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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1884
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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21.  マンディ 地獄のロード・ウォリアー 《ネタバレ》 
イカれたヒッピーカルト教団に、目の前で妻を惨殺された男の血に塗れた復讐劇を独創的な映像で魅せるバイオレンス・リベンジ・スリラー。毎度おなじみニコラス・ケイジが、血走った目で次々と悪のヒッピー野郎どもを血祭りにあげる狂気の復讐者をのびのびと演じております(笑)。なんだか定期的にこの手の作品って制作されてますよね~。60年代、70年代のハード・ロックやヘヴィメタル、幾多のカルト映画などに多大な影響を受けたであろうサブカル系のB級作品。最近で言えば、賛否は別にしてロブ・ゾンビなどがその手の作品を幾つか作っておりますが、本作もその系譜に連なる作品であります。毒々しい原色を多用した映像にノイジーでエキセントリックな音楽、そして荒唐無稽なバカバカしい内容…。確かに唯一無二の独自の世界観を構築した中毒性の強いトリップ・ムービーであることは僕も認めるところなのですが、いかんせん前半の展開が死ぬほど退屈なのが本作の弱点。やたらとスローモーションを多用し、意味のよく分からないモノローグが延々と繰り返されるので、もう眠たくって仕方ありません。「とっとと本題に移行しろや!!」と何度もキレそうになっちゃいました。ただ、嫁が惨殺されてニコケイが復讐を開始する中盤あたりからようやく面白くなります。常人にはもはや考えつけないであろうぶっ飛び展開が次から次へと繰り出されてくるので、なんだか軽くラリっちゃったような気分に。白ブリーフ姿のニコラス・ケイジが雄叫びをあげながら、変な形の武器を一から創り始めるとこなんてもはや何が何だか分かりません(笑)。悪役たちも負けずと変な笛を吹いて、全身とげとげの謎のバイクライダーを助っ人として呼び出してくるという謎展開。こいつらがチェーンソーでひたすらチャンバラするシーンなんて何処まで真面目に創ってるんでしょうね。途中に流れるチェダー・ゴブリンのCMなんて頭おかしいとしか言いようがありませんわ。んで最後はラスボスのカルト教祖様の頭を素手でぶっ潰した血みどろニコケイが、土星をバックに車で立ち去って終わり……。なんやねん(笑)。と、この後半のぶっ飛びまくりのカルト・ムービーっぷりがすこぶる良かっただけに、前半のかったるい展開がなんとも惜しい。いらんシーンをバッサリ削って90分くらいの映画にしてくれたら、もしかしたら伝説のカルト映画になれたかも知れないのにね。
[DVD(字幕)] 6点(2019-10-31 22:49:03)
22.  まともな男 《ネタバレ》 
平凡な中年サラリーマン、トーマス。彼は15歳になる一人娘と最愛の妻とともにささやかながらも幸せな日々を過ごしている。ただ少し酒癖が悪く、過去に起こしたトラブルから現在は禁酒し、週に何度かカウンセリングに通っている。不安と言えばそれぐらいで、仕事もぼちぼち順調、思春期の娘と情緒不安定気味の妻とは多少ギクシャクしているもののそれなりにいい関係を築いているつもり。そう、彼は何処にでもいるような“まともな男”だ。あなたと同じように――。ことの発端は、家族水入らずで出かける予定だったスキー場へのバカンスだった。ところが直前で上司の娘である同じく15歳の女の子、ザラも連れていくことに。この何かと背伸びしたい年頃のザラが、キャンプ場へと着いた初日の夜に酒場のパーティーに出かけたいと無理を言い出す。上司との兼ね合いもあり、トーマスは渋々自分の娘と一緒に酒場へと送り届ける。だが、数時間後に迎えに行くとザラは泣きながら衝撃の告白をするのだった。自分は地元の若い男にレイプされた――。上司に何と説明すればいいのか。トーマスは事態を取り繕うため、咄嗟に小さな嘘をついてしまう。その些細な嘘が予想もしない事態を招き、やがて自らをますます窮地へと追い込んでゆくことも知らずに…。平凡なサラリーマンが落ちてしまった、そんな日常に潜む危険な落とし穴をシニカルに描いたクライム・ドラマ。特筆すべきなのは、このトーマスという男の絶妙なキャラクター設定でしょう。「こういう人、実際によくいるよね」と思わせるほどリアルで、ところどころ身につまされるほどでした。みんなの顔を立てるあまり、その場その場で適当な嘘を繰り返し、自分は優しいふりをしながら結局は自分のことしか考えていない、そして大きな事件があるとおどおどしてうろたえるだけ、どうしようもなくなると最後は酒に逃げる……。もう典型的な小心者のダメ男。彼が自業自得の窮地へと追い込まれる様はなかなかリアルで最後まで引き込まれました。ただ、正直それだけという印象もなきにしもあらず。この手の作品を得意とするコーエン兄弟ほど突き抜けたものもなく、かといってブラックな笑いに溢れているわけでもなく、最近流行りのイヤミスのように何日も引きづりそうな後味の悪さもない。そこそこよく出来た“まともなクライム・ドラマ”、ただそれだけですね。
[DVD(字幕)] 6点(2019-10-04 22:14:03)
23.  マグニフィセント・セブン 《ネタバレ》 
『荒野の七人』を豪華キャストでリメイクしたエンタメ西部劇。監督はこの分野の御大アントワン・フークワ。まあぼちぼち面白かったってところかな。やぱ主要登場人物が七人もいると大変ですね。各々のドラマが薄くなりがちで、誰に対しても感情移入しにくいのが本作の弱点。とはいえラストのアクションシーンは抜群の安定感。まあ暇つぶしで観る分には普通に楽しめると思います。若干長いけど。
[DVD(字幕)] 6点(2017-11-29 13:37:26)
24.  マネーモンスター 《ネタバレ》 
人気財テク番組『マネーモンスター』が銃を持った男にジャックされた!!爆弾を身に着けされられた人気司会者、突然の事態にあくまで冷静に対処しようとするプロデューサー、そして番組のせいで全財産を失ったと主張する犯人、それぞれの思惑が交錯し暴走する一部始終をテレビはずっと生放送し続ける。やがて、炙りだされる一企業の不正取引…。監督は名女優ジョディ・フォスター、主演はジョージ・クルーニー&ジュリア・ロバーツというインテリ組。まあやりたいことも言いたいことも分かるのですが、なんかこじんまりと纏まっちゃった感が強いですね、これ。まあぼちぼち面白かったかなって感じです。もうちょっと心に残る何かがあれば良かったんですが…。例えば、あの人質になる司会者がもっと胡散臭い個性的なキャラクターだったりとかね。同じようなワンシュチュエーションのサスペンス劇の佳品『フォーンブース』などと比べると今一つ物足りなかったです。
[DVD(字幕)] 6点(2017-07-05 23:38:26)
25.  マジック・マイク 《ネタバレ》 
新米大工として働く青年マイクは、毎日夜になると別の顔へと変貌を遂げるのだった。そう、彼は女性たちが酒と一夜の享楽を求めて殺到する男性ストリップ劇場で働く人気ストリッパー〝マジック・マイク〟だったのだ――。ある日、偶然知り合った若者アダムのその引き締まった身体を見て何か光るものを感じたマイクは、職にあぶれていた彼をそんな男性ストリップのきらびやかな世界へとスカウトする。持って生まれたセックスアピールを武器に次第に女性たちの人気を獲得してゆくアダム。だが、それと反比例するように彼の私生活はどんどんと荒んでいくのだった…。退廃と喧騒、酒とドラッグ、騙し騙され合う男と女のセックスと愛情とが猥雑に交錯する夜の街で、若さを持て余したそんな彼らの栄光と挫折をスタイリッシュに描き出す、いかにもソダーバーグ監督らしい青春サクセスストーリー。普通、こういう題材をテーマにした映画ってもっと下品で猥雑になるものだけど、これがソダーバーグの手にかかれば何故かどこまでもお上品で小奇麗でお洒落~な作品に仕上げてしまうとこが彼の持ち味なんだろうね(良い悪いは別にしてさ)。おかげで、ちょっぴり欲求不満気味の有閑マダムの奥様方が、最後までうっとり見惚れるだろうこと請け合いの若い男前たちの筋肉ムキムキの裸裸裸を充分堪能できる作品でありました。まあ、男の僕からしたらさすがに暑苦しかったですけどね。若い女の子のTバックなら何時間だって見ていられる(たぶん笑)僕ですが、こうやって男のTバックをひたすら見させられるとさすがに「う、うおぇぇ…」ってなっちゃいました。と、いうわけで、まあ面白いとは思うんですけど、さすがに狙っている層が狭すぎますね、これ。もう少し男の観客のことも考えて欲しかったところです。6点!
[DVD(字幕)] 6点(2014-08-10 17:43:36)
26.  マニアック(2012) 《ネタバレ》 
街の片隅で、親の代から続くマネキン工場を営む孤独な青年フランクには誰にも言えない秘密があった。それは、幼少期に実の母から受けた虐待が原因で、女の頭皮に異常なまでの執着をみせるという、抑えきれない歪んだ欲望。そう、実際に街で見かけた女を殺しその頭皮を剥いでマネキンの頭部へと貼り付けてコレクションするほどに――。偶然知り合った新進気鋭の女性芸術家アンナへとその歪んだ欲望を向けたことから、そんな彼の精神はさらなる狂気の深淵へとはまり込んでいくのだった。という、ストーリー自体はもう何処にも一ミリたりとも新しい部分の全くない超ベタベタなサイコ・サスペンスなのですが、本作は全編をそんな異常なサイコキラーの主観目線で描いたというのが新しいところですね。モキュメンタリーとかじゃなく、ほんとにずっと精神異常者視線でストーリーが語られていくため、まるで自分が何の罪もない女を殺してその頭皮を剥ぎそれを貼り付けたマネキンに取り囲まれて「ハアハア」言いながら恍惚としてるみたいな気分にさせてくれます(まあ、ほとんどの人は積極的にあまり味わいたくないだろうけどッ笑)。いやー、とにかく気持ち悪いだけの作品でした。いわゆるPOV亜流な設定なので、ストーリーに深みや情緒なんて欠片もありません。もう蝿がたかる血だらけのマネキンとか、その腐臭が今にも臭ってきそうで不愉快千万(笑)。でもまあ、ここまで人を不快にさせる映画を撮ったスタッフたちの情熱(特に終始いや~な目付きの気持ち悪いイライジャ・ウッドがぐちゃぐちゃになっちゃうラストは必見!)は、良くも悪くも賞賛に値します。よって6点。
[DVD(字幕)] 6点(2014-05-01 00:15:31)(良:1票)
27.  マーガレット・サッチャー/鉄の女の涙 《ネタバレ》 
いまだ賛否の分かれているイギリス初の女性首相の伝記映画。なのだけど彼女がまだご存命ということで制作陣が萎縮してしまったのか、テーマの搾りきれていないなんとも散漫な映画となってしまった。男性中心社会でのし上がっていくまさに〝鉄の女〟のパワフルな女性の姿を描きたかったのか、それとも年老いて認知症を患った孤独な女性の〝もののあはれ〟的哀愁を描きたかったのか、それともそんなパワフルな女性を影で支え続けた夫との〝ラブストーリー〟を描きたかったのか。どれもこれもが中途半端で残念な作品。それでもストレスなく観れたということと、やはりメリル・ストリープの演技が素晴らしかったので6点。
[DVD(字幕)] 6点(2013-04-10 12:09:12)
28.  マネーボール 《ネタバレ》 
スポーツ界の内幕にも、メジャーリーグにも、さらには野球にも全く興味もなく、ただブラット・ピットとフィリップ・シーモア・ホフマン見たさだけで鑑賞。面白くなかったらすぐに観るのを止めようと思っていたのだけど、手堅くテンポよく創られていて、ちゃんと最後まで面白く観れた。ただ、あまりにも優等生な感じに撮られていて、最初観るときに想像したとおりの、全く予想外という展開もなく印象的なキャラクターもいないので、野球に興味のない自分としてはすぐに忘れてしまいそうな映画でもあった。野球好きな人にはお薦めです(当たり前か)。
[DVD(字幕)] 6点(2012-12-08 21:40:21)(良:1票)
29.  マザーレス・ブルックリン 《ネタバレ》 
1950年代、ニューヨーク。生まれつき自分の意志に反して突然大きな声をあげたり痙攣的な発作を起こしてしまうという障碍――いわゆるチック症を患う私立探偵ライオネルは、幼いころ両親に捨てられ孤児院で育った天涯孤独の身。現在彼は、そんな自分を引き取ってくれた育ての親でもある探偵事務所のボス、フランクの下で働いている。障碍を抱えながらも類稀なる記憶力を持つライオネルは、今やフランクの右腕と言ってもいい立場に立っていた。そんなある日、謎の女を巡る胡散臭い事案に首を突っ込んでいたフランクが、無残な死体となって発見されるのだった。突然のことに、深い哀しみに沈むライオネル。フランクの無念を晴らすため、彼が最後に追っていたという謎の女を求めてライオネルは捜査を開始する。浮かび上がってきたのは、ブルックリンの都市開発利権を巡る権力者たちの深い闇だった。果たしてフランクを殺したのは誰なのか?そして彼は生前何をしようとしていたのか?人並外れた記憶力のみを頼りに、ライオネルは事件の真相へと迫ってゆくのだが……。名優エドワード・ノートンが監督・脚本・主演を務めたという本作、ブルース・ウィリスやウィレム・デフォー、アレック・ボールドウィンといった渋めどころの豪華俳優陣にも惹かれて、この度鑑賞してみました。夜の街の匂いを濃厚に漂わせるこのノワールな雰囲気やジャジーで退廃的な音楽などは見応え充分。特に、チック症を患う私立探偵という難しい役どころを見事に演じ切ったエドワード・ノートンの圧倒的な演技力はさすがの貫禄でした。ただ、肝心のお話の方は正直どうなんでしょう。様々な要素を詰め込み過ぎていて、いまいち整理しきれていないような印象を僕は持ってしまいました。登場人物も多く、しかも相関関係がかなり複雑なので、最後までなんとも分かりにくいのです。原作は有名な賞に輝いたベストセラーらしいですけど、その取捨選択がいまいち巧く出来ていないような感じです。E・ノートンのこういう難役に挑んでみたいという思いが先行するあまり、脚本がおろそかになっちゃったパターンじゃないですかね。これなら脚本や監督は別のプロに頼んだ方が良かったのでは。エドワード・ノートン、昔から好きな俳優さんなだけになんとも勿体ない。
[DVD(字幕)] 5点(2020-10-05 01:00:39)
30.  マレフィセント2 《ネタバレ》 
もはや元ネタの「眠れる森の美女」とは何の関係もなくなってしまったディズニー名作アニメ実写化シリーズ最新作。その映像のクオリティは抜群の安定感で、妖精たちのカラフルな造形は見ているだけでワクワクしちゃいますね。まあ肝心の内容の方は恐ろしくつまんなかったですけど。だいたいオーロラ姫もマレフィセントも最後まで何がしたかったのかいまいちよく分からない。明確な目的をもって動いていたのは、新悪役のあのミシェル・ファイファー演じる女王様だけなんじゃないでしょうか。オーロラ姫をかばって死んだマレフィセントがそのすぐ後には復活し、その理由も実は不死鳥の末裔だからと言う超テキトーなものだったのには思わず失笑しちゃいましたわ。映像のクオリティとオーロラ姫を演じたエル・ファニングちゃんの可愛さに5点!
[DVD(字幕)] 5点(2020-08-31 17:31:09)(良:1票)
31.  マン・ダウン 戦士の約束 《ネタバレ》 
アフガニスタンでの過酷な任務を終え、故郷へと帰還したアメリカ兵ドラマー。ところが愛する妻と子供が待つはずの地は荒廃し無人の荒野となっていた。ともに帰還した友人と家族を捜しはじめる彼。そんな彼の脳裏に戦場での過酷な記憶が交錯するのだった…。まあやりたいことは分かるし、そのメッセージ性も充分理解できるのですが、正直微妙な出来でしたね、これ。ぶっちゃけて激しくネタバレすると、まあ妄想オチなんですが、この作品の最大の欠点は早々にそのオチに気付いてしまうこと。ミスリードの仕方が恐ろしく下手です。あと、主人公の妄想世界のディテールも低すぎます!主人公の目に実際に生きてる人の姿が見えることもあったり見えないこともあったり、いくら妄想だからってここらへんをあやふやにしちゃったらあかんです。まあ最後まで退屈せずに観れたので5点で。
[DVD(字幕)] 5点(2018-06-22 10:33:52)
32.  マッド・ガンズ 《ネタバレ》 
僕は緑の大地を見たことがない――。世界的な環境破壊と異常気象により、大干魃に見舞われた近未来。何処までも拡がる砂漠の真ん中で、いつか緑の大地が戻ってくることを信じて暮らしているホルム一家。家族の長である寡黙な父親アーネストは、僅かに湧き上がる井戸水を頼りに少量の農作物を育てて生きていた。美しく成長した長女のメアリーは、そんな頑固な父親に反発しながらも家事全般を担当している。まだ思春期を迎えたばかりの末っ子ジェロームは、過酷な世界に絶望を感じながらそれでも必死に生きていこうと父親の手伝いをしている。彼らの母親は、過去のとある出来事が原因で家から離れた病院で長い入院生活を余儀なくされている。滅びゆく世界で希望を捨てずに生きてゆこうとするそんなホルム一家だったが、メアリーの彼氏である荒くれ者のフレムという男がやって来たことで深い亀裂が入っていくのだった…。荒れ果てた近未来を舞台に、親子二代に渡るとある家族の物語を乾いたタッチで綴るバイオレンス・ドラマ。正直言って、舞台設定は凡庸という他ない。『マッドマックス』が製作されて以来、これまで幾百も創られてきた終末世界を舞台にしたアクション映画を踏襲しただけで、新しい部分は一切ないと言っていい。そこで繰り広げられる物語も、よくある親子の葛藤&復讐劇で大して面白いものではない。見所は、そんな凡庸な家族のドラマを終末世界というミスマッチな舞台で非常に丁寧に創り込んでいるところだろうか。ストーリーの重要な鍵となる荷物運搬用ロボットの造形も見ているうちに愛着が湧いてくるから不思議なものだ。家族を演じたそれぞれの役者陣のナチュラルな演技も見応えがあり、特に絶望的な世界でそれでも愛する男の子供を産もうとする長女メアリーを演じたエル・ファニングの可憐さはとても印象深いものがあった。と、そこらへんは素直に面白かったと言っていいだろう。問題は、先に述べたように舞台設定に一切新しい部分がなく、ずっと砂漠の映像ばかりが続くために途中で飽きてしまうところだ。もう少し新しい部分で勝負してほしかった。時折、はっと目を見張るほどいいシーンがあっただけに残念というほかない。
[DVD(字幕)] 5点(2016-08-26 22:56:46)
33.  マリーゴールド・ホテルで会いましょう 《ネタバレ》 
マリーゴールドホテルにようこそ。英国式の伝統建築で建てられたここでは、インドでの優雅で洗練されたバカンスを約束します――。亡くなった夫の借金を返すため家を売ったイヴリン、子供のころの親友に会って謝罪したいグレアム、長年の夫婦生活の末に酷い倦怠期を迎えているダグラスとジーン、足を骨折し手術を受けようとしている酷い人種差別主義者ミュリエル、生涯現役を自任しパートナー探しに余念がないノーマン、息子夫婦と上手くいかず家を飛び出してきたマッジ…、人生の終盤を迎えインドの郊外に佇むうらぶれたホテルへと偶然やって来た彼ら。「広告と全然違う。こんなの、詐欺だわ!」当然のようにそう抗議するものの、支配人である若いインド人に強引に説得され仕方なくチェックインすることに。そんな寂れたホテルでいろいろと不満を覚えながらも、みんなで共同生活を送るうちに彼らは次第に第二の人生を謳歌していくのだった。初老の域に差し掛かり、自分のこれまでの人生を見つめ直すことになる彼らのインドでの生活を、洗練された美しい映像と音楽の数々で描き出すハートウォーミングなコメディ作品。ここ最近、ハリウッドでは静かなインドブームが続いてますね。「恋におちたシィクスピア」で有名なジョン・マッデン監督が新たに挑んだのも、そんな若いエネルギーに満ち溢れたインド社会に触れて再び生きる活力を得ていく初老の男女を軽妙なタッチで描いたヒューマンドラマでありました。ただ、ちょっと軽すぎますかね、これ。あくまで個人的な傾向なのだけど、こういう登場人物誰もがみんなちゃんと幸せになって終わる薄味作品ってあまり好きではありません。確かに、映画としてよく出来ているとは思うのですが、「やっぱり人生って幾つになっても素晴らしい!」というこの作品のテーマはちょっと凡庸に過ぎると思います。理不尽で残酷な現実社会に翻弄され人間として壊れてしまった人(インドのスラム街にはそんな人がたくさん居るはずです)なんかを、その片鱗でもいいのでもう少し直視する視線が欲しかったですね。それにこの全編に漂う、いかにも英国風のお上品な雰囲気にもいまいち馴染めませんでした。これはもう好みの問題なのだろうけどさ。
[DVD(字幕)] 5点(2014-08-22 12:08:20)
34.  マチェーテ 《ネタバレ》 
グラインドハウスという優れた企画映画のなかで恐らくしゃれで作られたであろう、架空映画の予告編を本当に大真面目に一本の映画に仕上げてしまいましたな作品。僕は昔からこのロドリゲスのいかにもお下品で猥雑でお馬鹿でエロくって、それでも最高にクールな映画が大好きなのだけど、さすがにマチェーテを主人公に一本の映画にするには無理があったのではないか。途中までは確かに無茶苦茶面白いのだけど、後半はちょっと失速気味。それにマチェーテのキャラが濃すぎて、ちょっと周りのキャラがかすんでしまったのも残念なところ。
[DVD(字幕)] 5点(2013-05-09 16:39:13)
35.  マー/サイコパスの狂気の地下室 《ネタバレ》 
女手一つで自分を育ててくれた母親とともにとある地方都市へと越してきた女子高生、マギー。持ち前の明るい性格からすぐに友達もでき、転校から数日後にはクラスのイケてるグループからパーティへと誘われるまでになっていた。そんなある日、彼女は友達と飲む酒を手に入れるために町の酒屋の前で代わりに買ってくれる大人を探してたところ、とある年配の女性と知り合う。スー・アンと名乗るその黒人女性は、それどころか自宅の地下室を自由に使ってもいいと提案してくれるのだった。面倒臭い大人たちの目を避けるために、戸惑いながらもスー・アンの自宅へとやって来たマギーたち。広い地下室で自由に酒を飲み、今という時間を楽しむ彼女たちにスー・アンはこれからいつでもこの地下室を好きに使っていいとまで言ってくれるのだった。夢のようなそんな言葉を素直に受け入れ、友達も呼んで夜な夜なパーティーに浮かれるマギーたち。だが、マギーは知らなかった。彼女が、過去の辛い出来事を機に心を病んでしまったサイコパスであることを――。今どきのティーンエイジャーが、偶然知り合ったサイコパスな女によって恐怖のどん底へと叩き落とされる姿を描いたサイコ・サスペンス。実力派女優オクタヴィア・スペンサーが、そんな心を病んでしまった中年女性を演じているということで今回鑑賞してみました。率直に言って題材は良かったと思うんですよ、これ。何気に豪華な役者陣も、このありがちなストーリーに説得力を持たせることに貢献している。問題は、監督の演出力。雑と言うか稚拙と言うか、映画として面白くなりそうなポイントをことごとく外しているんです。頭空っぽな今どきティーンエイジャーの主人公たちが、最初は親切だと思っていた黒人のおばちゃんに地下室に閉じ込められて……なんて、エンタメホラーとして普通に面白くなりそうなのに、これがちっともそうならない。この監督って、これまでホラー映画というものを観たことがないんじゃないかって疑っちゃうくらいでした。物語の重要なポイントとなる、このサイコパス女性の過去を描く回想シーンの挿入の仕方も恐ろしく稚拙。彼女の足の悪い娘の存在なんて、居る意味あったのかってくらいでした。クライマックスでようやく、このサイコパスな女の暴走が始まるわけですが、これも見せ方があまりにテキトーでさっぱり怖くない。題材はシンプルで良かっただけに、もっとホラー映画を分かった監督に演出して欲しかったですね。
[DVD(字幕)] 4点(2021-07-02 18:00:35)
36.  マッドタウン 《ネタバレ》 
地球温暖化の影響で砂漠化が進み、極度なまでに荒廃した未来社会。政府の力は限りなく弱体化し、砂漠はもはや無法地帯と化していた。そこは人間を狩ってその肉を喰らう食人集団や、麻薬に溺れる無法者どもが住まう狂気の地。犯罪者や社会不適合者と政府から判断された者は、〝バッド・バッチ〟と呼ばれ、そんな砂漠地帯へと追放されるのだった――。罪を犯し、街から追放された若い女性アーレンもまた、そんな何処までも続く荒れ果てた世界を前に途方に暮れていた。そんな彼女を、待ってましたとばかりに襲ってくる食人族集団。すぐに彼らに捕まったアーレンは、そのまま右手と右足を切断され、その日のディナーにされてしまう。残りの肉は明日のお楽しみとして、鎖で繋がれ監禁されるアーレン。「このまま、こいつらに喰われてたまるものか!」。隙を突いて何とか逃げ出した彼女はスケートボードに乗って、行く当てもなく砂塵の中を彷徨うことに。そんな彼女を救ってくれたのは、同じく砂漠で暮らす麻薬中毒者たちのコミュニティだった……。荒廃した未来社会を舞台に、片手片足を失いながらもたくましく生きる女性を描いたバイオレンス・アクション。ジェイソン・モモア(アクアマン!笑)やキアヌ・リーブスと言った新旧ハリウッド・スター共演ということで今回鑑賞してみました。まあやってることは完全に『マッド・マックス』の二番煎じなんですけど、冒頭から主人公が右手右足を鉈でぶった切られて食べられるというぶっ飛び展開に一気に惹き込まれました。食人族集団のボスを演じたジェイソン・モモアも、そのイカつい見た目とは裏腹に溺愛する一人娘の絵を描くことを唯一の楽しみにしてるというのもギャップあり過ぎで大変グッド。さらわれた娘の情報を得るために、謎の浮浪者に言われるまま、彼がそいつの絵を描くところも乾いたユーモアがあってけっこうクスリとさせられました。ただ、本作が面白かったのはここまで。そこからものの見事に失速しちゃいます。いやー、完全に出オチ映画でしたね、これ。全く中身がないうえに、さして面白くもないお話が最後までダラダラダラダラ。とにかくこの主人公がいったい何がしたいのか最後まで全く意味不明なので、全然盛り上がらないんですよ。キアヌ・リーブス演じる麻薬王の存在なんて、何のために出てきたのかさっぱり分かりません。挙句、最後はこの主人公が食人野郎と何故か良い感じになってハッピー・エンド。え、何それ?てか、あんたの右手右足をぶった切って食べたのはこいつですからーー!4点!!
[インターネット(字幕)] 4点(2020-06-25 01:18:43)
37.  マイル22 《ネタバレ》 
アメリカで秘密裡に暗躍する特殊工作員たちの活躍を臨場感たっぷりに描いたハード・アクション。監督はこの手の分野を得意とするピーター・バーグ、主演を務めるのは彼の作品のもはや常連とも言えるマーク・ウォールバーグ。他にハリウッドの名バイプレーヤー、ジョン・マルコヴィッチが名を連ねております。まあこの監督らしいと言えばそれまでなんですけど、なんだか演出が全体的に大味な作品でありましたね、これ。冒頭の一軒家におけるテロリストたちとの銃撃戦こそかなりの迫力だったのですが、その後の主人公たちのドラマの描き方が正直かなり大雑把。彼らがそれぞれいったいどんな背景を抱えているかがいまいちよく分からないまま、強引にお話だけが進行していくので観客はだいぶ置いてけぼりを食らっちゃいます。そもそも主人公たちの属する組織がいったいどんなものなのかもよく分かりません。そこに東南アジア政府やロシアのKGBなどが絡んでくるうえに、主人公の現代の尋問シーンなども差し挟んでくるのでお話が無駄にややこしい。物語も中盤を過ぎたあたりで、ようやく「大量破壊兵器の秘密を知る亡命者を22マイル先の空港まで護送する」という本筋が見えてくるのですが、「え、そんな単純なお話やったんかい!!」と思わずずっこけそうになっちゃいました。ウォールバーグ演じる主人公がやたらイライラして悪態つきまくるうえに、腕のゴムをひたすらパッチンパッチンやるのも見ていて不愉快。瀕死の重傷を負った仲間のおばちゃんには手榴弾を渡し自爆を強要するという非情さを見せながら、違う仲間のええおねーちゃんが危機に陥ったら全てを危険にさらしてまで助けに駆けつけるという彼の一貫性の無さには、もはや呆れを通り越して失笑してしまいましたわ。あんた、えこ贔屓しすぎやろ(笑)。うーん、正直、観る価値はなかったかな。
[DVD(字幕)] 4点(2019-10-29 22:17:26)
38.  マグダラのマリア 《ネタバレ》 
あの世界でもっとも有名な物語の古典、新約聖書の世界をマグダラのマリア目線で映像化した歴史ドラマ。まあ観る前から大方の予想はついていましたが、最初から最後までもうとにかく眠たくなるほどオーソドックスな宗教ドラマでしたね、これ。ただ、マグダラのマリア役を今を時めく人気女優ルーニー・マーラが演じているということ、その一点のみで今回鑑賞してみました。確かにマリア役を演じた彼女の清楚な佇まいはまさに嵌まり役で、見ていてほれぼれするほどキレイでした。でも、本作の見どころと言えばそれぐらいかな。きっと熱心なキリスト教徒の方なら楽しめるんでしょうけど、僕のようなそうじゃない人間にとってはさすがにこれは退屈で退屈で仕方なかったです。新しい部分と言えば、これまで娼婦とも言われ罪深き女などとも称されたマグダラのマリアを、最もキリストのことを考えていた普通の人として描いているところぐらい。まあそれも僕にとっては、「へー、そうなんですか」くらいの感想しか残りませんでした。また、肝心のイエス・キリスト役をあのいまもっとも勢いのあるホアキン・フェニックスが演じているのですが、これがミスキャストもいいところ。でっぷりと貫禄ありまくりで、正直まったくキリストに見えないんですけど!だから語られる言葉もさっぱり心に響いてきませんし、あのキリストが取り乱して感情的になるシーンなんて見ていて違和感しか感じませんでした。予想だけど、これってキリスト教徒の人たちにも評判悪いんじゃないですかね?キリストの最期を知りたければ、メル・ギブソンの『パッション』の方が100倍くらい出来はいいんで、そちらを観ることをお勧めいたします。
[DVD(字幕)] 4点(2019-10-25 21:48:23)
39.  マネー・ショート 華麗なる大逆転 《ネタバレ》 
言いたいことは分かるが、映画として面白いかと問われれば「否」というしかない。
[DVD(字幕)] 4点(2016-10-18 02:31:05)
40.  マレフィセント 《ネタバレ》 
名作の誉れ高いディズニーの古典的アニメ「眠れる森の美女」を、最新のCG技術を駆使して実写映画化、主演には新旧人気女優を起用し、さらには現代的な解釈で元々のお話を大胆にアレンジして……という最近流行りのスタイルのファンタジー大作。川端康成のロリコン小説の傑作「眠れる美女」なら知ってるけど、原作となったアニメや童話はほとんど知らず、それでも昔からそのコケティッシュでキュートな魅力でもって僕のロリ心を良い感じで突いてくる美少女エル・ファニングちゃんが主演ということで今回鑑賞。まあ、アンジェリーナ・ジョリー主演がウリってことで彼女が全面的にフューチャーされているのは分かるのだけど、それでも僕のお目当てのエル・ファニングちゃんが登場するのが映画が始まって40分も過ぎてからって、ちょっと酷くないっすか?あの、子役時代に数々の映画で魅せてきたその可愛い笑顔を見たくて見たくて堪らなかった僕としては超不満爆発なんすけど!!でも、真面目な話、これってそーゆー脚本上の爪の甘さが目立つ作品だと僕には思えました。本作の主人公って、いったい誰なんでしょう?マレフィセントならそのあまりにも特異な立場のせいで全く感情移入出来ないし、オーロラ姫ならあまりにもその扱い方が雑です。だから、これって観客が感情移入できるキャラクターがいない、物語の粗筋だけが延々と垂れ流されているだけのかなり退屈な作品に感じてしまいました。それに、唐突に出てくる王子の存在もかなり薄っぺらいし、「ファンタジーは最後にドラゴン出しときゃ万事OK」みたいなクライマックスのテキトーな展開も何だかな~。うーん、原作もこんな感じなんですかね?僕には、本作の魅力はあんまり分からなかったです。
[DVD(字幕)] 4点(2015-04-29 10:15:01)
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