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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2383
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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2081.  吸血鬼ゴケミドロ 《ネタバレ》 
小津映画や寅さんの松竹は、SF・怪奇系のジャンルに関しては圧倒的に製作本数は少ないけどどれも珍作・怪作ぞろいです。その中でもとびっきりの破壊力を持っているのが、この『ゴケミドロ』でございます。私の同世代でこれを観てトラウマにならなかったのは圧倒的に少数派で、怖くて最後まで観れなかった派の方が多かったんじゃないでしょうか。 でもこの歳で見直すと愉しく突っ込めるところがてんこ盛りなのが嬉しいです。①「9人しか生き残れなかった」って言うけど、その旅客機始めっからそれしか乗客おらんやないかい!②劇中二回も都合よく起こる大落石、こりゃ一体なんなんだ③全然役立たずの吉田輝雄、だいたいお前が高英男を旅客機の中に入れちゃったのが面倒の始まりじゃないかい!④まるで中学生の学芸会の劇みたいに幼稚なセリフ、まあこれぐらいで勘弁しておきましょう(笑)。とはいっても高英男のあの怪演だけは今観ても強烈すぎますよ。 タランティーノが『キル・ビル』で使ってオマージュを捧げたという冒頭のシーンは有名です。でもラストの円盤群が地球に押し寄せてくるシーンを観て気が付きました。ティム・バートンの『マーズ・アタック!』のオープニングがよく似ているんですよ。それにしてもタラといいバートンといい、よくこんな極東のゲテモノ映画を見つけてくるものです。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2016-09-11 23:55:58)
2082.  宇宙からの侵略生物 《ネタバレ》 
ハードボイルド・サイエンティスト、クエイタマス教授シリーズの第二作目です。今回のプロットは『ボディ・スナッチャー』ばりの寄生エイリアンものです。脚本家のナイジェル・ニールによれば『ボディ・スナッチャー 恐怖の街』のことは全然知らなかったそうですが、米英同時期にこのようなストーリーの映画が撮られていることからも、冷戦時代の世相が窺えます。前作のヒットで予算は二倍になったそうですが、ロケを多用しているのでどこにカネをかけているのかは判りにくいです。 ストーリー・テリングはさらにミステリー色が濃厚になっています。いつの間にかクエイタマスが計画していた通りの基地をエイリアンが建設していたり、政府の上層部もエイリアンが操っていることを示唆したりしていて、当時の“ケンブリッジ・ファイブ”スパイが英国政府に浸透していたことを考えると、かなり現実世界の不安が反映されています。でも肝心のエイリアン寄生の描写がかなりチャチだったりして、盛り上がりには欠ける映画となってしまいました。ラストにようやく登場するエイリアンもウルトラマンに出てくるグリーンモンスみたいな感じです。これじゃ知的生命体なのかモンスターなのか曖昧でしたし、エイリアンの母星に核ミサイルを撃ち込んだらみんなもとの人間に戻るというのもご都合主義の極みです。 前作と違って興業的に大コケして次作が撮られるまで10年近くかかったというのも仕方ない出来でした。
[DVD(字幕)] 4点(2016-08-11 23:30:37)
2083.  怪獣ゴルゴ 《ネタバレ》 
英国版『ゴジラ』にして『大巨獣ガッパ』の元ネタとしても有名。そもそも米国とは違って英国映画界ではこういう巨大怪獣ものは非常に珍しく、たぶん本作だけじゃないでしょうか。今回観て気が付いたのはプロデューサーがアメリカのB級映画の製作者として有名なキング兄弟であるということ。つまりドライブ・イン・シアターなんかで上映するために資金を出して英国で撮影されたってことみたいです。だけど特撮だけは気合が入りまくっていて、ミニチュアワークなんかはかなりのレベルです。そりゃ担当しているのがトム・ハワード、すでにオスカーを二回も受賞していてのちに『2001年宇宙の旅』にも参加する名手ですから。だけど肝心のゴルゴの着ぐるみ造形はどうしようもないほどセンスが悪く、あの異様にアンバンスな腕というか前脚だけは何とかしてほしかったところです。 物語自体は『キングコング』なんかの古典モンスター映画の焼き直しでしかないのですが、親ゴルゴが島に上陸しくてるシークエンスなんかは明らかに『ゴジラ』からの影響というかパクりですね。特撮以外はいっさいカネをかけないというところがまたキング兄弟らしく、エキストラ以外いっさい女優を使わないというのはちょっと異様です(戦争映画では時々見かけますけどね)。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2016-07-31 22:50:49)
2084.  ノーマッズ 《ネタバレ》 
これが『ダイ・ハード』を監督したジョン・マクティアナンのデビュー作なんだそうですが、はっきり言って仕上がりは微妙でした。SFでも純粋なアクションでもなくホラーなわけですが、なんかおどろおどろしい雰囲気だけは感じられますが、何が起こっているのかわかりにくいせいで、あまり怖くはなかったです。要は、「死霊がパンク野郎の姿になって追っかけてくる」ということみたいですけど、インパクトは今一つという感じです。途中で出てくる怪しげな尼僧は印象深かったんですが、もっとここを膨らませた方が良かったんじゃないでしょうか。妙に情感たっぷりなビル・コンティの音楽もあまりマッチしてなかった感があります。ビルの屋上からピアース・ブロスナンが悪霊を突き落とすシーンには、「なるほど、確かにこの監督は『ダイ・ハード』を撮ることになっている人なんだな」と思わず苦笑してしまいました。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2016-07-29 23:31:31)
2085.  動脈列島 《ネタバレ》 
原作は当時話題になったそこそこのベストセラーだったと記憶しています。その原作を映画製作会社としてはほとんど死に体だった東宝が『新幹線大爆破』の二番煎じとしてチョイスして映像化したわけですが、観て判ったのは原作がやはりヘボだったのが失敗の原因だったということです。“不偏不党”“明るく楽しい”がモットーだった東宝がこんなコテコテの社会派映画を製作したと言うところに、当時の追いつめられていた邦画の状況が窺えます。 とにかく近藤正臣が演じる犯人の、いくら犯罪素人とは言ってもその杜撰さはちょっと酷い。大きく筆跡が判り易い字で脅迫状は書くし(おまけに指紋がベタベタ付いている)、国鉄総裁の自宅に堂々と談判しに現れるに至ってはもう笑うしかありませんでした。あまりに簡単に田宮二郎たち警察に見破られるので、これは何かの伏線で後半でどんでん返しがあるのかと思えばそれもなし。この映画のいちばん嫌なところは、 “正義のテロなら許されるんだ”と言いたげな、いかにも全共闘チックな浅薄極まりない視点です。そのために誰にも文句が付けようのない新幹線騒音公害をダシに使ってる様で、気分が悪くなりました。これなら動機が純粋にカネ目当てだった『新幹線大爆破』の健さんの方がまっとうに感じるぐらいです。ちょっとした悪戯でもすぐに止まる現在の新幹線を考えると、あんなに大々的に実行日まで予告しても新幹線を運行するというストーリーも、ちょっと理解不能です。だいいちその日は誰も新幹線を利用しないでしょう。まるで新幹線が一日止まれば日本の社会が崩壊するかのような妄想じみたプロットで、これはもう清水一行の原作小説じたいのレベルが低かったということに尽きるでしょう。 増村保造も70年代になってからはめっきり監督としての腕が落ちてきたなと実感させられる一篇でした。
[DVD(邦画)] 4点(2016-07-16 23:45:10)
2086.  EVE/イヴ 《ネタバレ》 
B級臭がプンプン、というか正真正銘のB級アクションです。ボーっと観る分にはさして問題はないでしょう、たぶん記憶にも残らないでしょうけど。いわば『ターミネーター』と『スピーシーズ/種の起源』を足して二で割った様な感じでしょうか。でも『スピーシーズ』よりは本作の方が早いので、パクリじゃなくていわばオリジンなんでしょう。ヒロインがあまりにごつい顔なのでなんじゃと思ったら、ヴァーホーベンの『4番目の男』のオランダ版シャロン・ストーンだった女優じゃないですか。『スピーシーズ』のナターシャ・ヘンストリッジぐらいとは言いませんけど、せめてもう少し美形を使ってほしかったな。 しかし最大の突っ込みどころは、サイボーグ兵士を開発している科学者が(しかも女性)、そのサイボーグを自分そっくりの外形にして記憶まで埋め込むなんてこと、ふつうはあり得ないでしょ、ってことに尽きます。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2016-07-11 23:52:56)
2087.  ふたりの女(1989) 《ネタバレ》 
観始めて、なんかヘンな感じがしたんです。この映画でソフィア・ローレンがオスカー主演女優賞をゲットしてるんですが、50年以上前にしてはやけに老けてるよな、って思ったんです。そして物語が進んできたところでまさに驚愕、ジャン・ポール・ベルモンドが出てくるはずなのに全然違う俳優がその役を演じているんです。何と本作は89年にリメイクされたTV映画なんでした、そりゃローレンがおばさんにしか見えないはずです、それにしてもカラーである時点で気付けよ、まったく(笑)。 実はオリジナルは子供のころにTV放映されたのを観てすっごいトラウマになるくらいの衝撃を受けたんです。戦火のイタリアで田舎に疎開した母娘がドイツ軍からは逃げおおせて逞しく生きてゆくけど、やっと連合軍に解放されたと思ったらアルジェリア兵にふたりともレイプされてしまう、というかなり悲惨なお話しでした。このリメイク版はストーリーはだいたい同じですが、レイプされた母娘がローマに帰りつき、戦後は幸せになるというハッピーエンドになっていて、ここは記憶では旧作とは決定的に違っているはずです。ストーリーテリングもいかにもTV映画らしい緩さで、名匠ヴィットリオ・デ・シーカが監督だったオリジナルの足元にも及ばない凡作です。 こうなると、オリジナルの『ふたりの女』を何とか再見してみたいものです。でも生きてるうちにその機会はめぐってくるでしょうか…
[ビデオ(字幕)] 4点(2016-06-22 00:20:55)
2088.  龍三と七人の子分たち 《ネタバレ》 
どうも最近の北野武の映画は“やらされ感”が滲み出ていて、なんか観ていてしんどいんです。無理矢理『アウトレイジ・ビヨンド』を撮らされた腹いせなのか、徹底的にヤクザを茶化した映画にして「俺はもうヤクザ映画なんか撮らないよ」と宣言している様な感じです。どうせ後期高齢者ものをネタにするなら、イーストウッドの『スペース・カウボーイ』の様な開き直った爽やかさが欲しかったです。ギャグにしても、『みんな~やってるか!』ぐらいのバカバカしさに徹してくれたらいいのに、と思うけどいくらたけしでもあんな突き抜けた映画はもう撮れないでしょうね。 けっこう近藤正臣も頑張っていたけど、やはり藤竜也のはっちゃけぶりが観ていて愉しかったですね。たけしのヤクザものになると必ず出てくる定番の“指ネタ”もくだらなさとしつこさでは歴代最高だったかもしれません。そして中尾彬、『アウトレイジ・ビヨンド』に続いて殺されキャラでしたが、今回は死体になってからも大活躍(?)ということで、おいしいところを持って行ってしまいました。 そう言えば最近は北野映画にたけし軍団の面々が全然出てきませんが、どうしちゃったんでしょうか?
[CS・衛星(邦画)] 4点(2016-05-30 21:34:33)(良:2票)
2089.  顔役暁に死す 《ネタバレ》 
この頃の岡本喜八は“暗黒街”シリーズと『独立愚連隊』二作で独自のスタイルを築き始めていたころです。その『暗黒街の顔役』から『顔役』だけスピン・オフした様な題名ですが、もちろん“暗黒街”シリーズとはなんの関係も有りません。 主役に加山雄三、脇に中谷一郎と中丸忠雄とくると、どうしても『独立愚連隊』二作を彷彿としてしまいます。じっさいそんな感じで、原作がハードボイルドの大藪春彦とは到底想像がつかない仕上がりです。まあそこは原作のハードボイルドを岡本喜八が自分風味に料理した一皿なんでしょうけど、加山雄三のあっけらかんとしたチャラ男ぶりは堪能できます。岡本作品に登場する加山はたいていこんな感じですが、これは演技が未熟な加山の為に岡本が考えた加山雄三のベストキャラなのかもしれません。映画のストーリー自体は『用心棒』の設定をそのまま現代に持ってきた様な地方都市のヤクザ抗争なんですが、どうもイマイチ岡本にしては弾け具合いが足りません。これはきっと脚本が関沢新一じゃないからなんでしょうね。 敵役には青大将になる前の田中邦衛がキャスティングされていますが、これが加山雄三と田中邦衛の初共演と言うことになるそうです。また平田昭彦も悪役ですけど、岡本作品では平田は悪役にまわることが良く有り、彼の本来の持ち味を上手く引き出しているなと思います。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2016-05-16 21:36:49)
2090.  GODZILLA ゴジラ(2014) 《ネタバレ》 
フランスの大女優ジュリエット・ビノシュがゴジラ映画に出演!!びっくりしましたけどまさかあんなチョイ役だったとは、これもまたサプライズでした。可哀想に出演シーンをカットされてしまった宝田明みたいにゴジラ映画では思い入れや縁がある俳優が特別出演することが間々ありますけど、ジュリエット・ビノシュがゴジラファンだとは到底考えられないし、なんで出演したのかは謎が深まるばかりです(笑)。 このギャレス・エドワーズ版ゴジラは、さすがにエメリッヒ版よりはマシですけどまあそれ以上でも以下でもないというところでしょうか。とにかく致命的なところはゴジラが脇役でしかないということに尽きるでしょう。敵役のムートーなる代物もわたしの眼ではギャオスのパクリとしか見えませんでした。そしてメッチャ腹が煮えくりかえったのは、あのまったく何が起こっているのか判らない真っ暗な画面!最近この手の何が映ってるのか判らない夜間映像の映画が目立ちますけど、これほど酷いのは初めての様な気がします。それも怪獣が暴れている大きな視点のシーンですから、余計にフラストレーションが溜まりました。でもスピルバーグの様な巨匠が撮った映画では、たとえ夜間シーンでもこういう現象が起こらないというのはどういうわけでしょうか。最近は技術の進歩で昔よりも手軽に暗闇のシーンを撮れるようになりましたが、考えるにこれは撮影監督の能力、ひいては映画監督自体の力量が未熟だということに尽きるでしょう。ほんとこれなら、昔みたいにレンズにフィルターを被せる“アメリカの夜”方式がよっぽどマシなんじゃないかと思います。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2016-01-04 22:12:54)(良:2票)
2091.  LUCY ルーシー 《ネタバレ》 
安っぽいB級SFやインチキ通販でお馴染みの「人間の脳を100%活用したら」というおバカなコンセプトを大真面目に映像化するところは、さすがリュック・ベッソンです。使われていない脳のシナプスが大量にあるのは当たり前のことで、現状の機能を発揮するためにはそれだけバック・アップが必要なんです。パソコンのメモリー残量がゼロに近づいたらどうなるかを思い浮かべれば良いだけです。 この映画はとにかくあのコリアン・マフィアのボスのキャラが立ち過ぎで、すっかりスカヨハは喰われてしまいましたね。ルーシーがどんどん超能力者に進化(?)してゆくのに比例するかの様にボスの暴れっぷりもエスカレートするのが愉しいです。最後に警察が待ち構える大学構内にまで突っ込んでいくところまで来ると、もう損得関係なしで何がしたいのか判らない状態でしたね。このボスのキャラはもっと背景などを掘りこんでいたらこの映画はもっと面白くなったかも。 まあはっきり言ってラストに繋がる展開はベッソンの限界を見せられた気がしました。ルーシー繋がりで人類の始祖である類人猿ルーシーにまでタイムワープしてまさかのE.T.ごっことは、さすがベッソン、フリーダムというかまさに発想が中学生です。この人、もうSF撮るのは止めた方が賢明だと思います、アクション撮らせたら上手いんですがね。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2015-12-29 20:06:29)
2092.  ダリオ・アルジェントのドラキュラ 《ネタバレ》 
昨今の有名な映画作家の間では3D映画を撮ることがトレンドですが、ダリオ・アルジェントはその題材にオーソドックスなゴシックホラーを選びました、というわけです。 ご存知『吸血鬼ドラキュラ』ですが、ストーリーのアウトラインは原作や過去作とはだいぶ違っています。まず舞台がドラキュラ城の周辺に限定されていて、ロンドンにドラキュラが出現するオリジナルとはだいぶ違いがあります。まあこの辺はバジェットの都合も有ったんでしょうね。トーマス・クレッチマンのドラキュラ伯爵は新しいタイプのドラキュラ像を開拓したいという意図のキャスティングなのかもしれませんが、優雅なのは良いとしても迫力に欠けています。「ドラキュラはいろいろなケダモノに変身できる」という原作の設定は活かして狼やフクロウに変身します、過去作では意外とここはスル―されてきたのでちょっと新鮮かも。昆虫好きのアルジェントらしく蠅などの虫にも変化するのですが、中盤でドラキュラが巨大な○○○○になって襲ってきたのには心底びっくりしてしまいました。いやー、ほんと映像観ていただければ判ると思いますけど、とてつもなくシュールで最初は観てて訳わかりませんでした。 終盤はジョナサン・ハーカーの妻ミラに亡き妻の面影を観てしまったドラキュラの悲恋物語になって来て「ちょっと待てよ」と言いたくなりました。その最期もなぜか狼男みたいに銀の弾丸で撃ち殺されるというのも、なんかアルジェントが勘違いしてるんじゃないかと首を傾げたくなります。正直これじゃコッポラ版の『ドラキュラ』の方がはるかに面白かったと思います、やっぱりアルジェントにはゴシックホラーは似合わないんですよね。 アーシア・アルジェントも久々のアルジェント映画出演でしたが、ムダ脱ぎさせられるは悲惨な殺され方するはで、アルジェントお得意の娘いじめは健在でした(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2015-12-18 20:47:59)
2093.  大怪獣ガメラ 《ネタバレ》 
そもそもガメラのアイデアは、大映社長の永田雅一が旅客機の中で観た空を飛ぶ亀の夢なんだそうです。まあそれを映画にしちゃうところがワンマン社長の面目躍如なんですが、いくら怪獣とはいっても生物としてのリアリティを決定的に欠いたキャラが、大映という会社自体が消滅してしまったのになんと21世紀まで生き残るとは驚きですね。松竹のギララや日活のガッパはあえなく一作で消滅ですからねえ。 昭和の各社の怪獣映画の中でも大映のは脚本のいい加減さではやはりピカイチですね。その割には妙に凝ったところもあって、たとえば本作では原爆搭載機を撃墜するのは明らかに米空軍機ですし、船越英二と浜村純は東京大学と北海道大学の教授という風にかなり現実社会にリンクしています。東宝特撮では絶対考えられないことで、あっちでは“ロリシカ国”“東都大学”“毎朝新聞”が定番ですからねえ。でもそれとストーリーにリアリティがあるかは全く別問題でして、東大と北大の学者さんが考えた対ガメラ作戦が「カメはひっくり返ると自力では起き上がれないので、餓死させる」と来るんですから、それも大真面目に。そしてガメラが火を吹いて回転しながら逃げてしまうと、「カメが空を飛ぶとは…」と北大の先生、もうそれは観てるこっちがいうセリフじゃ(笑)。 特撮技術自体は同じ大映でも京都撮影所が製作した『大魔神』には足元にも及びませんが、当時としては頑張っていた方でしょう。ガメラの吐く火炎は口にバーナーを仕込んで本物の火を出したそうで、いやはや何とも凄いアナログ撮影ですがスタッフの熱意というか根性は伝わってきます。そしてガメラ映画にはお約束の子供はこの第一作目から始まってますが、このガキがまたとことんウザいんです。いろんなところに勝手に潜り込んできて危うく助けようとした大人ともどもガメラに殺されそうになり迷惑このうえなしです。でもあれだけガメラ・ガメラと執心だったくせに、大島のロケット基地を観たら途端に「僕も大人になったら立派な科学者になるんだ」と宗旨替えしちゃうんです。もういいから、お前早く死ね!(怒)
[CS・衛星(邦画)] 4点(2015-12-12 22:11:56)
2094.  キック・アス ジャスティス・フォーエバー 《ネタバレ》 
前作の持っていた弾ける様な狂気とブラックな笑いがすっかり影を潜めてしまい、なんか全然違う映画を観ているみたいでした。真面目に物語を紡いでいると言えば確かにそうですけど、前作の雰囲気が好きだったので期待してたのに見事に肩すかしを喰らった感じです。おたくや心に傷を持つものがコスプレしてヒーローごっこをするというプロットなんですから、もうこれはブラックな笑いをメインにするのが王道で、単なる青春ストーリーにして欲しくなかったです。グロな描写もだいぶ少なくなり、まあそれは良いとしても旧レッドミスト=現マザーファッカーがガキのくせして警官たちを殺しまくるのはちょっと勘弁して欲しかったです。じゃあヒットガールが終盤で見せる殺しは良いのか?という突っ込みが来ることは判ってますけど、良いんですこれは、殺されるのは悪人だしクロエちゃんだから(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2015-12-04 23:34:55)
2095.  海女の化物屋敷 《ネタバレ》 
本作が菅原文太の映画初出演みたいです。生前はけっこう本数をこなした新東宝時代のことをほとんど語っていない文太のことですから、このデビュー作は彼には触れて欲しくなかった黒歴史だったんでしょう。だしかに映画デビュー作ですけど、これを一周忌ということで放映されるとは、文太もあの世で苦笑しているかもしれませんね。 とはいえ主演はあくまで三原葉子で、彼女の恋人の刑事役の菅原文太は開始20分たってやっと登場する脇役でしかありません。お話は典型的な新東宝お得意の海女ものですが、新東宝の海女もので幽霊が絡むものは純粋な怪談ではなく、ヒロインを脅かす悪漢のトリックというのがパターンですけど、本作も定石どおりです。でも三原葉子のキャラが頭が切れる素人探偵というのは、ちょっと珍しいパターンです。悪役の沼田曜一がまた彼らしい怪演を見せてくれたのは期待通りでしたね。それにしても文太は刑事のくせして全然活躍せず、ラストの三原葉子たち善玉ヒロイン危機一髪のお決まりのシーンには登場すらしてなく、沼田曜一が自滅して終わりというのはちょっと情けない。新東宝時代の文太は壮絶なまで演技がド下手でしたから、これはこれで正解なのかもとすら思えてしまいます。 でもこんな映画にも思わぬ取り柄がありまして、私が観た新東宝海女ものではずば抜けて露出度が高かったんです。冒頭の海女の水中サービスショットでは、なんと海女のオッパイぽろりのシーンまでありました。だいたい海女の衣装が臍の上でぶった切ったTシャツみたいなものだけなので(他の海女ものではその下にブラジャーらしきものを着用している)、水に濡れるとその中身がスケスケというわけです。そうなるとなんで三原葉子が海女じゃないんだと口惜しくなりますが、悪漢に捕まって小舟で海に連れ出されるシーンではなぜか下着姿になっているという無茶なサービスも有ります。 こんなことで喜んでいる様じゃ人格を疑われてしまいそうですが、新東宝プログラム・ピクチャーを研究するにはとても重要なポイントなんで、ここは得点高いです(笑)。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2015-11-09 21:10:38)
2096.  女王陛下の戦士 《ネタバレ》 
ヴァーホーヴェン監督の初期オランダでのまあ大作と言える一篇です。ナチ占領下のオランダ・レジスタンス活動を描いていますが、当時の女王まで主要キャラの一人として登場させているので、ヴァーホーヴェンらしいエロや無茶はほとんど見られません。この映画を思いっきり黒くしたのが、後に撮った『ブラック・ブック』というわけです。レジスタンス活動と言っても華々しい活動とはあんまり見られず、仲間内も裏切り者だらけというけっこうお粗末な内情も赤裸々です。でもオランダ人にも親ナチがいっぱいいたという事実に眼をつぶらない姿勢は評価してあげたいです。 原作がある制約も有りますが、ルトガー・ハウアーが全然ヒーローらしさが無いのも印象悪くしている原因ですかね。近眼で射撃もど下手、唯一の作戦も任務を果たせず一人逃げ帰ってくるという情けなさです。まあリアルと言えばそうなんですけど、なんか観終わってフラストレーションが残ってしまいますよ。これも監督があのヴァーホーヴェンだからというからなんでしょうかね。
[DVD(字幕)] 4点(2015-10-17 11:36:30)
2097.  愛と憎しみの伝説 《ネタバレ》 
70年代を通してもっとも輝いていたハリウッド女優は誰かと問われれば、それはフェイ・ダナウェイだという答えに異存ある人は少ないでしょう。そのまま活躍していれば今頃はメリル・ストリープに匹敵する存在だったであろう彼女のキャリアを、一瞬にして終わりにしてしまったのが本作です。公開されるや否やフェイ・ダナウェイを含めラジー賞を総なめして酷評の嵐だったんですが、今やすっかり正真正銘のカルト映画になっています。このたび目出度くTSUTAYAからDVDリリースされましたが、どうしてこの映画は皆に嫌われてしまったんでしょうか? 観終わりましたけど…正直これはきつかった。DVDで良かったですよ何時でも中断出来るから、もし映画館だったらこれを一気に見続けなければならないわけで、想像しただけでゾッとします。いえね、決して映画としての出来が悪いわけじゃないんですよ、冷静に考えれば俳優の演技もレベル高いし力作だと思います。でも幼児虐待もの映画が苦手な自分には(このジャンルが好きという人は貴重ですけど)、ジョーン・クロフォードの上映時間の三分の二にも及ぶ養女いじめの数々は観てて苦痛以外の何ものでもありませんでした。もうこのクロフォード=ダナウェイが凄すぎるのなんのと言ったら、あの伝説の針金ハンガーのシーンにいたっては心底ふるえがってしまいました。これが本当だとしたら、ジョーン・クロフォードという人は完全にビョーキです。またフェイ・ダナウェイの激似メイクと演技が凄まじく、お世辞抜きに本物よりもジョーン・クロフォードらしいと言いきってしまいます。 養女クリスティーナが成人してからも強烈なエピソードの連発ですが、昼メロに出演中のクリスティーナが入院したらすかさずTV局に売りこんで自分が代役におさまるというのはちょっと凄すぎです。63歳で28歳のキャラを演じるんですが、本作で唯一の爆笑シーンでした。 「いつ果てるともなく続く苦痛の連続」「休みなく観客を打ちのめし、もはやドラマにも娯楽にもなっていない」これらは公開時の批評ですが、まさにその通りです(笑)。でもジョン・ウォーターズだけは「この映画のクロフォードはサメやゴジラと同じでひとかけらの人間性も感じられない、でもこの映画はダメじゃないそれどころか完璧だ」と絶賛していたそうです。 さてあなたは本作を観てどのようなジャッジを下しますか、私は人にはお奨め出来ないんですがね。
[DVD(字幕)] 4点(2015-09-06 18:53:42)
2098.  ゴースト・イン・京都 《ネタバレ》 
珍品映画ながら日本の描写はしごくまとも、東映が協力しているみたいで日本ロケまでしてます。そしてスーザン・ジョージと服部まこという東西セクシー女優の共演ですから、二人ともきちんと脱ぎを見せてくれます。スタッフも手堅い人選で、音楽なんてケン・ソーンですからね。でも肝心の監督が『地獄のモーテル』のケヴィン・コナーだというのが致命的でした(笑)。 まあ突っ込みどころは満載ですけど、いちばん可笑しいのは三人の幽霊たちの意味不明な行動でしょう。不貞を見られて殺された妻と間男、そして自害して果てた武士なのに死後は妙に仲が良い三人組になっているんです。因縁の屋敷に住んだスーザン・ジョージ一家を脅かしていじめるのは判りますけど、ほんとにやりたかったことは彼らにそれぞれがとりついて、かつて自分たちが最期を遂げた事件の再現ドラマを演じることだったと最後に判って驚いてしまいました。後半のほんらい緊迫したシーンのところで、この半透明な幽霊たちが画面をうろうろしているとしか見えない光景も笑っちゃいます。娘を怖がらせる怪奇現象が沢蟹の大群の出現だというのも突っ込むところでしょうけど、その中に二匹だけいる異様にでかい蟹がまるで巨大タランチュラみたいだったのはちょっと不気味でした。 まあB級(かろうじて)ホラーとして観れば愉しく突っ込める作品だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2015-08-23 17:44:18)(良:1票)
2099.  ウディ・アレンのバナナ 《ネタバレ》 
ギャグは『SEXのすべて』と双璧のくだらなさ、いやひねりがなくベタですからこれはウディ・アレン版『みんな~やってるか!』なのかもしれません。いちおう革命を茶化すというプロットみたいですけど、途中からもう話がどこに行くかさっぱり判らなくなりますからねえ。とにかくアレンらしさが炸裂しているのが裁判のシークエンスで、ここがうけるかどうかがウディ・アレン耐性のリトマス試験紙みたいですね。アレンが嫌いな人にはもう耐えられないでしょうね(笑)、個人的には証人J・エドガー・フーバーには大笑いさせて頂きました。 ヒロインというか相手役は当時の奥さんルイーズ・ラサーですけど、どうしてもダイアン・キートンと比べてしうと落ちますね。キートンはスラプスティックのコメディエンヌとしての才能も抜群だった気がします。そうそう、スタローンもチョイ役で出てましたね、若いけど彼だと一目で判ります。それにしてもウディ・アレンの映画にスタローンが出演するなんて、今じゃ絶対あり得ない(笑)。
[DVD(字幕)] 4点(2015-07-21 22:29:06)
2100.  血まみれギャングママ 《ネタバレ》 
1930年代に暴れ回ったバーカー母子ギャング団の実話の映画化で、ベイカー・ボーイズならぬ“ファビュラス・バーカー・ファミリー”といったところでしょうか。 鬼より怖いママを演じるのがなんとシェリー・ウィンタース!、ギャング御用達のドラムマガジンつきのトミー・ガンをぶっ放すお姿は、実にさまになっています。それにしても、二度のオスカー受賞した名女優がロジャー・コーマンの映画に主演するなんて、まさに珍事と言えましょう。コーマン映画にオスカー受賞者が出演したのは、たぶんこれだけだったんじゃないでしょうか。70年代の彼女は、2年後に『ポセイドン・アドベンチャー』に出てあの聖女ベル・ローゼンを演じましたが、その後は『テンタクルズ』なんかにも出る様になってすっかりやさぐれちゃった感があります。彼女の四人の息子の中には、まだ無名だったデ・ニーロがいますが、さすがデ・ニーロだけあって存在感ある演技を見せてくれます。 ストーリー自体は史実をかなり脚色してますが、あまり上手い脚本とは言えませんね。ウィンタースの熱演は認めますけどそれが空回り気味で、あまりに無慈悲で冷酷な彼女の行動には感情移入の仕様がありません。近親相姦まで犯すようなな母と息子たちの異常な関係がこの映画の肝であるはずなのですが、そこら辺の突っ込みは表面的で単にエピソードを繋げるだけのストーリー・テリングだったのは残念です。 実は史実ではケイト・バーガーが犯行現場での目撃証言や息子たちと共犯である証拠は皆無なんだそうです。一説によれば、犯行に無関係に近い存在のケイトを一緒に殺してしまったので、FBIのフーヴァー長官が“ケイト・バーカー神話”を隠蔽のためにでっちあげたらしいです。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2015-06-10 20:57:49)
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