1. フライド・グリーン・トマト
《ネタバレ》 時折現れる黒い笑いに、お話全体の温度が引き締まる。オチが分かってしまう人もいるかと思うけど、それはそれで安心感がある。 あの旦那はあの後いったいどうするのか気にはなるけど、丸く収まって良い話だった。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-10-05 18:20:08) |
2. ファイト・クラブ
《ネタバレ》 面白い。スゲエ面白い。 実は喧嘩を見に来たんじゃなくて、いかれた男に心酔したカルト集団だったっていうプロットが、全く関係ないストーリーで進んでいくのに破綻してないし(してるのかもしれないけど観てる間は気づかない)。 こういう悪意満載な映画は大好きだ。 [DVD(字幕)] 8点(2011-09-25 01:52:37) |
3. プライベート・ライアン
《ネタバレ》 素直に、大変面白かった。 20分間の弾丸が飛び交う息苦しさ。半端ではない。映画を見ているだけなのに、一瞬「もう駄目だ、オレは死ぬ」的な諦念がよぎる。他の映画ではほぼ無い体験をした。 で、その後のホノボノ感と来たら。のーんびり見てられるのである。確かに酸鼻極まりない殺し合いをしてはいるんだけど、平和だなーと錯覚してしまうのが恐ろしい。あの20分の後も絶賛本土攻略中なのである。 一人を助けるために、幾人かの命が失われる。戦争でなくても、一人を助けるために多大な労力をつぎ込む。人間って言うのは、いつだってそうだ。戦争行為においてもそれができるかどうかというのは精神の高貴さを問われる。 非人道的処遇を受けるかもしれない、顔も知らない戦友のために命を懸ける彼らに誰もが感動するだろう。 たった一人の隊員のために大勢の命を懸けるのは、今も20世紀の昔も変わらない。誰もがそうする当たり前のことだ。様々な逡巡を見せる司令官から救出隊員たちまで、当たり前の事実を苦しみ抜く。 ある国は21世紀に、たった二人のパイロットを助けるために特殊部隊を中東に送り込む。現実と何ら変わらないこの映画のリアリティには、必ず仲間が助けてくれるという支柱がある。だからこそ他国や戦友を救出する戦闘へ踏み込める。これを覇権国家とか、世界の警察などと揶揄してしまう日本語の文章を見るとイラッとしてしまうのだが、この映画は安全な部屋で交わされる言葉の棘などまるで気にしないかのように、流れていく。 [ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 8点(2011-06-11 14:34:50) |
4. ファーゴ
《ネタバレ》 この微妙な味わいがたまらない。 事実であるという嘘を冒頭に持ってくることで、何故かビシビシ電波を発し始めるキャラクターたちが、妙なリアリティをもって受け手に迫ってくる。 そんな訳ねーだろと言い切れないさじ加減はもはや抗しがたい魅力を持っていて、どうしようもないジレンマを最後まで捨てさせない。 こんな奴らどうなってもいいや的な気持ちとか、でもやっぱなんとかならないのかな的な気持ちが、どうでも良いようなそうでもないようなバランスで漂い続けるが、結局この話って娯楽なのか?っていう疑念がわいた頃にフッツリと終わってしまう。 壮大なユーモアなのか、悪趣味なのか、未完成品なのか。判然とさせないあたりも秀逸だったりする。 [ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 7点(2011-12-30 03:18:19) |
5. フォレスト・ガンプ/一期一会
《ネタバレ》 この味わいが良い。面白いかどうかと言うと、微妙な感じではあるけれど、ストーリーといえるかどうか微妙なところをストーリー寄りで作った脚本が秀逸。ぼーっと昔のアメリカを眺めて良い時代とか悪い時代とか、良い風景とか悪い風景とか、微妙な味わいのエピソードをぼんやり楽しめる。 彼女の話はいつの時代もスルッと抜けて行ってしまう訳だけど、死因がエイズっていうのも時事ネタだったりして、徹頭徹尾時代を映している感じ。たぶんこの映画は今後どういう時代に観ても回顧ものとしての味わいが全然変わらないんじゃないかと思う。 ゲイリーシニーズが主要キャストででているが、数年前CSINYを観るようになるまではそうそうベトナムの鬼中尉だった。今ではこの人を観るとマックテイラー以外の何者でもない。そういうところが妙に気になってしまうあたり、ドラマって役者のイメージをゴリッと変えてしまうんだなぁとか改めて納得。 それからこの映画の表現に、アメリカの正当化とか政治的な押しつけとかそういうものは特に感じなかった、というか狂乱的アメリカ礼賛を聖書の中からでも見つけ出す的なとらえ方って、むしろ日本の一部に根付いてる文化だと思う。それは置いといて、単にそのまんま的素直な表現だったように思うけど、そういう政府陰謀説のたぐいの映画だったっけ・・・?。 [DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-08-30 03:33:41)(良:2票) |
6. ブレア・ウィッチ・プロジェクト
《ネタバレ》 なかなか面白かったと思う。 公開当時、ぜーんぜん興味が無かったので音として「ぶれあういっち」とか言うかんじのタイトルの映画があったな。という程度に覚えていた。翌年レンタル店で借りたのも、昔みた物をなん本も借りなおしたとき、未見作品も一本借りっかと思ったら予備知識が一つもない映画がこれしか目に入らなかったからだ。 そういうわけで、いったい何の話かまっったく解らない状態でダラダラみたおかげでなかなか楽しかった。基本的に森って怖いじゃないですか、シャンプーしてるとき後ろに誰かいるかもね的な怖さを上手に造ったなぁって思う。中盤くらいまでは結構ノリノリでみることが出来たけど最後の方がなぁ。最後の最後に隙があったかな。何人かのうち1人だませれば相当な人数になるのではないかという計算高さが漂っていていやだなぁこう言うのは、って思ってしまった。 とはいえ森が怖い、迷うと怖い。ちゃんとこれが映像になってるから予備知識があってもそれなりに楽しいんじゃないかと思う。 学生のとき、暇だなぁって百キロも二百キロも離れた地方都市に金もないのにほぼ寝間着で、お金も持たずに夜中よくドライブに行った。オモシロ半分で市街地から外れてみて元の道に戻れなくなって当然迷う。延々と森や畑と古い家ばかり続く道で、高速道はおろか、市街地への方向を示す表示板すら全然出てこないとき、もの凄い後悔と恐怖が襲ってくる。 正常な判断が出来なくなってる丑三つ時、まばらな古民家にすいません迷いましたと訪ねられる神経の人ってそういないと思う。そういう恐怖がこの映画にもあった。タイムリーだったんだ。でも違うのは、明け方に家にこっそり何事もなく帰ったら授業をサボって昼まで眠りこける安心な現実と、無理矢理恐怖と絶望を感ようと努力し過ぎちゃったしらけた結末。あの異世界に迷い込んだかのような恐怖感と、帰ってきたときの安心感、道を覚えたからまた行ってみようかなっていう風景。作り物なんだけども。 それでも造った人たちが意図しない方向に現実的なおもしろさがあったところがこの映画が意外とウケた原因じゃないのかなって思う。設定に恐怖感を作り出せない人は、先駆的な視点に気づかなければ何にも響かないんじゃないだろうか。 [ビデオ(字幕)] 7点(2009-07-26 02:04:53) |
7. プレデター2
《ネタバレ》 通路の天井が流れる。蛍光灯が時々通り過ぎると、天井の継ぎ目が何本かまた流れる。仰向けの僕の下を流れるリノリウムと、もしかしたらそう感じた印象だけの問題かもしれない薄暗い通路の天井は同じ速度で、常に平行に僕の背中と目の前を流れていく。 やっとたどり着いた扉が開くと、どう言う手順でそうなったのか分からないが、白衣の男性が僕に点滴やら注射やらを行う。痛くないか、眠くなってきた?等と聞かれた覚えがあるけど、そうでもないですよと答えた瞬間から後の記憶は全く無い。 誰も見舞いに来なかった病室で目を覚ますと、綺麗な看護婦さんが僕を優しく見つめた。痛みを気遣う彼女は我慢しないで薬を使った方が良いよ、と言ってくれた。こんな風に優しくされたのはいつが最後だろう。 「それじゃお願いします」と返すと急に苦しくなった。とてつもない痛みが僕の中からやってきた。僕の中にあったかつて僕だったものが永遠になくなって、そこには何も残っていないはずなのにとんでもない量の痛みが代わりに詰め込んである。それを薬でなかったことにして、やり過ごす。これからしばらくずっとそんな日が続くのかと思うと、目が覚めなくても良かったんじゃないかと思った。 それでも数日して痛みが引いてくる頃、窓から見える桜が緑に揺れるのを眺めながら、それまで消えて欲しいと思っていたものが無くなってくると、僕の中身がとうとう無くなってしまった様な感覚に溺れる。痛みすら入っていないんだ。そう思うと涙が止まらなくなってしまった。 優しくない日常の中にあの病室の日々がよみがえることがある。 そして何度もよぎるのは忘れられない手術の日の事。薬をお願いして、痛み止めを持ってやってきたのは別の看護婦さんだったのだけど、いや、よく考えると同じ人物を違うフィルターで眺めていたのかもしれない。あのときの看護婦さんの顔を見てプレデター2を思い出してしまったのだ。 もちろんプレデター2をテレビ放送で見かけると、獰猛な笑顔で座薬を手に持つあの看護婦さんが激しくまぶたの裏に現れる。 完全に表裏一体になってしまった彼女たちを思い出すと、僕の中から無くなった僕の部品を思い出すんだ。 [地上波(吹替)] 6点(2012-06-23 02:23:26) |
8. フォーリング・ダウン
《ネタバレ》 それまでの鬱憤が、あるのかどうか分からない引き金で爆発して、人間の闇を写す顛末。 だとよかったんですけど。 も一ひねりあるのかと思った。 どうも理性的な理由付けがいけなかった。 けど、そういう風に感じるのはこの映画よりも日本の衝動的な犯罪の方が遙かに醜いからだと思う。 これを見て恐ろしさを感じているのだとすると、アメリカの方が健全なのか。 [ビデオ(字幕)] 6点(2009-01-18 22:33:11)(良:1票) |
9. フィフス・エレメント
つまらなくないけど別に・・・という感じでしょうか。 フランスってこういう映画あんまり上映されてないんでしょうか? 公開当時もの凄い謳い文句で宣伝していたし、見てみたらスターゲートのテレビシリーズみたいで衝撃的でした。 もうちょっと練ってくれれば良かったのに。 映像と未来都市は良かったです。 [DVD(吹替)] 4点(2008-09-28 16:01:12) |
10. ファニーゲーム
《ネタバレ》 将棋盤をひっくり返してやべー負けるところだったな、ハッハーとほくそ笑む人間を見る様に不愉快になったわけだが、何だろうこれ。 嗜虐的なやり口にソフトさがあって第四の壁まで超えてきちゃうあたりに一層のいやらしさがある。でも娯楽側の映画としてのやり方としては間違って無いんだろうなとも感じる。無い事も無い。 話としては尼崎の事件の方がずっと怖いのだが、実在の事件と競うつもりは毛頭有りません、というような態度もなんか腹立たしくて。 リモコンで巻き戻した瞬間、他の人はどう思っただろうか。斬新とか感じた人もいるのだろうか、居るだろうな、ホッとした人もいるだろうきっと。私もそんな風に観ては居たけど、いや、やっぱなんだろ時間の無駄だろこんな話は。と、思った次第です。 [DVD(字幕)] 3点(2013-06-16 16:26:40) |