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なんのかんのさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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21.  若草物語(1994)
黒人も東洋人も登場しない「よき時代」のアメリカ。体罰する学校は「外部」であり、この女たちの城は、ただただ清らかである。悲しみは病気と死であって、これもインセンスを守るため、姉妹の一人がイケニエにされたようなものだろう。前半はいささか退屈だったので、『細雪』や『叫びとささやき』などを考え合わせていたら、看病の床で読む本に「ピクイック氏」が出てきたのには驚いた。『叫びとささやき』でも同じように病人に読んでいた本。つまりいかにもそういう小説なんだろうな。それとも原作にあるのなら、ベルイマンが「若草物語」を引用したということも考えられる。姉妹群像ものが「若草物語」を重ねるってのは、これよりずっと後になるが、NHK朝の連続ドラマ「てるてる家族」ってので、石原さとみ・上野樹里らが四姉妹になったので、近所の金持ちの孫が浪利(なみとし)君といって、ローリーと呼ばれていた。けっこう原型としての「若草物語」は根深く世間に流布しているようなのだ。でこれ、平均的アメリカ白人の心の原風景を知るにはいい作品、カナダの「赤毛のアン」と比べるとプロテスタント臭が若干感じられる。
[映画館(字幕)] 6点(2010-04-09 12:06:36)
22.  私は猫ストーカー
私自身、猫ストーカーなところがあるので、とうてい客観的な評価は出来ない。ただ猫のいる世界の空気を実に的確に捉えているなあ、と感嘆するばかり。猫がいると風景が変わるんですな。具体的には視点が下がる、なにかこちらも隠れた場所から世界を見ているような緊張した気分になる、そして外界の音が猫のためのBGMのように思われてくる。主観的にしか断定出来ないけれど、この映画での町の音にはすごくその感じがあった。遠くで聞こえる子どもの声や何かの機械音などが、猫が存在する効果を上げるために鳴らされているように思われてくる。というか、猫と自分が世界から隠れているのを糊塗するために「普段」を装って奏でられているように思われてくる。だから、振り返ると塀の上でベターッと猫が寝ている、なんてシーンが実に嬉しい。あれが猫の味わい、共犯の味。それと秘伝の伝授によって、猫にタッチするにはときどき目をそらさないといけないことを教わった。つい見つめて逃げられてしまっていたのだ。ためになった。観終わってから、この監督、オムニバス映画『コワイ女』で一番面白かった「鋼」の人と知った。こりゃ覚えておいたほうがいい名前だ。揺れていたリンゴがピタッと止まる正確さ、ヒロインの顔のアップが挿入される的確さ、など猫がいないシーンも悪くない。
[DVD(邦画)] 7点(2010-03-25 12:03:02)
23.  わが教え子、ヒトラー 《ネタバレ》 
これ元は戯曲かなんかなのか。舞台的ってことだけでなく、ワンアイデアで押していく趣向ってのが、なんか戯曲っぽい。セットでヒトラーをだまそうとする、なんてのは面白いんだけど(「廃墟ではない、今もベルリンはうるわしい!」)、でも趣向どまりで、せっかくの設定を膨らませきれてない。独裁者から威厳をはずして見せても、いまさら、という気分。ナチの怖さはヒトラーの人格の問題というよりシステムにあったわけで、たとえば日本のオウム事件でいかに麻原が俗物だったかを証明したって、事件の解明には程遠いのと同じことだ。ラストの演説もチャップリンの二番煎じという印象は否めず、しかもあちらはヒトラーが現役バリバリなときにやってる勇気と比べると、どうしたって物足りない。ただ主人公の役者さんは『善き人のためのソナタ』のときもそうだったが、とにかく絶望を一度通過した希望が見える見事な表情を作れる人で、物語よりも彼の顔のほうが見どころだった。
[DVD(字幕)] 6点(2009-07-24 09:12:06)
24.  若い季節(1962) 《ネタバレ》 
テーマ曲に乗って、皆が明朗に笑いながら並んで歩いてくる。いい感じ。空撮の日比谷から赤いスポーツカーを捉え、淡路社長の出社。ますますいいノリ。そして植木等が出ただけで場内が浮きたつのは、東宝映画の常とは言いながら、たいしたものである。バカ踊りの、あのいかにも宴会芸的な安っぽさの魅力を何と言ったらいいのだろう。腹が据わってる、とか、頼りがいがある、とかいった古い美徳をすべてコケにした痛快さ、というか。ホレボレする。この時代の映画は何かというとすぐビルの屋上に上がりたがる。会社の一同を集めての訓辞、そして軍艦マーチに乗って宣伝部員らがヘラヘラと踊る。いいなあ。銀座通りにはまだ都電が走っていく。団令子はおそらく現代の基準で言えば“デブ”だろうが、この時代は“グラマー”の範疇だった。健全な時代だった。人見明がズーズー弁で笑わせる。由利徹といい若水ヤエ子といい、当時はズーズー弁が笑いの重要な要素だった。植木等と坂本九が持ち歌を交換し、九が「サラリーマンとは気楽な稼業と~」とやれば、植木が「上を向ういて~」とやる。まったく見終わって何も残らない映画だが、何か朗らかになってたな、という気分の記憶だけは持続する。
[映画館(邦画)] 6点(2009-06-12 12:06:09)
25.  once ダブリンの街角で 《ネタバレ》 
ミュージカルは至って好きなのだけど、普通の劇映画の中で登場人物が歌いだすとイライラさせられる。ここらへん微妙なのだが、なにか私の中で一線が引かれているらしい。ミュージカルは、その日常を歌によって何か別のものに更新してしまうのに、ストーリーの中に組み込まれた歌のシーンはそうなってくれず、人が気持ち良さそうに歌ってるのをこちらはただ傍観し、手持ちぶさたに歌い終わるのを待ってる気分になってしまう。というわけでちょっとその点はつらい映画でした。人生の一コマとしての男女の出会いと別れのスケッチとしては後味がいいし、主人公のお父さんもいいし、70年代っぽい手持ちカメラの効果も概ね良かったと思う(ただ5拍子の歌を録音しているときの、録音技師がしだいに気を引いていく演出は臭く、わざわざ手持ちカメラでリアルにやってる効果を削ぐ)。もうとっくに女が結婚しているって分かったと思ってたら、後の方で主人公が知って驚いてたのには驚いた。なんか重要なポイントを見落としてたのかなあ。
[DVD(字幕)] 6点(2008-10-30 12:12:57)(良:1票)
26.  悪い奴ほどよく眠る 《ネタバレ》 
冒頭の結婚式シーンはサスペンスのお手本ですな。まず記者団の闖入で波立てる。ひそひそ声、コロスとしての記者団と本舞台での演劇としての儀式。びっこの花嫁の入場、三橋達也の「殺す」という凶々しい言葉がはいるスピーチと、驚きをつなげながら、影の演出者である三船は一切しゃべらない。そしてとどめのケーキ入場まで、ほとんど完璧と言っていい。次の見せ場は、釜足の葬儀の場で志村のホンネのテープを流すところか。組織が個人を切り捨てる残酷、『酔いどれ天使』で、三船が親分の声を聞くマージャンの場の再現でもある。あと西村晃を追い詰めたりしてきびきび進むんだけど、後半主人公の内面の苦悩、香川への愛とかが出てくると、ちょっとネバついてしまう。彼の人間性を描いたがために、サスペンスとしてはモタついてしまう。でもこのスカッといくだけで押し切れないところが、良くも悪くも黒澤さんの姿勢で、明治人の求道精神と言うか、これはやっぱりこれで良いのだ、と思いたい。香川の善意が主人公を窮地に至らしめるってのは、次の『用心棒』なんかでも繰り返されるモチーフだな。森雅之がエプロン着けてバーベキューやってる良き家庭人の姿を見せるあたりの怖さもいい。
[映画館(邦画)] 8点(2008-09-25 12:16:55)
27.  私が棄てた女
回想シーンがどれも美しい。海の景色、馬追いの夕景のシルエット、スターの家を見に行ったときの桜吹雪。原作のらい病院を老人ホームにして、宗教的な求道性を監督は社会性に置きかえている。これは監督の権利として許される範囲内。ただこの監督はちょっと余計なものを付けちゃうとこがあって(たとえば『青春の門』でガイコツの山を貨車に積んでみたりとか)、ここで終わってもいいのにってとこでオマケがついてしまう。まあ、つけまつげのない浅丘ルリ子の顔が見られるのも珍しくていいんだけど。河原崎長一郎は、渋谷での待ち合わせのあたりからして、うまい。 
[映画館(邦画)] 7点(2008-05-02 12:18:33)(良:1票)
28.  私が愛したグリンゴ
メキシコ革命が舞台。独裁者になっていく革命家って話はいいんだけど、料理の仕方が下手っていうか、ジェーン・フォンダのキョトンとした表情が鼻につくというか。興味深かったのは、アンブローズ・ビアス(「悪魔の辞典」書いた人ね)をグレゴリー・ペックが演じたってことか。世をすね、斜に構え続ける老人を、どちらかというと新聞記者やら弁護士やらマッスグな役が似合っていたペックが好演した。でも考えてみればこの人、エイハブ船長も自分からすすんでやったりしてて(あれ興行的には失敗だったらしいけど)、役者ってひねくれ屈折した役にこそやりがいを見い出す種族なんだな。本作のひねくれペックは悪くなかった。
[映画館(字幕)] 5点(2008-05-01 12:10:42)
29.  鰐~ワニ~
監督第一作ってのはいろんな可能性が見えて面白く、たとえばこれ、非行問題・ホームレス問題といった、分類されやすい社会派監督になる道も、キム・ギドクにはあったのだ。ちょっと主人公に三枚目的なエピソードを交ぜるサービスもある。なのにラストに至って、もうギドクの映画としか言えない世界に入り込んでしまう。第一作から水に魅せられていた人だった。準備されていた青い亀・手錠・ソファといったもろもろが、このラストでひとつに溶け合わされ、ギドクの寓話を形作る。途中筋を追い切れないところもあったが、このラストの陶酔で納得させられてしまった。「荒ぶる愛」の世界。ギドクの男女は、市民社会の外で特異な設定にならないと出会えない。これは彼らの猛々しさゆえではなく、彼らの傷つきやすさの反映なのだろう。彼らにとっては、手続きやらマナーやら人々の間に無数の藪が繁茂している市民社会のほうが、きっと魔に満ちたジャングルに見えるのだ。そういった市民社会の対極に、ギドクは水の世界を考えているのではないか。
[DVD(字幕)] 6点(2008-03-21 12:26:42)
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