1. トップガン マーヴェリック
《ネタバレ》 あまりに話題なので、IMAXとかいう超巨大なスクリーンで見てきました。これはすごい。巨大すぎて、役者の顔がアップになると逆に誰だかわからなくなるほど。しかし、さすがに映像と音の迫力は十分。まさにその場にいるように、さながらバーチャル・リアリティを体感しているような錯覚に陥ります。誰もが自宅のテレビで映画を見られる昨今、そうはさせじと映画館が新境地を開いた、という感じでしょうか。しかも空母と戦闘機の発艦・着艦と「Danger Zone」があって、もう冒頭のそのシーンだけで元は取れた感じ。 ストーリーもそこそこ。考えてみれば前作が作られたのは冷戦時代の末期で、唯一最大の敵国ソ連との戦闘は想定しにくかったと思います。だからラストのほうで偶発的に戦闘に発展、みたいなシナリオだったと記憶しています。それに対して今、米国は幸か不幸か敵だらけ。現実に侵攻だの空爆だのミサイル攻撃だの茶飯事です。その意味では、戦闘シーンも描きやすかったのかなと思います。ただ「ならず者国家」と言うばかりで、けっして実在の国家を連想させないように腐心してたように見えましたが。 しかしトマホークであれだけ敵国の滑走路を破壊できるなら、核施設もわざわざ戦闘機で危険を冒さずとも、トマホークでボコボコにすればいいんじゃないかと思いましたが、どうなんでしょう? そして最後、「父の代わりだ」のセリフには図らずもグッと来てしまいました。たまには映画館で見るのもいいものですね。 [映画館(字幕)] 9点(2022-06-24 23:36:00)(良:1票) |
2. ドラゴン・タトゥーの女
「007」も見たことがないし、ヒロインの女優名も知らなかったし、ジャケ写が妙にホラー風だったので敬遠していたのですが、そんな自分の不明を恥じるばかり。紛うことなき傑作でした。何より究極にツンデレなヒロインがいい。終始ピリッとした緊張感もいい。ついでに言えば、かつてTVドラマ「ER」の後半の数年間をほぼ1人で引っ張ったゴラン・ヴィシュニック(ルカ・コバッチュ先生)を初めて映画の中で見ました。チョイ役でしたが。 しかし、他の方も指摘されていますが、初見でストーリーのディテールまですべて把握するのは、かなり難しい気がします。「一族」の構成や「事件」の概要などの説明が早口な会話で展開されるから。私もピンポイントで見直して、ようやく「そういうことか」と納得できました。 そこで疑問に思ったのですが、この作品にかぎらず、映画の制作者というのは、観客の〝読解力〟についてどう考えているんでしょうね。本なら何度も読み返すことができます。DVDやHDDでも同様。しかし映画館で見るとなると、基本的に一発勝負です。観客の超人的な読解力・集中力に期待するのではなく、もう少しわかりやすくなるよう配慮してくれても、バチは当たらないんじゃないでしょうか。(批判ではありません。しかし非常に魅力的な作品なだけに、隅々まで知りたいと思うのが人情でしょう?) [インターネット(字幕)] 9点(2017-09-02 02:24:20) |
3. 扉をたたく人
《ネタバレ》 たいへんな秀作だと思います。派手なシーンは何一つないのに、しかも途中で結末はだいたい見えるのに、最後の一滴(ここが重要)までじっくり味わえました。おそらく低予算ながら、脚本をじっくり丁寧に作り上げれば、ここまでおもしろい作品ができるんだなと。主人公が「開発経済学者」という設定も、ウィットが効いています。それにしても、よりによってシリアとは…。ドラマ上の人物とはいえ、その後の母子の無事を祈らずにはいられません。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2013-04-19 01:13:55)(良:2票) |
4. トゥルー・ロマンス
とても作品の内容に似つかわしくないテーマ曲がいい。有名な役者がチョイ役でゴロゴロ出てきてバタバタ死んでいくのもすごい。「友情出演」的なものでしょうか。ブラッド・ピットだけ意味不明でしたが。 そして何より、暴力というのは人を惹きつけるものだなあと実感。緊張感のある会話や、激しい銃撃戦のワクワク感は並大抵ではありません。これが人間の本性というものでしょうか。あくまでも映画というフィクション上での話ですが。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-07-19 00:55:47) |
5. 突破口!
まったく予想外に傑作でした。追いつ追われつの頭脳プレーもいいが、特に最終盤、クルマと複葉機の小競り合いが秀逸。いわゆるカーアクションやスカイアクションを撮った映画はいろいろありますが、こういう〝異種格闘技〟は初めて見ました。それもカッコいいというより、まるで猫と鳥のじゃれ合いを見ているような感じ。 その直前、モリーが主人公の〝猿芝居〟にあっさり引っかかったり、主人公の準備があまりに周到だったりするのは「?」でしたが、ほぼ全編にわたってよく練られている印象です。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-12-28 02:53:22) |
6. トランスポーター2
まさにB級映画の王道です。終始大マジメな顔をしてバカなことをやっている姿がたまりません。あと瑣末なことですが、面を突き破るほどの竹刀の殺傷能力には驚くばかり。国が違えば、剣道もずいぶんデンジャラスなスポーツになるんですね。日本の文化発信能力に一抹の不安を覚えつつ。 [インターネット(字幕)] 8点(2015-05-15 22:16:16) |
7. トランスポーター
銃撃戦とカーチェイスと格闘と些細な色気を盛り込んだ、娯楽映画の教科書のような作品ですね。どこまでもクールな主人公やご都合主義なストーリー展開を含め、非現実的な世界観もいい感じ。何も難しいことを考えたくないとき、気分転換で見るには最適の映画だと思います。 [インターネット(字幕)] 8点(2015-05-02 21:04:00) |
8. 東京プレイボーイクラブ
昔のATG作品を彷彿とさせる、いい作品でした。どうしようもない登場人物たちによる救いようのないストーリーですが、猥雑な湿気と、乾いた笑いと、全編に漂う絶望感がたまりません。万人受けはしないでしょうが、私は好きです。あらためて大森南朋のファンになりました。ジャニーズとかそのへんのイケメン俳優さんには、絶対マネできないだろうなぁ。 [インターネット(字幕)] 8点(2014-02-02 04:06:18) |
9. トランボ/ハリウッドに最も嫌われた男
なかなか見応えがありました。なるほどトランボとはこういう人だったのかと。バスタブに浸かったまま、酒を飲み、タバコを吸い、タイプライターを打ち続ける姿というのは、なかなか壮絶なものがあります。仕事に対するあれほどの情熱を、ぜひ私にも分けてもらいたいと思ったことが1つ。 ただし、そもそもなぜ共産主義者になったのかがよくわからない。映画産業という資本主義の権化のような業界に身を置き、なおかつそれなりの地位を得ていたようなので、なお不思議です。たしかにちょっと前までソ連は同じ連合国側だったわけで、その間に何かを学んで共鳴した可能性はあります。しかし戦後はきっぱり決別した以上、その時点で共産主義を捨ててもおかしくなかったはず。なぜ捨てなかったのか。 まったくの邪推ですが、もしかしたら本当にソ連共産党とつながっていて、スパイ的な行為や破壊的な行為を働いていたのではないか。そう考えると、逆に当時の米当局や米映画業界が執拗なまでに共産主義者を排斥しようとした理由もよくわかります。映画とは無関係な話ですが。 それからハイライトといえば、やはりジョン・グッドマンがバットを振り回すシーンでしょう。面白いのは、彼はけっしてトランボに対する友情からそうしたわけではないこと。「金づるを奪われてたまるか」という、いかにも資本主義的な行動原理だったように思います。つまり共産主義者トランボは、資本主義によって守られたわけで。作品にそんな意図はないかもしれませんが、つい勝手に妄想してニヤニヤしてしまいました。 まったく余談ながら、「ハリウッド・テン」を描いた映画なら、コーエン兄弟の「ヘイル・シーザー!」がおすすめ。彼らをおちょくった感じで、興行的には失敗作だったようですが、映画愛に満ちています。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2023-12-27 02:34:55) |
10. ドラゴン・キングダム
2大スターの初共演だそうで。逆になぜ今まで共演していなかったのか不思議です。いろいろ大人の事情があるのでしょうか。 それはともかく、いかにも「吊ってます」「CGです」という感じが心地よい。2大スターが同じ画面で存分に暴れてくれれば十分でしょう。それぞれ2役ずつというのもよくできてます。 [CS・衛星(吹替)] 7点(2023-06-13 02:04:17) |
11. とらわれて夏
ケイト・ウインスレットはすっかり「苦労を背負い込んだおばさん」の役が板についたようで。それでも「少々くたびれたエロ」を振りまくあたりはさすがな感じがします。 適度なハラハラもありつつ、単なるサスペンスではなく3人の微妙な関係性も盛り込まれていて、けっこう楽しめました。いかにも片田舎の小さな出来事という雰囲気がいい。それにあのパイ、デカいばかりで工程も見た目もけっして美味そうではないところが、いかにもアメリカらしいですね。 [CS・衛星(吹替)] 7点(2022-06-28 19:43:14) |
12. ドリーム
爽やかなサクセスストーリーには好感が持てます。ある意味わかりやすい差別を描いているので、けっして陰湿にならないところがいい。がんばった者、能力のある者が報われるという、これぞアメリカン・ドリームの原点でしょう。 ただし、疑問に思ったことが2つ。1つ目。いつの間にか軍人とヒロインがいい関係になっていましたが、軍人はヒロインのどこに惹かれたんでしょうか? けっして美人ではないし若くもないし、子どももいるし、それなのに何かのパーティでスルスルと言い寄ってきた感じ。ドリームにもほどがあるんじゃないかと。 2つ目。ヒロインの数学の能力が高いことはわかりますが、それは何か困難な課題に直面したとき、解決に導く数式を「立てる」能力だと思っていました。ところが終盤、IBMの代わりとして求められたのは数式を「解く」能力。今風に言うならば、「問題発見能力」ではなく「問題解決能力」が長けていたということらしい。しかし本当に必要な能力が前者であることは言うまでもありません。後者はIBMのほうが圧倒的に強いに決まっています。答えが合わないとすれば、それは人間の入力が間違っているからでしょう。 なんてことを考えると、このヒロインの能力、あんまり大したことないんじゃないのと。計算力がいくら強くても、やがてIBMどころかカシオの500円の電卓にも淘汰されるんじゃないのと。あまりにも爽やかな物語なので、ちょっとケチをつけてみました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-05-23 23:09:18) |
13. ドライヴ(2011)
冒頭は「トランスポーター」をもっとリアルで泥臭くした感じ。あの路線で行くのかなと思ったら、予想外の展開でした。ユーモアの一つもないし、どんどん人は死んでいくし、妙にグロいですが、アメリカ映画らしからぬ浪花節的なものも感じます。後半の〝仕事人〟ぶりも見事。 そてにしても、ライアン・ゴズリングは寡黙な役がよく似合います。終盤に行くにしたがい、ジェイソン・ステイサムというより高倉健に見えてきました。 [インターネット(字幕)] 7点(2020-12-19 18:45:50) |
14. 永遠に美しく・・・
ある意味で〝ダイ・ハード〟な作品ですが、かの作品よりずっと情けなくて頼りないブルース・ウィリスがいい感じ。ナンセンスなグロでも、名優たちが演じると気品が出るから不思議です。しかし若いメリル・ストリープを久しぶりに見ましたが、この人は男顔ですね。どんなにセクシーな衣装を着ても、あまり似合わない気が。まあとにかく楽しめるのでok。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2019-02-09 03:01:51) |
15. ドリームガールズ(2006)
《ネタバレ》 ミュージカルであることすら知らずに鑑賞。しかし、さすがに歌はパンチが効いています。エディ・マーフィーもさることながら、やっぱりジェニファー・ハドソン(?)の歌唱力がすごい。特に中盤、「私を愛して」とか延々と熱唱するあたりは、さながら大地を揺るがすような迫力がありました。状況を考えれば、その気持ちもわかりますが。 ただし、いろいろな楽曲が登場しますが、どれも印象に残っていません。「このミュージカルといえばこれ」というような、耳に残るフレーズがあっても良さそうなものですが。歌唱力に圧倒されて、逆に楽曲が霞んでしまったのかもしれません。 それと、ジェイミー・フォックスにもう少し花を持たせてあげても良かったんじゃないでしょうか。一代で〝ファミリー〟を成功に導いたわけで、そのためには冷徹な決断も危ない橋を渡る覚悟も必要でしょう。そういう反論もさせず、単なる悪者のまま終わってしまったのがちょっと残念。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-08-03 23:35:43) |
16. トランスポーター3 アンリミテッド
一生外れそうにない強固な腕輪をハメられ、クルマから離れたら爆死、などという設定をよくぞ思いつくものです。そんな粋な〝ルール〟が織りなすゲームを、おおいに堪能させてもらいました。 ただし多くの方が指摘していますが、いかにも〝キエモノ〟風情のソバカス女優がまさかヒロインとは…。J・ステイサムのモチベーションが心配です。「4」があるなら、もう少し「高」な女優さんで是非。 。 [インターネット(字幕)] 7点(2015-05-24 04:46:09) |
17. トンマッコルへようこそ
《ネタバレ》 非現実的なファンタジーですが、秀作です。ド単純・ド演歌なストーリーで、最初から悲劇的な結末は見えています。が、前半から中盤にかけて少しずつ融和していく姿と、最後に花火のように一気に散っていく姿のコントラストが見事。大袈裟な演出とも相まって、なかなか見応えがありました。ツッコミどころもいろいろありますが、それはご愛嬌ということで。やっぱり、韓国の映画文化は豊かですね。少なくとも、前宣伝に莫大なコストをかけるばかりで鳴かず飛ばずの昨今の邦画群より、ずっとレベルは高いと思います。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-11-01 15:18:35) |
18. トラ・トラ・トラ!
ある程度の予備知識がないと、ストーリーを追うのは少々難しいかも(特に前半)。でも、零戦が朝焼けの空へ次々と飛び立っていくシーンは、「トップガン」よりもはるかに美しく、神々しく、感動的でした。ところでこの映画、米国では絶対に受けないでしょうね。彼らの信じる“正義の軍隊”がコテンパンに叩かれて終わるんですから。よく企画が通ったものです。 [DVD(字幕)] 7点(2006-03-27 14:25:04) |
19. トンネル 闇に鎖(とざ)された男
《ネタバレ》 かなり無理筋でご都合主義な作品ではありますが、それなりに楽しませてもらいました。単に閉ざされた男のサバイバルではなく、メディアとか、政治家とか、建設業者とか、そして世論とか、紋切り型とはいえ皮肉たっぷりに描いていたので。このあたりはけっこうリアルで面白かったのに、「35日」がすべてぶち壊しているようで残念。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-06-22 00:46:41) |
20. トロイ(2004)
「イーリアス」の有名なエピソードをいろいろ放り込んでまとめると、なるほどこういう映像になるのかと。その意味では堪能させてもらいました。 しかし人類は、本当に戦争が好きですねぇ。現実の政治としてもエンタテイメントとしても。きっと平和の退屈には耐えられないのでしょう。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-02-16 01:57:13) |