201. クォ・ヴァディス(1951)
実は群集の中にエリザベス・テイラーや端役時代のソフィア・ローレンが交じってるらしいんですが、残念ながら自分には見付けられませんでした。それだけスペクタクル部分(特にライオン)の迫力が凄かったって事ですね。 [ビデオ(字幕)] 6点(2005-07-16 14:54:12) |
202. 東京暮色
有馬稲子の次女役はもともと岸恵子の為に書かれたものらしいけど、結果的にこの作品は彼女のままで良かったんじゃないのかあ。それにしても「暮色」っていい言葉っすね。なかなか東京に住んでいても、本当に気持ちの良い暮色どきにはなかなか出会えません。かなりグルーミーでダークな異色作だけど、小津監督の別の一面を観る事が出来て自分は満足。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-07-09 18:02:46) |
203. 彼岸花
どうしても達者な関西弁を自由自在に操る浪花千栄子や、大輪の花の如き美貌の山本富士子に視線が行きがちになってしまうが、ここでは敢えて田中絹代の控えめながらも力強い演技を僕は声を大にして褒め称えたい。佐分利信と芦ノ湖のベンチに座り、戦争中防空壕の中で家族が一緒だった事を回想するシーン、ゴタゴタが一件落着して電話口で「良かった、ほんとに良かった」と娘の幸せを心から祝福するシーン等はその中でも特に絶品といえる。長年役者を続けてきた人だけが出せる、たおやかな気品とでもいったらいいか。最近こういう女優さんいないよなあ・・・。 [映画館(字幕)] 10点(2005-06-27 17:18:07)(良:1票) |
204. 晩菊
浅草東宝のオールナイト成瀬巳喜男特集にて鑑賞。モノクロ映画のフィルムのほうが年月に耐えられるものだって事を改めて再認識。何がすごいかってコレ、内容も地味もいいトコだし、なんと言ってもキャストの面々、映画の全盛時代とはいえ杉村春子、望月優子、細川ちか子といったおよそ商売にならないような中年女優たちを主役に据え、しかも面白く仕上げてるって点に尽きます。かつては美しかったであろう芸者あがりの女性たち、彼女たちの後半生をかなり辛らつに、シニカルに見据える成瀬監督の冷徹な視点には瞠目しました。杉村春子の抑えた名演技、相変わらずの滑舌の良い台詞回しには感服です。主観的に面白いといっても、これあくまで大人の観客向けの映画なので万人にはお勧め出来ないかもしれません。 [映画館(字幕)] 8点(2005-05-26 14:13:08) |
205. 終着駅
モンティ&ジェニファーという、自分にとっては恋愛映画最強タッグの組み合わせながら、評価は割りと低めです。理由はキリコ様が↓でこと細かに挙げられているので多くは述べません。要は二人の類希なる演技力を持ってしても,過程が描かれていない恋愛の結末だけリアルタイムで観せられるのは正直キツかったという事です。観てる間、縄跳びの輪に入ろうして自分だけ除け者にされたような気分でした。クリフトのコートの着こなしが抜群にカッコ良くて、僕も大人になったら絶対こういう格好で街を歩くんだって初見した中学生の頃は思ったものです。ジェニファーのコートも素敵でした。衣装担当がディオールだって知ったのはかなり後だったんですけど。 [地上波(字幕)] 6点(2005-05-08 16:30:14) |
206. 戦争と平和(1956)
オードリーの主な見せ場は前半に集中。初めての舞踏会で「ナターシャのテーマ」に乗ってドレスを翻して踊る可憐さ、バルコニーでのアンドレイへの愛の告白、雨粒がたたきつけられる窓ガラス越しの困惑の表情、今でも目に焼き付いてます。後半が少々退屈なのが玉に瑕、しかも長い! [映画館(字幕)] 6点(2005-05-08 15:39:20) |
207. 若き獅子たち
ブランド&クリフトの最初で最後の共演映画という事で期待しましたが、芝居の絡みが全くない平行線の作りになっていて正直拍子抜け。この二人には真正面からぶつかり合うような演技合戦を一度でいいから観てみたかったですね。クリフトは交通事故の顔面後遺症が前作「愛情の花咲く樹」よりもっと顕著に出ていて痛々しい限り。観ていて胸の奥が苦しくなってしまいました。作品の出来自体は7点くらいと思ったけど、全くの個人的感情から二度と観る事がないと思うのでこの点数で。 [ビデオ(字幕)] 5点(2005-05-08 13:49:15) |
208. 大いなる西部
松嶋菜々子の満面の笑みにこの映画のオープニングシーン、疾走する駅馬車の車輪が重なって蘇ってきます。生茶の味が本当に新しくなったかどうかはさておき、この曲は「清新」というか、何か新しい時代の幕開けを予感させる素晴らしいテーマミュージックだと思います。インディアン殺戮ウエスタンよりこの映画に代表される旧時代と新時代、あるいは西部と東部の男の対立の構図のほうがやっぱり後味良いですね。ヒロイン、ジーン・シモンズの涼しげな目元、キリッとした凛々しい美しさが極めて魅力的。(NHK教育世界名画劇場→) [地上波(字幕)] 9点(2005-04-17 16:11:31) |
209. 旅路(1958)
地味目な設定、お話だけどいい映画です。その分キャストが賑やか。リタ・ヘイワースは最後の輝きといったところ。対するデボラ・カーはひっつめ髪のオールドミスに扮し演技力で勝負。原題の「セパレート・テーブル」をうまく取り入れた邦題にしてもらいたかったですね。そこだけが不満。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-04-10 17:41:16) |
210. お早よう
小津映画の四番バッター杉村春子が、出番は少ないながらここでも大活躍。「もうやンなっちゃうよ本当に、ばあちゃん、あんた本当に楢山行きだよ!」って台詞自体もすごいけど、滑舌のいい彼女の口から発せられると小気味良く聞えるから面白い。久我美子や佐田啓二あたり、この映画じゃ子役に食われて印象が薄い。 [DVD(字幕)] 7点(2005-04-02 14:06:46) |
211. 南太平洋(1958)
一般的には名作ミュージカルという評価みたいなんだけど・・・、自分決してミュージカル嫌いじゃないんだけど・・・。うーん、これはなんだか長いだけでひたすら退屈してしまいました。背中がゾクゾクするようなナンバーも前半に流れる「バリ・ハイ」位。 3点(2005-03-29 14:44:39) |
212. 夫婦善哉
正にこれ、ド演歌「浪花恋しぐれ」の世界。まだあの歌の男には芸の精進っていう言い訳があったけど、森繁扮するこの柳吉はんには何もなし。勘当された金持ちのボンボンという肩書きだけ。女が稼いだ金ちょろまかすわ、妹に金を無心するはやりたい放題。それでも不思議と憎めない人物像になっているのは、当時の森繁自身のキャラクターと役柄が絶妙にマッチしているせいか。淡島千景扮する蝶子も男をふわっと包み込むような優しさと強さを兼ね備え、何ともいえない雰囲気がある女性像を創り上げ極めて魅力的。ちなみに大阪ミナミの「自由軒」東京西新橋に支店あります。この映画観て「生卵かけライスカレー」に興味を持った方は是非! なかなかイケますよ。 7点(2005-03-21 14:56:24)(良:1票) |
213. ソロモンとシバの女王
サイレント時代からの巨匠、キング・ヴィター監督の遺作。この種の史劇は大々的なスペクタクルか、余程の面白い趣向がない限りどれがどれやら区別がつかなくなりがち。さてさて、この作品の呼び物はただ一つ、急襲する敵を夥しい数のミラーの反射で混乱させ大勝利するってシーンのみ。まさかこれ、似合わないカツラを被らせて孤軍奮闘したユル・スキンヘッド・ブリンナー氏へのあてつけじゃあるまいな。 6点(2005-02-01 16:35:12)(笑:1票) |
214. 北北西に進路を取れ
ヒッチコックサスペンスの集大成的秀作!と謳うのはやぶさかではない、が、ラストのラシュモア山での格闘シーン、高さによる恐怖があまり感じられないのは何故だろう?劇場で観てもブラウン管で観てもその印象は変わらず。 9点(2005-01-29 13:49:36) |
215. 水爆と深海の怪物
「でっけえええーーーーー!でもちゃちいいいいーーー!しかもよええーーー!」でも製作年度を考慮してこの点数。 5点(2005-01-23 20:37:14) |
216. 肉の蝋人形 (1953)
こんなん観てる人自分以外にもいたんですね、よかったあ。劇場の呼び込み芸人がボールを画面の観客に向かって投げるってシーンが延々妙に長いと思ったら、元々は3D用映画だったからなんですね。あとはラストの蝋人形の群れがむごたらしく焼け落ちるってシーンしか憶えてないなあ・・・。でもこの手の、問屋制家内工業感満点のホラー映画、実は嫌いじゃない俺。 5点(2005-01-22 16:01:36) |
217. 黒い罠
ヒッチコックは「サイコ」を撮る際、この作品から相当なインスピレーションを受けたであろうと推測される。1950年代のアメリカ映画でドラッグパーティーや輪姦(具体的なシーンはないがジャネット・リーは当然モーテルでそういう辱めを受けたはず)が露骨に描かれている事に驚嘆。友情出演扱いのディートリッヒにもきちんと見せ場を作って花を持たせているあたり、やはりオーソン・ウェルズただものではない!教訓、ハネムーン中には花嫁を決して一人きりにしておかない事。 8点(2005-01-17 14:41:19) |
218. 点と線
主役の刑事が正義派一点張りで人間的魅力に欠けるのが難点だが、松本清張のベストセラー小説を実にわかりやすくコンパクトに映像化してるのでこれはこれで面白かったです。高峰三枝子とばあや以外の女性陣が馴染みがないせいか当時のメイクアップのせいか、皆同じに見えて困りました。ドラマ「黒革の手帳」が面白かったという方、この作品も含め「顔」「ゼロの焦点」「疑惑」「張込み」あたりの映画の秀作も是非!(中には駄作もあるんで要注意) 7点(2004-12-31 19:32:59) |
219. イヴの総て
ナレーション過多のドラマや映画はあまり好きではないが、この作品だけは別。マンキウィッツ監督の洗練された語り口と練りに練られた台詞の巧さには舌を巻く。ジョージ・サンダースの「イィィィィィヴ(語間を延ばすのがポイント)・ハリントン」っていう口調が特に印象的。でもベティ・デイヴィスがこの演技でオスカーを逃がしちゃったのは納得いかないよなあ。ダブルノミニーのアン・バクスターと票が分散しちゃったんでしょうね多分。 9点(2004-11-24 16:30:27) |
220. 陽のあたる坂道(1958)
石坂洋次郎の原作長篇も良いけど、映画も名作です。西洋風の豪邸住いのブルジョア家庭の揉め事なんて下手に描けば鼻持ちならない絵空事になってしまいがちだけど、これ多分脚本がいいんでしょうね、裕次郎演じる次男の抱えるいびつなコンプレックスが、 観客にうまく同化できるよう真直ぐに伝わってきます。誉めすぎかもしれないけど、日本版「エデンの東」。足が悪い妹役の芦川いづみ、この映画でもメチャメチャ可愛いっす! 8点(2004-11-18 00:31:50) |