Menu
 > レビュワー
 > なんのかんの さんの口コミ一覧。105ページ目
なんのかんのさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2336
性別

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117
>> カレンダー表示
>> 通常表示
2081.  パシフィック・ハイツ 《ネタバレ》 
ワタナベ夫人は面白かった。日本のおばさんらしさがよく出ていた。控え目に振舞いながら喋りまくってる感じ。で話のほうだが、法律を悪用する犯人てのが、サスペンス映画の材料としては向かないんだ。こういう人間がいるという情報としては面白いんだけど。サスペンスの悪人にふさわしいのは、犯罪組織の人間とかサイコ系がいい。それも理解不能のきちがいではなく、我々が共通に持っている心の暗い細部を思いっきり拡大したようなサイコね。このマイケル・キートンもラストで「家族の面子が立たないじゃないか」と興奮しているあたりは、そういういい悪人になりかかっている。警察に電話入れといてから殴られにいくの。ピストルで撃ってから正当防衛のための凶器を握らせる。
[映画館(字幕)] 5点(2014-01-01 09:28:14)
2082.  名刀美女丸
敵討ちものの体裁を取っているのは戦争も押し詰まった年に映画を撮るための方便だったのか、実質は刀鍛冶の職人道の世界ね。得意の芸道ものにも繋がりそうだから(川口松太郎・脚本)こういうものなら何とかなると思ったのかもしれない。敵討ちのための刀を作る話になっている。いちおうチャンバラもあって、幕末の尊王と重ねて、時代の気分にも配慮。そういった「うまくいくかもしれない」要素を何とか掻き集めて撮ってみたが、結果ヘンテコな映画になっただけだった。まあお金や時間や機材の足りなさもありましょう、そういう中で何とかこういう映画を撮っていたのか、と知ることが一番の収穫。チャンバラの気合いの「はいらなさ」が半端でない。
[DVD(邦画)] 5点(2013-12-29 09:42:16)
2083.  ウェンディの見る夢は 《ネタバレ》 
夢の中に知らず知らず入ってしまってた、っていう仕掛けはあって、ラスト近くの運転手も含めた舞踏シーンなんかはある種の豊かな混乱が出てはいるんだけど、全体として「そつはないけど、それ以上でもない」っていうのの典型のよう。仕事仲間の連中のシーンが面白かった。仕事とられてちょっと嫌味なオールドミス。インチキで賭けをしては勝っていくの。庶民は自分にふさわしいささやかな夢で我慢しろ、ってな話にも思えてしまう。ロザンナ・アークエットさんは鼻がとんがりすぎてて、この人の顔見てると尖端恐怖症的不安を感じてしまう。
[映画館(字幕)] 5点(2013-12-24 09:41:00)
2084.  忠臣蔵(1958)
子どものころは師走になるとだいたいどこかのテレビ局で忠臣蔵をやっていた。ぼんやりとこの話の元は歌舞伎なんだろうとか思って親と一緒に見ていた。そののち長じて歌舞伎の仮名手本忠臣蔵を見ると、かなり違うのに驚いた。刃傷や城明け渡し、京での遊楽などの場はあるものの、映画で繰り返し見た細かなエピソードは全然なく(一晩での畳替えやら、赤垣源蔵徳利の別れやら)、忠臣蔵物語のネタはどこから来たものなんだろうと気になった。当時一番近いと思えたのは三波春夫の浪曲歌謡曲の世界で、映画はこういうのの寄せ集めなんだろう、と思い直した。ちゃんと調べたことはないが、それが近いのではないかと今では思っている。けっこう好きなエピソードは内蔵助が別の武士の名をかたって江戸へ向かう途中、本物と遭遇してしまうやつ。映画では大物をいつも起用していて、本作では鴈治郎だった。これ「勧進帳」をヒントにしてるんではないか。偽装がばれそうなトラブルと、それを「察してくれる」人情の世界、のヴァリエーションになっている。庶民の勧進帳人気で、ああいうのを一つ語ってみたいと講談師なり浪花節語りなりが思い、忠臣蔵を背景にこしらえた一幕が、スタンダードになっていったのだろう、そしてこういう忠臣蔵サーガが次第に結晶していった…、そんなふうに考えている。一本の映画として面白いとは言えないが、知り尽くしている物語に載せて、オールスターを見渡せる楽しさ(たとえば紅白歌合戦のような)が当時はあったと思われる。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2013-12-23 09:39:35)
2085.  メンフィス・ベル(1990)
『Uボート』の空中版。爆撃機の中だけの狭苦しい「戦場」での青春群像もの。でも結局は「勇敢さ」に収斂されていっちゃう。ヒロイズム讃歌。「戦争は良くないけれども、いろんな階級の人が平等に触れ合えるのはいいことだった」なんて意見に導きそう。カチンときたのは、そばに病院や学校などの民間施設があって誤爆してはいけないからと旋回するとこ。そりゃこのメンフィス・ベルはそうだったのかもしれないけど、そうだとしてもそれはよほど特殊なケースでしょ。東京と違いすぎるじゃん。最近のイスラム圏でも豪快に誤爆しまくってる。フジサンケイグループが絡んでいて(冒頭に「石田ナントカに捧ぐ」と出てのけぞった)ま金を出しただけだろうが、歴史の部分を拡大して全体を美化するあそこの歴史観となら通じ合うものがあっただろう。爆撃機が離陸するときの揺れ具合やバチンバチンというトタンを叩くような音にのみリアリティが感じられた。
[映画館(字幕)] 5点(2013-12-04 09:49:19)
2086.  恋と涙の太陽
主人公はヘリコプター操縦士の橋幸夫、古風な漢方薬店のせがれ。家に対しては革新的な立場から文句を言っているが、女医倍賞千恵子と見合いをする段になると「女だてらに」の保守派になる。この翌年に作られた日活の『夢は夜ひらく』では横浜ドリームランドが登場したが、本作は富士急ハイランド。大型レジャー施設が客を集めようとし始めた時期だった。妹が早瀬久美(新人の但し書きつき)、芸者が山東昭子で三枚目役。恋のライバルに香山美子、これが漢方薬に通じる古風な日本舞踊の世界の人。樹海の中のわざわざ開けたところで倒れていて橋に発見される。待田京介がチョロチョロ出る悪党。味わいとしては橋がホテルで香山と話し合っていたとき突如歌いだす瞬間のときめき。出来ることならバックの楽団なりコーラスなりが慌てて登場してきて欲しかった。
[映画館(邦画)] 5点(2013-11-26 09:45:32)
2087.  眠狂四郎 女地獄 《ネタバレ》 
伊藤雄之助の竹光浪人がいい。自分の腕だけに自信を持ち、大きく吹っかけて売り込もうとしている。真刀を持たねばならなくなったとき、三両の刀を買う。「お侍さんならこの十両のが」と刀剣屋の亭主に言われても、七両ぶんは腕で補う、と言う。狂四郎と対決し刀を合わせるとポロッと折れ、三両は三両か、憮然と呟く。最後は竹光で狂四郎と向かい合う破れかぶれのどうしようもなさが、雄之助の真骨頂で、浪人の身分のやりきれなさが迫って本作唯一の見どころ。あと脇役は田村高広や水谷良重、お家乗っ取りの悪役が小沢栄太郎に安部徹と盛りだくさんなのだが、かえって焦点が散ってしまって、さらに刺客登場の前にいちいち女人が現われて狂四郎にしなだれかかってくるのが、最後は馬鹿馬鹿しくなり、大きな失点。あの馬鹿馬鹿しさを「これでいいのだ」と認められる心の広さがあったら、本シリーズの良い観客になれそうなのだが(60年代末のエロっぽいサイケな空気は味わえた)。狂四郎のキャラクターと時代劇の大枠とがしっくり合わないのがこのシリーズのつらいところで、親思いのお姫様という大枠の設定(お家の存続)を否定し切れてない。狂四郎のキャラクターは、木枯し紋次郎につながっていったのだろうか。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2013-11-15 09:33:05)
2088.  オペレッタ狸御殿
この監督の映画は安っぽさを何か肯定的なものに変えてしまうところが面白いんだけど、でもこれはただ安っぽいだけに見えるところも多く、あと何かギクシャクした感じを肯定的なものに変えてしまう面白さについても、以下同文なの。もしかするとこっちが安っぽさなりギクシャクなりを感じると、それを面白さなんだと思い込ませる回路がいつのまにか組み立てられていて、そういうのをそっと作らせてしまう才能が、名監督と呼ばれる条件なのかも知れない。なんてことをこのピカピカの狸御殿見ながら思ってた。そこまで思っても全否定は出来ないんだよね。琳派の美的雰囲気を全然その味わいを生かさないように使ってるあたり、やはりタダモノではなく、でもあれで美空ひばり出演って言っていいのかな。
[DVD(邦画)] 5点(2013-11-12 09:37:00)
2089.  眠狂四郎 炎情剣
安部徹と西村晃がひそひそ話し合ってれば、もう時代劇定番の情景、慈善の相談には見えない。しかもその悪い奴らは裏切りあっている世界でもある。目新しさはなくとも、時代劇の情景としてしっくりくる。西村晃の顔を見ているだけで嬉しくなれる。なのに、権力の被害者や善人が出る場面になると、こそばゆいと言うか、思わず顔を背けたくなるほど恥ずかしい。中原早苗と姿美千子(中原さんも当時はこっちの側の人間だったんですね)。ここらへんが緩いので、いくら狂四郎がニヒルぶっても、シャープさに欠けてしまう。土下座して助けを懇願する下人を見捨てたクールさも、ぬるくなってしまう。烏の群れが飛び立つ図柄の襖絵とか、にわかの面をつけたままの襲撃者とか、美術や小道具は凝ってるのに。チャンバラもぬるめで、撮影許可得るまでに面倒な申請書が必要そうな寺の回廊使っているが、そこ狭くて活劇には窮屈そう。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2013-10-19 09:23:24)
2090.  牢獄
これはベルイマン初めてのオリジナル脚本、原作を持たない好き勝手に作った映画で、もう彼のモチーフの展覧会のようで壮観です。精神病・神と悪魔・原子爆弾の恐怖(のちの『冬の光』)・性と出産・自殺・子どもの遊び・夢・鐘の響き(時計好み)・白夜・映画撮影(舞台好み)…それらがちゃんと化合し切れないでゴタゴタと並んでいるのが展覧会としての楽しみ。冒頭の荒野を歩いてくるところでまず引き締まる。どこからがこの映画の芯なのかが分からない作りで、「ここまでは枠でこれからが本題」とクッキリせずにややこしくなっていってしまう。煙や霧がたなびき、無声映画が挿入され、悪魔も出てくるし、森が人になっている夢もあるし、不幸を一身に受ける売春婦と脚本家の苦悩とが、助け合えない世界ってことなのか。実質上ベルイマンワールドの出発点となった作品と思えば、分からないながら、なにやらありがたい。
[映画館(字幕)] 5点(2013-10-05 10:19:50)
2091.  奈緒子
イスラム圏で女性の髪を見せない習俗があるのは、納得できる。風に乱れる髪は、心のけっこう中心部を音楽のように悩乱させる。あれはいい。雄介に給水しようとする場で思いっきり乱れる奈緒子の髪のスローモーションは、別に名場面でも凝った撮影でもないのに、嬉しくなった。まだこういうシーンは来るぞ、と待ち受ける気持ちでさらに続きを見ていくと、練習の場で、監督と衝突した雄介が橋の途中からコースを戻り、それを追う奈緒子の髪が乱れる。二人とも着ているものにさして汗が沁みず、「爽やかな青春」に徹する(陸上の夏合宿なんてすごく臭そうなんだが、そういう気配は排除されている)。きっと終盤で給水がらみでもう一回奈緒子の髪が乱れるに違いない、と座りなおして画面を凝視していると、ライバルの綾野剛(だから高校生)が雄介に追いつかれてまとめていた長髪を解いた。う~ん、男の髪じゃダメなのよ。ライバルの諫早学院はチームカラーが黒で、彼の名前も黒田君ていうあたり、若大将などの時代の昔からライバルカラーはしばしば黒だったなと懐かしくも嬉しかったが、綾野君の髪じゃ乱れがいがないんです。そもそも「成せば成る」の精神主義系の話をストレートにやられるとゲンナリしてしまうほうで、樹里の髪だけでは覆せなかった。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2013-10-03 10:26:58)
2092.  イタリア旅行
ロッセリーニとバーグマンには申し訳ないが、これ、とうとう引っ掛かってくれませんでした。ただこうエピソードを並べるのが好きな監督だってのは、しみじみ納得した。歴史の地、古代の彫刻、遺跡の発掘、といったエピソードがブツブツと投げ出されていて、それらが化合してくれない、って言うか。フェリーニの映画もブツブツで進むが、彼の場合はかえって寄席の演目が並んでるみたいで、エピソード主義が効果を上げている。フェリーニのトーンとうまく合って、映画とはもともと寄席の芸だったんだ、てなことにまで貫いて納得してしまう。ロッセリーニだと、そこんとこ、変にシンネリしてしまう。ただ、性格を持たない第三者が映るシーンはいいの。バーグマンが一人で車を走らせている街の光景、娼婦なのか太った女が立っているあたりの不安な感じなぞ、やけに迫ってきた。きっとあそこらへんに取っ掛かりがありそうなんだが、申し訳ない、取っ掛かりどまり。
[映画館(字幕)] 5点(2013-09-26 09:22:56)
2093.  宇宙大怪獣ドゴラ 《ネタバレ》 
宝石ギャングにかなりの比重がかかっているのが、子どものときは不満だった記憶がある。建物を壊すところ目当ての子どもには、橋だけってのは厳しい。でも怪獣・怪物・怪人に悪漢が絡むのは東宝ではごく自然なことであり、ギャングどもがみな(若林映子も含め)揃ってサングラスをかけている愛嬌を、子どもは味わい切れなかったのである。ダンディな悪漢天本英世がよい。権威の博士は中村伸郎だった。選択的に酔っ払いだけが浮いたり、悪漢が浮き上がったりするのは、けっきょくよく分からなかったが、石炭を吸い上げる場には、怪獣映画としての面白味があった。このころは火力発電所以外でも都市部で石炭が積まれている場所があったんだ。蜂の毒が弱点てのにエセ科学的なこじつけが欲しいところ。哀しいのは、映画で「宇宙大怪獣」と名乗ったのは、このドゴラとギララの覇気のない二匹(ニ頭?)だけだったらしい。
[DVD(邦画)] 5点(2013-09-18 09:42:59)(良:1票)
2094.  薄桜記 《ネタバレ》 
立ち回りってのは、立ってやるものだったが、これは寝てやるのがミソ。立って刀を構えて相手のスキを探して互いにグルグル回るから「立ち回り」なんだろうか。戸板に寝て、しかも右手がなく、片足も負傷している。素人の私にはスキだらけに見えるが、そこは雷蔵、強いのだ。刀を杖に体を起こそうとしているときなど、もう全身スキのようだが、敵は刀を構えてたじたじとするだけで、雷蔵が体を起こし終わってから斬られに突っ込んでくる。武士道である。倒れているときには、ワーッと叫んでただ雷蔵の上を跳び越したりしている。半分歌舞伎の立ち回りと思って見ればいいのか。ああいう様式とリアリズムの中間の不思議な世界であった。悲壮美ではある。敵方の一人が短筒で仕留めようとするのを止め、代わりに出ていった別の敵があっさり斬られちゃうのも武士道である。前半は、千春に襲い掛かる凶暴な「お犬さま」がやけに人懐こそうだったり、飛び掛かっているというより投げつけられてるようだったりなど、なかなかノレなかったが、右手を斬られるあたりから凄絶さを秘めた伝奇的な雰囲気が漂い出した。夕焼けの橋の上での立ち回りには、あとで五人の手負いの経過を思い出すところも含め、やはりリアリズムから遊離しかけた美しさがある。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2013-09-11 09:53:46)
2095.  推定無罪
ハッとさせる場面があんまりなく、裁判映画を面白くしたのはアメリカなんだけど、本当の裁判はこういうものなのか。初めのほう、ハリソン・フォードの不審な行動のあたりはミステリアスで悪くないんだけど、彼が主人公でもう「いい人」って予断が来ちゃってるから、キャスティングの段階での問題ですな。彼が弁護士に対して、自分が有罪であるかのように論じて、検事のプロを見せるとこがちょっと面白い。製作側は検事局の殺伐とした人間関係に興味を持ったのだろうか。そっちを中心にすればなんとかなったかも知れない。面白いと評判のミステリーを映画化すると、まず面白くないとこに、本と映画の根本的な構造の違いがあるようだ。音楽、J・ウィリアムズは地味め。
[映画館(字幕)] 5点(2013-09-04 09:32:55)
2096.  ロシア・ハウス
ソ連がらみのスパイものだがKGBが悪役でなく、西側の情報局がもっぱら悪役という珍品。ソ連のひんやりとした街のたたずまいが美しい。たまたまなのか狙ったのか、それともいつもこうなのか、ほとんど曇天で、リスボンと対照される。あとダンテ役のクラウス・マリア・ブランダウアー、臭みギリギリのところもあるんだけど、うつろな感じがいい。でもスパイサスペンス映画としてはもっと単純なほうが好きだな。イスラム過激派という次代の悪役が登場するまでの過渡期の手探り状態を映画史的に確認することは出来る。S・コネリーがCIAの尋問に対しておちょくるあたり楽しい。M・ファイファーがレニングラード攻防戦の説明をしているときに、コネリーがアイラヴユーと言いつつ寄っていき、彼女が無視して説明し続けるところとか。ジェリー・ゴールドスミスのひんやりとしたジャズっぽい音楽はいい。
[映画館(字幕)] 5点(2013-09-02 10:00:01)
2097.  対決(1989)
男騒ぎの映画。軍隊はじっとしてるのがつらい、という話。そこをもっと笑いに拡大したら面白かったかも。「男の稚気もの」ってのもいいんだけど、この映画で言うとハッピーバースディまでで、それ以後はただの「困った軍人さん」だったなあ。豪快さが欠けてて、それは現在の軍事情勢が、そんな男の粋とか豪快さなんかが馴染まない世界になっちゃってるってこと。この映画もそこからスタートしてはいるんだけど、稚気を謳い上げるのには無理があった。お笑いになっていって、ラストは国境を挟んでの両軍の壮大な雪合戦になることを夢見てたんだけど。役者の線の細さってこともある。男粋を描くには、軍事情勢がささいな稚気をも許さないほどピリピリしてるし、そういう情勢が困ったもんだってことを描いたんだとしたら、中途半端だし。
[映画館(字幕)] 5点(2013-08-23 09:55:32)
2098.  ハラがコレなんで
状況としては切羽詰ってはいるのだが、気持ちで乗り切ろうとする娘を描いて、『川の 底からこんにちは』の流れを汲んではいる。あちらが中小企業という場だったのに対し、こちらは長屋が舞台。社会に対して攻める立場の企業と、社会から守る立場の長屋の違いか、どうも切れ味が悪い。「いい風吹いたら、そのときドーンと」と風待ちの姿勢を基本態度にしている。そもそも、この長屋世界を持ってきたのがパロディなのか、本気なのか、はっきりしない。福島の災厄で「地域の結びつき」が破壊されることの傷ましさを私たちが痛感していたときだから、ここで長屋ユートピアを夢想したい気持ちになるのは分かるけど、もう私たちは長屋暮らしの鬱陶しさも十分知っており、何も地下に不発弾はなくても、最初のアパートで引越してきたばかりの隣人のように警戒感抜きの態度は取れなくなっている。ラストで何もない福島に行くのは、もうそういうものが非現実的なユートピアになってしまっているってことの確認なのか。ここらへん、マジかパロディかよく分からないんだ。タクシー料金踏み倒す女が、粋だ粋だって言ってるおかしさを笑えばいいのか。石橋凌の店で男二人が陰気にカウンターに立ってる図と、子ども時代のヒロイン(大野百花嬢)はよかった。
[DVD(邦画)] 5点(2013-08-15 09:34:34)
2099.  ヒルコ 妖怪ハンター 《ネタバレ》 
せっかく「古事記」をベースにしてるのに、オリジナルなものを創出できなかった。宣伝では、世界的レベルで作ったとか言ってたが、どこのことを言ってたのか、自国の文化からしか生まれないオリジナルなものを作り上げることが世界性のはずだ。夏の校舎の静かな感じはそう悪くないのだが。手作りの兵器も悪くなく、あそこらへんのユーモアをもっと生かせなかったか。殺虫剤が最終兵器になるの。自転車に乗って夜の廊下を走るってのもいい。のどかな昼のピクニックの幻想になって、主人公が月島嬢に穏やかに電動ノコギリで首を切られそうになるとことか。理科室、給食室、音楽室、用具室などが舞台になる。給食室が一番力が入ってたか。校舎ってのは、やはりホラーの舞台にふさわしい。
[映画館(邦画)] 5点(2013-08-05 09:08:50)
2100.  カポネ大いに泣く
トランプ遊びをしている加藤治子、そのつながらないカットの効果など、ワクワクしたのは最初のうち、なかなか本調子に入ってくれないままアメリカに行ってしまう。“部屋の中に真新しい盥”の図なんかいいんだけど、雰囲気の統一がないっていうか、たとえば『陽炎座』はわけ分からないながら「怨み」いうものに集中していたが、そういう軸が感じられない。日本人の意地とか、男を立てようという意気込みとか、さむらい論とかに拡散して、ジュリーのあっけなさ・ショーケンの無様さなんか清順的だとは思うが、今回はシナリオに『ツィゴイネルワイゼン』『陽炎座』の田中陽造が加わってなく(田中はもっぱら相米と組み、次に清順とは『夢二』になる)『悲愁物語』の大和屋竺。清順映画ってシナリオなんかどうでもいいかと思いがちだったが、そうでもないんだな。監督に好き勝手させるには、それなりの線路を敷いておかないとダメらしい。
[映画館(邦画)] 5点(2013-07-30 09:46:37)
000.00%
100.00%
200.00%
320.09%
4331.41%
52279.72%
691439.13%
773931.64%
834314.68%
9682.91%
10100.43%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS