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なんのかんのさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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2201.  バッフィ/ザ・バンパイア・キラー
最初のうち、エスカレーターを真上から見下ろしたシーンなんか「もしかすると拾い物かも」と思ったんだけど、だんだん緊張は薄らぎ、駄目でしたね。ホラーコメディって、どこか逃げ腰になってるとこありません? 心底怖がらせるのが難しいもんだから、くすぐり笑いに逃げてしまっているというか。怖がらせるのって失敗すると笑いと紙一重なもんだから、「いや実は最初っから笑わせるつもりだったのだよ」と、ズルしてる感じがある。怖がらせるのが難しい時代になったってことはあるでしょう。本当に守らねばならないものってのが不確かになって、つまり本作だと、バンパイア集団と釣り合わされるものが、高校のダンスパーティになってしまうわけね。そこがコメディなんだよ、と製作者側には言い分があろうが、本気で「怖さ」に挑戦してほしいな。作品を選ばずどんな映画にも登場してくるドナルド・サザーランドの盲目的映画愛を見習ってほしい。
[映画館(字幕)] 5点(2011-06-19 10:37:56)
2202.  ウォーターダンス
病室ものの集団ドラマ。暴走族と黒人の対立が軸。前者はママが付ききりで事故の相手が悪いと信じ込まされてる。黒人のほうは家族の有り難みが分かりかけてきたところで逃げられる。ポイントは踊り子アナベル・リーを巡る賭けと、電話交換台への怒りの爆発のあたりか。水面で踊り続けていると溺れないという夢が、題名の意味。人生訓。まじめな映画だがその分小さくまとまっている感じは否めず、もひとつ大きな爆発が欲しいところだった。女医ローザのエリザベス・ペーニャが、それらしい。闖入してくるカントリー・ダンスの慰問、ああいうのあるんだね、あの国。車椅子でストリップ行けるアメリカのほうが偉いと思った。
[映画館(字幕)] 5点(2011-06-17 10:18:18)
2203.  たそがれの東京タワー 《ネタバレ》 
昔1時間ぐらいの中篇映画が大量に作られてて(大島や今村の初期にもあり)、ああいうのがあんまり映画史の本には出てこないんだけど、なんだろう、助監督の昇進試験とか、新人俳優のテストとかを兼ねてたのか。たぶん時代の映像記録の宝庫ではないかと思うんだけど、ちゃんと保存されているのだろうか。でたまたま観られた大映のこれについて、ちょっと語る。主演女優が仁木多鶴子って人で、ロングで出てきたときは若尾文子に見えたがアップになったら財善直見だった(ないと思ってたらこのサイトに人名登録されてた。大したものだ。『猫は知っていた』でヒロインをやってる。そこから採った芸名だな。未見だがメロドラマのヒロインより少女探偵役のほうが合ってただろう)。主演男優のほうは川地民夫似の小林勝彦って人(こっちも登録されてた。おもに時代劇の脇役と声優で活躍)。この無名の二人によるメロドラマ(知ってる顔は三宅邦子と市田ひろみだけだった)。洋裁店のお針子が孤独のあまり夜な夜な店の服を着て都会に出没し、男と出会う。いいとこの娘と嘘をついてしまう。男は車関係の職工だと言う。募る恋心と今さら本当のことを言えない後悔にさいなまれて、苦悩煩悶。しかし実は男は大きな車の会社の社長のせがれで、最後はうまくいき、東京タワーの展望台で愛を誓うのだった、って話が1時間ほどの間に展開する。あまり映像記録としては得るものがなかったが、それでも当時の映画が観客にどういう夢を提供しようとしていたのかが分かる。ヒロインは孤児という設定で、時代的におそらく戦災孤児だろう。そこらへんの世代が就職していた時期だった。そしてモータリゼーションの波がやってきつつあった時代で、まさか世界中を日本の車が走ることになるとは思ってなかっただろうが、最先端の企業として車があった。身分を上にごまかしたのと下にごまかしたのとが、うまくいくという設定に、たぶん当時の時代の夢が織り込まれている。最先端のものが底辺のものを引き上げていってくれるだろうって。そんなとこでも、昔の映画はその時代の記録としての価値があるんだ。」
[CS・衛星(邦画)] 5点(2011-06-14 10:04:50)
2204.  ザ・ファーム/法律事務所 《ネタバレ》 
映画に向いてない話を無理に映画にした、ってのの典型みたいで、ただこちらは話を追ってくだけだった。やっと終わりのほうでB級的悪人が走って追いかけてきたりしたけど、何か流れとして不自然。そもそもなんでこの事務所、よく調べずに正義感の男トム・クルーズに白羽の矢を立てるんだ(顔見りゃ、正義の人って分かるだろうが)。過度の「至れり尽くせり」の不気味さのあたりは悪くない。孤独の戦いが始まるな、ってあたりも一応ワクワクした。でもなんか映像で追う話じゃないんだよな。兄さんを釈放した後の看守にカメラがちょっと寄ってくだけで、彼が事務所に通報したと理解させるあたりは、たしかに映像に語らせてはいるのだが。けっきょくこの事務所の不正を摘発するだけで、マフィアには及ばない。この方が現実的なんだろうけど、いつもガンガン正義で押しまくるアメリカ映画にしては、スカッとしない。トム・クルーズって、両手の人差し指立てて説得するポーズ好きなんじゃない?
[映画館(字幕)] 5点(2011-06-13 10:14:50)(良:1票)
2205.  水の旅人 侍KIDS
この監督は破綻するときは、いつも同じ傾向の破綻の仕方をする。ある種の大袈裟さ、テーマを扱う手つきに異様に力がはいってしまう(ダムに捨てられる空き缶)、コミカルを狙うのがハシャギになって、制御が利かなくなってしまう、パトカーを盗むあたりの演出。どこか「しっとり」とか「しんみり」があって、うまく釣り合いが取れるといいんだけど。合成も昔と比べりゃいいのかもしれないけど、なんせ『ジュラシック・パーク』観た後だと、金も時間もヒトケタ違う仕事って感じ。カラスの動きなんかもうちょっと何とかならなんだか。家庭の日常シーンは細かいカット割りでせかせかさせる(これを徹底させたのが次の『女ざかり』なんだろう)。この人のテーマとしての「時間」がやはり絡んできて、流水に「年をとること」や「若返ること」が重なる。カメラ・レコード・講談社の絵本、などの古物趣味を展開されると、何も昔ばかりがいいわけではない、とも思いたくなる。そして「水」は人間が保護するばかりのヒヨワなものではないことを、日本は最近また痛いほど知らされたわけで。
[映画館(邦画)] 5点(2011-06-03 10:08:46)
2206.  部屋 THE ROOM
車窓から見た東京の風景に新鮮なものを感じられぬでもない。車から見た商店街。東京を中央線沿いに選び取る、ってのはちょっと面白いとこで。でも主人公が殺し屋と分かるとこで俄然色あせた。まあ最初の部屋の注文のあたりでもう何か60年代アングラ芝居(のよくないところ)が臭ったけど。なんでいまさら「殺し屋の哀愁」なんだろう。麿赤児もよくない。今ではパロディとしてしか成り立たないピラニア軍団的雰囲気。洞口依子が車の中で始めて視線を向けたとこのみ、ハッとした。移動は佐野史郎の体を運ぶとこと、洞口嬢が歩いていくとこの二つだけだったか。喫茶店でコーヒーを頼むあたりからシラけてしまった。サクラへのこだわりもよくわからない。
[映画館(邦画)] 5点(2011-05-31 12:09:44)
2207.  テロリスト・ゲーム<TVM>
疾走する密室ってのが、映画で列車が好まれるところなんでしょうなあ。屋根もあるし。宣伝のための列車ジャックってのがユニークで面白そうなところなんだけど、もひとつよく分からない。イラクに核が渡ったということで世界の緊張を高めてくってんだけど、なんか回りくどくない? もっと有効で簡単な手がありそうだけど(ところがその後のアメリカを見るとそうでもなかった)。それとこういうのでは、エリート集団のはずなのに、内通者が出てくるんだな。主人公をピンチにさせる一番手っ取り早い方法で安易です。いろいろあるんだけど、アイデアで新鮮なものはなかった。人質を大事にしているような、おろそかにしているような。
[映画館(字幕)] 5点(2011-05-17 09:35:25)
2208.  秘密の花園(1993)
荒れ果てた庭のほうが子どもは興奮すると思うんだけど、ワビサビの東洋の子どもだけですか。冒頭がインドの砂漠で、花園との対比がはっきりしている。あちらの考えでは、荒廃とか砂漠とかには価値がなく、あくまで人工の庭園になって価値が出てくるらしい。弱さとかおびえは「臆病」として排斥されるべきものと当然視されている。その衰えも自然の一部として愛でることが出来るとは、あちらではまったく考えないらしい。ま、そういう時代の原作なんだから、そう思って見ようとはするのだけれど、それにしちゃ花園に迫力がないよなあ。あの荒廃の魅力を覆すだけのものが感じられない。病弱の子が立ち上がる、ってのにはやっぱりホロリとさせられるが、全体として「子ども」のイメージが狭い気がした。
[映画館(字幕)] 5点(2011-05-13 09:50:08)
2209.  あひるのうたがきこえてくるよ。
奥会津の風景がワイドスクリーンに広がる。桃源郷としての田舎。導入は爽やか。6時の時報に走る娘っ子から卒業式、柄本明からヒヨコへと、自然に話を広げている。アヒルを教育し卒業させることで回復していく主人公。ヤマナシ夫婦の回復。町おこしによる町の回復と、自然に包まれた世界はいいことづくめ。いや、別にいいんです。桃源郷をあくまで桃源郷として描くのは。でもそれならもっと地元の顔で埋めて、ゲスト出演を絞るべきじゃないかなあ。東京の垢が溜まったような顔をズラリ並べられると、桃源郷が痩せた都会人の妄想に見えてきちゃうのよ。小沢昭一は少しやりすぎに見えるが、「漢字自慢」という設定がおかしい。方角狂いの友人妻は、鬱陶しかった。
[映画館(邦画)] 5点(2011-05-08 09:47:42)
2210.  純情二重奏(1939) 《ネタバレ》 
高峰三枝子‐万城目正コンビの記念すべき第一作、らしい。つまんなかったね。戦後の高峰の歌謡メロドラマと比べてもつまんない。レコード会社を舞台にしているとこなんか同じ筋で、ああいうのの原型はこれか、という得心を得られるのだけが意義。ストーリーとしての大筋は「親の心子知らず」から和解へ、というものだけど、つまりはレコードを売る目的の映画。ラストで三番まで歌ったのを二回繰り返したのにはまいったね。とにかく映画の観客の脳に歌を刷り込んで帰りにレコード買わせよう、という魂胆がアリアリ。それまでにも湖畔などで主題歌は十分聞かされてるのよ。でもまあ、ラストということで一回は許されるよね。丸メガネの霧島昇もいいしさ。でも終わったとこでアンコールって言う奴がいて(坂本武だったか)、人々の合唱も加わり、「あたしも歌わせていただくわ」という令嬢もはいり、斎藤達雄のくさい表情もあるし、客が順々に立ち上がる感動シーン極めつけの演出もあるから、まいいか。ここで指揮していた斎藤君が、うっと胸を押さえると、すぐ墓のカットになるのは、笑いを通り越してただただ唖然。
[映画館(邦画)] 5点(2011-04-21 09:54:38)
2211.  クリープショー 《ネタバレ》 
第一話。ケーキにかけるクリームがニュルニュルととぐろを巻いているところなんか、ちょいとよかった。マンガのコマ割りを意識したワイプなど、オムニバスの枠組みであるコミックを意識している。第二話。砂漠っぽい風土ってところが肝心なのかな。部屋のものに草が生えてるのに比べて、人間のほうは作りが雑だった。第三話。波の拷問のやつ。不愉快な話で面白くない。第四話。木箱が現われるまでのワクワクのほうがいい。実物が出ちゃうとダメ。第一話の「父さん」もそうだったな。第五話。ゴキブリのやつ。見せ場がハッキリしているので、見てるほうも姿勢を取りやすい。毛布の下がモゾモゾと動いてるとこ、よかったな。まさかあれが後で皮膚の伏線になってるとは思わなかった。清潔な白い部屋との対照の妙。隣に座ってた女の子(無関係)は途中ハンカチを口にあてて退場。前に座ってた女の子は途中場内にとどろきわたる悲鳴をあげてた。
[映画館(字幕)] 5点(2011-04-16 09:48:46)
2212.  ライジング・サン(1993)
監督にしろ音楽にしろ、最良の仕事というわけではない。しかしカーチェイスの場は、普通音楽はほとんどリズムを刻むものだが、この人は自分のトーンを優先して、リズムを刻まない音塊で盛り上げていった。さすが。冒頭、カントリーをカラオケで歌うやくざで始まる。しかもその画面の中で『用心棒』(西部劇の血を引く時代劇)を引用したりして、両国の奇妙な絡まり合いを暗示。ちょっと違うんじゃないか、と言いたいところは多々あったが、黒人との混血で手に障害のあるアサクマ嬢が、日本が住みづらかったと言うあたりは、そうかも知れぬと思う。どこかネットリしてキレのないタイプだから、サスペンスには向かない監督だわな。
[映画館(字幕)] 5点(2011-04-14 09:59:31)
2213.  ロビン・フッド/キング・オブ・タイツ
クスグリばかりの弛緩した笑いの世界であったなあ。ギャグのほとんどが中世に現代を入れ込むパターンで、それに笑えないと悲惨。城の宴会でのどんちゃん騒ぎでこそ、映画ならではの笑いを引き出せるはずなのに不発。シャンデリアのロープを切ると、自分の上に落ちてきちゃうとか(メル・ブルックスでロープと言うと『サイレント・ムービー』が懐かしく思い出され)。ぐるっと360度回転のドミノ倒しはまあまあ。ミュージカルに入るあたりも、もっと何か出来そうなのに、ただの「ミュージカル・パロディ」の枠内に留まってしまう。
[映画館(字幕)] 5点(2011-03-18 09:49:28)
2214.  ゴジラVSメカゴジラ
ゴジラシリーズ、いつのまにか新聞記者などの第三者が登場しなくなって「公人」ばかりになってしまっている。生活者の気配がないのだ。街を壊されては困る者の視線がないので、局外から見ているプロレスみたいなものになり、ストーリー展開が薄くなってしまった。でももう原点に帰るだけの力が東宝にはなかったんだろうなあ。つくづく感じたのは音楽の力。これあるがゆえに変な瞑想性が出て、いいです。異界性とでも言いますか、恐怖と言うより生命の不思議って感じ。人間の側が守るものを失ってしまっているのに、ゴジラの側は子を守ろうとした皮肉。京都・幕張がメインだが、怪獣が大きくなり過ぎた。ラドンとゴジラが最後協力してしまうあたりに、ちょっと面白味。
[映画館(邦画)] 5点(2011-03-01 12:15:52)
2215.  天と地
人は時代を選べないということを感じましたな。「悪い時代」そのものと戦うということ。政府軍の拷問の後で、ベトコンからも裏切り者と言われるあたり、ほとんど不条理の世界。娼婦になる瞬間、ふっと外界の音が遠のいていく効果。たくましいアメリカと武器を売るアメリカが、やがて分裂していく。このアメリカ篇が映画としては未編集的で、ナレーションでつないだり、全然リズムがない。結局物足りないのは、ヒロインがどこか底のほうできれいごとを語っているからではないか。この大変さが嘘だと言ってるのではないが、もっとドロリとしたもの、たとえば「アメリカ兵を利用してやれ」なんて気分をチラとでも出せたら、映画は生き生きしただろう。反対側からも眺めよう、という姿勢はいいんだけど、アメリカ側から眺めることに徹した『プラトーン』の手応えは失せて、やはり「他者」に遠慮してしまうための類型化が増した。アメリカにとってもベトナムにとっても「悪い時代」を経験した、という共通点で理解し合えないか、という基本姿勢は、個人のレベルでは間違っていない。
[映画館(字幕)] 5点(2011-02-17 09:54:35)
2216.  ヌードの夜 《ネタバレ》 
ナイフがあったことを知りながら、ノンキにシャワーに入るだろうか。女をなめきってたってところなんだろうけど、でも。死体をバッグに詰めてあっちこっち持ち歩く、分かってるよ、別にリアリズムで筋立てを追う話じゃないってんでしょ、ラストだって怪異譚じたてで締めてるしさ、でも。なんか納得しようとしても、常にこの「でも」が付いちゃう。こちらの度量の広さを試されてるようで、するとこっちはヘソまげて「別に楽しめなくてもいーもん」とムキになってしまった。弟分が押し込んできても逃げないヒロインとか、世の裏を通ってきた男がやくざに簡単に金渡すかとか、登場人物の行動が引っかかり続けた。弟分が竹中のとこに押し入ってきて、シュパシュパボクシングのスパーリングやって、止めるあたりが唯一ノリかけたところ。なんか途中から「勝手に酔ってて下さい」って気分になっちゃって。
[映画館(邦画)] 5点(2011-02-15 10:16:32)
2217.  Coo/遠い海から来たクー 《ネタバレ》 
設定に無理はないか。悪漢の悪行の稀薄さ。そういう生き物の存在を否定するんなら、クーを奪うというより、全員を抹殺する方がはるかに楽なわけで、しかも世界に対して発言力の薄い目撃老人は殺しておきながら、こっちはそうしないってのはヘン。フランスの科学者だって解剖する前に育てたいと思うよ。クーを守りつつ、けっこう危ないとこに連れ出したりもしてて。一番の見せ場である核実験場にプレシオザウルスが姿を現わすとこなんか、もったいないんだよな。もっとタメることできないのか。潜水艦がいっぱいという報告のあと、すぐに出現のカットになってしまう。ここはもっともっとジラせるとこじゃないですか。と、映画がある頃から「ジラせる」ことが出来なくなってきたと思うんだけど、これ時間の進行権を作り手が完全に握っていたスクリーンの時代からDVDの時代に入ってきて、ちょっとタメたいシーンになっても、視聴者が早送りしてしまう可能性が生じたからだろうか。いわゆるジェットコースター式映画にしないと、途中でどんどん跳ばされてしまう不安に製作者は襲われる、とか。
[映画館(邦画)] 5点(2011-02-13 12:12:21)
2218.  原子怪獣現わる 《ネタバレ》 
おそらく古生物学的には、この怪獣のスケールが正しいのだろう。東宝特撮ものに出てくる怪獣みたいにビルを上から叩き壊すのではなく、寄りかかって壊す。そんなに大きくないの。だからビルとビルの間をノッシノッシとふてぶてしく歩んでは来るのだが、俯瞰で捉えたりすると路地に迷いこんだ野良猫みたいに見える。ラストではジェットコースターを破壊するが、なんか檻に捕らえられてるようにも見えてしまう。かと言って『ゴジラ』みたいな哀愁がにじんでくるでもなく、やっぱり当時の「北の脅威」でしかない。見どころは怪獣登場のここらへんだけ、そこまではかなり苦しい。なんか広さを出せない演出なの。予算のほとんどをハリーハウゼンに取られてしまったのか、実写の部分はスタジオの片隅で撮ってる感じ。北極のセットもチープだし、主人公の科学者が劇場でバレーを見ていると係りの人が緊急呼び出しの知らせを持ってくるシーンなんか、あんなにさびしい客席セットはほかに見た記憶がない。それまで恐竜の存在を笑っていた老科学者が、目撃者の証言が一致しただけでたちまち確信に至ってしまうのも安易だったなあ。
[DVD(字幕)] 5点(2011-02-10 09:17:21)(良:1票)
2219.  屋根裏の散歩者(1992)
古びた鏡の上を這っていくデンデンムシ。プリズムの光の反射する廊下。ものうげに流れるタイスの瞑想曲。それぞれの部屋の痴態はそれぞれの部屋で閉じていなければならないはずで、裸で廊下に出てきたりしてはいけない。これはいわゆる「愉快犯」のハシリですな。殺したい積極的な意志があるわけではなく、殺せる状況を確認したいという感じで、スーパーの飲み物に毒物を入れたりするアレと同じ動機。見るだけでなく、関わることもできることを確認したい天井裏の男。斜めの構図は無理して入れてる。窮屈感ってことか、普通使われる不安感とはちょっと違う。昔のこの人の構図の凝りようは、それなりの納得に通じるものがあったが、このころはもうそれが自己目的化しているようで、味わいとしては薄い。
[映画館(邦画)] 5点(2011-02-01 09:54:45)
2220.  私立探偵・濱マイク/我が人生最悪の時
この監督は「…もどき」という世界をピョンピョンと渡っているみたいで、「もどき」でない世界をいいかげん見せてもらいたい気がする(と封切り当時のノート)。これはアジア映画的というか、日活無国籍アクションもどき。でも主人公はウロチョロしてるだけで、事件との絡みが稀薄。そもそも「事件」に明確な輪郭がないのが、こういう話としては致命的。楊海平の顔はとってもいいんだけど。せっかくモノクロ・シネマスコープという活劇黄金期の枠を選択したのに、それがあんまり生きてない。痛快さがないの。陰気に指切り落としたりして、ジメジメして。
[映画館(邦画)] 5点(2011-01-19 10:11:48)
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