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なんのかんのさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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41.  暴走特急 《ネタバレ》 
驚くほど新味のないフィルムだが、そのために基本線は守れた。これだけデクノボーの主人公でも、退屈はさせない。研究所のシークレット気分てのがけっこう好きで、最高機密とか言うと、そうか、と思ってドキドキする。細い光の帯が人体を縦に切るように光ったりして。そして主人公の乗った列車が動きだし、悪漢に支配され、引込線に入っていくの。広州市の人たちは災難でしたなあ、国が化学兵器作ってたから死んでも仕方がない、って言うんなら、同じことをワシントンでも描けるの? などと思ってしまう。なぜ映画は列車が好きなのか。車窓がスクリーンに似てるからか、移動しているような固定しているようなとこでアクションにメリハリが出るからか。ラスト、列車を駆け上がっていってヘリのはしごに飛びつくのは、笑っちゃいけないとこなんでしょうね。
[映画館(字幕)] 6点(2009-10-09 11:57:17)
42.  ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン! 《ネタバレ》 
全部で何カットあったんだろう、「キビキビしている」と「目まぐるしい」の間ぐらいの感じでずんずん進む。正直言って前半は「目まぐるしい」が優勢でいささか疲労気味だったが、だんだんテーマが見えてくると、ノレた。そうすると映画もキビキビ感じるのだから、いいかげんなものだ。どってことないコメディかと思っていたら、しだいにツインピークスめいた空気が流れ出し、銃が似合わぬ人たちとの壮絶な銃撃戦にまで至ってしまう。あの国は伝統のある保守的な国だから、かえって保守的なものへの警戒が強いのだろう。“公共の利益”という怪物に支配された“安全な町”、それを作っている“近隣監視同盟”。荒唐無稽ではあるが、よそ者への敵意を秘めた地方都市の現実と、どこかでちゃんとつながっている。この荒唐無稽は、やたら安全が叫ばれるようになりだした国の民としては、けっこう迫る。そこを押さえているから、ラストもただのアドレナリン系の発散ではなく、ブラックユーモアに満ちた納得のある痛快さになっていた。ただ、子どもたちや警官仲間があっさり主人公側に付くのがちと緩く、おそらくこういう風土ではまっさきに子どもたちが組織されて“愛郷防衛少年団”にされてるだろう。それとラストが一つ余計だったと思うが、いかにも英国ならではのハスに構えた姿勢が嬉しく、楽しめた。
[DVD(字幕)] 7点(2009-07-10 12:11:44)(良:1票)
43.  望楼の決死隊
後の反戦左翼監督も戦争中はこういうのを作っている。考えてみればまったく西部劇と同じ構造なわけだ。勝手によその土地にやってきて居座り、現地の人が襲ってくるのを匪賊として撃退する話。地元の人たちを身体検査する場面など、今から見れば、こういう辱しめを平気で与えていたんだなあ、という正直な記録に見えるけど、おそらく製作側の意図としては、こういう危険きわまりない土地で同胞の兵隊さんたちは日夜苦労しているのだ、という文脈であっただろうし、また当時の観客にとってもそうであったろう(こういうズレは映画受容ではけっこうあり、今井監督が戦後反戦映画のつもりで撮った『海軍特別年少兵』を、右翼の赤尾敏が激賞したこともあった)。活劇ものとして見ると、はずみかけると精神訓話が入り込んで停滞してしまうところが、まどろっこしい。母の死を隠してサッパリと笑っている高田稔とか。また戦友の家族的な仲間意識のステレオタイプの描写。だいたいヒゲ面の熊ナントカって豪放な性格のが一人くらいいる。川が氷ると歩行可能になり危険が高まる、その氷る音が銃声のように響く、なんてあたりはいい設定になるんだけれども、どうも活劇演出がまどろっこしい。丁寧にワンカットで一人ずつ倒れる。まあそうして“騎兵隊”が救援に駆けつけてくるわけだ。
[映画館(邦画)] 6点(2009-04-01 12:05:37)
44.  ホウ・シャオシェンのレッド・バルーン
ラモリスの風船は、もっぱら町中で子どもと戯れていたが、こっちの子どもは家の中にいてゲームをやったりしている。外でもピンボールしたりで、風船が戯れかかっても、ガラスが隔ててしまう。このガラスでの隔たり、っていうのがどうもモチーフのようで、この映画では繰り返しガラスの反射が描かれていた。外の風船に対して、ガラスの内側の女と子どもだけの世界がある。窓ガラスやフロントガラスや美術館のガラスによって、風船のある世界と触れ合えなくなっているシステム。そのときの室内照明に独特の味があった。ここにもう一つ、人形芝居のモチーフがあって(候孝賢の傑作『戯夢人生』を思い出す)、この人形芝居が映画としてどう関わっているのかがよく分からなかった。ただ母がこの語りをしていて、これが何となく無声映画の弁士を思わせ(フランスに弁士はなかったが、日本統治下の台湾にはあっただろう)、あとで8ミリの無音の映像に語りが入るあたり、微妙につながったような気もする。やけにこういう映画が沁入るときもあるのだが、今回はうまく合い損なって、下宿人の家賃未払いなんてどうだっていいじゃないか、と思ったりもした。そういったゴタゴタが、風船の自由と対比されてるんだろうけど。
[DVD(字幕)] 6点(2009-03-28 12:04:49)
45.  ポストマン(1997)
これは非常に不愉快な映画だったので覚えている。アメリカの精神というやつは、フランク・キャプラのような宝石も作るが、ときにこういう腫瘍も作るから怖い。大まかな設定はいいの。強圧に対抗して個々の手紙がネットを作っていく、って。でもなんでその時にアメリカ合衆国やら星条旗やらの古いものが必要なんだ(設定は近未来)。組織に対して個人が同格で立つのが、本来の理想のアメリカ精神であろうが。ヘンなボーイスカウト的な青年組織がナチの親衛隊みたいな澄んだ目をして、少年野球の監督のようなケビン・コスナーのまわりに集まるってふうにもなっちゃうところが、“アメリカの精神”の怖さだ。系としては、敵の組織とこのボーイスカウト連中とは同じものであって、このポストマン集団が邪悪な組織の芽にも成り得るってとこを突かなくちゃ、この枠組みを設定した意味がない。悪の強圧を熱狂的に支持する群衆がいなければ、あれぐらいの武器で支配はできまい。悪辣ぶりを示すのに、中世の領主のような倫理性を持ってこなければならなくなる。現代の怖さは、熱狂的に支配されたがる群衆が簡単に組織されることだ、中世のような悪を持ってくるのは、その現代の恐怖と向き合うのが面倒くさいからであろう。それとも単純に、自国が戦場になったことのない国民のノンキさか。
[映画館(字幕)] 4点(2009-02-15 12:19:28)
46.  ホーホケキョ となりの山田くん
ディズニーがひたすら縮小再生産しているのに対し、ジブリはあえて困難な企画で実験作品を手がける。この心意気を買いたい。冒頭の、イメージが次々と横滑りしていく感覚は見事だし(ボブスレーからウェディングケーキに至ったり、街を練っていくカタツムリとか)、エピソードによって画質を変えたりしている(暴走族のときは粗く)。夫婦のチャンネル争いや、遅く帰ってきてバナナをボソボソと食べるあたりの「演技」も的確、アニメにおける人物の演技がこれほど丁寧に為されるのは珍しい。ただ、一本の作品としてのウネリは当然ないわけで、そのぶん印象は希薄になるが、あくまで実験映画と思えば、健闘していたのではないだろうか。 
[映画館(邦画)] 8点(2008-11-12 12:10:14)
47.  ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ
男性的な楽器チェロと女性的な楽器フルートとの対比があって、男社会に乗り出した女性の挫折、というフェミニズム的解釈も可能、またこの二つの対比を、平凡で安定した人生と芸術を極めて狂気に至る人生と見ることも可能。ただそう単純に割り切れるものではなく、そのとき姉妹という設定がいい。二つがまだ一つだった少女時代をも描けるので、対立が図式にならない。いろいろ細かなエピソードがあって、B♭の音とか、妹用に買った車で姉がフルート練習しようとすると窓につかえるとことか、シナリオがすごく丁寧だ。それにしても、いまさら難病もので泣かされるとは思わなかった。少女時代に姉妹でたどたどしく合奏した“モーツァルトの子守歌”を、エンディングで深々とチェロで奏でだされた日にゃ、ただただ落涙。
[映画館(字幕)] 8点(2008-10-14 12:14:07)
48.  ほえる犬は噛まない
全体的に情の濃い国でも、こういう乾いたコメディが作られるんだなあ、と思ったものでした。小市民コメディであって、それでいて登場人物が少しずつ極端というか妙。リズム感がいい。なんかチリチリしていた60年代の市川崑を思い出す。アパートの犬を殺してまわるやや神経衰弱的男は絶対川口浩だな。え、するとペ・ドゥナは野添ひとみ? 文具店の友だちは倉田マユミ。バアさんが北林谷栄で、警備員が浜村純で、妻は岸田今日子?
[映画館(字幕)] 7点(2008-05-04 12:18:52)
49.  ホフマン物語
この映画ではヘンなことを覚えている。長いバレーシーンの途中にフィルムのつなぎ目が来てたのを、踊っている人形のゼンマイを巻き直すことでそこをしのいでいたこと。音楽映画の弱点はフィルムのつなぎのとこなんだけど、それをいかに乗り越えるかを、先人はけっこう楽しみながら工夫してたみたい(それとももともとそういう振り付けだったのかなあ)。映画の振り付けは舞台のバレーとは異質なものであるべきだが、でも最近のミュージカル映画のように、あんまりカットを割りすぎるとダンスの妙味が消えてしまう。本作はダンスシーンをたっぷり取っていたように思う。恋仇役の表現主義男の押しつけがましさが鬱陶しい、と当時の日記に記してあった、けど青に浸された「ホフマンの舟歌」の場などけっこう凄みがあって良かったような記憶もあり、今見直せば評価が上がるんじゃないかな。テーマは不可能な恋。
[映画館(字幕)] 6点(2008-04-07 12:14:20)
50.  Hole
降り続く雨、ゴキブリウィルスの蔓延、中庭に落ちていくゴミ…、世紀末である。息の長いカットがジトッと湿気を感じさせる。うらさびれたボロアパートに不意に入ってくる華やかなミュージカルシーンは、女の心象風景なのだろう。エレベーターの中のカリプソ。でも、その華やかさを出すためにボロアパートが背景として置かれているのではなく、ボロアパートの世紀末感を強めるためにミュージカルシーンがはさまれているよう。初めて男と女が一つの画面に斜め上下で収まるあたりは何となくワクワクした。プライバシーの侵害であった穴は、檻からの脱出口にもなる。ラストは救出なのか昇天なのか。上から見れば足を吸い込む穴、下から見れば救助の手が伸びてくる穴。
[映画館(字幕)] 6点(2008-04-04 12:21:33)
51.  ボルベール/帰郷 《ネタバレ》 
東風が人を狂わす、と最初にことわりを入れたことで、全体に古典喜劇のような柔らかなトーンがかかった。かなり悲惨な事件を扱いながら、刺々しくならない。姉と妹が、それぞれ“死人”について隠し事をしながら探り合うあたりのおかしみなど、こういう素直な映画も撮れる人だったのか、と見直した。いつもはそれがかえって落ち着かなくさせる暖色系に埋め尽くされる世界も、今回はそのまま暖かさととっていいような気になる。それにしてもアルモドバルに出てくる男はしょうがないな。ペネロペ・クルスの亭主にしろ、登場はしないが父親にしろ、女たちの世界の邪魔ものでしかない。祖母から孫までの三代の女、近所のかみさん連中も含めての女たちの世界の闊達な連帯の前で、邪魔ものの男どもは、桃太郎で退治される鬼の役割程度の存在。朗々と歌われる女性賛歌を、男は黙って聞くしかない映画だ。母親はお墓で眠ってなんかいない、千の風になんかなってない、風は人を狂わせ、母親はベッドの下に隠れて目玉をぎょろつかせてる。
[DVD(字幕)] 7点(2008-03-27 12:16:52)(良:2票)
52.  ボンボン 《ネタバレ》 
主役のおっさんが実にいい。どこにいても感じてしまう居心地の悪さを、はにかみ笑いを絶やさないことでごまかそうとしているような風情。というか、この人たぶん人生そのものに居心地悪く感じているのだろう。ある時期のマルチェロ・マストロヤンニが漂わせていた雰囲気すら思い出させる。人生の悲哀と、それゆえの味わい。そういうおっさんと、これまた何かにじっと耐えているようなブサイク犬(犬のくせにトラウマ持ち)とのコンビで、哀愁が掛け合わされるとマイナスとマイナスでプラスになるように、滑稽が生まれてくる。詳しくは言えないけど、犬と再会する場面が傑作で、映画はどんな突飛なシーンでも、そこへの持っていきようで感動させることができるという見本のような場面だった。
[DVD(字幕)] 6点(2008-03-18 12:20:44)(良:2票)
53.  ぼんち
訃報を目にし、つい市川崑のベストは何か、なんて不毛なことを考えてしまった。おそらく何本もの作品が気分に応じて入れ替わり立ち現われてくることだろう。今の気分だと「ぼんち」だな。崑の女性映画のエッセンスが詰まっている。今なら誰もが船場吉兆の女将を思い出すであろう毛利菊枝、おとなしい役が珍しい山田五十鈴、ただただ「お嬢さん」な中村玉緒、しっかりしている指輪コレクターの若尾文子、ひたすら尽くす草笛光子(彼女のシーンで芥川也寸志はのちのNHK大河ドラマ「赤穂浪士」のテーマを使用)、モガの越路吹雪、色気なら京マチ子、女中の倉田マユミも大映時代の崑作品の貴重な配役だ。これら最強キャスティングに、男は雷蔵と船越英二で対抗。強い女に対する弱い男の抵抗のドラマは、当然のように男の敗北で終わり、女性への畏れと賛仰が後に残る。演出スタイルはもう完成しており、崑の一つの頂点だと思う。
[映画館(邦画)] 9点(2008-02-14 12:24:30)(良:1票)
54.  ポロック 2人だけのアトリエ 《ネタバレ》 
破滅型芸術家と献身妻という類型ものだけど、妻がはっきりと亭主のプロデューサー役を自覚しているとこが面白い。旦那を世に送り出さねば、という使命感があって、つまり、旦那サイドの人間であると同時に、新しい芸術を享受したい世間サイドから彼を叱咤激励しにやってきた人間でもあるのだ。この妻、平安な家庭を一瞬たりとも望んでなくて、子どもも作らない。子どもはひとり(旦那のこと)でたくさん、と言う。旦那の死後、使命を終えてやっと自分の絵を28年間描き続けたってのもいい。こんな夫婦もあったのだ。ポロック自身のドラマとしては、自分の絵が本物かエセか悩むところ、前衛の不安がリアルに描かれた。おそらく新しい世界を切り拓こうとしたすべての芸術家は、同じ悩みを体験し、その新しい世界を提示できたもの・提示できずに前衛っぽいエセにしぼんでしまったもの・エセでなかったのに理解されず消えてしまったもの、いろいろあったのだろう。そもそも本物とエセって、はっきり区別できるものでもないだろうし。何よりこの映画ですごいのは、エド・ハリスがためらいもなく大きなキャンバスに筆を走らせていくところ。図版で見るポロックの代表作としか思えないものが目の前で出来上がっていくので、ドキュメンタリーのような迫力があった。
[映画館(字幕)] 7点(2007-12-19 12:20:48)
55.  ホテル・ルワンダ
西欧社会への皮肉が利いている。「アフリカの黒人はニガーですらないのだ」という、虐殺への無関心ぶりへの一言。「虐殺の映像が流れても、怖いねと言っただけでディナーを続けるのだろう」なんてセリフは、今まさに映画を見ているこちらへも向かってきている。草葺の小屋でなく、近代都市のホテルが舞台なのが怖い。考えてみれば関東大震災の虐殺のときだって、我が東京はもう充分近代都市だったわけだし、将来北朝鮮がパンクして大量の難民が日本海側の海岸に流れ込んできたとき、インターネットでの煽動でもあれば、こういうことが起こらないとは断言できまい。責任感を霧散させてしまう集団の狂気って、いつでもどこでも発生してやろうと待機しているらしいのだ。
[DVD(字幕)] 7点(2007-12-06 12:23:02)
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