1. 駅 STATION
《ネタバレ》 昭和後期の日本映画を代表する作品と言っても過言ではありません。高倉健と倍賞千恵子のやり取りは何気ないようで、実は様々な心の機微が蠢いていて、今見てもすごい演技だと感じます。 「舟歌」を代表とする昭和の名曲と、北海道の冬の厳しい情景、そしてローカル線のうら寂しい様が、そして、当時のオールスターとも言える豪華キャストがこの作品の情景を数段ランクアップさせています。 最近、こういう大人の心の機微を描いたシリアスなドラマが少なくなってきているので、本当に心に沁みますね。 [DVD(邦画)] 8点(2018-08-14 02:49:45) |
2. 映画 ビリギャル
《ネタバレ》 「意志あるところに道は開ける」といいますが、その意志を作りだしそれを継続させることの大切さを教えてくれる作品です。そして、そのことが如何に難しいかも伝えてくれる作品でした。(たまたま、この話は成功例ではありますが) 有村架純もまさに「旬」という感じでよかったです。 [DVD(邦画)] 8点(2016-01-17 11:55:00) |
3. 永遠の僕たち
《ネタバレ》 ガス・ヴァン・サント監督は「グッド・ウィル・ハンティング」といいこの作品といい透明感のある青春映画を撮らせると天下一品ですね。この作品もオープニングのあの映像にビートルズの「TWO OF US」を重ねてきた時点でよい作品であることを確信し、実際素晴らしい作品でした。 「死」という概念に憑かれた主人公が「死」を運命づけられた者と出会い変わっていく展開など全体的に「ハロルドとモード」のオマージュが散りばめられていて非常に興味深く観賞できました。 生きることができる、生きていけるということの素晴らしさを教えてくれる作品でしたね。 [映画館(字幕)] 8点(2012-01-10 20:38:40) |
4. エリックを探して
《ネタバレ》 エリック・カントナの幻が出てきたり、クライマックスの展開などコメディ色はあるものの、やはりケン・ローチらしいイギリスの日常風景で起きる様々な問題を描いた作品でした。途中の絶望的な状況なんてまさに「いつもの」という言葉を使いたくなるような展開でした。で、「いつも」なら我々に強烈な問題提起を叩きつけて物語は終わるのですが、この作品についてはやはり「KING」エリック・カントナのカリスマ性が為せる技なのか一味違う印象を受けましたね。カントナの語る格言やアドバイスが中々心に沁みました。一番印象的だったのは「最大の復讐は赦すことである」ですかね・・・・・。 カントナの現役時代のプレー(本当に威厳があって格好いいです)もところどころに散りばめられていますし、マンチェスターユナイテッドがアメリカの実業家に買収された後に反対するサポーターがFCユナイテッド・オブ・マンチェスターを新たに結成したことなんかも触れられていたりして、サッカーファン(プレミアリーグ好きなら特に)の方には是非劇場で見ることをお勧めしたいですね。 [映画館(字幕)] 8点(2011-04-17 16:01:40) |
5. 延安の娘
《ネタバレ》 ドキュメンタリーなんですが、まるでドラマを見ているような気にさせる巧みな構成は見事でした。革命という名目の下で、人間性を奪われ国家の歯車(よく言えば革命の礎)となることを強制された人たちの苦しみが今も続いている事実は非常に重かったですね。「革命の聖地」延安の荒涼とした光景が、非常に内容とマッチしていて印象的でした。 [DVD(邦画)] 8点(2009-02-24 15:36:36) |
6. エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?
《ネタバレ》 ビジネスの世界は、きれいごとだけでは通用しないというのは、私も会社員なのでわかるんですが、これはやり過ぎです。公共財とも言えるエネルギーを弄びすぎですね。何というか、仕事をしているというよりは、ゲームやギャンブルをしているような感じですね。おまけに、金の亡者たちの見苦しいこと・・・・・。 まあ、ITやら何やらでスマートなように思える大企業の意思決定過程が、実は人間の様々な欲がからむドロドロなものだということが良くわかりました。 [DVD(字幕)] 8点(2007-07-03 19:44:04) |
7. A2
《ネタバレ》 前作の「A」と今回の「A2」という2つのドキュメンタリーは本当に後々まで遺すべき貴重な映像作品だと思います。 この作品に映るオウムの姿には、飽食の時代の中で現実逃避をはかっている連中だな位の印象(まあ、そういう自分も大して変わりはないんですけどね)しか持てませんけど、それを取り巻く人々の姿に日本社会の良いところも悪いところも映し出されていて本当に面白かったです。 本当に、オウム事件に乗じて利を得ようとする人たちがいるかと思うと非常に愚かで滑稽で哀しいですね。そして恐ろしいです・・・・・・。 [DVD(邦画)] 8点(2007-06-14 18:46:13) |
8. A
《ネタバレ》 オウム事件もう10年以上前の話になってしまうんですね・・・・。しかしながら、もの凄く価値のあるドキュメンタリー映画だと思います。後々まで残しておくべき映像作品ですね。 正直、オウムやその信者に対しては嫌悪感しか湧きませんでしたが、 オウム側から見た日本社会の姿が非常に興味深かったですね。自らの利益を追求しているだけのマスコミ、「普通教」という宗教に洗脳されているんじゃないかと思う位に異端のものをひたすら自分達の枠組みの中にはめ込もうとする市民達(自分もその1人ではありますが)・・・・・。そして、警察の不当逮捕のシーンは、滑稽なくらい芝居がかってるが故に恐ろしさを感じましたね・・・・。 [DVD(邦画)] 8点(2007-06-12 19:08:10)(良:1票) |
9. eiko【エイコ】
年をとって中年太り(腹でてるし・・・・)のジュリーがいい味出してます。何というか、いい年のとり方をしているなと感じますね。 しかしまあ、この作品の主人公ははっきり言ってイタいというか馬(ryなんですが、麻生久美子が凄く魅力的に演じていてついつい惹きこまれていきますね。喫茶店のマスター役の大杉漣や阿部サダヲの好青年役も中々良かったです。 とにかく魅力的な出演者たちが繰り広げる世界を楽しめる作品でした。 [ビデオ(邦画)] 8点(2007-04-17 18:26:13) |
10. エル・スール
《ネタバレ》 静かでどちらかというと地味な作品でありながら、観ている間まるで魔法にかけられたかのように惹きこまれていきました。その位魅力にあふれる素晴らしい作品でした。 映像の美しさ、ストーリー展開や親子の描写の巧みさ等々全く隙が無いですね・・・・・・。 まだ、いろいろ謎が多く残されているので、もともと脚本が書かれていたという南へ行った先のエピソードも是非映像化して欲しいですね。 [DVD(字幕)] 8点(2007-01-08 18:14:09) |
11. es[エス](2001)
《ネタバレ》 恐ろしい作品でした。人間の嫌な部分を思いっきり見せてくれる作品です。正直見終わった後ちょっとダウナーな気分になりました。 見る前は、もっと実験を淡々と描き出すのかと思ってたんですが、想像以上にアクションシーンが多かったですね。ただ、正直このテーマをドキュメント風に淡々と描かれていたら、答えの見えない問題だけに、非常に嫌な気分だけ残っていたと思いますので、個人的には良かったです。(途中から完全に囚人役側に肩入れして見てたので、最後のアクションシーンは結構スカッとしました。)。 しかし、このテーマは考えてみると非常に難しいですね。自分が同様な立場になった時に、最後まで理性的に行動できるかというと自信がありませんし・・・・・・。 考えさせられる作品でした。 [DVD(吹替)] 8点(2006-04-16 21:37:01) |
12. 映画 深夜食堂
《ネタバレ》 深夜に食べる夜食のように、胃もたれしないようじんわりと優しく消化の良い仕上がりになっています。(最後の田中裕子の怪演はちょっとくどく感じましたけど・・・) 基本的には原作の雰囲気がそのまま映像化されていて、すっと映像に入りこめました。 まあ、消化が良いということは、あまり後に残らないということでもあるのですが、鑑賞しているちょっとの間ささやかな安らぎを感じられる良い作品です。 [DVD(邦画)] 7点(2017-08-27 01:01:07) |
13. 英国王のスピーチ
《ネタバレ》 国王の吃音克服の過程だけでなく、ナチスドイツが台頭していく状況に対するイギリス国内の空気の変化や「王冠を賭けた恋」など当時の出来事や状況も映し出されていて非常に興味深かったです。 [DVD(字幕)] 7点(2011-12-10 15:33:41)(良:1票) |
14. Aサインデイズ
《ネタバレ》 まあ、内容的にはよくある青春音楽映画なのですが、背景に米軍統治下の沖縄の状況があり非常に興味深く観ることができました。沖縄の日本返還の前と後では空気感が微妙に変化していたのが興味深かったです。 [インターネット(字幕)] 7点(2010-01-30 15:10:26) |
15. Endress Waltz エンドレス・ワルツ
芸術を追求する人間の苦しみ、そしてその破綻への道程を広田玲央名と町田町蔵が見事に演じています。特に町田町蔵の静かながら激しく燃える狂気の炎は前衛的なサックスの音とともに印象深かったです。 [ビデオ(邦画)] 7点(2009-08-30 13:03:43) |
16. エターナル・サンシャイン
《ネタバレ》 見終わった後、人間関係のあり方や人生について考えさせられる映画でしたね。 どんなに捨てたい思い出であっても、今の自分を形作っている必要不可欠な要素の一つなんですよね(たとえ捨てることが出来たとしてもその部分を補う要素は無いのですから、欠落したまま人生を生きていかなければならない)。 それと、人間関係に於いて他人はどこまで行っても他人でしかない事を受け入れること、そして「水に流す」ことの大切さを改めて教えられた気がします。 人間の記憶という、時間も状況も自由自在に描く事ができる設定を上手く生かした演出も良かったと思います。ただ、もう少しシンプルに出来たかも・・・・・ [DVD(吹替)] 7点(2009-06-10 19:07:20) |
17. エージェント・ゾーハン
《ネタバレ》 非常に下品でお馬鹿なネタが満載のコメディなんですが、その笑いの中にアメリカの底辺で必死に生きている移民たちへのエールや違う民族同士で憎しみ合わずに共存していこうというメッセージが込められているように感じて、結構心に響くものがありましたね。 [DVD(吹替)] 7点(2009-02-24 12:47:27) |
18. エビータ(1996)
《ネタバレ》 マドンナを主演に持ってきたのが非常に当たりましたね。スキャンダラスなイメージでエンターテイメント界の女王に上りつめた彼女と、下層階級から女の武器を使って成り上がったエビータとはどこか共通するものがあるように感じましたね。 「Don't Cry for Me Argentina」をはじめとする素晴らしい楽曲と、エバ・ペロンの波乱に富んだ生涯を表裏両面から描いたストーリーが見事にマッチしていましたね。ただ、終盤はそれまでの盛り上がりから一変して、淡々とした展開になっていったので、ちょっと物足りなさを感じてしまいました(まあ、事実に基づいた話なので仕方ないのですが)。 [ビデオ(字幕)] 7点(2009-02-01 16:26:41) |
19. 栄光への脱出
《ネタバレ》 「栄光への脱出」という邦題が付いていますが、そこに本当に栄光はあるのか疑問ですし、この映画で見ることが出来るのは現在も続く憎しみの連鎖というドロ沼にハマリこむまでの初期過程のみです。 映画としては、上映時間がムダに長いしストーリー展開もイマイチですし正直大作ではあるものの名作と呼べる作品では無いと思います(音楽は良かったですが)。ただ、第二次世界大戦後イスラエル建国までの大まかな流れや雰囲気がつかめるので、中東情勢に関心のある方は見ておいた方が良いかと思います。 まあ、イギリスの二枚舌(三枚舌)外交が諸悪の根源であることは良くわかりました。 [DVD(字幕)] 7点(2008-01-24 12:41:04) |
20. 餌食(1979)
《ネタバレ》 最高にイカれた映画ですね(褒め言葉です)。ロケンロールな内田裕也の姿はヤバ過ぎてまさに「Fuckin' cool!」って感じでとてもカッコいいです。 それと、全体的にちょっと古臭いんですが、バックに鳴り響くレゲエは今聞いてもぜんぜん時代を感じさせないし、良いですね。 まあ、ラストシーンの表現は非常に過激ですけど、気持ちは理解できますね。実行しようとは思いませんが・・・。 [ビデオ(邦画)] 7点(2008-01-17 18:58:11) |