2201. ロミオ&ジュリエット
現代風アレンジと言っても、ここまで作り替えてはシェークスピアも墓場の影で悲しんでいるだろう。これはもはや「ロミオとジュリエット」ではない。情緒もロマンスもまったくなく、下品で見るにたえない。 しかしどういうわけか「ロミオとジュリエット」という名前や登場人物、ストーリーにこだわっている。ある意味では一番原作に忠実(台詞など原作にそっくりというかびっくりもの)であり、音楽も決して悪くないのに、残念である。現代風と原作に忠実とが 反作用で働き、軽薄でちぐはぐになっている。 その昔現代風に作り替えた「ウエスト・サイド物語」は、原作を元にしながらも、名前を変え別物語りにした。そのおかげでヒットしたのだと思う。 [DVD(字幕)] 3点(2011-04-27 16:57:36) |
2202. ジェイコブス・ラダー(1990)
《ネタバレ》 一見すると、何が現実でどこまでが夢かわかりにくい映画。しかしシーンが脈絡なく非現実的に起こることから、ベトナムの戦地だけが現実でそのほかは主人公が死ぬまでの幻想だということは容易にわかる。 ベトナム戦争は長期化泥沼化し、悲惨で悪夢の連続だったであろう。そこで密かに使われた薬品というのも真偽のほどはわからないが、真実であれば副作用も相当なものだろう。 とにかくグロテスクで後味の悪い映画であり、私は好きになれない。 [DVD(字幕)] 3点(2011-04-17 18:04:05) |
2203. オペラの怪人(1943)
《ネタバレ》 1925年のロン・チェイニー版と較べて見ればわかるが、これほどまで設定とストーリーを変更したのでは、まったく別の「オペラの怪人」であり不自然きわまる。 他の方も指摘されているように、エリックがクリスティーヌの父親、ラウルが警官であることはもちろんのこと、エリックがどうして怪人になったのか理解できそうもない。また、凶悪な怪人が出没しているのに、片方では平然と舞台が進んでいることなど・・・。 巨大シャンデリアをはじめカラーの映像がきれいで、舞台の中のオペラも素晴らしいのに残念である。 [DVD(字幕)] 3点(2011-04-12 17:46:17) |
2204. 波の塔
《ネタバレ》 原作は過去七度もテレビドラマ化された松本清張の代表的長編小説である。政財界に纏わる汚職事件を描きながら、それに絡む人妻と青年検事の許されぬ愛を描くという松本清張にとっては甚だ異色とも言うべき作品である。 しかしながらこの映画は、テレビのメロドラマの枠を超えているとは思えない。原作にほぼ忠実であり、大切な要素は網羅されていると思われるのに、なぜ・・・。 ひとつはミスキャスト、有馬稲子のヒロインはともかくとして、津川雅彦の検事はあまりにも若すぎて未熟だと思う。それに映画の展開、あまりにも原作をなぞっているだけで平坦すぎ、感動も何もない。これでは・・・。 [DVD(邦画)] 3点(2011-04-08 16:35:01) |
2205. 日本海大海戦
本来戦争は悲惨なものであり、あってはならないはずだが、この映画にはそういったところが少しもない。 日露戦争では、数多くの死者が出た。その中には上官の命令に従って突撃し、敵の機関銃で蜂の巣のように弾丸を受け散っていった者も多い。 また少数の艦隊で、ロシアのバルチック大艦隊を破ったのも、まさに幸運だったはず。そうした「犠牲」や「幸運」というものをまったく考えず、「勝った、勝った、万歳」をしていると、ひどい目に遭うのも当然のことである。 日本を軍国主義の方向へと導いていった日露戦争、それを美談や英雄視することによって、悲劇はますます大きくなるのだ。 この映画は「明治天皇と日露大戦争」の後にすぐ見たこともあり、甚だ良くなかった。明治天皇の扱いはいくらかは小さくなったが、戦争を肯定し、東郷平八郎他を美談化することによって、日本の軍国主義、右翼化が進んだのではないかと思う。 [DVD(邦画)] 3点(2011-03-20 13:37:32) |
2206. 眼の壁
「点と線」に引き続き発表された松本清張の長編推理小説の映画化。ベストセラー第2弾だが、小説のできばえに対して、映画のできが非常に悪い。原作の小説を読まないで、この映画だけを見た人が、果たしてベストセラー原作の映画化だと思うだろうか。 映画「点と線」にしても原作以下だと思ったが、これはそのまた上手である。はっきり言ってミスキャスト、監督の力不足である。 佐田啓二は「君の名は」というラブロマンスには向いていると思うが、刑事や探偵のまねをして事件を追及する商社員には全くの不向きであり、女優として初出演した鳳八千代もぎこちない。その上に脚本・演出が極めて単調である。 松本清張の小説は結構読んだ方だと思うが、初期の「点と線」「眼の壁」「ゼロの焦点」あたりは読み応えがあり、大変なヒット清張ブームになったはずである。ところが映画はほとんどがダメ、小説の良さを出し切ったのが「霧の旗」「鬼畜」そして小説以上の映画になったのが、「砂の器」だと私は思っている。 [ビデオ(邦画)] 3点(2011-03-19 15:42:08) |
2207. 史上最大の作戦
私の私の最も嫌いな映画のひとつ。これだけ豪華なキャストをそろえて何を表したかったのだろうか。 「最も長い一日」の題がしめすように、戦争の描写が延々と続くだけの映画。よほどの戦争大好き人間でなければ、見るのもつらいだろうと思う。 [映画館(字幕)] 3点(2011-03-11 20:37:00) |
2208. ダイ・ハード
品がなくて無茶苦茶な刑事とテロリストが、ドンパチとやっているだけでおもしろくない。 [DVD(字幕)] 3点(2011-02-11 09:55:49) |
2209. 七人の侍
私の最も嫌いな映画のひとつである。 映画はおもしろさや楽しさを与えてくれるもの、夢や希望を与えてくれるもの、あるいは考えされるもの、自分のためになるものでなければならないと思う。しかしこの映画は私にとっては、いずれもないように思う。 私はこの映画を3回見た。1回目は何十年も前、友人(先輩)に勧められて、2回目は世間の評判を確かめたくて、そして今回がこのレビューを書くためにである。 1回目は三船俊郎演じる役者が嫌になり、半分で見るのを止めた。ビデオを先輩に返す時どうだったか尋ねられ正直に答えた。先輩は怪訝な顔をして「こんなにおもしろいのに」と言った。それがきっかけだったのか、先輩との間は気まずくなった。 2回目は、それからずいぶん後、世間の評判と自分の感覚との違いを埋めるため、自分でビデオをレンタルして、ラストまで辛抱してみた。しかし、あまりにも長く感じられ最後の方は大変苦痛だった。 今回はDVDで途中をいくらか早回しして冷静に見たつもりだったが、やはり評価は上がらなかった。 設定が安易ではなかろうか、見ず知らずの農民のために命をかけて戦う武士がいるのだろうか。哀れなのは農民よりも野武士、彼らは仲間が次々と殺されていっても、ただひたすらに部落を襲うのだろうか。それも作戦も何もなしで・・・。 緊迫感はあるようでまるでなし。ただ野武士の集団が次々と殺されていくだけ、何がおもしろい? 7人の侍たちは寄せ集めの集団、どうしてチームプレーや連係プレーができよう、集団作りをする暇はなかったはずだ。 [ビデオ(邦画)] 3点(2011-02-05 13:45:51) |
2210. レオン/完全版
人を殺すことの是非を問題にしなければ良い映画。しかし理由もなく簡単に人を殺すのは異常だと思います。ましてやそれをかっこよいと思うのは、もっと異常かも・・・。 [DVD(字幕)] 3点(2011-01-22 22:44:44) |
2211. ザ・タイガース ハーイ!ロンドン
脱退した加橋かつみの代わりにサリーの弟シローが加わった新生タイガース、この頃の人気はすさまじく、キャーキャー叫ぶ女性ファンには私はつくづくうんざりしていた。たしかにこの映画にあるように寝る時間さえなかったのかも。(それにしては3本も映画ができた)そのせいか前作「華やかなる招待」ほど元気がないしおもしろくない。魂をとられるというのも陳腐だし・・・。ロンドンの風景も大したことなかったが、唯一勝ちがあったのはピンキーとフェラスの映像が見られたことか。 [DVD(邦画)] 2点(2014-11-01 14:19:55) |
2212. L.A.コンフィデンシャル
荒っぽい捜査でやたら銃をぶっ放す映画は私が最も嫌いとするところ、おもしろくなかったら代金はお返ししますの宣伝文句につられて見たのだがおもしろくなかった。役者は皆顔なじみだったが、役名が最後まで覚えきれなかった。 [DVD(字幕)] 2点(2014-10-18 21:30:34) |
2213. 海炭市叙景
暗く救いようのないストーリーばかり、最初の「まだ若い廃墟」はまずまずだったが、後はおもしろくない。特に暴力をふるう「裂けた爪」なんか最低。気分が悪くなるだけだった。 [DVD(邦画)] 2点(2014-07-30 17:08:17) |
2214. ブルーベルベット
デニス・ホッパーは怖いし変質的なものは嫌いだ。デヴィッド・リンチだからと思って我慢して見ていたが、見なかった方が良かったと後悔。なぜ危険なところに飛び込むのかもわからないし、警察はそれまで何をしていたのか。ストーリーも含めてわからないことだらけ。 [DVD(字幕)] 2点(2013-12-27 21:42:13) |
2215. タクシードライバー(1976)
孤独感や焦燥感など根底にあるのだろうが、私には変人としか見えないし、完全に狂っていると思う。銃をぶっ放してヒーローになるなどいかにも米国的。ジョディ・フォスターには期待したのだが・・・。 [DVD(字幕)] 2点(2013-08-12 19:29:46) |
2216. 96時間
未成年の一人娘をパリに行かせること自体、自由と無謀の取り違え。父親は慎重で冷静な判断の持ち主かと思いきや、娘のためならエッフェル塔だってぶっ壊すと発言するほどの異常さ、この強引さが映画の途中から目立つようになりだんだん嫌になってくる。娯楽映画とみればそれでよいのかもしれないが、私は好きでない。「24」のスリリングな展開がおもしろかったので期待したのだがまずかった。 [DVD(字幕)] 2点(2013-08-02 05:24:00) |
2217. フライトプラン
スタートは静かでサスペンスの予感があり雰囲気が非常に良い。だが娘が突然いなくなり、誰も見てないというところからどうもヒッチコック映画に似てくる。展開も「バルカン超特急」にそっくりだ。だがそれよりもあまりにも無理な設定と無茶苦茶な行動でだんだん嫌になってくる。アラブ人に対して疑うだけ疑って、謝罪もない。機体の中を走り回るし、車のガラスは割るし、酸素マスクが降りてくる非常事態にする。よくぞ飛行機が墜落しなかったものとあきれるほどだ。そして結末はもっとお粗末、こういう酷い映画もめずらしい。 [地上波(字幕)] 2点(2013-05-16 22:08:08) |
2218. ズール戦争
戦争がなぜ起こったかの理由や植民地支配という時代背景にはほとんどふれず、盾と槍しか持たない原住民相手に容赦なく銃をぶっ放す戦争映画だ。宣教師の言葉も聞かず、「汝殺すなかれ」という神の言葉に背いたばかりか、宣教師をも閉じこめてしまう。そこには平和的な解決は全くなかった。派手な銃撃戦がかっこいいとか、勇ましいとか言っている間は戦争は決してなくならないだろう。愚かさを感じる。 [DVD(字幕)] 2点(2013-04-08 22:01:13) |
2219. 火垂るの墓(2008)
これはまずい。名作が駄作を通り越し醜作になってしまっている。原作が大幅に作り替えられているが、その真意がわからない。同じ作り替えでも2005年版のTVドラマは生きていく上でのやむにやまれぬ実情をうまく表現していたのだが・・・。ひとつ例を挙げると校長先生一家の自殺、御真影云々を知っている人なら何とかわかるだろうが、あの表現では唐突としか思えないだろう。 [DVD(邦画)] 2点(2013-03-28 17:30:04) |
2220. セーラー服と機関銃
歌は好きなのだけど、映画がおもしろかったのは前半の組長になったあたりまで。ヤクザ映画の色が濃くなっていくにつれ、見るのが耐えられなくなった。 [地上波(邦画)] 2点(2013-03-23 09:50:54) |