1. ヨコハマBJブルース
松田優作の希望で工藤栄一が監督に抜擢されているが、優作代表作であるテレビドラマ「探偵物語」でも彼は工藤監督を推していたらしく(スケジュールの都合で実現せず)、念願叶ってといったところか。優作のハードボイルドぶりも実に様になっているし、本人の歌声もなかなかのもの。しかしこの作品で最も評価すべきは工藤監督の演出だろう。これまでの優作主演の映画のようにアクション俳優・松田優作をカメラが捉え続けるのではなく、うらぶれた夜の街並み、昼の都会の喧騒、絵になる港町といった「ヨコハマ」こそが主人公のように見事に映し出され、その映し出されたものの中にポツンと人間が映ってるというぐらいの撮り方で、割と遠めのショットを多用している。アクの強い優作とのバランスもいいし、何より映像が美しい。傑作と言ってもいいかもしれない。 [ビデオ(邦画)] 7点(2008-02-29 14:44:00) |
2. 4番目の男
ヴァーホーヴェンがオランダ時代に撮った『氷の微笑』です。『氷の微笑』のほうがシンプルで洗練されていて楽しみやすいが、こちらは宗教がらみということもあって、悪魔的な色合いがあって、より心理的に迫ってくるものがある。ただ、アルコール依存の男が見る幻想がエグイわりに「いかにも」なものばかりで、とくに宗教がらみの幻想がそのエグさも含めてありがちなものにしか見えない。「いかにも」な部分を大切にするのが娯楽映画に徹するヴァーホーヴェンなわけで、その徹底ぶりがときに幼稚に見えるのだろう。この「いかにも」なものを如何に楽しむかがヴァーホーヴェンの作品を楽しむコツなのだ。 [DVD(字幕)] 5点(2007-07-23 11:42:24) |
3. 汚れた血
アメリカ女が出てきた時点で、これはフランス映画とその中で誕生するヌーベル・ヌーベル・ヴァーグの物語と解釈してしまった。以下、私の妄想的解釈。アメリカ女=アメリカの映画会社のプロデューサー。謎の病気の蔓延とハレー彗星接近による世紀末的状況=フランス映画の低迷。ワクチンがあり、彗星もいずれ通りすぎるので低迷は一過性のもの。殺された男は偉大なるヌーベル・ヴァーグ?息子は父と同じく手が器用=ヌーベル・ヴァーグを引き継いでいる。息子の名前はカラックスの分身・アレックス。新たな世界へはばたきたいアレックスは資金調達のために父の仲間と共にある計画を実行する。盗み=引用?仲間はアメリカ女を恐れる男とスタイルに拘る男と謎の女。やっぱり出てきたガラス張りのアジトは映画そのもの。今度の“新しい波”はとてつもないスピードを見せつける。腹話術=直接言葉で伝えない?アレックスは死ぬが映画は死なない。疾走する映画は女に受け継がれた。頻繁に出てくる髭剃りのシーンは?パラシュート降下は?さぁ、みんなで考えよう!って適当なことを長々とスイマセン。でも、透き通るような美しさとはまさにこのこと!と思わせる二人の女優を見るだけでも価値があると思います。女優を美しく撮るって重要なことです。 [DVD(字幕)] 8点(2005-07-12 16:12:25)(良:2票) |
4. 汚れた英雄(1982)
これ、ダビングしてパッケージまで自作したくらいだから結構好きだったんだろうな。今は中身はオジ-・オズボーンのライブに変わってるけど。レースシーン、たしかにあり得ないんだけどかっこいい!女とのカラミのシーンはストーリーの上ではとても重要(プライベートレーサーがワークスに勝つために金持ち女と仲良くなる)なはずなのに、お飾り的にしか映さない。これだったら一切映さないほうが良い。あと伊武雅刀の場内アナウンスも変。でもレースシーンはやっぱりかっこいい。ローズマリー・バトラーの歌う主題歌が懐かしい。 5点(2004-02-24 10:21:46) |
5. 48時間
今思えば配役がはまりすぎて面白みに欠けるが、エディー・マーフィーに対して既成概念の無かった当時は素直に楽しめた。もちろんアクション娯楽として。48時間というタイムリミットに対するハラハラ感があればもっといいんですが。 5点(2003-12-12 12:27:28) |
6. 夜霧のマンハッタン
ラブコメを感じさせるサスペンスドラマ。火サスみたいなもん。内容はともかく、デブラ・ウィンガ-の演技力とかわいさにはまった作品。なのでここのレビューを読んでて結構気持ち良かったりもする。 6点(2003-09-25 13:28:35)(良:1票) |