21. ワーテルロー
いくら大量のエキストラを動員して、大量の馬だの砲弾だのを投入しても、そのシーンを撮ることが目的になってしまっており、肝心のナポレオンの(あるいはこの対戦の)何を表現したかったのかが最後まで不明なため、見ていて少しも面白くないのです。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2018-03-28 01:23:33) |
22. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ/完全版
《ネタバレ》 導入部分で、ちょっとだけ時系列をいじることで、突如醸し出される壮大さ。魔術を見ているようです。その後も、4時間近くあるのに、無駄なシーンや台詞もなければ、無理矢理エピソードを入れて盛り上げ(ようとす)ることもない。一方で、これでもかというくらいのエキストラが象徴する、一つ一つのシーンへの気合の入れ方。きちんと別世界に連れて行ってくれるという点で、貴重な作品です。なお、個別のシーンで強烈だったのは、デボラとの路上の初会話のところで、群衆に埋もれると思っていた(というか埋もれていた)ヌードルスとデボラに、いつの間にかフォーカスが当てられている手品のようなくだり。それと、デボラとの楽屋での再会シーンで、メイクを落としながら話をさせるという豪腕の演出。●難点は、後で絶対何かあるだろうと思っていたジョー・ペシが、何もなかったこと。病院で一瞬登場するのは何だったんだろう? [ブルーレイ(字幕)] 7点(2017-10-01 02:40:31) |
23. 鷲は舞いおりた
すごく壮大で困難なことに挑戦しようとしているはずなのに、国と国がぶつかり合う緊迫感もなければ、課題を解決しようとする到達感もない。つまり、各シーンがただ何となく流れているだけなのです。雰囲気が、その辺の街中のサスペンスものと変わりません。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-07-12 01:05:30) |
24. わが青春に悔なし
《ネタバレ》 中盤くらいまでは、弾圧がどうのこうのといいながら、ほとんどは台詞で説明されるだけであって、空気感もなければ心理の動きもないので、(時期的に終戦直後であるにもかかわらず)生々しさを感じないのです。田植えを巡るシークエンスだけは、作業そのものや近隣住民のアクションを粘着質に撮りきっており、またそれが素材を変えれば現在でもどこでも起こりうる事象なので、局所的に恐怖を感じます。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2017-04-20 00:57:49) |
25. ワイルド・アパッチ
《ネタバレ》 結局、最初から最後までただ「追いかけているだけ」だったという気が・・・登場人物にさしたる変化が見当たらないので、とても単調に感じました。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-04-17 02:07:05) |
26. わるいやつら
野村芳太郎監督という人は、特定の人物に焦点を当ててその内面のドロドロなんかを描かせると本領を発揮するのに、豪華キャストの上品な群像劇みたいなものをさせると、途端にダメになるんですね。前年の「配達されない~」とこれを見ると、よく分かりました(その後、性懲りもなく「危険な女たち」をやってしまうわけですが)。とにかく、場面設定も脚本も全部が陳腐で、清張ものならテレビの2時間ドラマでもこれより優れた作品はいろいろあります。 [DVD(邦画)] 4点(2017-03-26 22:36:52) |
27. 私は二歳
《ネタバレ》 幼児の視点から見た、というのがウリらしいのですけど、途中では視点がぶれまくっているので、あまり設定の意味がないのです。そこは技術上の限界として大目に見るとしても、あの赤ちゃんのナレーションはダメ。完全に大人の感性と視点というフィルターを入れてしまっており、赤ちゃんの心理というものに対する洞察力や想像力が感じられない。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2016-01-29 02:07:04)(良:1票) |
28. ワン チャンス
《ネタバレ》 序盤があまりにもちゃっちゃかちゃっちゃか進んでしまうので、まさかそのまま行ってしまうの?と思っていたら、イタリアで挫折した後がやっとスタートだったのですね。ただ、恋人との衝突だとか、疾患なり事故だとか、障壁の部分が1エピソードなみにあっさり済まされてしまうので、結局は最後の番組放送のところが作りたいだけの作品だったという感は拭えません(しかもそこもあっさり)。 [映画館(字幕)] 5点(2015-09-23 02:27:37) |
29. ワルキューレ
《ネタバレ》 最初見たときは、予想よりもこぢんまりとまとまっているし、計画に至るまでの背景とか相手方の動きとかもあまり突っ込まれてないけど、それでもなぜか印象に残るなあと思っていたのです。で、改めて考えてみると、例えば爆破のシークエンスとか、決起が崩壊するくだりとか、ラストの処刑への流れとか、余計な寄り道をすっ飛ばして、むしろサクサク進んでいる。この、逆に過剰なほどの手際の良さが、現実の刻々と過ぎ去る時間の経過とシンクロして、全体の敗北の容赦なさを醸し出すことに成功しているのです。その偶然によって、作品の質がぎりぎりの一線を確保しています。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-07-26 01:38:15) |
30. 鷲と鷹(1969)
演出も展開も何だか妙に単調で見場がないのだが、そもそも中心の二人が何を目的として何をしようとしているのかが練りこまれていないので、銃撃戦とにらみ合いだけで2時間持たせるのは、やはり無理があると思うのだが。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2015-07-02 18:39:09) |
31. わたし出すわ
何でひたすらつまんないのかと思いながら見ていたのですが、結局、全員が同じ喋り方で同じ演技しかしていないんですね。したがって、ここに出てきているのは、人間ではなく、お人形さんの集団なのです。演出側は一体どういう演技指導をしていたのでしょうか。主人公の背景よりも、そっちの方が謎です。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2015-06-11 01:13:46) |
32. 悪い種子
《ネタバレ》 可愛く見える子供が実は、というネタ自体は、すでに後発のいろんな作品でバリエーションが作られているが、この作品が現在でも意義を有しているのは、あくまでも描写自体はごく平穏で円満なホームドラマの中でそれを示していること。だから、ちょっとした表情の動き1つでも怖さが引き立つ作りになっているし、見る側の想像力を踏まえたサスペンスを提示しているのである(この場合、舞台劇をあまりいじらずに持ってきているのが、かえって成功している)。少女が火をつけるシーンなんてのはなくてもよい(ない方がよい)わけだし、母親が何かに気づいたときに、振り返ったら少女が立っている、なんていう陳腐な驚かせ方もしていないわけだし、そういったところは今日の映画製作においても参考になるはず。 [DVD(字幕)] 7点(2015-03-29 00:01:38)(良:1票) |
33. ワイルド・ギース
せっかく個性的なキャラクターを揃えたはずなのに、個々の描き方が凡庸で、ただ目前の課題に大騒ぎしているようにしか見えない。なので、いくら後の展開をひねってきても、それが生かされてきません。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-02-09 23:04:22) |
34. ワイルド・ビル(1995)
これだけの豪華キャストでありながら国内未公開とは不可解な、と思いながら見始めたのですが、見てやはり納得。華やかな一代記を予想させる設定でありながら、これでウエスタンを名乗らせてしまっていいのかと思うくらい、地味で鬱々とした雰囲気のシーンが続きます。むしろ、ウエスタンに対する嫌がらせが制作動機だったのではないかと疑ってしまうくらいです。それで最後まで通してしまう一貫ぶりは、それはそれで見事かもしれませんが。エレン・バーキンも、せっかく引っ張ってきていながら、全然上手く使われていないなー。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-01-31 03:16:58) |
35. 我が大草原の母
《ネタバレ》 上海で生まれた子が、大規模な飢餓のために集団移送で内モンゴルに送られ、そこで成人後、生みの母が自分を探していることを知り・・・というストーリーの概要からだけでも、空間的にも時間的にも壮大に展開するドラマを勝手に期待してしまうのだが、どうも何となく爆発すべき部分が爆発せずに、もっと飛翔しそうでしないまま最後まで至ってしまったという感じ。実の両親との対面の場面なんか、一番重く意義ある部分なはずなのに、何となく流れてしまっているし、養子先の兄弟や現地のガールフレンド(?)とのやりとりなんかも、もっと盛り上げようがあったと思う。あと、モンゴルの大平原はひたすらに美しいのだが、現地の実生活の描写、「家の中」の描写も、もっと見たかった。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-07-01 20:52:35) |
36. わが母の記
主演の3人のキャスティングが決まった段階で制作者が安心してしまい、その後の創造や表現を止めてしまったのがまる分かり。その3人以外の扱いの雑さ、1つ1つのシーンの妙な軽さなんかにも、そういったスタートの低さがもろに表れています。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2014-05-16 01:21:02)(良:2票) |
37. 私は貝になりたい(2008)
《ネタバレ》 導入部は想像していたよりは良かったのですが、中盤までがあまりにもとんとん拍子に進んでしまい、しかも裁判のシーン以降は、今度はやたらテンポが悪くて緩すぎる。署名集めの下りなんて、仲間由紀恵の登場時間を稼ぐ以外に何の意味があったんでしょうか。そして、やはりそうなってしまいましたか、美術やメイクの安っぽいピカピカ・ツルツル具合が、作品の崩壊に輪をかけています。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2014-04-25 02:02:42) |
38. 若草のふくらみ ファニー・ヒル
《ネタバレ》 田舎から出てきた娘が、泥棒に荷物を奪われて無一文になり、行くところもなく売春宿へ・・・となれば、どれだけ悲惨なストーリーになるのかと身構えてしまうが、そこからの展開は、そのまったく逆。ああだこうだとすったもんだいろいろありながら、何となくいつの間にか乗り切ってしまい、最後は主人公はなぜか勝利全開の笑顔とウィンクで締めてしまうのです。いや、これはあっぱれでした。制作側も、いかに主人公にいろんなシチュエーションでいろんな男と(だけではない・・・)いろんなパターンのエッチをさせるか、ということしか考えていない、潔い態度なのですが、しかも、衣装や美術や音楽には無駄に凝っているのが、さらなる楽しさを誘っています。 [DVD(字幕)] 7点(2014-03-09 21:11:10) |
39. わたしの可愛い人―シェリ
ミシェル・ファイファー様と年下青年の恋愛沙汰なんて、想像しただけで胸キュンもので期待が高まるのに、何ともしょぼい内容。最大の敗因は、その場を乗り切るだけの最低限の会話しかさせていない脚本であり、例えば元高級娼婦(ココット)という設定も、ただ言葉で説明されているだけであって、それを反映する言動が何も設定されていない。したがって、登場人物が全然生きていません。ミシェル様を投入しておきながらこれはもったいない・・・。 [DVD(字幕)] 3点(2013-12-02 02:23:11) |
40. ワイルドバンチ
《ネタバレ》 中盤まではダラダラした印象しかなかったのですが、単純であるがゆえにスリリングな列車のシークエンス、お約束をすべて破壊するかのようなラストの展開などは、十分な重量感とインパクトがあったと思います。ただ、せっかくいろんな登場人物を揃えていながら、それぞれのキャラクターと個性は、やっぱり弱かったような気がしますが・・・。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-08-08 23:30:00) |