181. ダージリン急行
《ネタバレ》 三バカ兄弟ものと言えばサボテン・ブラザースを思い出すが、単なる類友3人組(?)のあっちとは違って肉親ならではの遠慮のなさが三者三様で可笑しい。インドに行けば人生リセットできると安直に考えるところからしてもうダメダメ感たっぷりなんだけど、なんだかんだ言って兄弟仲良しなのでギスギスしないでグダグダのままやりすごせてしまう。幼い頃の力関係のまま兄も弟も成長していないので、真剣にごっこ遊びをする幼児のように、何があってもとりあえず「心の旅」を全うしようとするのが馬鹿馬鹿しくも憎めない。なんか和みました。 唯一今後がちょっと心配なピーターの彼女だが、あんなバカはとっとと見限ってもらうもんもらって強く生きていって欲しい(笑) [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-07-31 11:56:49) |
182. スピード・レーサー
とにかく全編極彩色ベースなので見ていてかなり疲れる画像ではある。映画館で見たら確実に頭痛がするんじゃないかと思うが、自宅の42インチモニターで鑑賞していると、もっと大きい画面で見たいような気もしてきた。映像は派手だがストーリーは適当に追ってレースシーンだけを観ても楽しめるし、小ネタアクションも豊富にちりばめられ、さらにオトナシーンはなぜかきっちり配慮されている(笑)ので、超贅沢な子供向け映画として傑作かと。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2009-07-30 22:27:33) |
183. タクシードライバー(1976)
世界は自分を中心に回ってはくれないことを、大人になっても分からない人間がいる。そんなトラヴィスと同様の心理状態のまま突き進んで本当に犯罪者になってしまう人間が珍しくない時代になってしまった今、この主人公の病み具合が恐ろしくリアルに感じられる。今も昔も極端な俺様男には要注意!特にこの映画に心酔しちゃうような若者にはご用心を。 こんな繊細かつ危険な人物の危うさを一挙手一投足で、或いは表情だけでビンビンに表現してみせるデニーロの役者魂にもホレボレ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-07-30 22:01:17)(良:1票) |
184. ニコライとアレクサンドラ
ロシア史については世界史教科書程度の知識(それもうろ覚え)しかなかったがそれなりに面白かった。全体の長さに比べて驚くほどあっさりと終わるラストには、肩すかし感というよりむしろ肩の荷が下りるような安堵を感じた。ラスプーチンの人物像がたいへん興味深く印象に残り、後で調べてみようという気になった。ということで、ロシア史に興味のない人間をも振り向かせるという意味では大成功の作品。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-07-28 14:59:20) |
185. 純喫茶磯辺
ダッサダサのインテリア&セクハラ誘因そのものみたいな制服を店員に着せておいて純喫茶と気取って悦に入る親父の馬鹿さ加減がもう、自分の父親を見ているようで情けなくて涙が出たww 人間って本当にどうしようもなく馬鹿で愛おしい。それが他人だったら笑って見ていられるけど、肉親だと心底うんざり、まして年頃の女子にはキツイ。そういう男親に限って娘の気持ちにやたら鈍感。悪気はなくても破壊力ばっちりな鈍感さ。でも、そういう父親を見て育つと自然と娘にだめんず免疫ができるので、長い目で見ると教育的には◎だったりする(笑) [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-07-28 14:40:29)(笑:1票) |
186. 家族(1970)
高度成長期の陰で必死に生きていたであろう人々の生活感が赤裸々に現れていて、何だか自分が生まれた頃の親の苦労を追想するようで切なかった。そりゃ悲惨すぎてありえないだろう、と思うようなことが実際に起こりえた時代だったのだろう。全編を通じてひたすら地味で暗くて心休まらないエピソードばかりで、だんだん見ている方も辛くなってくるのだが、こういう時代に必死に生きた世代のおかげで今の豊かな日本があるのだろうとか、彼らの憧れた豊かな生活を当然のように享受して漫然と生きている私たちは豊かさと引き替えに失った物もあるのではないかとか、色々と考えさせられた。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-07-24 23:32:13) |
187. 天使のくれた時間
《ネタバレ》 途中テンポが悪くてちょっとダレるけど、悪人が出てこない(強いて言えばあの天使こそが性悪者?)ので心やすく鑑賞できる可愛いファンタジー。エンディングへの持って行き方もあたたかみを感じる遠景が中心で、天使がほくそ笑んでいる気分を味わえる。ティア・レオーニがとてもキュートで魅力的。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-07-23 12:10:12) |
188. 王妃の紋章
とにかく映像が万華鏡のように美しい。救いようのない展開だが自分にとってはイーモウ監督の作品の楽しみどころは見た目が8割なのでこれでOK。女性達の胸元がいちいちサービス過剰なのが笑えた。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-06-24 13:31:31) |
189. モンゴル
《ネタバレ》 浅野忠信の目演技がいい。彼の「モンゴル人」ぶりはなかなか板に付いていたように思えた。雄大な草原の景色とホーミーも良かった。でも運命の宿敵ジャムカとの出会いがやたら簡単でそんな程度で何でいきなり盟友になるのか意味不明のまま話が進んでいき、ストーリー展開に置いてきぼり感があった。レッドクリフを見たばかりなので、ジャムカとの対決をテムジンがどうやって切り抜けるのかとワクワクしてたら、雷ってそりゃ反則でしょ。山の神様に手足の枷を外してもらったあたりから、ファンタジーだと思ってみるべきだったのか。モンゴルに特段興味のない自分でもそれなりに楽しめたのでよしとする。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-06-19 14:16:11) |
190. カンナさん大成功です!(2006)
《ネタバレ》 韓国映画にはかなりアレルギーのある私でも楽しめました。自分を卑下して下を向いて歩いていたカンナが、「I'm beautiful girl」のBGMに乗って意気揚々と歩きだすのを見るのは清々しかったし、ジェニーの泣き顔も確かに可愛かった。「泣いても可愛い」っていうのは確かに整形した甲斐があったのね。ジェニーのおっかけの冴えない男がコンサートでのカンナの告白を聞いて涙してるのがなにげに良かった。それにしても、一方では整形天国なんて呼ばれている国なのに、韓国人男性は恋人の整形には否定的だなんてメッセージを打ち出すとは、どんだけダブルスタンダードがまかり通ってるんだか。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-06-06 13:44:45) |
191. 全然大丈夫
自分の不器用さに落ち込んだ挙げ句、ああ、憩いまくりたい!と心の底で叫んだ夜に一人で観るが吉。実際世の中にはあかり並みに不器用な女や、照男並みに幼稚な男もいっぱいいて、それぞれに精一杯生きているのかも知れない。と思うと、今の自分の立ち位置も案外面白く思えてくる。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-06-03 16:55:26)(良:1票) |
192. かもめ食堂
《ネタバレ》 北欧系雑貨の清潔感と手作り感が漂う作品。いかにもカフェ好き・雑貨好きの女子に喜ばれそうな、大きい女の子向けの絵本のような映画。絵本なので、フィンランド語ってそんなにハードル低いの?とか、移住間もない外国人がそんな簡単に開業できるの?とか、とりあえずそういう大人のリアル事情は忘れて、おいしいお茶でも飲みながらまったり鑑賞しましょう。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-05-29 13:56:43)(良:1票) |
193. 腑抜けども、悲しみの愛を見せろ
《ネタバレ》 痛い人間ばっかり出てくるが、登場人物それぞれの痛さが突き抜けているのが妙に爽快な映画。姉が陽の強烈さなら妹は陰を極めていて、より凄惨。肉親のバラバラ死体を見たトラウマをバネにホラー漫画家デビューするだけあって、壊れている姉に翻弄されつつも、冷徹にその姉のキャラとしての価値を見定めているプロ根性がすごい。面白かった。キャスティング大成功のようだが、澄伽が「素?」と思えるほどハマリ役の佐藤江梨子の今後が楽しみ。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-05-06 14:35:37) |
194. 閉ざされた森
どんでん返しの末にたどり着く、思いがけない後味の良さ。良い意味で予想を裏切られてかなり面白かった。時に世間で高評価の作品の難解さに辟易し、頭の回転の悪さを自覚している私がこれは初見で大丈夫だったので、その点で評価が低いのが不思議。シンプルなアクション好きには面倒くさい映画なのかも知れません。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-05-04 20:05:31) |
195. 4ヶ月、3週と2日
共産主義社会ではかように力なき者同士は助け合うようになるのだろうか?何故バスのチケットが無い人間に当然のように自分の切符を分け与えるのか、何故たかがルームメイトの窮地に犯罪に荷担してまで尽くすのか・・・そこに違和感を感じる自分が、個人の失敗は基本的に全て自己責任として扱われ、他人の不幸は自分とは無関係と考える、この素晴らしき自由な個人主義社会で何かを失っていることに気がつかされた。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-05-04 16:40:22)(良:2票) |
196. NEXT-ネクスト-
けっこう面白くて上映時間の経過に気づかずに見ていたので、オチでこけた。もう一段あると思ってた階段を踏み外したような・・・ま、ケガしなかったからいいか、と無理矢理納得。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-05-04 16:17:25)(良:1票) |
197. 鬼龍院花子の生涯
《ネタバレ》 壮絶な愛を体現する男と女が描かれた映画。愛しの娘に拒絶されて(当たり前じゃ)激昂の後に悄然とする不器用すぎる男、愛する人の潔白を証明する為に指を差し出す男、死に際に愛する男を思い姿見にとりすがって化粧をする女。愛する男の遺灰を手に入れるため、単身で敵陣に乗り込んで啖呵を切る女。ごくせんの元ネタがこれだと思うと、仲間由紀恵にはもうちょっと頑張って欲しい。「鬼龍院松恵の生涯」にしなかったのはそれなりの理由があるのだろうが、それにしても花子は松恵に比べて華がなさすぎ。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-05-04 13:08:51) |
198. ライセンス・トゥ・ウェディング
赤子人形がグロすぎて笑った。悪意のない超迷惑人間を演じさせたらR.ウィリアムズは天下一品。結婚14年目の既婚者としては、未だに配偶者とささいな価値観の相違で日々揉めているが、だからこそ相手に飽きずに闘志がわいてくるという面もあり、最初から1から10まで確認しちゃったらむしろ倦怠期が来るのが早まるのでは?と思った。ただし、単純にラブラブでハッピーなままゴールインするのでなく、結婚前にストレスが頂点に達した時の相手の姿を見ておくのは確かにオススメ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-04-30 14:25:45) |
199. ミスト
キング作品の映画化といえばダラボン。映画のみに付け加えられている衝撃のエンディングは、原作者キングの了承を得て制作されたという。救いようのない辛口の結末は「後味が悪い」などと軽くいなすことができない重みを持ち、宗教観の薄い私にも人が生きる意味を問いかけてくる。未知のモンスターよりも恐ろしいのは既知の隣人であり、それ以上に恐ろしいものは自分自身の心の中にある。単なるモンスターパニックホラーだと思ってみると作り物感が目に付くが、注目すべきはそこではなく、あくまでも人間達である。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-04-30 14:06:19) |
200. さくらん
大人の女同士のパジャマパーティでのにぎやかしBGVに最適。内容云々するよりも、極彩色の綺麗な映像と刺激的な音楽と美女とイケメン(またはジジイ)の濡れ場にキャーキャー騒ぎながら観るのにもってこい。ストーリーに目新しさが無いぶん、気負い無く流し見できます。 そういう映画の愉しみ方もありだと思えば、まさにうってつけの作品。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-04-25 16:18:26) |