1. 奥さまは魔女(2005)
オリジナルのテレビドラマにきちんと敬意を払っている点にまず好感が持てましたね。ノーラ・エフロン女史の映画は、いつもの事ながら大人のおとぎ話を実にウェルメイドな語り口でこしらえているので安心して観られます。ニコールの美しさはあまりに理が勝りすぎている容貌なので、これが例えば・・・出てるから言う訳じゃないけど、若い頃のシャーリー・マクレーンがヒロインだったらもっと愉しめる映画になっただろうなあと・・・。んでもって馬面ディーン・マーティンあたりが相手役だったら更に可笑しさ倍増。 [地上波(吹替)] 6点(2012-11-05 23:21:58) |
2. 大阪ハムレット
あかん、これ観たら、また大阪行きたくなってもーた・・・(←エセ関西弁)大阪下町という舞台設定、全編にわたる小気味良い大阪弁のおかげで、確実に作品の質自体も底上げされてますね。実際あの辺り「南海電鉄岸里玉出駅」周辺って、賑やかなエリアも有るけど、もっと殺伐とした雰囲気も漂っていたような。まるでユートピアみたいなディープ大阪下町の市井風景。教員実習生役加藤夏希が東京に戻る時、なんでかわざわざ「南海汐見橋線」ホームから出発するなんて・・・。なんで?なんで?なんでなん?(笑)原作漫画も読んでないし、はっきりとさせてないけど、なんとなくあの三人の息子たちは、父親がそれぞれ違うような気がしたんですが。でもいいじゃないですか!血のつながりよりも、彼らはちゃんと気持ちの奥で繋がっている、これも「擬似家族」の一形態だと思います。特にドラマチックな盛り上がりもない映画だけど、なんか自分は好きですね、この作品。特に大阪好きな方にお勧め! [DVD(邦画)] 7点(2009-10-30 10:57:04)(笑:1票) |
3. おろち
この原作と「恐怖」シリーズの中の『うばわれた心臓』、『洗礼』あたりの漫画が幼少の頃の私のトラウマになっています。梅図かずお原作は、疑う事を知らない清らかなコドモゴゴロにはすさまじいインパクトでした。それだけに映像化されたこの作品、イメージが損なわれそうで観ようか観まいか躊躇してました。・・・まあ無難な映画化でしょう。「阿修羅のごとく」あたりからひねった役どころに積極的に挑戦し続けている木村佳乃がいかにも望んで演じたくなるような役。原作の『姉妹』と『洗礼』をつなぎ合わせたような展開。でもこの映画だけをみたら、「おろち」が一体どんな存在なのか、分かりにくくないですか?原作読んでた自分でも、何だかよくわからんモヤモヤした存在に思えたぞ。梅図センセイの恐怖漫画ヒロイン独特の表情、「頭の両側面に手の平を当てて(ひいいいいいいいいいいいいい~!!)」の構図が出て来なかったのがちょっと残念。でも、ま、こんなモンでしょ。 [DVD(邦画)] 6点(2009-10-09 11:35:24) |
4. おくりびと
《ネタバレ》 僕みたいなすれっからしの人間になってしまうと、洋画ならともかく、こういう地に足が着いた良心的に作られた邦画の場合、序盤で大体のその後の展開を読んでしまうという悪癖があるんです。自分でもつくづく嫌なヤツだと思ってるんですが。失業→帰郷→納棺師としての再就職→悪戦苦闘の日々→職業意識へ目覚め→妻を含めた周囲の偏見無理解に対する反発・・・。ここまでで殆どブレがない予定調和な展開に、正直びっくりしてしまいました。銭湯のおかみさん吉行和子の死により、一気に全ての軋轢が実に都合良く氷解。ずっと引っ張ってきた父親との和解も含め、なんら驚くべき展開はなにひとつなかったんですが・・・。でも、なぜか泣かされましたね自分は、この映画に。分かっていながらも泣かされてしまう、この作品にはそんな予定調和を凌駕する力強さが備わってると思います。邦画の最良の部分が巧く出せています。本木&広末の夫婦コンビも悪くないけれど、この映画に厚みと風格を与えた最大功労者は、ベテラン納棺師役の山崎努! [DVD(邦画)] 8点(2009-07-26 10:41:42)(良:1票) |
5. 大奥(2006)
そんなに言われているほど悪くはないれけど、出てくる連中皆芝居が軽すぎる。私は「トリック」ファーストシーズン以来の仲間由紀恵のファンでは有りますが、これはテレビドラマを延長しただけみたいな綺麗事に終始していて物足りない。「絵島生島事件」については聞き齧った事があるだけだけれど、仲間演じるこの「絵島」は周囲に配慮しているばかりで、大奥取締役頂点に昇りつめたにしては、それほどの権勢欲があったようにはとても見えない。あまりにヒロインを優等生に美化しすぎではないか?映画で描かれた以前には、のし上がっいくための幾多の醜い駆け引きがあったはずなのに。唯一笑えたシーン、杉田かおるの「・・・代わりに私で試す?」と西島に迫るトコ。 [DVD(邦画)] 5点(2009-03-06 12:59:29) |
6. オーストラリア(2008)
《ネタバレ》 うむむむむ・・・悩んだけどギリギリ6点にします。2時間45分の超大作。「ムーラン・ルージュ」バズ・ラーマン久々の監督作。アカデミー賞受賞後ここ数年、出演作チョイスに若干逡巡が見受けられた二コール・キッドマン久々の適役。やはり彼女の凛としたクラシカルで冷たい美貌には、こういうツンデレ貴婦人役が非常にぴったりくる。ロンドンから、巨大大陸オーストラリアへ、1万5千頭の牛を追いダーウィンに到着するまで「ジャイアンツ」(9点)を想起させる、風格有るスケールの大きな画作りにとにかく圧倒魅了されます。アメリカとは一味違う、風景の雄大さを堪能。実際にオーストラリア出身である、二コール&ヒュー・ジャックマン、オージーのプライドを賭けたかような両者共に譲らない力のこもった演技。ところが、後半からあまりに色々なものを詰め込み過ぎ、著しく駆け足で食い足りない。「俺は自由でいたい、束縛されたくない!」「じゃあ私の家から出てって!」・・・、どっかで聞いた事の有る恋人同士のやり取りだと思ったら、この部分は「愛と哀しみの果て」(7点)の焼き直し。何だか後半は色々な過去の大河ラブロマンスを継ぎ接ぎしたような印象。この映画、巷ではクライマックスの日本軍ダーウィン攻撃シーンについて、日本をダシにした反日プロパガンダ映画では?という意見も出ているらしいが、実物を見たらたいした事はない。第二次大戦中の日本軍ダーウィン攻撃が「歴史的事実」だとすれば、映画で描かれたような事があっても決しておかしくはない程度の描写に留まっていると私は思いましたが如何。過剰反応も程ほどに。前中半8点、後半5点。トータルで6点!鑑賞前トイレに行くのをくれぐれもお忘れなく。 [試写会(字幕)] 6点(2009-02-15 11:12:01) |
7. 王妃の紋章
お金がかかってるのが一目瞭然の豪奢で厚みのある色鮮やかなセット、きめ細かな演出、ズラッと居並ぶ女官たちのハミ乳衣装に目を奪われます。ただそれに比するとオハナシのスケールがいささか小さすぎる。クライマックスにもうひとひねりどんでん返しがあるのかと期待していたんですが。チャン・イーモウ監督のミューズに再び返り咲いたコン・リーがひたすら輝きを放っています。彼女から一時期、監督の寵愛を奪った、チャン・ツィイーの同趣向の時代劇「女帝」(6点)を思い出しますが、あの映画でアイドル的演技を脱し切れなかったツィイーとの格の違いをはっきり誇示するかのように、ここでのコン・リーはやはり「女優」としての演技でした。それにしてもこのお二人って今回は時代劇風の髪型とメイクとはいえ、面立ちが特に似ているように見えます。結局チャン・イーモウの女性の好みっていうのは、こういう系統のお顔なんですね。 [DVD(字幕)] 6点(2009-01-31 10:00:14)(良:1票) |
8. 俺たちフィギュアスケーター
自分は馬鹿馬鹿しいコメディ映画にはわりかし寛容なのだけれど、手抜き映画は大っ嫌いです。前半部分はまあまあとしても、中盤、二人がペアのコンビを組んで大会に出場するあたりからの、ズタボロ状態の演出、脚本の安易安直な手抜きぶりには怒りを通り越し呆れ返りました。カットのつなぎも乱暴な部分があるし。北朝鮮のフィルムをいきなり持ち出してきて首チョンパのシーンを貼り付けるなんざ、この監督(←しかも二人がかりにしてこの体たらくなん?)のセンスを疑います。それでも『ウォーター・ボーイズ』とか『フル・モンティ』とか観た事がない人だったら、この程度の内容でも楽しめるかも。久しぶりの2点。 [DVD(字幕)] 2点(2008-09-05 10:49:09)(良:1票) |
9. 大いなる陰謀
《ネタバレ》 「YES OR NO?」と問われたら、一個の映画作品として見た限り、これは「NO!」と自分は即答するかもしれません。鑑賞前はまず上映時間1時間半という短さが気になりました。果たしてこのビッグスリーの初顔合わせで、邦題の『大いなる陰謀』なるものが描けるんだろうか・・・?丁々発止のやり取りの中、策謀陰謀が政界に渦巻くパワフルな展開を期待していたんですが、ちょっとこれは思っていたのと違いましたね。肩透かし。これは豪華スターが出てるテロ対策ポリティカル・ディスカッションドラマとでもいおうか。何より映画を観た!という昂奮、醍醐味に欠けるのが難。冒頭からいきなりメリルとトムクルの緊迫感溢れる会談がスタートするので、こっちがモタモタしてて映画自体に乗り遅れてしまったというのもあるんですが。結論、これはR・レッドフォード版『君たちはどう生きるか?』(←図書館で大昔借りて読んだ)かな?彼の過去のヒット作に「大いなる勇者」「大統領の陰謀」があるが故にこの邦題にしたのであれば、配給会社さん怠慢でないかい?・・・ってちょっと思った。賛否両論、評価が極端に分かれそうな作品やね。 [映画館(字幕)] 5点(2008-04-19 11:38:11) |
10. およう
わざわざ映画館まで観に行ったけど、今となっては記憶に有るのは、主役の夢二を演じた熊川某バレリーナ、もといダンサーの度を超したナルシストっぷり位。ナルシストと言えば河村隆一先生もそういや最近観ないなあ・・・。 [映画館(邦画)] 2点(2006-03-10 15:07:40) |
11. おばあちゃんの家
田舎の土の匂いや炭焼き小屋、肥溜めの香りとかがプーンと画面から漂ってくるような、そんな映画でした。でもその香りは決して不快でも不潔なものではなく、懐かしささえ感じさせてくれる不思議な感触。というか私の父親の実家あたりで、間違いなく昔あった景色でした。ようやくなついたマセガキの孫に「こんな字も読めないの?」と言われ頭をポリポリと掻くおばあちゃん、ナイス。暴れ牛やキンンキャン吠える犬も良い味出してました。おばあちゃん子だった人ほどこの映画素直に観れるものなんでしょうね、おそらく。私自身も生粋のおばあちゃん子です。全世界にいるおばあちゃん、いついつまでもお元気で! [DVD(字幕)] 8点(2005-12-24 12:30:32) |
12. 男たちの大和 YAMATO
《ネタバレ》 力作。クライマックスの大和撃沈シーン、大迫力でした。何故か自分には、昔年末に放映された傑作時代劇「白虎隊」の自刃シーンが重なって映りました。玉砕という散り際の美学みたいな悲愴感が画面からも十分に伝わってきたと思います。反町隆史と中村獅童の共演という事で話題の映画ではありますが、獅童の方が断然もうけ役です。昇り調子の今が旬の役者っていう勢いが彼にはあります。でも戦艦大和の少年海軍兵が束になっても敵わなかったのは、可憐な三つ編み軍国少女を演じた蒼井優の存在感!不覚にも私がこの映画で何度かグズっと来てしまったのは全て彼女がかかわっていたシーンでした。この映画、彼女だけでも観る価値有りだと思います。蛇足かもしれませんが海軍兵っていうのは本当にあんな垢抜けた「ポパイ・ザ・セーラーマン」みたいな格好してたんですかねえ・・・?そこら辺がちょっとだけ疑問っす。 [試写会(字幕)] 7点(2005-12-10 11:39:53) |
13. オールド・ボーイ(2003)
《ネタバレ》 「15年間の不条理な監禁」という題材にぐいぐい引き付けられはしたけど、これは何度も繰り返してみたくなるタイプの映画じゃないですよね。ネタを知っちゃえば、ふーん、結局そういう事だったの、みたいな感想しか出て来ないし。まあそれはそれとして、ヒロインの女の子は京野ことみに似てるなあ。↓ミドの正体を出てきた瞬間に判ってたって方もいるんですねえ、凄いっす!俺は寿司屋の綺麗なお姉さんがメイク落としただけかと、 ラスト15分前あたりまで勘違いしてましたよ(←論外) [DVD(字幕)] 6点(2005-11-03 10:45:47) |
14. オペラ座の怪人(2004)
こーゆー映画はポスターやDVDパッケージに「劇団四季カード会員様御用達」とか謳って頂けると助かるなあ。俺にとってはゴーモンに近い2時間半でした。 [DVD(字幕)] 2点(2005-09-20 11:06:24) |
15. オーシャン・オブ・ファイヤー
見終わった後、「あー面白かった!」って素直に言える映画が好きだ。この作品はまさしくその典型例。子供だましのハリウッドお得意アドベンチャー超大作、あるいはLOTRの亜流かと侮るなかれ。波瀾万丈なお話の中に、民族と生き物間の垣根を越えた、友情と信頼というシンプル且つ力強いメッセージが託されている。ヒーローがネイティブアメリカンの血を引いたマイノリティな存在という設定が、映画にかなりの奥行きを与えた。野生馬の「HIDALGO」(原題)は 少なくとも「シービスケット」よりは遥かに名演。ええいっ、大盤振舞いで9点!と思ったが、ヒロインにあまり魅力が感じられなかったのでマイナス1。 8点(2004-04-02 14:25:04)(良:1票) |