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プロフィール
コメント数 2397
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1.  プロデューサーズ(1968) 《ネタバレ》 
日本人にはいまいちウケが悪いけど、やはりメル・ブルックスはハリウッド・コメディの巨人だと間違いなく言えるでしょう。なんせ、アカデミー賞、エミー賞、トニー賞、グラミー賞を全て受賞するという偉業を成し遂げた人ですから。そんな彼の最高傑作はと問われれば、異論はあるかもしれないけどやはり『プロデューサーズ』じゃないかな(『ブレージング・サドルス』もいい勝負ですけどね)。ショー・ビジネス業界が舞台で意図して駄作を製作したのにどういうわけかヒットして製作者が窮地に陥る、というプロットはこの映画が始祖でその後さまざまなコメディに使われてウディ・アレンにも影響が感じられます。だいいち、その一晩で上演打ち切りになるはずの『ヒトラーの春』というミュージカルが、もうぶっ飛びすぎています。ナチスをコケにするのはブルックスのお家芸ですけど、ここまで吹っ切れてナチスの歴史を笑いものに出来たのは、ブルックスを始めゼロ・モステルやジーン・ワイルダーがユダヤ系だからでしょう。奇人変人しか登場しないうえに特に前半のゼロ・モステルの芝居はくどすぎてゲップが出そうですが、『ヒトラーの春』のオープニングを観たら劇中の観客と一緒でもう口あんぐりです。「これはきっとブロードウェイでヒットしたのを映画化したんだろうな」と思っていたら、なんと2001年が初の舞台化だったそうで、純粋なミュージカル映画である2005年版の方が『ヒトラーの春』をじっくり堪能できそうです。ショービジネスの世界は投資がモノを言うということを教えてくれた一編です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-02-10 23:11:27)
2.  豚と軍艦 《ネタバレ》 
唐獅子みたいなご面相で決して美人とは言い難い吉村実子、でも不思議とこの人には引き付けられる魅力があるんです。まして本作が17歳のデビュー作、とても高校生の新人とは思えない溌溂とした演技が素晴らしい。数年前に『徹子の部屋』に出演しているのを見ましたが、すっかり魅力的なおばあちゃんになっていて感慨深かったです。 今村昌平の最高傑作と言えば、やはり本作になるんでしょうね。この映画が若き日のマーティン・スコセッシに衝撃を与えたという逸話は有名ですが、確かにピカレスクものとしては『グッドフェローズ』に通じるところがあるかもしれません。今村昌平らしく“敵はアメリカ”“悪はヤクザ”という徹底的に冷徹な視点、ヤクザ業界とズブズブな東映じゃないのでヤクザ組織のクズっぷりをこれでもかと突き付けてくれますが、ここもマフィアに厳しいスコセッシと通じるところがあるのでは。でも長門裕之と吉村実子のカップルはまさに「どぶの中の青春」という感じですけど、まだ少年の面影が残る長門裕之の弾けっぷりが見ていて愉しいです。印象良かったのは兄貴分の丹波哲郎で、肩の力が抜けた軽やかなコメディ演技ができたとは意外でした。丹波が横須賀線の電車に飛び込もうとするシーンで線路際に建っている大きな日産生命の看板、強烈なブラックユーモアでした。でもよく見るとタイトルロールに「協賛 日産生命」と出てました(笑)。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2018-10-12 23:08:36)
3.  フランソワの青春 《ネタバレ》 
日本未公開で未ソフト化、観てみれば退屈な映画でしたが、全盛期を迎えようとしているころのジャクリーン・ビセットの美貌を拝める貴重な一編であることは確かです。 監督のロバート・フリーマンは、実はビートルズのジャケット写真を数多く手がけた有名な写真家です。お話自体は『おもいでの夏』や『青い体験』といったいわゆる“ひと夏の初体験”ものといったジャンルに入るかもしれませんが、はっきり言って童貞卒業するようなストーリーじゃありません。なんせ主人公が11歳の少年ですからねえ。この少年役は風貌が少女時代のジョディ・フォスターそっくりで、美少年というよりもなんか中性的な存在感がありました。2か月前に交通事故で両親を亡くして裕福な叔父の家に引き取られたいう設定ですが、なぜかラストのシークエンスまで穴だらけのボロボロなセーター姿で通します。その家に叔父が第二次大戦の戦友の英国人娘を呼び寄せますが、戦友の娘というのは真っ赤な嘘で実は単なる愛人でした。するとそれに感づいた息子が親父を出し抜いてちょっかいを出してきますが、娘はちっとも相手にせず11歳のフランソワ君の方にご執心という展開になります。もちろん我がジャクリーン・ビセットが娘役なんですが、どうしても彼女の美には見惚れてしまいます。やっぱり脱ぎはなしでしたが(それに近いショットはありましたけど)、彼女の豊満な乳を強調した衣装が連発なので良しとしましょう。でも服を着ている方がエロいという女優は、なかなかいるもんじゃありませんよ。少年の方も性の眼覚めという段階でもないみたいでしたが、寝室に忍び込んで彼女の髪を切り取るなんて変態チックな行動をするんです、こっちの方が怖いって(笑)。 まあ結論から言うと何も起こらずに映画は終わってしまったということですが、“写真家が撮る映画は駄作ばかり”というジンクスは今回も破れませんでした。ふと気が付いたんですが、この一人の女を父と息子で獲りあうというプロットは、やはりビセットが出ている『映画に愛をこめて/アメリカの夜』で撮影されていた劇中映画『パメラを紹介します』と同じなんです。トリュフォーは本作から『アメリカの夜』のインスピレーションを得たと、私は確信した次第です。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2018-04-07 22:09:30)
4.  ふるえて眠れ 《ネタバレ》 
『何がジェーンに起こったか?』に続くロバート・アルドリッチ&ベティ・デイビス黄金コンビ第二弾。前作と比べるとかなりクライム・サスペンスの要素が強くなっており、スリラーとしても愉しめるようになっています。 デイビスとの往年の不仲が爆発してジョーン・クロフォードが途中降板しオリヴィア・デ・ハヴィランドが起用されたという裏話はけっこう有名ですが、何かで読んだ話では『不意打ち』も本来クロフォードが出演するはずだったけど「もう屋敷に閉じ込められる話は懲り懲りした(これは『血だらけの惨劇』に出演したことを指しているみたいです)」と出演拒否した後がまだったそうです。ジョーン・クロフォードの落ち穂拾いをするのがオリヴィア・デ・ハヴィランドというパターンが当時のハリウッドにはあったみたいです(笑)。でもどっちも美味しい役で、デ・ハヴィランドはなかなか聡明な女優だったんじゃないでしょうか。 というわけで、本作では頑張ってはいますがデイビスは完全にデ・ハヴィランドに喰われてしまったしか言いようがないですね。ネタバレが過ぎちゃうんであんまり書けないんですけど、残り40分の彼女のド迫力演技は一見の価値ありです。クール・ビューティというイメージだったアグネス・ムーアヘッドの怪演も見どころで、ほんと最初は彼女だと気づかないぐらいの変身ぶりです。 まあ考えてみればアルドリッチがオカルトものを撮るはずもなく、「本当に怖いのは人間だ」という彼のメッセージを素直に受け止めようではありませんか。
[DVD(字幕)] 8点(2017-01-26 22:25:34)
5.  不思議な世界・未来戦争の恐怖 《ネタバレ》 
リチャード・レスターといえばケン・ラッセルといい勝負ができる英国映画界の鬼才ですが(もっともレスターは米国人ですけど)、そのフィルモグラフィの中でももっともカルトで奇天烈なのが本作でしょう。自分もいろいろと映画を観てきましたが、本作はその奇妙さではベスト5にランクインできる珍作です。 なぜか核戦争が起こってしまってロンドンは核ミサイル直撃されて文字通り蒸発、まあ世界大戦じたいは2分30秒で終結してしまったそうですが。そういう設定なので壊滅後のロンドンは地表には車の残骸や食器が散乱するほとんどなんもない荒地で、どっかのゴミ捨て場みたいなところロケしたみたいです。映画の雰囲気はそういえば『不思議惑星キンザザ』に似ているとも言えますけど、登場人物の奇天烈さと薄汚さははるかに凌駕してます。もう出てくる連中がヘンな奴ばっかり、そして見せられるギャグは下らないを通り越してシュール過ぎ、さすがに訳が判らず全然笑えません(でもBBCニュースのキャスターのくだりだけは傑作)。しかし放射能の影響で人間が部屋や家具といった無機物や動物に変化してしまうというのは、なんかカフカ的な不条理が感じられてちょっと面白かったです。登場人物の中でもラルフ・リチャードソンはなぜか“部屋”に変身しちゃいます、それにしてもサーの称号を持つ名優なのにこの人けっこう前衛的というかヘンな映画によく出てますよね。ローレンス・オリヴィエやジョン・ギールグッドに比べるとその傾向は顕著で、けっこう茶目っ気がある人だったのかもしれません。 本作はもちろん本邦未公開、本国でもあわやおクラ入りされかけたといういわくつきで、さすがのリチャード・レスターも好き勝手に撮ることはできなくなって以降は単なる職人監督としてしか映画界で生きることができなくなりました。それを思うと、我が愛するケン・ラッセルは死ぬまで好き勝手し放題できて幸福だったんじゃないでしょうか。
[DVD(字幕)] 5点(2016-12-03 23:21:15)
6.  不意打ち 《ネタバレ》 
善人がひとりも出てこない映画というのは、観ていてほんとに疲れるもんです。明らかな犯罪者もいれば他人に無関心な通行人、そして閉じ込められたオリヴィア・デ・ハヴィランド自身でさえラストでは「えー、こんな人間だったんだ」と幻滅させてくれます。強いて言えば「自殺します」と置手紙を残した息子は違うのかなと思うけど、彼については映画はほとんど語っていないので判断のしようがありません。 途中で止まってしまったエレベーターと言っても健常者なら多少怖いかもしれないが飛び降りれる高さだし、構造自体も密室性は皆無です。でもそこから逃れることが出来ないというシチュエーションは良く練られた脚本だと思います。日常の風景を見せながら不穏な雰囲気をかき立てるオープニングや時折挿入されるラジオの無意味なアナウンス、これらも逃げ出すことのできない不穏な社会情勢を暗喩している様な気がします。スーパーナチュラルな要素がいっさいなくてもホラー映画は撮れるという良い見本なのかもしれません。 余談ですが、オリヴィア・デ・ハヴィランドってまだ存命なんです、1916年生まれなので現在99歳!もちろんとっくに引退してますけど、『風と共に去りぬ』に出演した成人俳優でまだ生きている人がいたとはサプライズでした。
[DVD(字幕)] 7点(2015-09-14 17:48:26)
7.  ブルー・マックス 《ネタバレ》 
『レマゲン鉄橋』もあるし、ジョン・ギラーミンは戦争映画を撮らせると上手い監督です。もっとも本作の場合は、製作総指揮のエルモ・ウィリアムズの功績が大だと思うのですが。泥まみれで地面を這いまわる歩兵から、既に時代錯誤になっている騎士道精神が幅を利かす貴族的な航空隊に転属してきたジョージ・ペパード。始めから終りまで嫌われ者として描かれますが、良く考えると最初のうちは戦果をあげて早く勲章が欲しいと奮闘しているけど、協調性が皆無の性格が災いして軍人貴族の同僚たちから白眼視されているだけの様な感じもします。でもそういう観方も同僚ウィリーの戦果を横取りしたときからは崩れてしまい、後は破滅するまで暴走は止まらない。死ぬ間際になってやっと貰えたプール・ル・メリット勲章(ブルー・マックス)が、首にかけられるときに大写しになるカットが無常感に満ちていました。 使われる両軍の航空機はレプリカながらもすべて実機を飛ばして撮っており、文句なしの迫力です。まだ制空権という概念が生まれる前のことですから、物語の前半は地上戦の推移とは関係なく勝手に空中戦をやっている感じです。それがドイツ軍最後の攻勢作戦“カイザー・シュラハト”が始まると地上掃射が重要な任務になってくる、ここら辺は時代考証が行き届いています。地上戦も予算をかけて緻密に再現されており、地上掃射のシーンの迫力は空中戦シーンを凌ぐほどです。名優ジェームズ・メイスンの狡猾で非情な将軍も印象に残りましたが、何と言ってもほとんどニンフォマニアみたいなウルスラ・アンドレスの伯爵夫人、フェロモンの放出が強烈でした。
[映画館(字幕)] 8点(2014-04-14 22:15:58)
8.  フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン) 《ネタバレ》 
傑作『サンダ対ガイラ』の前日譚というかオリジナルという位置づけになるのでしょうか。数ある東宝怪獣映画の中でも、ゴジラもの以外で本作と『サンダ対ガイラ』だけが怪獣対決映画なんですね。もっともフランケンシュタインは怪獣と言うよりは“怪人”に近く、純粋な怪獣対決とは言い難いところはありますが。フランケンシュタインの決して死なない心臓というモチーフは良い意味でセンス・オブ・ワンダーを刺激するところがあります。このプロットは良く考えるとips細胞などの現代の細胞再生医療に繋がるところもあって、科学の進歩がSFにやっと追い着いてきた感じがします。また三人の科学者の中では高島忠夫のキャラが突出していて、なんかとても腹黒い感じがしていかにもいそうな人物だったと思います。 この映画で東宝怪獣映画としては初めて怪獣の肉食性が描かれる様になったことは特筆すべきことでしょう。直接描写はないですがバラゴンは人間まで喰っちゃいますし、口から喰ったニワトリの羽根が溢れる描写なんてなかなかエグいです。バラゴンは怪獣造形としては屈指のデザインですし、妙に敏捷な動きを見せるところもリアルです。やはり難点はバラゴンの存在がストーリーに有機的に活かされていないところでしょう。自衛隊の存在がまた妙に薄く、藤田進や田崎潤といった面々がみんな警察の幹部として配役されているのも原因でしょう。フランケンシュタインが掘った落とし穴に戦車が落っこちるというみっともないシーンまであります。 そして有名な海外バージョンでの大タコ登場のラスト、初めて観たときはホントびっくり仰天させられました。タコの造形自体は非常に良く出来ているんですけどねえ。オリジナルの“フランケンシュタインが風穴に落ちる”というバージョンも観たことがありますが、これはこれでただ穴に落ちるだけという唐突感にあふれるラストだったと思います。投げやりな終わり方をするのは東宝怪獣映画の伝統芸みたいなものですね(笑)。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-02-22 00:03:50)(笑:1票)
9.  冬のライオン 《ネタバレ》 
キャサリン・ヘップバーンが、この映画で『ファニー・ガール』のバーブラ・ストライサンドと同点でオスカー主演女優賞を分けあったのは有名な話ですが、これだけ格調のある堂々とした演技を拝めるのは滅多に体験できることじゃありません。ピーター・オトゥールとの壮絶な騙し合いと相手の心理を知り尽くしたうえで撃ちまくる壮絶なセリフのバトル、あの『バージニア・ウルフなんてこわくない』の壮絶さに匹敵するんじゃないですかね。 ピーター・オトゥールはこの映画の前に『ベケット』でもヘンリー2世を演じているわけで、ヘンリー2世は『アラビアのロレンス』とならぶ彼の当たり役でしょう。アンソニー・ホプキンス、これも彼の名演の賜物なんでしょうけど、歳の割には妙に老けて見える“ライオン・ハート”リチャードがとても印象に残りました。 時代考証的には正しいのでしょうけど、ヘンリー2世やフランス王フィリップ2世たちのとても王族とは思えない質素と言うか粗末な衣装には驚いちゃいました。でもキャサリン・ヘップバーンの装束は同じ様に質素ではあるが気品があって、特にラストにかけて身にまとうドレスの鮮やかな赤は気品に満ちていました。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-09-16 17:10:05)
10.  ファントマ/ミサイル作戦 《ネタバレ》 
ファントマ映画は三作撮られたわけですが、観通してみて消えなかった最大の?は、結局ファントマって何者?この人何がしたかったの?ということに尽きます。 本作ではついに“地球を破壊する最終兵器”の開発に成功したと言う前触れですが、その割には世界の大富豪たちに「殺されたくなかったら“生存税”を払え」なんて突拍子もないこと言いだしたり、要は単なるユスリですよね。 本作はスコットランドの大富豪のお城に舞台を移して、お城の中で繰り広げられるミステリー謎解きという今までにない趣向ですが、ルイ・ド・フュネスが見せてくれるひとり芝居のグダグダさは相変わらずです。いつの間にか古城の地下がファントマの秘密基地に改造されていて、ラストに突然ミサイルが…、これが邦題『ミサイル作戦』の所以です。まったくどこが『作戦』なんだよ、ってぼやきたくもなります。 でもこのシリーズで最大の収穫は、若きミレーヌ・ドモンジョの美を堪能出来たことでしょう。同時期のドヌーブやバルドーにも決して負けてませんよ!
[CS・衛星(字幕)] 4点(2012-02-28 22:43:23)
11.  ファントマ/電光石火 《ネタバレ》 
ファントマ・シリーズ第二弾は007に対抗してテーマは“ガジェット大作戦”というところでしょうか。ルイ・ド・フュネスのジューブ警視(前回の手柄で勲章もらって昇進!)が思わず失笑させられてしまう様な“フェイク・ハンド・ガン(?)”と呼ぶしかないバカバカしい秘密兵器を繰り出せば、ファントマの方は火山をくり抜いた秘密基地や、なんと空飛ぶシトロエン(ちょっといくらなんでも、これは空力的に無理があり過ぎ)まで出てくる無節操ぶりです。そして本作では“恋するファントマ”でもあり、前作で愛人に肘鉄を喰らわされて人恋しくなったファントマが、ミレーヌ・ドモンジョに熱をあげて彼なりの流儀で求愛しちゃいます。このファントマというキャラ、けっこう女にだらしないところがあるみたいで、そこが愛敬と言えなくもない。またファントマだけでなく、ジューブ警視やファンドールまでもがとっかえひっかえ色んな変装をして相手を欺こうとするのが、実にくだらない。 本作も前作に続いてラストまで約20分がひたすらの追っかけっことなるのですが、例の空飛ぶシトロエンに乗ったファントマが御茶目なFINを見せてくれます。 シリーズ中で本作がいちばんくだらないかもしれませんが、おバカ映画好きは琴線をちょっとくすぐられるかも。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-02-26 01:08:45)
12.  ファントマ/危機脱出 《ネタバレ》 
“元祖ブルーマン”、ファントマでございます。60年代、アクション映画で世界を席巻したのはご存知『007』シリーズで、その勢いに対抗というか便乗して製作されたのがイタリアでは『黄金の七人』シリーズ、フランスでは『ファントマ』という位置づけになるでしょうか。ファントマはサイレント時代に大ヒットした連続活劇を60年代に合わせて復活させたもので、ファントマが何者で何を目論んでいるのかなどという説明はこの映画では一切なく、「ファントマのことは知っていて当然」というスタンスなのです。基本的にはこのシリーズはファントマとジューブ警部の対決に、新聞記者ジャン・マレーと彼の恋人ミレーヌ・ドモンジョが絡むと言うスタイルですので、正直この中で誰が主役なのか良く判らなないところもあります。強いて言えばジューブ警部のルイ・ド・フュネスなんでしょうが、この人のオーヴァー・アクションとくど過ぎる演技は、本国では偉大な喜劇役者として名を残しているのですが、はっきり言って日本人向きではありません。この映画のヘンなところはラストまで30分近く延々とファントマとジューブの追っかけっこを見せられることで、これはサイレント時代のファントマ映画に対するオマージュなんでしょうか。 結局ファントマが悪人なのかアンチ・ヒーローなのか良く判らない映画なんですが、まあお楽しみはファントマ役は誰なのかって推測することですね。じっくり見てれば判ってきますよ(笑)
[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-02-21 21:55:47)
13.  フレンチ・ドレッシング(1964) 《ネタバレ》 
先日天に召された鬼才ケン・ラッセルの劇映画デビュー作です。英国南部のさびれた海岸町ゴームレー、町おこしのためにカンヌみたいな映画祭を開催してBB(ブリジッド・バルドー)を招待しようと目論むジムだったが、そんな田舎町に人気絶頂のBBが来てくれるはずもない。そこで目をつけたのが同じフランスのセクシー女優FF(フランソワ・フェイヨール)で、アタックしたら何とOKしてもらえちゃった。かくしてお色気女優を招いて第一回ゴームレー映画祭はドタバタのうちに開幕したが、果たしてその首尾は? というわけで、町内会の夏祭りにタレントを呼んだらAV女優が来ちゃったと言う様なお話しです。「ジャック・タチの映画を研究してコメディ映画を撮った」とケンちゃんは語っていたそうですが、そう言われれば海辺のリゾートで展開するコメディなので、『ぼくの伯父さんの休暇』みたいですが、似ているのはそれだけ、まだ薄味ながらもケン・ラッセル印の毒気はしっかり出ています。市長と、金魚のフンみたいに市長と必ず一緒にくっついてくる市会議員たちが傑作で、彼らが海辺でFFと戯れるシーンはもう笑ってしまいました。そしてリチャード・レスター映画の常連であるロイ・キニアも大活躍で、60年代英国コメディには彼は欠かせませんね。ラストもなんか青春映画っぽいさわやかな終わり方で、このセンスが後に撮った傑作ミュージカル映画『ボーイフレンド』に繋がってゆくんですよ。
[ビデオ(字幕)] 7点(2012-01-11 23:43:17)
14.  ファニー・ガール 《ネタバレ》 
有名なブロードウェイ・ミュージカルでB・ストライサンドの映画デビュー作、そして巨匠W・ワイラーが撮った唯一のミュージカル。これだけのウリがありながら映画の出来は良くないですね。ストーリーはバーブラのひとり舞台と化してしまって、お相手のオマー・シャリフの精彩のないことと言ったら…。ミュージカルと言いながら歌うのはバーブラ以外はシャリフがちょこっとだけなんですが、そのシャリフの歌が下手なんです。良く考えるとバーブラはこの時まだ26歳、そのパフォーマンスのレベルの高さは驚異的です。しかしこの人とG・ホーンは、ほんと歳食っても顔が変わらないですね(美のレベルはまったく違いますが)。
[ビデオ(字幕)] 6点(2010-04-25 21:46:38)(良:1票)
15.  プロフェッショナル(1966) 《ネタバレ》 
この作品は、西部劇というよりはメキシコ内戦が時代背景になっており、『荒野の七人』と『ワイルドバンチ』の中間に位置する様な作風です。『ワイルドバンチ』にはかなり影響を与えたと思われ、列車を使った戦闘シーンなど雰囲気が良く似ています。ロバート・ライアンが出演している点も同じですし。ですが、アクションの盛り上げ方は平板ですし、とうてい『ワイルドバンチ』には及ばない出来です。敵役に当たるジャック・パランスやラルフ・ベラミーが思ったほどワルではなく、ラストの対決のあと良く観ると誰も主要人物が死んでいないという珍しいパターンなのが面白いと言えます。 ま、とにかく、脂の乗り切ったリー・マーヴィンとバート・ランカスターの「男の色気」が堪能できるのがお得です。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-04-07 00:33:25)
16.  ブリット 《ネタバレ》 
マックイーンって生涯刑事役はこの作品だけなのですね。この作品のマックイーンは確かにクールですが、想像以上にいろんな表情を見せてくれるのが楽しいですね。バーの店内で演奏するベーシストや空港で射殺された犯人を見る乗客たちの表情など、独特のスタイルが感じられる撮り方です。元祖カーチェイスは、古さを全然感じさせない迫力でした。ラストの空港敷地内での追っかけこは、「ヒート」を思い出しました。「ヒート」はオマージュだったのですね。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-07-12 01:37:19)
17.  フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ 《ネタバレ》 
私が初めて封切時に映画館で観た東宝特撮映画で、いまだに軽いトラウマが残っています。ゴジラシリーズ以外の東宝特撮怪獣映画は、ハードな物語設定で怪獣の恐怖を追及する作品が多いのですが、本作はその中で最高傑作と言えるでしょう。東宝特撮怪獣映画があえて避けてきた「捕食者」としての怪獣をテーマにしたことが観る者の本能的な恐怖心を刺激します。前作で地底怪獣バラゴンに「捕食者」的なキャラクターを持たせていますが、直接描写は見られませんでした。ところが本作では、人間型怪獣フランケンシュタインがヒトを貪り食うというカニバリズム的な映像を見せてくれるわけで、これはガイラの造形と相まって実に怖いです。特筆すべきは自衛隊の対怪獣戦で、軍事作戦としてリアルな演出で見せてくれます。メーサー殺獣光線車が逃げるガイラを追って光線を放射すると、ガイラの前方の木が光線に当たってと激しく吹き飛ぶシーンは、現在の眼で観ても興奮させられます。
[DVD(邦画)] 7点(2009-02-07 11:51:54)(良:1票)
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