1. ペイバック
メル・ギブソンの悪党っぷりが凄まじい。なのにその非情さを言い訳するように優しい面を見せたり(犬の傷の手当だとか裏切った妻とのグダグダしたやりとりとか)して、その痛快極まる悪党っぷりに水を差す。もったいない。そこんところ徹底してもらうと最高に面白いものになったんじゃないだろうか。チャイニーズ・マフィアがらみの銃撃戦(車の底から撃ちまくるやつ)のかっこよさ。そこに全く切羽詰った感の無いルーシー・リューがまたおもろすぎ。いや、ルーシー・リューは出てる全てのシーンがおもろい。あー、もったいない。あと後半の展開がご都合主義に走りすぎなのもちょっと残念。 [DVD(字幕)] 6点(2008-06-06 16:02:58) |
2. 蛇の道(1998)
塾?の先生である哀川翔がある生徒の答に対して「そんなことしたら空間が裏返って時間が逆に流れることになる」と言う。また奇妙な計算式を書くなかで「デュアリティを組み合わせて・・・」と言う。教室には花束があった。デュアリティ=二重性。生者と死者。教室にいた者たちは家族の誰かを亡くした者たちか、あるいは亡くなった本人たち?ラストシーンの香川照之の前に突然フッと現れた哀川と女の子を見てそう思った。どちらにしても哀川が非常に危険な人物であることは間違いなく、まるでゲームのように人がどんどん殺されてゆく様は背筋が寒くなる。ゲームのようにと書いたが、哀川は全ての主導権を握っているだけでけして楽しんでいるわけではなく、ただ無感情に全てをコントロールするだけ。まるで人間ではない何か。『地獄の警備員』の大男が「暴力」そのものだったように、哀川は「悪意」、、いや「復讐」そのものか。 死者はここではないどこかでは生者なのか。殺された娘はモニターの中で永遠に生きている。死者と映画の関係は、その後『蜘蛛の瞳』そして『回路』へと繋がってゆく。 [ビデオ(邦画)] 8点(2007-06-14 18:52:06) |
3. BEDHEAD
ロドリゲスの三人の弟妹が出演した傑作短編。ロドリゲスは若かりし頃に漫画を描いていたらしいのですが、これを見ると納得。漫画の一コマ一コマのように子供たちの、それこそ漫画チックでオーバーリアクションな豊かな表情が次々と歯切れ良く映し出され、その軽快なリズムで一気に見せてゆく。なんでも屋ロドリゲスの類稀なる才能が垣間見られる。とくに編集は短編ゆえにその突出した才能を堪能できます。愉快な愉快な作品。 [DVD(字幕)] 7点(2005-11-08 14:04:06) |
4. Helpless
青山真治、劇場用映画デビュー作にして衝撃作。一見どこにでも転がっていそうなバイオレンス映画でありながら、どこにもないバイオレンス映画。自分の世界の中だけで様々な葛藤や苛立ちを解決するために暴力という手段が選ばれるという、その手軽さと理不尽さという、暴力の本質みたいなものが強烈に描かれる。この作品で描かれる事件は、実際にあればとんでもないニュースになるほどの衝撃的事件だし、妹を射殺しようとするヤクザなんてのは類稀なるセンセーショナルな事件なわけですが、あまりにもその異様な光景が当たり前に存在する世界として目に飛び込んでくる。日常にある暴力ではなく、日常に潜む暴力が描かれる。負のエネルギーがいつでも手招きしている日常、というこの作品の世界観に圧倒されました。こわい映画です。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-09-12 17:02:05) |
5. 變臉~この櫂に手をそえて~
《ネタバレ》 冒頭の祭りの場面での雑談が棒読みなのにひいてしまった。内容はコテコテのお涙頂戴ものと言えるでしょう。でもそうわかっていても見入ってしまうのは中国のことをよく知らない私が、京劇や中国の伝統芸能を絡めながら人身売買市場や男尊女卑という中国の歴史の暗部を描いた世界観に惹かれたからだと思う。あと、なんといっても子役のすばらしい演技でしょうか。変面王に父を見るのではなく、ただ生きる為に大人に媚びへつらう姿が痛々しい。きっと今まで買われたところからすればずっとましな養父であり、男だと思って接していたときの優しさに希望を託せざるおえなかったのでしょう。その健気な表情は演技の枠を越えています。演じた女の子はこれまで幸せに暮らしていた普通の女の子なんでしょうか?と要らぬ心配までさせてしまうくらい真に迫った演技でした。ラストは強引ですが、誰もがそうなってほしいと思っていたシーンにホッとするのです。 6点(2005-02-01 10:22:24) |
6. ベイブ
うっ、なんて腰の低いブタなんだ!誰とでも分け隔てなく接する態度、容姿からは想像も出来ない行動力、そして愛らしいベイビーフェイス。営業マンとして見習いたい。 7点(2004-01-09 18:05:37)(笑:1票) |
7. ベートーベン
内容はベタだがこの手はベタでいい。役者の演技もベタだがこれもベタでいい。主役がドンとかまえているのでまわりのドタバタぶりが楽しい。私も犬を室内で飼っているが、ビチョビチョでブルブルはホントに恐ろしい。 6点(2004-01-09 17:20:58) |
8. ペリカン文書
陰謀のリアルさと解かりやすさがいい感じのバランスを保っててなかなかに楽しめる。怖さが無いのが残念だが、この作品のジュリア・ロバーツの可愛さもこの映画を楽しめるひとつの要因となっている。 7点(2003-10-20 16:36:41) |
9. ベスト・フレンズ・ウェディング
ラブコメはあまり好きではないが、これは面白かった。往生際の悪い女を意地悪く演じたジュリア・ロバーツもいいが、なんといってもキャメロン・ディアスがめちゃめちゃかわいい。あの凄い?歌声にはノックアウト。Say A Little Prayerも印象的。笑える個所もあり、人を選ばずお薦めできます。 7点(2003-05-20 12:52:20) |