41. バーバー
ソーントンのタバコばかり吸っていて無口で何をしゃべっているのか分からないけど、メチャクチャ渋くて独特の表情が印象的だった。 確かに人生は見つめようとすればするほど見えにくいものなのかもしれない。 妻がいなくなって初めてその存在感、空虚感を感じる。 人生の全体像を見ることができればいいのかもしれないが、そんなことは出来ない。 しかし髪が自然と伸びていくのと同じように人生もおかしくも不思議に進んでいく。 コーエン兄弟らしく、人生が転がっていくストーリーでもありながら、人生について静かに深く見つめた、いい映画に仕上がっている。 8点(2004-05-26 23:58:55) |
42. バットマン&ロビン/Mr.フリーズの逆襲
ようやくバートンの創り出した世界から離れて独自のバットマンの世界を描けていたと感じる。 クルーニーバットマンも今までの二人とは違うクールでカッコ良さを感じる。 悪役を倒すだけでなく悪役を憎しみの心を溶かして改心させるというのも立派なヒーローの役割、評判は悪いけどラストもなかなかいいんではないでしょうか。 シュワはまあ良くも悪くもなく、サーマンはなかなかの好演。 倉庫でチラッとリドラーの服を見せてくれるとかもなかなかのポイント。 7点(2004-04-30 16:29:11) |
43. バットマン・フォーエヴァー
人間の二面性、憎しみからの復讐の空しさ、トラウマなど前作から繋がる人間の暗さ、心の闇にも焦点を当ててはいる。でもやっぱりバートンの創り出した世界とは違う。 ヴァルキルマーのバットマンは頑張ってはいるが、やはりイメージとは違い違和感がありすぎる。 バットマンの自分よりも、ウェインの自分の方がいいとキッドマンから言われたときの「ニヤリ」の表情とかは良かったんだけど。 バットマンシリーズは、主役のバットマンよりも悪役の方に焦点が当たることが多い。 しかし、トゥーフェイスはイマイチと言わざるを得ない。 人間の二面性を映画のテーマにしているのに、全くその特徴が出ていない、昔は検事だったらしいのに。前の二作に較べて存在感もない。 ジムキャリーのリドラーはなかなか良くは見えるが、ふと振り返るといつものジムキャリーをそのままやっているだけかもしれない。 ロビンはどうでもいいが、ロビンはバットマン自身の過去の自分の姿なんだから、復讐に燃えるロビンとバットマンの対立をもっと深く描ければ良かったと思う。 出てきて何もせずにとっ捕まるくらいなら、思い切って、ロビンを参戦させずに復讐の空しさを説いて今回は戦わせないというストーリーでも個人的に良かったのに。 ラストはひどい、コイン投げは人を馬鹿にしている。 5点(2004-04-30 16:20:21) |
44. バットマン リターンズ
前作よりもはるかにバートンらしい世界観がゴッサムシティを含めた映像の中に投影されている。 前作はニコルソンの独壇場だったが、今回はなんとかキャラのバランスが良く取れていたと思う。 前作は「ジョーカー:バットマン:ベイシンガー」の比率が、「6:2:2」くらいだったけど、今回では「キャットウーマン:ペンギン:バットマン:ウォーケン:着ぐるみを含めた他のペンギン」の比率は「4:3:2:0.5:0.5」くらいになったんではないでしょうか。 相変わらず影の薄いヒーロー、バットマンだったが、彼の悲哀や二面性や影の部分をキャットウーマンが補完してくれた感じがする。 仮面を脱ぎ捨てでも自分自身の影であるウーマンを助けようとするけど、助けることが出来なかったバットマンが切なくていいですね、あの場面でようやくキートンがバットマンで良かったかもと思えた。 それぞれが傷を持つ者同士、ペンギンも含めてヒーローも悪役も確かに紙一重、皆同じ哀しい人間なのかもしれない。 8点(2004-04-24 01:35:58) |
45. バートン・フィンク
これは夢オチなのか?観た人によって感想は違うと思うが、自分はあの箱の中身はタトゥーロ本人の頭が入っているもんだと思ってた。グッドマンが書けないで悩む主人公を殺すことでその苦しみから開放させたんではないか…かなり妄想が入っているが。結局、どこから夢又は妄想の世界が始まるんだろうか。いずれにせよ、作家の苦しみがよく分かる作品には仕上がっている。 それにしてもコーエン兄弟の引き出しの多さには恐れ入る。 8点(2004-04-11 01:59:11) |