1. エンパイア・レコード
かなりムチャクチャな展開で、きっと脚本家はいけないおくすりを鼻からすぴーっとかやりながらシナリオ書いたんじゃないの?てな感じではあるのだけれども、あのお店(と店長さん)の、モラトリアムな若者たちを優しく包み込むような(といって決してベタベタしている訳ではないのだけれど)雰囲気が良かったと思います。出てくる人物たちも、どいつもこいつも変テコだけど、味わい深くていいやね。ウォーレン・ベイティ少年(?)も、いつかあそこで働くのかな、、。 [DVD(字幕)] 7点(2005-12-08 18:02:31) |
2. A
心がざわつく作品。当時、オウムという集団が凶悪犯罪を起こしたのはほぼ間違いなく、また新たな犯罪を起こそうとしていると思われたのは当然のことだ。だから公安による微罪逮捕なども、ある程度仕方のない事だとは思うし、そもそも社会の規範や現世での幸福を否定している団体が「人権」とか言うのも矛盾している、と思う。駄菓子菓子。後半に登場していた、オウムを「悪魔教団」と罵り、「オウムに破防法を適用せよ!」とヒステリックにアジってたおばちゃんにも感情移入することはできなかった。その意見の是非ではなく、「相手が絶対悪=自分が絶対善」と無邪気に(?)信じている様が、まるで「デビルマン」に登場する「悪魔討伐隊」を思わせて不気味なのだ(なので、もし映画「デビルマン」を観ようとしてる人にはこっちが断然お勧め)。まるで「フセインは悪だ!だからこの戦争は正しい!」と叫ぶどこかの大統領のようでもある。 そもそもオウム(アレフ)信者は、自分たちの集団が犯罪を犯したことを知りつつ在籍しているのだろうから、社会から白眼視されたとしても、それを甘んじて受ける責任と覚悟は必要だと思う。しかしだからといって社会がオウムに対して何をやっても許される、ということにはならない。大体歴史的に言っても宗教というのは外部からの迫害が大きければ大きいほど結束を強くし、信仰は深まる。彼らに「麻原(松本)が犯罪を犯したのは確かなのだから脱会して社会復帰しろ」というのは、例えばキリスト教徒に「人間はサルから進化した生き物で神が創ったのでないことは明らかなのだから信仰を捨てろ」と言っているようなものだと思う。結局まず彼らに対する「狂信的集団」という見方をひとまずやめて「オウムという信仰を持っている人々」という認識から始めないと問題の解決には至らないのではないだろうか。この作品のスタッフがオウム側に信頼され、ここまでの映像を撮ることができたのは、その認識があったからだと思う。 さて、最後に映画としてのこの作品に対して注文を一つ。この作品は、観る人が事件についてある程度の知識を有していることを前提に作られている。だからこれから若い人たちが予備知識なしにこの作品を観ても、よく分からないと思う。できれば事件に関する資料やコメントを入れた「再編集版」も作ってほしい。この作品は、そうするだけの価値がある、と思う。 8点(2004-10-28 19:04:37)(良:2票) |
3. エイリアン3
確かに「2」の女の子をいきなり殺しちゃってたのとか、「こいつは結構最後まで生き残っていそうだな」と思っていた人がいきなり殺されちゃうのとかビックリしたけど、ヒット作の三作目だし、マンネリ化を避けるためにはそのくらい思い切ったことをしなくてはいけなかったんじゃないでしょうか。今回は銃火器が一切ない状況での戦い、というアイデアが良かったように思います。ただ、あの宗教にハマッた囚人がどうしてそうなったのかとか、人物をも少し描いて欲しかったな~。それにしてもこの作品を「全然恐怖感がない」といえる人がうらやましい。あたしゃホラーに免疫がないもんだからこの程度でも心拍数上がりまくりです。 8点(2003-11-14 17:02:16) |
4. 映写技師は見ていた
スターリンってあれでしょ、「吐き気がするほどー」でしょ?・・・というマニアックなボケは置いといて、何百万人もの人間を「粛清」したと言われるスターリンの直属映写技師だった人のお話。今で言うとまさに「北の将軍様」ですな。見応えのある話ではあったけど、最後に「愛」で安易に話のフロシキをまとめるってのは、ちと凡庸に思えてしまいました。 7点(2003-10-15 18:05:13) |
5. エーゲ海の天使
確か、第二次世界大戦中のドイツの一小隊が、作戦のために上陸したエーゲ海の小島で素朴な島民と出会い・・・ってな話だったかな?随分前に観たんで記憶があやふやなんですけど、不思議な感じの映画でしたね。確か、映画の冒頭と最後で意味深なメッセージがあったような・・・。 7点(2003-10-07 14:18:13) |
6. エビータ(1996)
ミュージカルが苦手・嫌いな人(含タモリ)は「それまで普通に芝居してたのにいきなり歌い出す」ことに対して不自然さを感じてしまうんだと思うんですけど、この映画の場合ほとんどの台詞が歌だから、そういう不自然さは感じないんですよね。僕はあんまりミュージカルって知らないいんですけど(特に正統派のやつは)、兵隊が行進するリズムに合わせて音楽が流れるところとか、かなり面白かったです。ただ、ミュージカルとしての面白さが勝ちすぎて、エヴァの内面があまり深く掘り下げて描かれていないのが少し残念です。特に前半なんて、要するに女を武器に次々と男をとっかえひっかえしてのし上がっていくっていう、かなりエグい、ほとんど神田うのか叶姉妹かって話でしょ?で、ペロンと結ばれた後は貧しい人たちの偶像になる一方で政治は下手だった、と。単純な善人でも悪人でもない、なかなか複雑な人だから、この映画を観ただけではよく分からなかったんですよね、結局。こういう言い方は不謹慎かもしれないけど、せっかくのいい素材(ネタ)なんだから、普通の映画として作られた作品も観てみたいです。 7点(2003-07-05 21:29:24) |
7. エイミー(1997)
あまりこの手の映画は好きではない、という松本人志さんも高評価(彼にしては)していたこの作品。いいっすよー。耳が聞こえないのに音楽は聞こえるっていう設定は、普通に考えると不自然な感じがするけど、実際過去のトラウマでそういう症状になる人もいるそうです。松本氏も著書「シネマ坊主」で書いてたけど、たいしたことが起こらない終わり方には好感が持てました。あと、お巡りさん達が歌いながらエイミーを探すところはかなり好きです。それにしてもあの子、歌うますぎ・・・。<2004.3.19追記>久々にBSで再見。やっぱ泣けるっす。周りのダメ~な住人たちがだんだん良い奴に変わってくるとことか、いいやね。 9点(2003-07-02 22:36:12) |
8. エリザベス
これは予備知識がないと難しい映画ですね。かくいう僕も世界史、特にヨーロッパ史は苦手なので(「カノッサの屈辱」という言葉はかろうじて覚えてるけどいったい誰が誰をはずかしめたのか、未だにわからない)人名が出てくるたびに「ひえぇーー、か、勘弁してけろーーー!」と思いながら観ました。で、思ったのは「なんか王様とか貴族ってめんどくせーなー」ってこと。王とか貴族って支配階級っていうイメージだけど、結局彼らも「制度」にがんじがらめに支配されてたんですよね。なんか観ててかわいそうだった。宗教や教会の権威っていうのも政争に利用されるだけで全然神聖な感じしないし、何だかなあ。そんな中、最初はごく普通の女性だったエリザベスが本当の意味で女王(つまり、そうした「制度」の一部)になることを決意するところは哀しくも凛々しかった。機会があればもう一度西洋史を勉強し直して、また観てみます。 6点(2003-04-21 20:18:01) |
9. エド・ウッド
一時期あった、悪趣味なものを通ぶって喜ぶ風潮になじめず、したがってこの映画も(大好きなT・バートン&J・デップコンビの作品なのに)敬遠してたんだけど、見てみたら素直にいい映画でした。映画監督としての才能はなかったかもしれないけど、映画が大好きで幸せなら、別に成功なんてしなくたっていいじゃん!という気持ちになりました。ある意味ハリウッド的サクセスストーリーに対するアンチなのかな。見終わった後不思議とさわやかな気持ちになりました。<2005.3・14追記>最近久々に観直しました。映画が大好きでベラ・ルゴシが大好きでオーソン・ウェルズが大好きで女装も大好きだったエド・ウッド。そんなエドの周りに集まる、決して成功者とは言えないけれど愛すべき仲間たち。そんな彼らをティム・バートンがストレートな愛情を持って描いたこの作品。愛です。愛が溢れています。 8点(2003-02-11 18:46:05) |