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ゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 614
性別 男性
自己紹介  洋画は字幕版も吹き替え版も両方観た上で感想を書くようにしています。
 ネタバレが多い為、未見映画の情報集めには役立てないかも知れませんが……
 自分と好みが合う人がいたら、点数などを基準に映画選びの参考にしてもらえたら嬉しいです。

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21.  バウンティー・ハンター(2010) 《ネタバレ》 
 愉快な雰囲気の映画でしたね。  追う者と追われる者、賞金稼ぎと賞金首が元夫婦であり、二人が追いかけっこを通して、徐々に復縁していくというストーリーラインも良かったと思います。   ただ、自分としては今一つ楽しめなくて……その理由は、主人公の性格。  野性味があって、毒舌で、所謂ツンデレ気質でと、女性目線なら魅力的なキャラクターに思えたかも知れませんが、単なる「嫌な奴」としか思えない場面も多く、感情移入するのが難しかったです。  演じているジェラルド・バトラーは嫌いじゃないし、なんだかんだで一途な男なんだろうなぁ、って事は伝わってくるんですが、あまり応援出来ないタイプ。  元妻の家に忍び込んで、トイレの便器に歯ブラシを落としたり、録画されていた番組を消したり、ベッドの上でスナック菓子を貪り枕で口元を拭うシーンなんかは、流石に呆れちゃいましたね。  しかも、そこをさも痛快な復讐劇みたいなタッチで描いているもんだから、どうにもノリ切れない。   監督さんは傑作映画「最後の恋のはじめ方」なども手掛けられているし、全体的な演出や音楽の使い方なんかは、結構好みだったんですけどね。  カジノのシーンにおける「最初は乗り気じゃなかったヒロインも、勝ち続けるにつれ段々ヒートアップしていく」という流れや「軍資金片手にエレベーターに乗り込んだ主人公が、次の瞬間には酒のグラス片手に出てきて、ボロ負けした事を示す」という表現なんかも、良かったと思います。  「主人公とヒロインは元夫婦である」という設定も活かされており、互いを知り尽くしている夫婦ならではの会話が劇中に散りばめられている点も、好感触。   で、そんな主人公カップルを囲む脇役陣はというと……ヒロインの母親は結構良い味出していたけど、精々それくらいで、他は微妙に思えちゃいましたね。  中でも、ヒロインに片想いしている男のエピソードなんかは、本筋に全然関係無いし、人違いで骨を折られたりして悲惨な目に遭うだけなので、全然笑えない。  主人公目線なら「俺の元妻に言い寄るから悪いんだ、ざまぁみろ」と思えたかも知れませんが、ちょっとキツかったです。   「結婚記念日を一緒に過ごす為、嫌味な警官を殴って主人公もヒロイン共々逮捕され、檻の中でキスをして終わり」というハッピーエンドに関しては、中々オシャレだし、綺麗に纏まっていたと思います。  終わり良ければ全て良し……という程ではありませんが、この結末のお蔭で、そんなに後味は悪くない。  まずまずの満足感を味わえた一品でした。
[DVD(吹替)] 5点(2017-09-05 18:36:41)(良:2票)
22.  パニック・マーケット3D 《ネタバレ》 
 万引き娘と、その父親である警官、武装強盗犯の存在など、舞台がスーパーマーケットである事に意味を持たせているのが好印象。   津波によって浸水し、水没していく店内からの脱出という「ポセイドン・アドベンチャー」のようなテイストがあるのも良いですね。  「覆面していた強盗犯の正体」についても、適度な伏線込みのサプライズになっていたかと。  皆が避難する中で、一人だけ津波に向かって嬉しそうに走り出すサーファーや、ちゃっかり生き残っていた仔犬の存在など、緊迫した画作りの中で、どこか愛嬌が漂っている辺りも有難い。   その一方で、サメ映画としては「サメが単なる障害の一つでしかない」「サメ自身にも何の個性も無く、普通の人喰いザメ」という点が、ネックになってしまいそうな感じ。  とはいえ「しっかりと掴んでいたはずの相手が、サメに海中へと引きずり込まれ、手の中にはペンダントしか残らなかった」場面や「天井にぶら下がった人間の下半身を、サメが食い千切る」場面などは、中々ショッキングで良かったと思いますし、自分としては満足。  最近は色々と変わり種のサメが登場する映画が多いせいか、真っ当なタイプのサメが登場する本作には、妙な安心感を覚えたりもしました。   作りとしては群像劇となっており、基本的に生存者は全員善人である為、観ていて理不尽さを感じない点も良かったですね。  ……ただ、車内に閉じ込められたカップルに関しては、男女共に好感が持てなかったりしたもので、そこは観ていて少し辛かったです。  あそこの尺を縮めて、もっと主人公のジョッシュ達を中心とした作りになっていたら、より好みだったかも知れません。   そして何といっても、本作の白眉。  水中でショットガンを放ち、サメを倒すシーンが痛快でしたね。  この手の映画でサメを倒す手段といえば、海上からどうにかするパターンが多い為「水中で倒す」というだけでも斬新に思えましたし、武器がショットガンというのも、実に自分好み。  その後に、もう一匹のサメを感電死させるシーンも、スタイリッシュに描かれていて良かったです。  それまでアクション要素は控えめだっただけに、このラストの件は意外性があるし「過去のトラウマを乗り越えた主人公が、超人的な活躍を見せる」というカタルシスも相まって、実に気持ち良い。   最後は少しハッピーエンド感が足りないようにも思えましたが、あれだけの災害が発生している以上は仕方ないでしょうし、主人公とヒロイン、父と娘とが、それぞれ蟠りを越えて「やり直そう」と前向きな姿勢を示して終わるのだから、嬉しかったですね。  冷静に振り返ってみると、不満点もあったり、退屈に感じた場面もあったりしたのですが、ラスト二十分程の展開で、全部チャラにしてくれた感じ。  満足度高めの、良い映画でした。
[ブルーレイ(吹替)] 7点(2017-08-01 16:55:04)(良:2票)
23.  パーフェクト・ゲッタウェイ 《ネタバレ》 
 ミラ・ジョヴォヴィッチの悪役は珍しいけど、結構良い感じだなぁ……と思っていたら、最後の最後で裏切りというか、彼女も被害者であったかのような展開になるのが残念。  元々彼女ってキツい顔立ちの美人さんですし、今回は徹底して悪女という路線を貫いても良かったんじゃないかと思えました。   同監督作の「ピッチブラック」が「悪人だと思ったら実は善人だった主人公」の話であるのに比べると、今作は「善人だと思ったら実は悪人だった主人公カップル」の話となっており、どうしても後味は悪かったですね。  途中から登場するカップル二組に主人公交代しているし、そちら目線で見ればハッピーエンドなのでしょうが、今一つその目線の変換がスムーズに行われておらず、彼らに感情移入する前に映画が終わってしまったという形です。   法螺噺っぽく口にした「頭蓋骨をチタニウムで埋められた」という一言が伏線となっている点には感心させられたし、練り込まれた脚本なのは分かるのですが、何というか「気持ちの良い裏切り方じゃなかった」という感じですね。  この手の「主視点の人物こそが犯人である」ネタって、よっぽど上手くやってくれないと褒める気になれないし、本作においては「自分達が犯人のはずなのに、何故か他のカップルに怯える主人公達」の描写が頻繁に出てくるので、ちょっとアンフェアな印象が強いです。   結婚式の映像で二人の顔が映らなかったり、脚本家のはずなのに映画の話になると歯切れが悪くなったりする時点で、観客としても「この主人公カップルは怪しい」と勘付くから、それほど意外性がある結末でもないし、その一方で「じゃあ、結局なんで他のカップル達に怯えていたの?」という疑問が残ったまま。  答えとしては「自分達が犯人だとバレるのを恐れていた」「別に犯人とか関係無く危ない奴らだと思っていたので怯えていた」「完全に被害者カップルになり切って演技を楽しんでいた」などが用意されているのでしょうけど、作中で明確にコレと示される訳でもないので、宙ぶらりんな印象なのですよね。  オチをバレないようにする為の紛らわしい演出が多過ぎて、そういうのは「上手い」っていうより「姑息」なんじゃないかと思ってしまいました。   物語の舞台となるハワイの景観は素晴らしく、観ているだけでリゾート気分を味わえる辺りは、好印象。  それと、普通なら真っ先に容疑者リストから外してしまうような怪しい男を演じていたのが、今やすっかり大物となったクリス・ヘムズワースというのも、上手い配役でしたね。  当時は単なる脇役に過ぎなかったのでしょうが、現代の目線からすると「怪し過ぎるけど、彼が演じているなら意外と犯人って事も有り得るかも……」と思える為、目眩ましとして非常に効果的であった気がします。   上述の通り、オチには納得出来ませんでしたが、程好い緊張感が味わえたし、なんだかんだで楽しめた一品でした。
[DVD(吹替)] 5点(2017-04-18 23:02:08)(良:1票)
24.  犯人に告ぐ 《ネタバレ》 
 とても真面目に作られた、硬派な一品だと思います。   ただ、こういった品は「堅苦しくて退屈」という印象に繋がってしまう危険性も孕んでいる訳で……  残念ながら、本作はそれに該当してしまった気がしますね。  メディアを使って犯人を挑発、対話というテーマは非常にエンタメ性が高く、コメディタッチな作風と相性が良さそうなのに、あえてシリアスに徹したのが本作の特徴であり、魅力にもなっているのでしょうが、自分には合わなかったみたいです。   楽しめなかった理由としては、主人公に感情移入出来なかった点も挙げられそう。  彼は同僚との手柄の奪い合いの為に捜査に最善を尽くさず、結果的に幼い子供の死を招いてしまう。  そこの件で、観ているこちらとしては決定的に幻滅してしまい、最後まで挽回する事が出来なかったんですよね。   序盤で妻と息子の死が連想される展開だったのに「結局二人とも生きていました」というオチが付くのは、恐らく「誘拐によって子供が死んだのに、自分の息子は生きている」という主人公の罪悪感を描く為、そして終盤に息子が誘拐されてしまう展開に繋げる為なのでしょうが、その辺りがどうもスムーズに感じられない作りなのも残念。  これに関しては、いくら終盤に盛り上げる為の伏線とはいえ、序盤で(えっ、結局生きていたの?)と拍子抜けしてしまうデメリットの方が大きかったように思えました。  犯人の捕まるキッカケが「偶然手紙を落としてしまった」「服の色に関する勘違い」というのも、ちょっとネタとしては弱いかなと。   ラストに主人公が目を見開いて終わる演出に関しても  1:真犯人が別に存在する事に気付いた。まだ事件は終わっていない。 2:結局、罪滅ぼしする事は叶わなかった為、未だに昔の誘拐事件のトラウマに囚われている。 3:全てが終わった事に安堵したがゆえの死。   といった具合に、色々解釈の余地があるのですが、どれだったとしてもバッドエンド色が強く、好みとは言い難いですね。   翻って、良かった点はと言えば……やはり、主演の豊川悦司の魅力に尽きるのではないでしょうか。  その話し振り、立ち居振る舞いには流石の存在感があったし、カリスマ的な犯人役なんかも似合いそうな、ミステリアスな魅力を備え持っている。  それだけに、そんな彼があえて刑事役を演じるというのが、絶妙な配役であったように思えます。   過去の罪を清算する為とはいえ、自分を刺した誘拐犯を庇って逃がそうとする辺りなんかは(警官として、それはマズいんじゃない?)と感じ、賛同するのは難しかったのですが、彼が演じる事により、その選択にもそれなりの説得力が生まれていた気がするんですよね。  本作のクライマックスである「震えて眠れ」のシーンの迫力と恰好良さも、豊川悦司だからこそ醸し出せたんじゃないかな、と感じました。
[DVD(邦画)] 5点(2017-04-06 12:33:05)(良:1票)
25.  バガー・ヴァンスの伝説 《ネタバレ》 
 とにかくもう、終盤における「真実の申告」の件が素晴らしい。   ボールは動いていないと訴えるキャディーの少年に対し「動いたよ」と告げて、自らペナルティーを背負う主人公ジュナの姿が、実に恰好良かったですね。  ゴルフは最高のスポーツだと笑顔で語った少年にも、自分自身に対しても、嘘なんて吐きたくないという毅然とした態度に、惚れ惚れさせられました。  優勝を争うライバル達も、そんな申告に喜んだりはせず「きっと君の勘違いだよ」と言い出して、堂々たる決着を望むものだから、もうたまらない。  戦っている三人が三人とも誠実で魅力的な人物である為、観ているこちらとしても、非常に爽やかな気分になれるんですよね。  「動いていない」と言えば、周りはそれを受け入れてくれる、誰も自分を嘘吐きと責めたりしないと承知の上で、それでもフェアプレーの精神に則り、真実を告げる主人公。  その姿を、ごく静かに、淡々と「ゴルファーであれば当然の事」とばかりに描いているこのシーン、本当に大好きです。   プレッシャーに耐え切れず、一度は逃げ出そうとしたジュナが「街の為に頑張ってくれ」と人々に声援を送られ、出場する事を決意するシーンも良かったし、ギャラリーが街中の車を集めてライトでゴルフ場を照らし、夜のラウンドを可能にしてくれる展開も、凄く好みでしたね。  ゴルフの試合に熱狂する街の人々が、本当に楽しそうで、ちょっとしたお祭り感覚なのも伝わって来たりして(こういうの、良いなぁ……)と、しみじみ感じたりしました。   決着のロングパットに関しても、それまでの伏線、音楽、演技、カメラワークなど、完璧と言って良い出来栄え。  カップインした瞬間に無音となり、浜辺のバガー・ヴァンスの背中を映し出すシーンで、初めて歓声が聞こえてきて、そこで祝福のステップを見せる演出なんかも、非常に御洒落だったと思います。   で、そんな本作の不満点はというと……実は、タイトルにもなっているバガー・ヴァンスというキャラクター自体には、そんなに魅力を感じなかったりしたのですよね。  ちょっと物言いが説教臭いというか、どこか宗教めいた匂いも漂っていたりして、どちらかといえば苦手なタイプでした。  実際、この映画のメインは明らかにジュナとハーディーの二人なのでしょうし「挫折した天才ゴルファーが、キャディーの少年との交流によって再生する話」というだけでも良かったんじゃないかなぁ……なんて、つい考えちゃいましたね。   それでも、冒頭で述べたシーンに関しては、あらゆるゴルフ作品の中でも一番好きだったりするし「全ては死に際の老人が見た走馬燈」と思わせておいて、やっぱり死なないでゴルフを続けるという惚けたオチも、妙に憎めなくて好き。   時々「面白い」という気持ちよりも「好き」という気持ちの方が強い映画に出会う事があるのですが、どうやら本作もまた、そんな一本みたいです。
[DVD(吹替)] 8点(2017-03-30 21:15:53)
26.  HATCHET/ハチェット 《ネタバレ》 
 同監督作の「フローズン」と同じように、この映画も「痛い」描写が目白押し。   とはいえ、あちらの精神的にキリキリと響いてくるような痛みとは違って、こちらは盛大に血が噴き出して、思わず笑っちゃうような描写でしたね。  殺人鬼が出てくるシーンでも「ばぁっ!」って驚かすように画面下から飛び出したりして、どこかギャグの要素が込められている感じです。   自分としては、どちらにしても残酷描写は苦手なのですが、こういったスラッシャー映画自体は好きだったりもするので、無難に楽しむ事が出来ました。  何といっても、殺人鬼に遭遇する前の「沼地探検ツアー」の件が、妙に面白かったのですよね。  「彼女に振られて傷心中の主人公」「陽気な黒人の男友達」「隣の席に座っている訳あり気な美人ヒロイン」という主要人物の組み合わせだけでも、観ていて楽しくなっちゃう。  他のメンバーも「手持ちカメラでポルノ映画の撮影をする監督と女優達」「おしどり中年夫婦」「ガイド役は胡散臭いアジア人」といった具合に、個性的な面子が揃っていて、本当にワクワクさせられました。  (もう殺人鬼とか出さずに、このままおっかなびっくり沼地探検して平和に終わって、主人公とヒロインが結ばれるだけの映画にしても良いんじゃない?)  と思ってしまったくらいなのですが、そういう訳にもいかず、やっぱり沼地の途中でボートが事故を起こし、そこから先はお約束の血煙道中に突入。  本作の殺人鬼さんは見た目もグロテスクだし、殺し方は派手だし、テンポも良いしで、人によっては「ここからが本番」「ようやく面白くなってきた」という感じなのでしょうけど、自分としては「出て来なくて良いよ」「殺さないでよ」なんて、ついつい思ってしまいましたね。  結末に関しても「主人公は腕をもがれて瀕死」「ヒロインも殺人鬼に捕まる」「他のメンバーは全員殺され済み」という、悲惨な状況下で唐突に終わってしまう為、どうにも後味が悪かったです。   スラッシャー映画にハッピーエンドを求める方が無粋なのかも知れませんが、本作のように登場人物に魅力を感じてしまうと、やはりバッドエンドは辛いものがありますね。  ジェイソンとフレディ、更にはキャンディマンを演じた俳優さんまで起用するなど、このジャンルの映画に対する愛情は伝わってくるだけに、胸を張って「傑作だ!」と言えない事が歯痒くなってしまう一品でした。
[DVD(吹替)] 6点(2017-02-14 14:08:15)(良:1票)
27.  罰ゲーム 《ネタバレ》 
 作中で行われる「サイモンセッズ」というゲームに対し、全く馴染みが無かった事もあってか、今一つ楽しみ切れなかったように思います。   「ジョージ・マクフライ」ことクリスピン・グローバーが殺人鬼を演じている為か、襲われる若者達よりも、彼の方が主人公と呼べそうな作品なのですよね。  だから「殺人鬼がヒロインを監禁して、双子を産ませるオチ」に関しても、彼の目線からすればハッピーエンドという可能性もあるのですが……やっぱり後味は悪くて、満足度は低め。   「双子は両方とも生きている」と匂わせる描写が幾つかあり、その答え合わせがスタッフロール後に行われる遊び心なんかは、決して嫌いではないのですけどね。  ただ、それも「生きてたのかよ!」とツッコませてくれる一方で、結局はサイモンも殺人やら監禁やらの片棒を担いでいるなら「善と悪の双子」という対比も崩れる訳だし、何だか中途半端な印象に繋がってしまった気がします。  自分としては、ヒーローになるかと思われたザックが無残に殺されてしまった辺りも残念でした。   良かった点としては、やはりツルハシを使った豪快な殺し方が挙げられるでしょうね。  不謹慎な話ですが、こういう映画では殺害シーンに一種の「気持ち良さ」「爽快さ」を求められるものでしょうし、その点に関しては平均ラインをクリアしていそう。  森の中に無数のツルハシが飛び交い、何とかそれを回避するアクション場面なんかは、視覚的にも楽しかったです。  上述のザックの死体の中に隠れ、そこから飛び出して殺人鬼に鉈で襲い掛かるヒロインの姿なんかも、迫力があったかと。   「悪魔のいけにえ」の晩餐風景などもオマージュされており、スラッシャー映画として押さえるべき点は押さえてある為、妙に憎めない映画でありました。
[DVD(吹替)] 5点(2017-02-13 21:18:11)
28.  パコと魔法の絵本 《ネタバレ》 
 「大人向けの絵本」という、一見すると矛盾した表現が似合う作品。   中島監督作といえば「下妻物語」も「嫌われ松子の一生」も、現代の寓話、大人の為の絵本というフレーズが似合いそうな趣きがありましたからね。  本作においても、感動と笑い、対話と活劇、それぞれの要素がバランス良く詰め込まれていたように思えます。   印象深いのは、人間としての「強さ」に拘っていた主人公の大貫が 「強くなきゃ、会社も興せなかったし、財産だって……」  と言いかけてから、手に入れた二つが絶対的な価値を持つものではないと悟ったように、言葉を詰まらせるシーン。  正直、ここに至るまでは (いくらなんでもオタクっぽさが濃過ぎる) (テンションの高いギャグシーンにも付いていけないし、この映画とは相性が悪い)  と、少々うんざりしながら観賞していただけに、ここでハッとさせられた感じでしたね。  劇中の大貫が「周りを見下していた傲慢な人間から、心を入れ替えて誠実になる」という変化を遂げる流れと、観客として、上手くシンクロ出来た気がします。   この手の「主人公の改心話」というのは王道ネタであり、決して目新しくはないのですが 「急に良い人ぶりやがって」 「今更善人ぶったって手遅れなんだよ」  という批判が、作中で行われている辺りも面白かったです。  人生という枠組みで考えてみた場合、晩年に良い人になったとしても、それまでの長い年月を悪人として過ごしたのだとすれば、彼を一概に「善人」という括りでは語れないでしょうからね。  物語としては、悪人から善人に転身した者の方が輝いてみえたりもしますが、実際は「一度も悪人にならず、生涯を善人で通した人」の方が、ずっと立派だよなぁ……なんて考えが浮かんできたりもしました。  こういった道徳的な側面というか「観る者に考えさせる」描写を挟んでいる辺りは、実に絵本らしくて良かったと思います。   個人的に最も好きなのは、落ちぶれた元子役と、彼のファンだった看護婦とのやり取り。 「その子は、ろくでなしの親と二人暮らしで、貧乏で、馬鹿で、不良で、生きてても、何にも良い事なくて……」 「だけど、その男の子を観ている時だけは、凄く幸せで……」 「アンタは、その子の夢だった」  という独白から、彼に「俳優」としての再起を促す件は、本当に良かったですね。  この映画におけるクライマックスは、ここだったんじゃないかと思ってしまうくらい。   それが影響しての事なのか、終盤にたっぷりと尺を取って描かれる「ガマ王子VSザリガニ魔人」の劇については(ちょっと、長過ぎじゃない?)と思えたりもして、残念。  「皆で劇をやろう!」と決意して、それぞれ稽古したりする件が一番盛り上がっていたと思うので、劇そのものは、もっと短く、アッサリ済ませた方が良かったんじゃないでしょうか。   それと、本作の特徴としては、感動と笑いを交互に提供するような演出が挙げられるのですが、劇の中でザリガニ王子を倒す件で「笑い」の方を選択し「ドリフかい!」で倒しちゃうのも、ちょっと好みとは違っていましたね。  それまで充分に笑いは取っていた訳だし、敵役を倒す場面はシリアスに、感動の方で〆て欲しいと願っていただけに(あぁ、そっちを選んだのかぁ……)と嘆息させられた形。   劇の最中、発作を起こして死んだと思われた大貫が、実は生きていたというオチの後 「死んだ方が良かったかにゃ?」 「そっちの方が感動的だし……」  なんて会話を交わして、笑いを取ったのに、大貫を改心させたパコの方が死んでしまうという「感動的」な展開に移行するのも、ちょっと悪趣味に思えてしまい、ノリ切れず。   最初は白け、途中からは大いに没頭し、終盤にて再び白けてしまったという形の為、何とも評価が難しいですね。  「観客をふるいにかける映画」なんて言葉がありますが、この映画で最後まで落ちる事なく楽しめた人にとっては、凄まじい傑作と思えるんじゃないでしょうか。  自分は残念ながら脱落してしまった訳ですが……  付いていけずに落とされた後にも、魅力の余韻が残る一品でした。
[DVD(邦画)] 6点(2017-01-25 06:39:11)(良:1票)
29.  パラサイト・バイティング 食人草 《ネタバレ》 
 面白いんだけど、それ以上に「痛い」映画。   特殊な植物の蔦が体内に侵入し、それを取り出そうと自らの身体を切り刻む女性のシーンなんて、もう画面から目を背けたくなるし、仮に背けたとしても嫌ぁ~な声と音がして容赦なく「痛み」を連想させてくるしで「そんなに丁寧に描写しなくても良いよ! 観客に痛みを伝えたりしないでよ!」と訴えたくなります。  そんな具合に、ともすれば不快感だけを味わう事になりそうな内容なのですが……  これが案外、しっかり楽しむ事が出来たのですよね。   まず、冒頭「災難に見舞われる前の、楽しい旅行風景」がキチンと描かれているのが好印象。  そして舞台となる遺跡を訪ねる際に、現地人から「あそこだけは止めておけ」という類の、お約束の台詞が飛び出す辺りが、何だかニヤリとさせられるのです。  作り手に対し「おっ、分かってるね」と拍手を送りたくなるような演出。    麻酔無しで脚を切り、これで何とか助かったかと思われたのに、その後に口から蔦が入り込んだ時の絶望感なんかも良かったですね。  じわじわと追い詰められていく描写が丁寧なので(あっ、これハッピーエンドは無理だな……)と、観客にも自然と受け入れさせてくれます。   そうして全滅も覚悟したところで、ヒロインだけは何とか遺跡からの脱出に成功するという結末は意外性がありましたし、途中(プレッシャーに押し潰されて、嫌な奴と化してしまうのでは?)と不安になったりもした一同のリーダー格、医学生のジェフが最後まで良い奴のまま、自ら囮になってヒロインを逃がしてみせるという展開も好みでした。  とにかく観ていて「痛い」と感じる場面が強烈なので、再見したくなる映画とは言い難いのですが(観て良かったな……)と、素直に思えましたね。   なお、DVD収録の別エンドでは、ヒロインも結局は死んでしまうという救いの無い結末なのですが、自分としては「何とか一人だけは助かった」という、本編の終わり方を支持したいところです。
[DVD(吹替)] 6点(2016-12-22 06:52:49)(良:1票)
30.  ハウス・オブ・ザ・デッド2<TVM> 《ネタバレ》 
 前作からは一転、かなり真面目に作られているゾンビ映画。   こういった形で作風が分かれた以上「1の方が好き」あるいは「2の方が好き」という論調で語りたかったところなのですが、正直に感想を述べると「どっちも同じくらい……」という結論に達する為、困ってしまいますね。   分かりやすいところで比較すると、主人公に関しては、本作の方が圧倒的に好感が持てます。  如何にも有能そうなルックスに反し、作中の行動はドジが多くて頼りないのは玉に瑕ですが、観客としては応援したくなるタイプの人物でした。  キーアイテムとなる血液サンプルの価値を「売却によって齎される金額」でしか考えられない悪役に対し「それによって救える命の数」を語ってみせる辺りも、良い奴っぷりが伝わってきましたね。   作中にて、ユーモア部分も適度に取り入れつつ、それらは大体ゾンビ達に担当させて、主人公側の人間達は出来るだけシリアスな雰囲気を保てるよう配慮しているのも、良いバランスだったのではないでしょうか。  特に、図書館では静かにするよう「シーッ」と言い出すゾンビなんかは、自分もお気に入りです。   では、難点はというと……何だか根本的な話になってしまうのですが、緊張感が無いのですよね。  蚊に刺されただけでも感染してしまうという設定は非常に驚異的なのに、何故か主人公達は返り血ばんばん浴びまくって、口にも血が入っているはずなのに、全然平気で人間のままなのです。  (えっ? 感染しないの?)という混乱が先立ってしまい、折角真面目にゾンビ映画をやってくれていても、その世界の中に没頭出来ない形。   その他、暗闇の中の人影を「人間か」と思って近付いたら「実はゾンビだった」ってパターンが連続して発生するので(またかよ)とゲンナリしてしまったのも大きいですね。  序盤の段階で、こういう演出への不信感みたいなのが芽生えてしまうと、中々払拭するのは難しいみたいです。  極め付けは「大切な血液サンプルを失ってしまった」という展開を、終盤の短時間の内に二度も見せられた事で、これはもう、正直ガッカリ。  これまでの事は全部無駄骨だったなんて、観ているこちらまで落ち込んじゃいます。   主人公とヒロインの二人は生き延びる為、後味が最悪という事はなく、その点に関しては安心。  作り手は色々と頑張ったのは伝わってくるだけに、もう少し達成感というか、カタルシスを与えて欲しかったなぁ……と思わされた一品でした。
[DVD(吹替)] 4点(2016-11-21 10:05:15)
31.  ハウス・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 
 同監督作の「ウォールストリート・ダウン」が、危険な内容ながらも中々面白かったので、期待を抱きつつ観賞。   ところが序盤、主人公が他の登場人物を紹介するパートにて(友達相手のはずなのに、悪口ばかり言っているなぁ……)と思ってしまった時点で感情移入が出来なくなり、以降も第一印象が覆る事はなく、残念でしたね。  「実は主人公こそが、後にゾンビを大量発生させる元凶である」という、2にも繋がる伏線である為、嫌な奴として描いておくのは仕方ない事なのかも知れませんが、それならそれで「最初は善人だった主人公が、事件を通して狂気に囚われてしまった」という形にしても良かったのではないでしょうか。  この手の映画の主人公は「駄目な奴」だったとしても「実は良い奴」だからこそ(生き残って欲しい)(頑張って欲しい)と思える訳なので、今作のように一貫して「嫌な奴」だったりすると、それだけで観るのがキツくなっちゃいますからね。  唯一、ヒロインへの愛情だけは本物だったのでしょうが、流石にそれだけでは肩入れ出来なかったです。   決定的に(これはダメだろう)と落胆してしまったのは、クライマックスの場面。  何故かラスボスが「主人公に首を斬り落とされるまで、剣を手にしたまま無防備に突っ立っている」という不自然な態度を取っていたりして、これはもう完全に興醒め。  背中を向けていた恰好なので、振り向き様に首を斬られるだけでも充分だったと思うのですが、何故ああも無抵抗だったのか、本当に謎です。  勢い良く突っ走るタイプの映画に、こんなツッコミをするのは野暮かも知れませんが(勢いを重視する作風だからこそ、こういう細かい部分で観客にブレーキを掛けさせるような真似はしないで欲しい)と、つい思ってしまいました。   とはいえ、ゲームの爽快感を再現した中盤の大袈裟なアクションシーンなんかは、結構好み。  作中で「ロメロゾンビ映画の四作目」が「多分やらないだろう」と言われているのも可笑しかったですね。  冒頭、ヒロインについて「フェンシングにのめり込んでいる」との情報があり(何その分かりやすい伏線)とツッコませておいて、終盤で本当にチャンバラをやらせてくれちゃうノリの良さも、嫌いじゃないです。   ゾンビ映画に必要なものが、面白さではなく愛嬌だとしたら、それは間違いなく備えている一品だと思います。
[DVD(吹替)] 4点(2016-11-21 09:33:06)
32.  半分の月がのぼる空 《ネタバレ》 
 作中にて「こういうの言うのって、疲れるね」との台詞がありましたが、観ているこちらまで疲れてしまうような内容。   まず、大泉洋が主人公の未来の姿であったという叙述トリックについては、見事に騙されました。  その驚きと感動が同時に味わえる演出は確かに凄いと思うのですが、ただ一点。  主人公には娘の未来がいるにも拘らず「里香がおらん俺の人生、空っぽや」なんて、それだけは父親として絶対に言っちゃいかんだろうという台詞を口にしたのが、受け入れ難いものがあったのですよね。  過度な自己憐憫で泣かせようという、作り手の意図が透けて見えたように思えて、折角の感動的な場面なのに、白けた気持ちになってしまいました。  せめて、その後にもっと明確に「自分には娘がいた」と気付いて反省したり、この子の為に頑張って生きようと決意するシーンがあったりすれば良かったのですが、それも無し。  また、最後に勇気を出して手術を行うと決意する理由も「里香の命令やもんで」って、照れ隠しではなく単なるヒロイン依存症に思えてしまい、残念でした。   基本的にはベタな「難病もの」であり、王道の魅力を備えているのだから、ツボにハマれば、素直に感動出来たのだと思います。  けれど、本作は自分の好みとは違っていたみたいで、何だか凄く勿体無い気持ちになりましたね。   一緒に病院を抜け出して、ヒロインの思い出の場所に連れて行ってあげる件。  そして学校の劇に、急遽代役として二人が出演する件などは、ご都合主義ではあるけれど「青少年がやってみたいと願う事を、映画の中で疑似体験させてくれる」という意味では、とても良かったですし、好印象。  特に後者の最中にて「私は、一瞬でも長く貴方の御傍にいたいんです」という台詞を、ヒロインが迷った末に口にする流れなんかは、本作の白眉であるように感じられました。  その劇の後、お姫様の恰好のまま倒れたヒロインを、王子様の恰好をした主人公が病院へと運ぶシーンにて、おんぶ等ではなく、ちゃんとお姫様抱っこで運んでいる辺りにも感心。  こういった細かい部分にて、観客の喜ばせ方を心得ているかどうかって、とても大切な事だと思います。   宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」が作中で効果的に扱われている辺りなども、ファンとしては嬉しい限り。  ラストにて、二人のキスと同時に、エンディング曲が流れ出す演出も秀逸でしたね。  性行為などの演出は徹底的に省いているのも「純愛」「真摯な物語」といった感じがして、作り手の誠実さが伝わってきます。   細かい部分での違和感、好みの違いはありましたが……  決して嫌いにはなれない、とても真面目な映画でありました。
[DVD(邦画)] 6点(2016-09-28 22:03:22)(良:1票)
33.  八月の狂詩曲 《ネタバレ》 
 所謂「夏休み物」に分類されそうな一品。   とはいえ、劇中にて「原爆」の影響が色濃過ぎる為、素直に楽しむ事が難しい作りとなっていますね。  序盤にて子供達が、被爆地となった学校を見学したり、滝壺で弁当を食べたりしている辺りは、まだ遠足的な雰囲気を味わえたのですが、リチャード・ギア演じるクラークさんが登場して以降は、完全に反戦、反核映画といった感じ。   「アメリカは被爆地に慰霊碑を送っていない」という指摘だけで済ませず、日系とはいえアメリカ人であるクラークに「すいませんでした」と謝罪させるシーンまであるのだから、日本人としては、何だか居心地の悪さを覚えます。  後者の台詞に関しては「オジサンの事、知らなくて……」という前置きがあるのですが、その後に「私達、悪かった」という言葉まで続く為、どうしても「原爆を投下した事をアメリカ人に謝罪させている」というニュアンスを感じてしまうのですよね。   こういった内容の映画も必要だと思うし、学校の教材映画としても有効活用出来そうではあるのですが、純粋に娯楽作品として考えた場合「面白い」と思えるシーンが少なくて、何だか物足りないものがありました。   終盤、お婆ちゃんが錯乱してしまう展開に関しても「雷をピカ(=原爆)と勘違いして、子供達を守ろうとする姿」には心揺さぶられるものがありましたが、その後に関しては、唯々唖然。  「お婆ちゃんの頭の時計は、逆に回ってんだよ」「多分、あの日の事ば思い出して……いや、あの日の気になって」という説明的な台詞の数々にも (えっ、何で孫だけじゃなく近所の人まで、そんなに正確に分析出来るの?)  という違和感が生じてしまい、どうも納得出来ない。  童謡「野ばら」を流す演出に関しても、ちょっとシュール過ぎたと思いますし、そのままブツ切りのように終わる形だったのも、好みとは違っていて、残念でした。   そんな中で「河童」が窓から顔を覗かせるシーンは「いや、それどうやって扮装したんだよ!」と観客にツッコませてくれるの込みで、楽しかったですね。  この映画には、こういった「親戚の子供達が、お婆ちゃんの家に集まってワイワイ騒ぎながら素敵な夏休みを過ごしている」という空気が、確かに存在しており、そこは大いに評価したいところ。  また、家に泊まる事になったクラークさんが「片言の日本語」で、それを歓迎する子供達が「片言の英語」でと、それぞれ異なる言語で会話する場面なんかも、とても良かったと思います。   黒澤監督としては、反核というメッセージ性の強い作品を撮りたかったのかも知れませんが、自分としては、そんなメッセージとは関係ない部分の方が楽しめたという……  何だか擦れ違いを感じてしまう映画でありました。
[DVD(邦画)] 5点(2016-09-26 21:54:42)
34.  ハッピー・フライト(2003) 《ネタバレ》 
 答案の摩り替えが「ハートマーク」によって判明するシーンに吃驚。  (いやいや、そんな訳ない。これは彼女に濡れ衣を着せる為に第三者が行った事だろう? だって、摩り替えた答案にわざわざ特徴的なハートマークなんて書いてある訳ないじゃん!)  と思っていたら、本当に彼女が犯人というオチだったのだから恐れ入ります。   突発的な思い付きによる犯行だったとしても、これだけ両者の筆跡に明確な違いがあるならば、普通は「摩り替えよう」なんて思わないだろうと、盛大にツッコんでしまいましたね。   一応は主人公の親友という立場であったのだし、別れのシーンでは謝罪と反省の言葉を述べさせて、それなりに綺麗にまとめてみせるか……という予想も裏切られ、互いに口汚く罵りながらのキャットファイトに発展した時には、もう唯々呆然。  ここのシーンって、作中では善玉として扱われている主人公も、親友の窃盗癖を黙認していた時点で同罪じゃないかという気がするし、何だか喧嘩している二人とも「嫌な女」に思えてしまって、観ているのが辛かったです。   主演のグウィネス・パルトロウは好きな女優さんだし、映画全体としては演出のテンポも良く、音楽の使い方も的確で、退屈する事無く観賞出来ただけに、脚本が肌に合わなかった事が、残念で仕方ない。   それでも、最後はハッピーエンドで〆てくれましたし、スタッフロールと共に流れるNG集では、上述の女優さん二人が仲良く喧嘩の演技をしている姿にホッとさせられたしで、不思議と後味は爽やか。  大きな欠点があるかも知れないけれど、小さな愛嬌を幾つも感じられて、どうにも憎めない映画でありました。
[DVD(吹替)] 5点(2016-09-08 15:13:02)
35.  パーマネント・レコード 《ネタバレ》 
 主人公かと思われた登場人物が、映画が始まって三十分程で、自ら命を絶ってしまう。  それでも、そこに驚きは無く(あぁ、やっぱり……)という思いに繋がるのだから、如何に丁寧に「死に至る心境」を描いていたのかが分かりますね。   学園の優等生で、人気者であり、恋人も、親友もいるはずなのに、何故か孤独を漂わせているデビット。  幼い弟に対し、自分と入れ替わらないかと提案するシーンなんて、特に印象深い。  「楽しいぜ、みんなのアイドルさ」「僕の方は一日中、眠れる」  という台詞からは、彼が感じている重圧と、そこから解放される事を願う気持ちが、痛い程に伝わってきました。   そんな彼の親友であり、映画後半の主人公となるのは、若き日のキアヌ・リーヴス演じるクリス。  親友のデビットが残した遺書代わりの手紙を目にし、衝撃を受ける姿が、何とも痛ましい。  「すべてを完璧にしたかった」「だめだった」  という短い文面を読み上げ、その深い絶望を感じ取って、思わず嘔吐する。  そんな場面を目にすると、映画前半での「デビットに同情する気持ち」も、瞬く間に吹き飛んでしまいますね。  自殺という行いが、如何に残された者達を傷付けるかについて、改めて考えさせられました。   そんな具合に、色々と心に響いてくる内容だったのですが、映画としては、クライマックスの演奏シーンで盛り上がれず、淡々とした流れで終わってしまったように思えて、少々残念。  デビットの遺作である曲を、クリス達がバンド演奏する事を期待していたのに、ヒロインの独唱という形になったのが、どうにも肩透かしだったのですよね。  そこはやっぱり、手紙と楽譜を受け取ったクリス自身に演奏して欲しかったなぁ……と思ってしまいました。   一夜明けての、ラストシーン。  デビットの転落死を経て、崖に設置された金網は、さながら彼の墓標のようでしたね。  そんな金網に手を添えて、寂し気な姿を見せていたクリスが、呼び掛ける声に振り向き、名残惜し気に金網を見つめながらも、仲間の許へ歩いていくエンディングは、とても好み。  悲しみを抱えながらも、それに囚われる事は良しとせず、生きる事を選んでみせるという、前向きなメッセージが伝わってきました。   自殺というデリケートな問題を扱いながらも、決してそれを肯定せず、勇気を持って否定してみせた一作だと思います。
[ビデオ(字幕)] 6点(2016-08-24 09:26:05)(良:1票)
36.  バウンス ko GALS 《ネタバレ》 
 中盤におけるヤクザとコギャルとの問答シーンの緊迫感は凄いですね。  結果的には意気投合して「見逃してもらった」形となる訳だけど、殺されるなり殴られるなりしても全くおかしくない雰囲気だっただけに、息が詰まるような思いがしました。   今となっては古臭くなっているかも知れませんが、当時における「コギャル」の生態を描いた品としても、凄く貴重。  コギャル当人に言わせれば「私ら、こんなんじゃないし」という答えが返ってくるかも知れませんが、年代も性別も異なる自分の目線からすると、極めてリアルに描かれているように思えます。   援助交際を行っているグループの中でも、すぐに身体を許す子は「サセ子」と呼ばれて見下されてしまう辺りなんかも、非常に興味深い。  こういった場合、第三者の目線からは「コギャル」と、ついつい一括りにしてしまいがちだけど、彼女達の中にも差別やら区別やらが存在するんだなぁ……と、しみじみ感じました。  「別に自分達が特別な訳じゃない」 「常識ある大人が少なくなったんです」   などの台詞によって「援助交際とは、そもそも大人側の需要が存在しなければ子供側の供給も存在しない」という真理を突いてみせるのも、実に上手いですね。  男性であるヤクザ目線でも、女性であるコギャル目線でも、互いの言い分に一定の説得力があるというか、観ていて肩入れ出来るような感じに仕上げているのは、監督さんの力量なのだと思われます。  こういった世代差や性別を越えた「対話」を扱う際に、どちらか片方を貶める事なく描いてみせるのは、中々出来ない事かと。   「どうして子供が売春なんてするんだ?」という観客の疑問に対し「子供の内は捕まっても罪が軽いから、悪い事をするなら今の内。二十歳になったら悪い事は止める」と語る少女を作中に登場させて、一つの答えを示している辺りなんかも、色々と考えさせられましたね。   それまで大人の「欲望」を利用して金稼ぎしていた少女達が、終盤にて大人の「善意」によって救われる構造なども、面白かったと思います。  ただ、自分としては最後の最後で、妙に綺麗にまとめてみせたというか、ちょっと終盤の展開だけ映画の中で浮いているようにも感じられて、そこは残念。  あの終わり方だからこそ、青春映画としての魅力も強まっているのかも知れませんが、もう少し苦みを含んだハッピーエンドでも良かったかも知れませんね。  それまでの展開がリアルであっただけに、爽やか過ぎて非現実的に思えてしまいました。   エンドロールの最後に流れる笑い声が、凄く怖かったりもしたのだけど、あれの演出意図も気になるところ。  大人目線による「子供の得体の知れない不気味さ」を表したにしては、劇中でその「不気味な子供」を好意に近い目線で描いている訳だし、どうも不可解。   全体的にクオリティは高いのですが、最後まで謎や違和感も残るという、後味爽やかとは言い難い映画でありました。 
[DVD(邦画)] 6点(2016-08-10 10:11:46)(良:1票)
37.  白鯨との闘い 《ネタバレ》 
 白鯨の襲撃を受けて、船が瞬く間に破壊されるシーンは、迫力満点。  想像していた以上に「漂流」のパートが長く (あんまり白鯨とは闘わないんだなぁ……)  と下がり気味だったテンションを、一気に高めてくれるだけの衝撃がありました。   序盤は「分かり易い悪役」であったポラード船長が、徐々に成長した姿を見せてくれる展開なんかも好み。  当初は対立していたオーウェン航海士と、少しずつ認め合い、再会時には喜びを見せる辺りも良かったですね。   鯨油を採る為に命懸けで船旅をしていたトーマスの口から「地面を掘ったら油が出てきた話」が語られる際の、何とも言えない笑みなんかも、非常に味わい深い。  もう危険な航海で油を集める必要もない、石油の時代への移り変わりを象徴する台詞。  とても雄大な気分に浸らせてくれると同時に、一抹の切なさも感じられました。   作中で最大の禁忌として扱われているカニバリズムに関しては、それを扱った品を既に何作も観賞済みなせいか、あまり大事には思えなかったりして、残念。  如何にも勿体ぶって描かれていた分だけ、こちらとしては少々白ける気持ちを抱いたりもしましたね。  結末では「全部を書く必要は無い」と、その禁忌をあえて秘した上で小説「白鯨」が書かれたという形になっており、作者であるハーマン・メルヴィルの優しさが示されています。  その一方で、本作品は「せっかくメルヴィルが気遣って隠しておいた秘密を暴く」ストーリーとなっている訳であり、そのチグハグさも気になるところ。  良い話として纏めているけれど、この映画の存在自体が「あえて全てを書かなかった」配慮と真っ向から反しているのではないかと、最後の最後で疑問符が残りました。   告白者であるトーマスの妻が、毅然として言い放った 「初めて会った時に、その話を聞いたとしても、私はずっと貴方の妻でいたでしょう」  という台詞が印象深いだけに、真実の秘匿を肯定的に描く形にはして欲しくなかったなぁ……というのが、正直な気持ちです。   そんな本作のクライマックス。  白鯨と目が合ってしまい、銛を突く手を止めてしまうシーンは、実に素晴らしかったですね。  とにかくもう「視覚的なメッセージ」の力が圧倒的で「何故、殺さなかった?」という作中の台詞に対しても、こんなに美しいものを殺せる訳が無いじゃないか……という気持ちにさせられます。  傷口を映し出す演出、そして白鯨が攻撃を加えずに去っていった事からするに 「白鯨と航海士との間には、闘いを通じて奇妙な友情が芽生えていたのだ」  と解釈する事も出来そうな感じ。  でも自分としては、白鯨があまりにも美しかったから見惚れてしまい、それを壊す事など出来なかったのだと思いたいところです。
[DVD(吹替)] 7点(2016-07-13 21:32:00)
38.  パレード 《ネタバレ》 
 これは久々に「怖い」と思わされた映画です。   正直に言うと、終盤までは退屈で仕方ない。  夜の遊園地にて、女性が子供時代のトラウマを語るシーンの演出なんかはベタベタで、話の途中で相手の男が目を瞑っているのに気が付き「何だ、寝ちゃったのか」と呟く件なんて、もう観ているコッチが恥ずかしくなるくらい。  だた、このシーンにて「途中で寝ちゃった」はずの男性が、そっと目を開き、寝た振りをしていた事が明かされるのですよね。  (出会って間もないのに、いきなりヘビーな話されて困ったから、聞かなかった事にしたのかな……)と、軽く受け流していたのですが、まさかそれがラストの伏線とは、恐れ入りました。   連続通り魔の犯人が、ルームシェアしている若者達四人の中にいる事は、大体予見出来る範囲内だと思います。  その正体が、藤原竜也演じる直輝であったという点についても「一人だけ夜中に出歩いていて、アリバイが無い」という事を鑑みれば、意外とは言えない。  衝撃的な犯行シーンに差し掛かっても、観客であるこちらとしては(まぁ、そうだろうなぁ)という感じで、然程驚きは無かったのですが、そんな風に心が緩んだ隙を突くようにして、映画は「本当に怖い」ラストシーンに流れ込むのです。   偶々犯行を目撃してしまった、新たな入居者のサトル。  諦めきった表情で「警察に突き出される事」「自分を慕っていた同居人の皆にも犯行がバレてしまう事」を覚悟する直輝に対し、サトルは事も無げに、こう言い放ってみせる。 「もう、みんな知ってんじゃないの?」  この一言にはもう、完全に直輝と心境がシンクロしてしまって、心底から吃驚。  そして、何故知っているのに止めなかったのか、その理由が既に作中で明かされていた事に気付いて、二度驚く訳です。   恐らく彼らは「重い話を聞く事」が「面倒臭い」のだと思います。  だからトラウマを抱えた女性を相手にしても、寝た振りをしてやり過ごす。  同情したり、慰めたり、励ましたり、怒ったり、一緒に泣いてみせたりするのは、疲れるし、やりたくない。  同居人が殺人犯じゃないかと勘付いても、それが確定してしまったら面倒なので、踏み込まない。  観客が知りたいと願う「犯行の動機」に関しても、一切詮索したりはしない。  自分にとって「都合の良い人物」「皆の頼れる最年長者」でありさえすればいいという、怠惰な利己主義。  作中で長い時間を掛けて、彼らは「問題を抱えているけど、基本的には良い奴ら」として描かれていただけに、その衝撃は凄かったですね。   そんな人間関係の中で、直輝だけが一方的に「重い話を打ち明けられる事」が多い。  しかし、直輝にとっての悩みである「自分が殺人犯である事」は、誰にも打ち明けられない。  信頼出来る人格者として扱われている為、仲間から打ち明けられた秘密を、他の仲間に話す事も無い。  あまりにも便利な相談役。  だからこそ、他の住人にとっては直輝が必要だったのでしょう。   ラストシーンにて、泣き崩れる直輝に「皆で旅行に出掛けよう」と誘う一同の、冷たい表情。  そこからは、親しみに見せかけた究極の無関心というか「大切なのはアンタがどういう人間なのかじゃなくて、アンタが私の仲間として役に立ってくれるかどうかだ」という要求が窺い知れて、本当に背筋が寒くなりました。  日常にて何気なく使われる「空気を読めよ」という言葉なんかも、本質的には彼らの要求と同じではないかと思えたりして、何ともやりきれない。   全編に亘って楽しめる内容とは言い難いのですが、とにかくラストの衝撃に関しては、折り紙付き。  こういった事が起こり得るからこそ、途中まで退屈な映画でも、最後まで諦めずに観なきゃいけないんだな……と、再確認させてくれました。
[DVD(邦画)] 6点(2016-07-03 07:34:31)(良:1票)
39.  はじまりのみち 《ネタバレ》 
 アニメ畑の出身である人が監督した作品にしては、あまり非現実的な内容でない辺りは嬉しかったですね。  ちゃんと、こういう人情劇も撮れるんだぞ、と証明してもらったような感覚。   木下恵介監督の作品は「カルメン故郷に帰る」「楢山節考」「二十四の瞳」くらいしか観賞していないのですが、劇中にて主人公が後の創作のアイディアとなったであろう場面と遭遇する流れでは(おっ……)と思わされました。  正直、それまでは(別に木下恵介が主役じゃなくても良いよなぁ)と思っていただけに、失望が喜びへと変わる瞬間を味わえたという形。   終盤にて、上述の経験から生み出された木下映画の数々が、延々十分以上もダイジェストで流れる演出なのですが、それを踏まえて考えると、事前知識が一切無い方が(あぁっ、あれって伏線だったのか!)と感動出来そうな感じですね。  最後の1コマでは、原監督お気に入りの「青空侍」を連想させるような演出もあったりして、彼のファンならば作中の木下恵介を原恵一と重ね合わせて楽しむ事も出来るかも。   難点としては、原恵一監督が木下恵介を尊敬するがゆえなのか、作中人物が全員「木下監督の作品は素晴らしい」と主張する立場で固められており、少々胡散臭いというか、創作者にとって優し過ぎる世界だな、と感じられた事でしょうか。  結局、この映画の中で主人公に批判的な人物は、顔も見えず声も聞こえない「検閲を行う軍部」しか存在しておらず、映画会社も、家族も、庶民代表のような便利屋さえもが、全て主人公の映画を絶賛して、応援してくれているのです。  にも拘わらず作中では「不遇の天才」であるかのように主人公を同情的に描いているのだから、何とも妙なバランス。  主人公が不貞腐れる事になる冒頭のシーンでは「特攻隊の映画を撮ろうと思ったら中止になった」という障害しか発生していない訳で、可哀想は可哀想だけど大袈裟に嘆く程でもないよな……と感じられるのです。  監督をクビになった訳でもないし、映画会社の人は別の映画を撮ろうと優しく提案してくれているにも拘わらず、自分の映画に文句を付けられたのが気に食わなくて癇癪を起こしたかのように田舎に帰ってしまう。  そりゃあ自由に映画を撮らせてもらえないのが嫌なのは分かるけど、そのくらいの躓きで映画作りを諦めて監督辞めると言い出すだなんて、それは芸術家としての美点ではなく欠点ではないかと。  「木下恵介って人は、そんなに映画作りの情熱に欠けた人だったの?」 「周りが皆揃って自分の作品を絶賛して応援してくれないと映画を撮れない人なの?」  なんて思えてしまうのだから、伝記映画としては、ちょっと頂けない内容でした。   母親の顔をハンカチで拭う件など、感動的な場面でやたらと大袈裟なBGMが流れるのも気になるところ。  ここも、監督さんとしては「木下恵介の母想いな優しさ」を強調したいという、善意ゆえの演出だったのかも知れませんが、少々押し付けがましく感じられて、残念。   漬物屋で育ち、大の漬物嫌い。黒澤明とのライバル関係。同性愛疑惑があってスタッフに美青年を採用していた等々の、エキセントリックな要素は「故人の名声を傷付ける」とばかりに排して、優等生的に仕上げたのだとしたら、何とも寂しい限りですね。  作り手の誠意は伝わってくるだけに、何だか心苦しいのですが、自分としては違和感の大きい映画でした。
[DVD(邦画)] 3点(2016-07-03 00:53:11)
40.  バレット(2012) 《ネタバレ》 
 「女子供は殺さない」「義理人情に篤い殺し屋」というキャラクターを主人公に据える前時代的な潔さが、もう天晴。  とにかく勧善懲悪が徹底していて、敵を次々に殺しまくり「死んでも誰も悲しまない悪党が死んだだけ」と堂々と語ってみせるのだから、これは凄い事です。  上記の台詞に関しては、正直ちょっと引いてしまったりもしたのですが(きっと、この映画の世界では本当にそうなんだろうな……)と、納得させられる力強さがありましたね。  往年の名匠ウォルター・ヒルだからこそ、出来た事なのかも知れません。   そして、とっくに承知の上なはずだったのですが、それでもシルヴェスター・スタローンの風格と肉体美には、改めて惚れ惚れ。  主演俳優を格好良く撮るという意味合いにおいては、文句無しで合格だったかと思う次第です。   その一方で残念なのは、スタローンにばかり比重が偏り過ぎて、相棒となる刑事の影が薄く、バディムービーとしての魅力には欠けるように思えてしまった点でしょうか。  何せ一番印象に残る活躍が、携帯電話で警察のデータベースから情報収集するという、刑事なら誰でも出来そうな事だったりするのだから、何とも寂しい限り。  ラスボスとなる殺し屋を撃ってスタローンを救ってみせる場面も、あるにはあるのですが、正直そこに関しては「元相棒の形見であるナイフを首に突き刺す」という形で、復讐のカタルシスと共に終わらせておいた方が良かったんじゃないか、と思えてしまいました。   途中、クリスチャン・スレーターがアッサリ殺される展開に関しても(まぁ、スレーターだしなぁ……)と、彼を好きなはずの自分ですら納得してしまうような予定調和の中にあるのに、相棒の刑事は心底から吃驚して「何故殺した?」と動揺していたりするものだから、ちょっと感情移入出来なかったです。   そんな本作の価値を大いに高めているのは、斧を武器とした武骨なラストバトルでしょうね。  相手役となるジェイソン・モモアも雰囲気たっぷりで、非常に重量感のあるアクションとなっています。  ぶつかり合う斧の刃先からではなく、互いの筋肉から火花が飛び散っているかのような迫力には、大いに興奮させられました。   スタローンが相棒の肩を撃って、彼の無実を証明してみせた後に、悠然と立ち去っていく後姿なんかも、これまた素敵。  色々細かな不満はあったりしても、その格好良過ぎる背中を見つめるだけで、もう満足させられちゃうのですよね。  何とも罪作りな背中でありました。
[DVD(吹替)] 6点(2016-06-24 07:31:06)
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