41. にあんちゃん
松尾嘉代が・・・若い・・・!!(当時16!!!)ほかの感想もすべて吹き飛ぶほどこのインパクトは強烈!! [CS・衛星(邦画)] 6点(2011-11-13 00:29:33) |
42. にごりえ
《ネタバレ》 一作目の、息をひそめるような緊張感が白眉。室内の親子の会話と外での車夫との会話だけで、数多くのドラマを表現しきっている。丹阿弥谷津子の若さにもびっくり。二作目は、最後は見つかって終わりと思いこんでいたので、あのオチは逆に面白かった。三作目は、全体的に少し騒がしいのが難点。それに、主役が最後の方で入れ替わってしまっている。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2011-06-29 01:17:07) |
43. 荷車の歌
《ネタバレ》 地道で淡々とした描写で進むかと思いきや、実は今日の感覚で見ると、ホームドラマの常套手段をいろんな場面で外しているのである。意地悪姑と何となく和解したりとか、女工勤めに行って何か不幸が起こりそうな長女と次女も健康に戻って来るとか、盛大に出征した次男があっさり戻ってきたりとか、妾が出てきて騒動発生かと思いきやそのまんま同居とか。それだけにかえって作品の底に生々しいリアリティを感じてしまう。俳優陣では、ほかの作品では特に何とも感じなかった左幸子の華のある存在感が印象に残りました。あと、当時36歳であそこまでの老け役を成し遂げた三國連太郎も凄い。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2010-09-12 03:36:21) |
44. 二百三高地
せっかくこれだけの時間を遣っていながら、攻撃シーンは同じような画面の繰り返し(エキストラのいい加減な使い方も目障りだった)、司令官側も仲代と丹波を除いてはこだわった人物造形がなされておらず、結局はこの2人+あおい輝彦に寄りかかった内容となってしまった。もっと個々の登場人物を大切にしないと、結局は全体像も出来上がってこないと思うんだけどな・・・。それと、日露戦争の発生原因や旅順の戦略的位置づけについても、もっとそれが分かる描写が必要でしょう。主題歌に5点。 [DVD(邦画)] 5点(2010-04-12 01:05:07) |
45. 人情紙風船
《ネタバレ》 又十郎と毛利のやりとりの方は、ごくありきたりなやりとりを地道に積み重ねることで人間関係の描写を膨らませるという難易度の高いレベルに達しているが、新三の側の描写が雑然としていて今ひとつだと思う。ラストのあっさりした締め方が逆にもたらす「容赦なさ」に+1点。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2009-11-16 23:24:22) |
46. 日本のいちばん長い日(1967)
《ネタバレ》 全体を知った後で個々の場面にじっくり注目しながら見ていくと、作品としての凄味がよく分かりました。圧巻なのはむしろ前半の会議の部分や決定から録音までのステップの部分で、ここでじわじわと丁寧に順を追っているからこそ、後半の反乱の部分が生きています。また、以前は一部を除いて個々の役者が目立っていないと思っていたのですが、よく見ると(よく見なくても?)凄いのは、笠智衆の鈴木首相の冷静沈着な迫力。とりわけ、すべてが整った後に、何気ないことのようにさらりと吐き出される「内閣総辞職」の一言の重さに鳥肌が立つ。 [映画館(邦画)] 8点(2009-06-21 13:08:04) |
47. 日本の悲劇(1953)
突っ込んでいくといろいろ深い部分もありそうなのだが、この話の展開は、日本がどうのとか敗戦がどうのというよりも、各登場人物の個人の資質に依る部分が大なのではないだろうか。ラストシーンのインパクトにかなり頼っているような気がする。ただし、家族間のすれ違いや崩壊を正面からテーマ化したという点においては、今に至るまで類作はあまり見当たらず、その意味で貴重。 [DVD(邦画)] 6点(2009-06-17 23:34:16) |
48. ニューヨーク・ニューヨーク
《ネタバレ》 最初のナンパシーンだけで、エキストラの異常に贅沢な使い方と2人のこってり会話ぶりにお腹いっぱい状態。その後も、2人のやりとりが大半を占めているのに、やたらと濃い世界が長時間にわたって維持されています。豪華セットや大盤振る舞いの音楽が全部2人の関係描写の背景として奉仕しているという、稀有な世界です。ただ、妊娠云々の場面以降は、急に歌唱シーンに頼りまくって別の映画のようになってしまったのがちょっと残念でした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-05-08 01:46:58) |
49. 肉体の悪魔(1947)
主人公2人にさっぱり魅力を感じないというのは、ラブロマンスとしては致命的なんではないだろうか。2人のやりとりも、会いに行ったり邪魔されたりを繰り返しているだけのような感じで、発展性を感じません。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2009-02-10 02:05:06) |
50. 二十四の瞳(1954)
物語としてはしっかりしていてつまらなくはないのですが、全体に共通する妙な「ほのぼの感」がどうにも受け付けられませんでした。学校唱歌の繰り返しも、最初は新鮮だったのですが、最後の方はしつこいと感じてしまいました。子供たちが泣きながら先生を訪ねていくシーンの単純な説得力に4点、笠智衆先生の堅実な存在感に1点。 [DVD(邦画)] 5点(2008-12-30 03:07:10) |
51. 人間の約束
昔見た予告では、かなり荘厳なイメージの記憶があったので期待していたのですが・・・落ち着いた感じの映像は良いのですが、人物描写という点ではテレビのホームドラマと大差なく、タイトルほどの中身の重さは感じられませんでした。何よりも、ここぞというところで次々に出てくる説明台詞の数々がまずいです。これだけのキャストを入れたのであれば、それを表情や動作で語ってくれなくてはいけません。題材が大きすぎて、入口のあたりで終わってしまった感じ。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2008-05-16 01:50:01) |
52. ニュールンベルグ裁判
この歴史的事件を映画化するにふさわしく、重厚かつ丁寧な作りです。多くは法廷での弁論や尋問のシーンなのですが、シェルとウィドマークは鬼神のごとき迫力で(しかも大袈裟でない演技で)ぶつかり合い、トレイシーはそれを一言でずしりとコントロールする。バート・ランカスターは黙って座っているだけなのに、目の動きだけですべてを語り尽くしている。この緊張感だけで3時間お腹いっぱいです。長台詞の場面でも、それが必然性をもって迫ってきます。さらに、証人や関係者役の人たちも、ここぞというところで主役級の存在感を見せ、作品の重みを増しています。また、当然のことながら法廷という狭い限定空間でのシーンが多い中で、何とか工夫を凝らしていたカメラワークも、必死の努力が窺えて印象的でした。 [DVD(字幕)] 8点(2008-03-28 03:46:40) |
53. 虹の女神 Rainbow Song
《ネタバレ》 予想以上にしっかりした内容でした。まず何よりも、脚本がすみずみまで気が配られていて、台詞の一つ一つまで執念のように作り込まれているのが良い。登場人物のやりとりを聞いているだけで自然に引き込まれますし、各キャラクターの成長を自然に表現しています。上野樹里は、発声はかなり今ひとつなんだけど、役作りに関しては相当気合を入れた様子が窺えます(主人公の彼も、作中の役柄同様、それによってかなり引っ張り上げられてますね)。また、蒼井優も、それほど登場時間は長くないのに、最後のキメの一言をしっかりと決めてしまう存在感は素晴らしい。あと、相田翔子のシークエンスは、主人公の一つの「旅」としてヒロインに向けた感情を固めるところに意味があります。その矢先に事故があるところに落差が生じるわけで、もしあのシークエンスがなければ、ラストの感動は半減したでしょう。 [DVD(邦画)] 9点(2008-01-05 03:21:23)(良:1票) |
54. 21グラム
《ネタバレ》 脇役も含めた俳優陣の演技は十分なA級レベルで、それだけで見る価値あり。時系列操作については、ところどころやり過ぎな部分もありますが、全体として、登場人物の心理的混乱を表現するために巧く機能していると思うし、これだけいじりながらストーリーのポイントとなるべき部分を織り交ぜて分かりやすく編集しているのは見事です。全体の流れを知ってもう一度見直すと、さらに楽しめます。ただ、尺はもっと短い方がよかったかな。 [DVD(字幕)] 7点(2007-05-07 02:17:10) |
55. NY検事局
《ネタバレ》 前半の成功一直線部分があまりにも平凡すぎて薄っぺらいので、肝心の後半が全然生きていません(それにしても、あんな誰が見ても「勝って当然」の筋の事件で勝って大喜びしてる検事局って・・・)。邦題も工夫なさすぎ。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2007-01-16 01:14:01) |
56. 日本の黒い夏 冤罪
事実経過の概要はある程度多くの人が知っている対象であるわけですから、きっと綿密な取材と検証を経た濃密な再現と解釈が提示されるのだろうと期待していたら、いきなり冒頭の高校生の語りでずっこけました。この作品を見る人の視点がこの高校生であることは誰でも分かる当然の前提であって、何でそんなことをわざわざ作中に盛り込まないといけないのかなあ・・・。現に、寺尾聰や石橋蓮司がどれだけ頑張っても、現在の取材シーンがずかずか入り込んでくることによって、作品の緊張感は容赦なくぶったぎられますし、当時の生の状況など伝わりようがありません。まあ、好意的に考えると、全部を再現にしてしまうと、映画表現としてのデフォルメは避けようがないとの判断で、あえて「確実に事実と確定できる部分」に絞ったのかもしれませんが。もっとも、こういったことを映像記録として残すことは重要ですし、志や目的意識の高さは評価すべきと思いますので、この点数。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2007-01-04 17:48:04)(良:1票) |
57. ニューヨーク東8番街の奇跡
《ネタバレ》 単純素朴な一直線ファンタジーと言い切ってしまうことも可能なのだが、それでも作品を心に残るものに留めているのは、「奇跡」が起こる前の各人の絶望的なやる気のない状況を、きちんと整理して示していること。そして、UFOの視覚効果もさることながら、その背景をなす朽廃ビルを、周辺の状況も含めてきちんと作り込んでいること(最後の大火事、焼け落ちた後、そしてリニューアル後という3連発も強烈)。 [DVD(字幕)] 6点(2006-12-25 02:07:39) |
58. ニュー・シネマ・パラダイス
ラスト以外は筋立てに特に工夫があるわけではないのだが、それでも心を打つ忘れがたい作品になっているのは、数十年後の現在の「喪失」状態を短い中にも的確に凝縮して、失われた少年期をより一層鮮明に浮かび上がらせているからだろう。そこが、誰もが持っている逃避心(悪い意味ではない)を刺激して、過去をさらに美しいものとする。それが映像や音楽も含めてぴったりとはまってしまった、ある意味奇跡的な作品だと思う。 [映画館(字幕)] 7点(2006-12-23 23:14:24) |
59. 日本沈没(1973)
何でこんな美味しい題材で、こんな退屈な作品になるかなあ・・・。導入部がだらだら長すぎるのと、肝心の災害発生の描写に想像力が欠如しているのと(地震でも火災でもない「沈没」ならではという要素がない)、ペース配分を誤っている(災害発生後も何となくのんきな会議なんかが続いている)のが敗因でしょう。神経質に叫びまくる小林桂樹というのも、どうにも違和感。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2006-08-21 00:45:45) |
60. 肉体の門(1988)
冒頭に登場する娼婦のお姉様たちだけであまりにも強烈。加納みゆき+山咲千里+長谷直美+芦川よしみですよ。はまりすぎなキャスティングです。もっとも、気合充実のかたせ梨乃に引っ張られたのか、みんな少々オーバーアクション気味ですけどね。加納みゆきなんて、NHKの朝ドラで清純にデビューしたのに、よくぞこんな役を受けたものです。偉い!内容の方は、ほとんどかたせ梨乃の独壇場なのですが、娼婦たちの生き抜くことへの貪欲なまでの強烈な意欲がよく表現されていて、十分楽しめます。ラストはちょっと中途半端ですが。それと、根津甚八と渡瀬恒彦のキャストは逆の方がよかったと思う。 [DVD(邦画)] 7点(2006-01-12 02:37:20) |