメだが)。ちなみに本物のワラキア公ヴラド3世は、敵兵だけでなく自国民も他国の一般民も必要があると思えば串刺しにする恐ろしい君主であり、庶民感覚で共感できる相手などではなかったろうと思われる。
[DVD(字幕)] 4点(2015-05-23 20:44:30)
30.  トリハダ -劇場版- 《ネタバレ》 
TV版は見たことがないが、知っている女優が多数出ているからという理由でこの劇場版を見た。しかし何か小手先だけで作ったようで個々のエピソードにほとんど面白味が感じられず、何となく終わってしまってだから何? と言って見るのをやめてしまいそうになる。題名が変に小難しそうに付けてあるのも痛い感じである。 また超常現象は起きないとかいう制約を自ら課しているようで志が高いのはわかったが、その割に常識的に起こりそうにないことを簡単に起こしてしまうのでは意味がない。個人的には邦画ホラーとか怪獣特撮映画とかスペースファンタジーアニメとかを見慣れているので少々荒唐無稽でもいちいち咎めないが、そういう視聴者の寛容さに頼るようなのは困ったことである。 以上のようなことで不満ながらも結局は最後まで見てしまったが、それは各エピソードに出るホリプロ所属女優への期待感があったからである。特に最後の白羽ゆりさんが延々と一人芝居しているようなのがよかった。ほか全編を通じて音が静かなのは好印象で、劇中やエンディングでもバロック音楽など使っていたのは格調高い。
[DVD(邦画)] 3点(2016-01-26 00:17:11)
31.  トワイライト ささらさや 《ネタバレ》 
何がどう面白くなかったか考えるのも面倒だが、とりあえず全てが表面的で笑えもせず泣けもしない。ご近所のご婦人連中は薄っぺらで宿屋の息子も秩父鉄道の駅員もバカのため、舞台になっている町の暖かみというようなところに全くつながらない。また子どもの祖父の人物像に納得がいかず(この人は本当はいい人だったんですかそうですかふーん)、主人公が言っていた“子を持って初めてわかる親心”というような共通テーマもわかってやろうという気にならない。個人的には非常に残念な映画だった。  なお見ていて気づいたが、病院で子どもを抱いていた看護師役の女優は、子どもの祖母に当たる人物と二役ではないか? これも心霊現象の一種ということなら、ここにたまたま三世代の全員が集まって、主人公の夫は父親に続いて母親にも抱いてもらい、また祖母も祖父に続いて孫を抱くことができたことになる。この孫を祖母から母親の手に返す形になっていたのは祖父の過ちを正す意味になるだろうが、そういう小細工だったとしても、誰も気づかなければ無意味に終わる。
[DVD(邦画)] 3点(2015-07-15 22:07:28)
32.  トゥルース・オブ・ウォー 《ネタバレ》 
1982年のフォークランド紛争の映画で、原題の「神のみぞ知るアルゼンチン兵士」は無名戦士の墓碑に書かれた言葉を意味している。なお主人公は1963年生まれとのことで、現在なら50代後半になっている。 配給元は派手な戦争映画として宣伝したいようだが、戦争映画としての効用はほとんどない。シュペール・エタンダール攻撃機もエグゾセ対艦ミサイルも駆逐艦シェフィールドも見えず、アルゼンチン巡洋艦ヘネラル・ベルグラーノが撃沈されたことだけ言葉で説明している。少人数の陸軍兵が中心だが、変なところで無駄に発砲して無益な殺生をしているようにしか見えない。 後半は戦後の人間ドラマになり、復員兵の苦しみと遺族の憤りが描かれているが、最後は適当に納得してハッピーエンド風で切り上げるのが軽薄な印象を出している。なお全体として静かな雰囲気の映画だが、それは戦闘場面に金をかけられないのと、当時は国民自身が戦争を叫んで盛り上がっていたことを捨象したからだと思われる。  ところで当時の記憶は不正確だが、歴史的な主張はともかくこの時点では、アルゼンチン側が勝手な都合で一方的に侵略戦争をしかけたようにしか見えなかった。独裁政権の思惑に乗せられて、国民自身が嬉々として志願して負けて帰って傷ついたと泣いているなどアルゼンチン国民はバカではないか、というのが当時の率直な印象である。主人公が「独裁政権と同じ扱いにされてる」と嘆いていたが、自分としても全くそのように思っていた。違うのか。 この映画の立場では、昔のことは独裁政権のせいで国民は専ら被害者という扱いらしく、確かに意に反して従軍した人々がいたなら気の毒だ。しかし、遺族感情を慮って死者の名誉を回復するまではいいとしても、島をわがものにしない限り死者は浮かばれない、というように取れる台詞が入っていたのは共感できるものではない。こんなことを繰り返してはならないと訴えるより、彼らの死を無駄にしてはならない(次はもっとうまくやる)というようなものではないか。少なくとも日本でいう反戦映画では全くなく、逆に国民を新たな戦争に駆り立てかねない映画になっている。 結果的には2010年代以降、現地政府がこの問題を蒸し返そうとしている政治的な動きを反映した国策映画かと思った。植民地主義を糾弾する体なら何をやってもいいことにはならない。自分としては毅然と対応したイギリスの立場を今も支持している。
[DVD(字幕)] 2点(2020-11-28 08:52:05)
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