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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2383
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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2281.  男が血を見た時(1960) 《ネタバレ》 
CSで放送されたものを鑑賞したのですが、いくら新東宝のレアものとはいえあまりの画像の劣悪さには往生しました。気になるのはフィルムの痛みもさることながら、ブチブチとカットが飛んでいるところです。たぶん全篇で5分は切れているんじゃないかと思いますが、70分少々の上映時間ですからこれは影響は大ですよ。内容はまあ新東宝お得意の電気紙芝居みたいなものですが、どうせ新東宝の珍品を流すなら『九十九本目の生娘』や『地平線がぎらぎらっ』あたりにしてほしいなあ。 主演は松原録郎で、たぶんこの人は新東宝二枚目男優の中でもっとも影が薄かった存在だと思います。彼の代表作と言うと、やはり伝説のカルトTVドラマ『恐怖のミイラ』ということになりますかな。このドラマは新東宝の倒産直後ということもあり、三条魔子とか若杉嘉津子そして三原葉子といった旧新東宝のメンバーが大挙ご出演されているそうです。この映画ではオートバイのカミナリ族に入ってくるブルジョワのボンボン息子で、カミナリ族とは今で言う暴走族の元祖みたいなもんです。自分はバイクには詳しくないのですが、登場するバイクはどうもモトグッチあたりの外国製が多かったみたいです。カネがない新東宝のことですからバイクの走りなどスクリーン・プロセスも使わずただ映すだけですが、カメラが並走して撮っているのでかえって迫力がある画になっているのは怪我の功名ですかね。 ラストは新東宝お得意の女を賭けての対決、もちろんバイクのスピード競争です。明らかに『理由なき反抗』あたりを意識してはいますが、中身も取り柄もない映画でした。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2014-07-18 23:27:47)
2282.  ザ・ディープ(1977) 《ネタバレ》 
さてこの映画、公開当時もロバート・ショウやニック・ノルティを目当てで観た人はまさかいないでしょう、そりゃジャクリーン・ビセットの透け乳目当てに決まってますよね。ところがこのお目当てのシーンは冒頭だけ、2時間の上映時間中でも彼女の水中シーンは二つしかないというのはがっかりだった事でしょう。せめて新東宝の海女映画ぐらいのサービスがあっても罰は当たらなかったでしょうにね。悪党が狙っているのが海底に沈んでいるモルヒネのサンプルというのも、ちょっとなんだかなあという感じです。サスペンスの盛り上げ方も冗長の一語で、鬼才ピーター・イエーツが監督してるとはとても信じられない凡庸な映画です。彼がここまでヤル気を無くしてしまったのも、ピーター・ベンチリーの原作小説自体がスカだったのが大きな原因でしょう。『JAWS』の原作者として一世を風靡したベンチリーだけど、『JAWS』にしたって小説としては凡庸で、歴史に名を残せたのもひとえにスピルバーグの天才の賜物です。しょせんこの人は一発屋だったということでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2014-06-21 21:49:37)
2283.  汚れた肉体聖女 《ネタバレ》 
「この映画に描かれたストーリーは特定の宗教とはなんの関係もありません」というテロップが冒頭でますが、どう見たってキリスト教の修道院だろ!って突っ込みは一応入れておきます。数ある新東宝エロ風味映画の中で、たぶん唯一のレズもので貴重ではあります。 どうも新東宝というか社長大蔵貢の頭の中には「九州島原=邪教(キリスト教)のはびこる秘境の地」という図式があるみたいですね、怪作『女吸血鬼』というのもありましたし。この修道院なのか学校なのか良く判らん舞台設定が、チープながらドロドロした感じでいかにもです。名前が「紅百合(べにゆり)学院」なんですからね。シスター姿の生徒たちがフォークダンスを踊るシーンは、滑稽を通り過ぎて不気味の域に達していてトラウマになりそうでした。高倉みゆきと大空真弓の絡みもちゃんとありまして、不思議なエロっぽさがありました。 修道院なのになぜかプールがあったり敷地内に底なし沼まであるというヘンテコぶりは毎度のことで、中盤以降の電気紙芝居としか言いようがないストーリーの暴走ぶりをお楽しみください。主演の高倉みゆきは“新東宝の皇后女優”と呼ばれたそうですが、明治天皇もの以外の主演作ではいつも犯されたり堕胎したりと新東宝女優の中でも指折りのミゼラブルなキャラばかり演っている様な気がします。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2014-03-12 23:17:41)
2284.  マジック・クリスチャン 《ネタバレ》 
監督のジョセフ・マクグラスは、終いには収拾がつかなくなった迷作『カジノロワイヤル』に狩りだされた監督のひとりです。今回もこれまた稀代の変人テリー・サザーンが書き下ろした脚本に四苦八苦した挙句、観た人ほとんどから「なんじゃ、これ」と言われる様な珍作を撮ってしまいました。テリー・サザーンと言えばキューブリックの『博士の異常な愛情』の脚本を書いたことでも有名ですが、本作は彼の反体制という信条の持つ臭みが全篇に漂っていて閉口させられます。ハムレットを演じながらローレンス・ハーヴェイが見せるストリップやラクエル・ウェルチの登場シーンなんかこの映画で数少ない笑えるツボなんですが、ここはたぶんシナリオに参加したモンティ・パイソン組の出したネタでしょう。 正直言ってこの映画の良かったところは、もろマッカートニー・サウンド全開の主題歌“Come and Get It”ぐらいですかねえ。もう『カジノロワイヤル』が傑作に思えるぐらいでした。
[ビデオ(字幕)] 3点(2014-01-06 20:59:33)
2285.  恐怖と欲望 《ネタバレ》 
キューブリックが生前に封印して再上映を許さなかったという商業映画幻の初監督作がついに陽の眼を見ることになりました。製作から今年はちょうど60年、パブリック・ドメインになっているのかは知りませんが、きっと色々な大人の事情があるんでしょう。 一応プロを使っているけどセリフのある俳優はたったの6人(この中には後に監督として活躍することになるポール・マザースキーもいます)、キューブリックは撮影やら録音までひとり五役をこなしていますが、この映画のスタッフは総勢たったの13人だったそうです。 架空の世界の戦争で戦場は森の中、低予算で戦争映画を撮るには最適のプロットでしょう。敵勢力範囲に降下したパイロットと三人の歩兵が敵の軽飛行機を奪って脱出すると言う単純なお話しなんですが、キューブリックの高校時代の親友が書いたという脚本が韜晦すぎてヘンな映画になってしまった感じです。登場人物たちの心象をモノローグで引っ切り無しに流す、クローズ・アップを多用しているところなど後のキューブリックからは想像つかない演出スタイルでもあります。良く言えば詩的なんだけど、正直言って登場人物たちの行動が理解できないのは難点でしょう。でもキューブリックのカメラさばきはさすがにシャープで、とくに室内の映像は陰影が濃密でもう完全にキューブリック印になっていました。飛行機を奪うために敵の将軍と将校を殺すシーンがありますが、襲う側の二人と同じ俳優を使っているというのは意味が判らないけど印象には残りました。 というわけで当然のように興行的には惨敗したわけですが、NYタイムズの取材に「痛みとは良き教師だ」と答えている当時のキューブリックの言葉がこの映画のすべてを語っています。
[DVD(字幕)] 3点(2013-12-16 18:36:46)
2286.  ほぼ300 <スリーハンドレッド> 《ネタバレ》 
元ネタ『300』が過剰なまでに劇画チックで大げさなので、パロディになってもあんまり違和感がないのが可笑しいところです。ペルシャ軍との合戦パロディにしても、元ネタが過剰なまでのCGづけ映像だったので、CG抜きの撮影風景はたぶんこんな感じだったんじゃないでしょうか。『アメリカン・アイドル』などのTVヴァラエティをギャグネタにしているので、観てないとイマイチ笑えないのも困ったもんです。それにしてもエンド・タイトルが長すぎ、本編が72分ぐらいなのに延々15分近くなんですから。 よく観てみると、王妃役のビッチ系グラマーはカーメン・エレクトラじゃないですか。自分には彼女の初期作『宇宙で最も複雑怪奇な交尾の儀式』以来のご対面ですが、この10年間にラジー賞2回受賞という輝かしい実績を残していますね。フィルモグラフィを眺めても見事にクズ映画ばっかり、ハリウッド女優として生き残るにはこれもひとつの芸なんでしょうかね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2013-12-10 22:26:45)
2287.  波止場の王者 《ネタバレ》 
新東宝が大蔵貢体制になる直前に撮られた一本です。なのでまだエログロ路線じゃないのですが、本来から新東宝という映画会社が持っていた弱点が良く見えるのです。新東宝は設立当初は文芸映画などに秀作が多いのですが、とにかくアクション映画が苦手だったみたいでろくなものがない。アクション映画にはヒーローが欠かせませんが、このヒーロー役者に魅力的なスターがいなかったこともアクション路線の出来の悪さに拍車をかけてしまったみたいです。 本作でも、宇津井健と中山昭二という新東宝が誇る二大へなちょこアクション・スターが共演です。中小企業の造船会社が密輸組織の妨害を受けながらも新型ジェット・エンジン船の開発に奮闘するという『プロジェクトX』チックなお話しです。石川島みたいな総合企業じゃないのに、一介のボロ企業がなんでジェット・エンジンの開発なんか出来るのかという突っ込みはまあ良しとしましょう。縮尺模型に花火みたいなエンジンを付けて実験、それが上手くいったからと言って「ジェット・エンジン船の開発に成功した!」と言い張るのも、まあ低予算なんだからしょうがないでしょう。 でも私が許せないのは、宇津井健が密輸組織のボス(中国人)と対決するクライマックスで、「そのへっぴり腰のアクションは映画を舐めとらんか!」と正座させて半日は説教してやりたいぐらいです。敵役のボスも変なカンフー技を使うし、ぴょーんと岩にジャンプするのには呆気にとられてしまいました(フィルムの逆回し撮りでした)。 そういや丹波哲朗も出てましたね、まあそれはどうでも良いとして、前田通子を使いながらなんでもっと露出シーンを撮らないんじゃ!これは致命的でした。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2013-11-23 22:49:49)
2288.  電送人間 《ネタバレ》 
東宝特撮映画の中では、監督・福田純、脚本・関沢新一のコンビの作品はろくでもないという良い見本です。この電送人間というやつもなかなか難儀な存在です。なんせ、テレポーテイションするためには目的地に必ずバカでかい機械がないといけないんですから、トラックやら貨物列車で装置を先送りしとく必要がある。電送人間自体は普通の体質で殺人を犯した後は警官やら新聞記者から走って逃げ回らないといけない、彼も内心では「こりゃ、透明人間の方が良かったな」と後悔してたんじゃないでしょうか(笑)。 そしてこの映画を語るときに避けて通れないのが、あの伝説のキャバレー“大本営”です。悪役たちが本業の密輸をカモフラージュするために経営してるみたいですが、派手なネオン出してるうえけっこう繁盛してるから税務署あたりに眼をつけられたりして逆効果になりゃしませんかね。ボーイやホステス(このセーラー服姿はちょっとイケてました)の格好もすごいけど、なんと金粉ダンサーまで登場します(ダンス自体は致命的にダサいけど)。「ゴールド・フィンガーを臆面なくパクリやがって」苦い目で観てしまいましたが、よく考えたらこっちの方が4年も前の映画なんですよね、恐るべし東宝特撮映画! ラストは突然の浅間山の大噴火で閉めるという東宝特撮映画ではときどき観られる投げやりさですが、その噴火特撮までもが『日本誕生』の使い回しとくれば、もう監督の志しの低さを嘆くばかりです。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2013-11-02 20:15:03)
2289.  第七の予言 《ネタバレ》 
黙示録や“さまよえるユダヤ人”の伝説などをモチーフにしているショボい滅亡オカルトなんですが、これはもうデミ・ムーアのマタニティ・ヌードを見せたいがための企画としか言いようがないです。ていうか、同時期に雑誌でもヌードになっているし、デミ・ムーア自身がよっぽど見せたかったんでしょうね(露出狂かよ)。でもこんなお腹が大きいときに、良くこんな胎教にも母体の精神上にも悪影響を与えそうな役を演じられるもんだと感心しちゃいます。この時生まれたブルース・ウィリスとの子供は、今はどういう風に育ったんでしょうかね。 この映画で堪らなく不快だったところがあります。デミの旦那がマイケル・ビーンで弁護士としてある死刑囚(実は予言では救世主になるはずの人物)の処刑を中止させようと奮闘するのです。彼が何をしたかというと、近親結婚をした自分の両親を“神の掟に背いた”と殺害したのです。ふつうの感覚では死刑になってもしょうがない狂信者だと思いますが、この映画ではなんか無垢な精神を持った清らかな人みたいに描いているんです。しかもそれを演じているのが障害を持った俳優(ダウン症みたいでした)で、つまり彼は“神の子”だということみたいです、監督の意図は。もうシャレにもなってませんよ、まったく!
[ビデオ(字幕)] 3点(2013-09-29 22:34:25)
2290.  メンフィス・ベル(1990) 《ネタバレ》 
ぶっちゃけたところ、「第二次世界大戦でアメリカは精密な照準でドイツの軍事目標だけを爆撃した」というお話は、西部開拓神話と同様の神聖なメルヘンに過ぎないのです。たしかに当時としてはハイテクなノルデン爆撃照準器は一定の効果があったが、爆撃目標が砂漠の真ん中にあるわけではないので、周囲の市街にも爆弾は落ちて民間人も多数が犠牲になっています。爆撃機の搭乗員に責任が問われることはありませんでしたが、たぶん当時の搭乗員たちは地上で何が起こっているかは考えないようにしてたでしょう。 だからM・モディーンの機長が「目標の周囲には学校や病院がある」と言って爆撃進入をやり直させる偽善的なシーンが私は反吐が出るほど嫌いです。こんなことは実際には起こり得なかっただろうと確信しますし、かような幼稚な描写など使わなくてももっと違う観点で爆撃作戦の苛酷さをいくらでも表現出来たでしょうに。 この映画は製作時期からして、湾岸戦争の戦意高揚プロパガンダ映画だったと思います。M・C=ジョーンズ監督の作品にはスプラッターじみた描写が多いのが特徴ですが、機首がちぎれて乗員がこぼれ落ちたり空中衝突して真っ二つになったり、本作では人ではなくてB17爆撃機自体をその残酷趣味の対象にしているみたいです。実話をモチーフにし当時の若手俳優を集めて青春映画っぽくしたかったみたいですが、あまりに幼稚な脚本には呆れるばかりでした。 クレジットを良く見ると、なんとフジサンケイ・グループがこの映画に出資していたことに気がつきます。これもあの当時叫ばれていた“対外貢献”のひとつだったんですかね。
[映画館(字幕)] 3点(2013-07-28 22:12:06)
2291.  ニューヨーカーの青い鳥 《ネタバレ》 
割と渋い俳優を揃えて映画化された舞台劇というジャンルは、むかし『キャスティング・ディレクター』という映画で自分は痛い目にあっているのに、またやられてしまいました。もうこれはR・アルトマンの責任とは言い難く、元ネタの舞台劇が私には合わないというかつまらないのだからどうしようもないでしょう。 日本人にはアメリカ人の精神分析・セラピー好きはどうも理解できないし、それをネタにしたコメディなんか笑えるわけはないでしょ。G・ジャクソンとT・コンティがセラピストなわけですが、患者と寝たりもの凄いゲイ差別主義者だったりというところが、まあこの映画のミソと言えなくもないです。 ラストシーンなんですが、J・ゴールドブラムとJ・ハガティがレストランから出てくるとカメラがどんどん引いていって遠景になり、そこにエッフェル塔が小さく見えるんです。「えっ、ここはパリだったの、NYのお話しだったはずなのに?」とびっくりしましたが、この映画でここが唯一アルトマンらしさが出てたところでした(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2013-07-23 23:31:59)
2292.  0線の女狼群 《ネタバレ》 
もうタイトルからして意味不明。“0線”と言っても“零式艦上戦闘機”のことではなくって新東宝の完全な造語。要するに、ヤクザ組織が運営する売春ブラック企業のことですが、きっと“青線”“赤線”の延長線上から考えついたネーミングなんでしょうね。 家出して上野に出てきた小畑絹子がヤクザに騙されて体を売る稼業に引きずり込まれます。この小畑絹子、シーンが替わるともういっぱしのズべ公になっているのには笑わされます。ふつうの映画なら、堕ちてゆく苦悩や葛藤を表現するシーンがあるものですが、そんなこと気にしていたら新東宝のプログラム・ピクチャーは創れないというわけです。このヤクザの親玉が丹波哲朗で、地のままで演っている様な省力演技です。プロットは同じ新東宝の『少女妻 恐るべき16歳』と似通ったところがありますが、丹波も子分も女たちを中国マフィア顔負けの強圧的な管理で虐待するところが『少女妻』との大きな違いです。 小畑を助け出そうとする大学生も登場してこいつがヒーローなのかと思いきや、口は達者で言うことは立派だが恐ろしく弱い男で、必要性が全然ない登場人物でした。 ラストは女たちが立ち上がりヤクザどもを倒すのですが、その描写がまるで労働争議みたいでちょっと変な感じです。ここら辺はちょうど安保闘争の頃の映画だから、左翼的な世相が脚本に反映されているのかもしれませんね。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2013-03-04 21:16:32)
2293.  女王蜂の逆襲
4本撮られた、新東宝の女任侠ものシリーズの最終作。製作された1961年には新東宝という会社自体が倒産してしまったので、最末期のプログラム・ピクチャーと言えます。製作が大蔵貢ではなく、三原葉子が出演しているのに全然露出シーンがないのはそのせいでしょう。このシリーズは前期2本が久保菜穂子、後期は三原葉子が女親分を演じているのですが、本作は任侠ものというより日活風無国籍アクションのパクリと言った方が適切な感じです。 鬼怒川温泉が舞台で、元湯の権利を横取りしようとする暴力団を東京から来た女親分が成敗するというローカルなお話しです。脇に配したキャラが新東宝らしくてけっこう面白く、謎の男である天地茂が何というか軽妙な味が出ていて意外と良かったです。池内淳子の芸者も演技はひどいけど可愛らしかったし、三原葉子の子分である星輝美と鳴門洋二のゴールデンコンビを再び観られて星輝美のファンとしては満足です。もっともストーリー自体は他愛もなさ過ぎて語るべきことはないですけどね。ヤクザのくせして子供の喧嘩みたいにやたらと殴り合いするけど、そのアクション演出が学芸会なみではねえ…
[CS・衛星(邦画)] 3点(2013-02-26 23:18:24)
2294.  ムカデ人間2 《ネタバレ》 
観通すのがこんなにしんどかった映画、ほんと久しぶりです。それはグロ描写のせいではなくって、もちろんあのチビ・デブのマーチンくんのおかげです。 いろんな疑問が湧いてきます。まず、この人プロの俳優?それとも素人?あの腹の脂肪は自前?それとも特殊メイク? まあどちらにしろ、こんな人間を見つけてきた監督の眼力には素直に脱帽します。このT・シックスという人、単なる変態おバカ監督じゃなくて実は知性は高いけど趣味が悪すぎる、そうM・ハネケみたいな人じゃないかと思えなくもない。一作目はモダン・アートの様な静謐すら感じさせたのに、『エイリアン』や『プレデター』みたいに“続編では群れで画面に出す”というモンスター・ホラーの王道を守ってくれています。一作目で繋がれた女優をどうやって登場させるのかと思ったら、まさかのメタ・フィクションで攻めてくるとは、なかなかやるじゃないですか。きっとあとの二人にもオファーしていたと思うんですよ、でもきっぱりと拒否されちゃったんじゃないかな(笑) もう三作目が世に出ても絶対観ないぞ、と力んでますが、ひとりだけ逃げたあの妊婦が次作に絡むんじゃないかなと気になって仕方ありません。そう言えば本作ではイギリスに舞台を移していますが、次はまさか日本なのかも。 たぶん観ちゃいます…
[DVD(字幕)] 3点(2013-02-06 00:22:40)
2295.  女吸血鬼 《ネタバレ》 
吸血鬼+狼男+天草四郎伝説のごった煮を作ったらこんなのが出来ちゃいました!ってな感じでしょうか。ちなみに本作は、『女(の血しか吸わない)吸血鬼』が正しい題名でした。話の掴みはけっこうホラーらしい雰囲気なんです。失踪した妻が20年ぶりに帰ってきたら、タイムスリップしてきたみたいにそのまんまの容姿だったなんて話だけ聞けば面白そうでしょ。でもほとんどギャグとしか見えない娘たちの反応で、後はもう訳が判らない新東宝ワールドの御開帳というわけです。 天地茂の吸血鬼もちょっとイイ感じだなと思っていたら、突然狼男みたいに月の光を浴びて変身(顔だけ)しちゃうのでただ唖然でした。最後に監督が中川信夫だと知ってまたびっくり、彼もよっぽど体調悪かったのでしょうね(単にやる気がなかっただけかも)。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2013-01-19 22:51:14)(良:1票)
2296.  危険な愛の季節<OV> 《ネタバレ》 
海岸で釣り宿を経営する母親がV・レッドグレーブでその娘がS・ジョージ、20年ぶりに戻ってきた母親の昔の男がC・ロバートソン、その他にどうでも良い役柄の2人、たった五人が全登場人物という超激安映画。ともにトラブルメーカーとして映画界から干されだしていたとはいえ、その内二人がオスカー俳優というのはちょっと凄いかも。むかしの男と母娘が三角関係になるという主演L・アントネッリのイタリア映画みたいなプロットですが、“幻のエロティックドラマ”というのは明らかに看板倒れでした。レッドグレーブまでワンシーンながらもヌードを見せるのに、肝心のS・ジョージがわざと暗い映像で脱ぐというのはいったいどうなっているの、しかもどうもボディダブルを使っているみたいなんです。これじゃ「金かえせ!」と暴れたくなりますよ。 レッドグレーブはファムファタール的な雰囲気でストーリーを引っ張りますが、相手のロバートソンが謎の男かと思ったら単なるスケベ男だったという結末にはがっくりさせられました。実は観始めたときから自分にはある「?」が頭の片隅にあったのですが、その「?」がまさかその通りだったのでほんと驚きました。 ラストで母娘のうちひとりは去ってゆき、ひとりがロバートソンと暮らし始めます。でもそれぞれ全身が映らない映像を見せて、レッドグレーブとジョージのどっちだったのか判らない演出なんです。この映画の中で唯一シャレたところでした。
[DVD(字幕)] 3点(2013-01-17 21:25:58)
2297.  爆弾を抱く女怪盗 《ネタバレ》 
数ある新東宝プログラム・ピクチャーには「ヒーローが菅原文太の映画は地雷である」というある確固たる法則があります。というわけで、またまた地雷を踏んで爆死してしまいました(笑)。 伯爵令嬢の高倉みゆきが何故か怪しい集団のボスになって、戦中に父を殺して財産を横領した沼田曜一に復讐すると言うお話しです。高倉みゆきは新東宝女優の中では珍しく東宝や松竹でも通用する様な気品を持っています(演技力は別の話ですが)。他にも三原葉子や三条魔子も出ていますが、ファンの意表を突くようにお色気シーンはほとんどありません。それどころか、三原葉子は沼田曜一の愛人としていつものファム・ファタールぶりを見せていたのに、なぜか中盤から姿を見せずに映画からフェード・アウトしてしまいました。別に本作に限ったことではないのですが、新東宝は素人が脚本を書いたとしか思えない様な映画が多いのには呆れます(まあそこが楽しみとも言えますけど)。 『爆弾を抱いた女怪盗』という題名の意味はラストまで観てようやく判りましたが、正しくは『爆弾に括りつけられた女怪盗』なんです。でも普通この映画にこんな題名つけるでしょうか、これも新東宝テイストなんです。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2012-12-17 23:11:32)
2298.  女死刑囚の脱獄 《ネタバレ》 
新東宝随一の名匠である中川信夫も量産されたプログラム・ピクチャーを数多く撮っています。中川信夫と言えば怪談・ホラー・時代劇の監督というイメージが強くて、こういう現代を舞台にした犯罪アクションものは果たして彼の撮りたかった題材とは言い難いところです。 父親殺しの尊属殺人罪(むかしはこういう罪がありました)で死刑が確定してしまったお嬢様が、婚約者の力を借りて脱獄して冤罪を晴らすというのがストーリーです。このお嬢様役が、新東宝社長の大蔵貢に「妾を女優にしてやった」という歴史に残る大妄言を浴びせられて映画界から消えていった、いまや伝説の女優である高倉みゆきなのです。『天皇・皇后と日清戦争』で昭憲皇后を演じたこともあり“皇后女優”とも呼ばれた彼女、品がある顔つきであまり露骨な役はフィルモグラフィには無い新東宝女優としては珍しい存在です。それだけ大蔵貢には大事にされていたみたいです。ちなみに大蔵が彼女に言い寄ったのは事実ですが、“妾発言”はまったく相手にされなかった腹いせだったと言うのが真相だそうです。 この映画でも、レズの女囚に迫られるぐらいで高倉みゆきのお色気シーンはいっさいなし。死刑確定しているのに独房でなく雑居房に入っているなどかなりいい加減な脚本ですし、殺人事件の真相もかなりのハチャメチャぶりで、これではさすがの中川信夫も腕の振るいようがなかったでしょうね。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2012-12-03 19:58:55)
2299.  人魚伝説 《ネタバレ》 
かつて邦画界のあだ花だった海女映画が、20年の月日を経て究極の進化形となって甦ったと言う感じです。原作は劇画なんだそうですが、本家新東宝の海女映画も青ざめるようなお話の壊れっぷりは、もう暴走機関車みたいです。『八墓村』状態のラスト45分は、白戸真理のぶっ飛んだ暴れっぷりがあまりにバカバカしくもう笑うしかありません。銛が一本であんなに人を殺せるわけないだろ、ふつう猟銃か日本刀を使わせるんじゃないかよ、などと文句を垂れるのは所詮虚しいこと。激しい運動のためほとんど過呼吸になりかかっている白戸真理の姿は、もう演技ではなく素のままを撮ったとしか思えませんでした。 そしてある意味とても貴重なのは、白戸真理が“洋上の飛田新地”として有名な渡鹿野島へ逃げるところでしょう。あの伝説的な島は実在するのです。むかし独身寮の旅行で渡鹿野島へ行く計画を立てたら、会社にバレて総務部長から大目玉を喰らった苦い思い出があります(笑)。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2012-11-22 18:56:04)
2300.  ラスト・ショット 《ネタバレ》 
いま話題の『アルゴ』と同じ様なプロットですけど、思うにアメリカの捜査機関は映画製作をダシにした引っかけ作戦がけっこう好きなんじゃないでしょうか。おとり捜査自体が認められない日本では想像もつかないお話しですけど。 ちょっと脚本の出来が悪すぎですねー、見せたいのが、素人のA・ボールドウィンがプロデューサーに化けることでまき起こるドタバタなのかマフィアをはめるスリルなのか、どっちつかずなんですよ。マフィアを引っかけるのにあんな大掛かりなトラップが必要なのか説得力がないし、そのマフィアたちも全然迫力がない連中であっけなく捕まっちゃうし、もの足りません。T・コレットやJ・キューザックと言ったけっこう大物女優を使っているのに、彼女たちのキャラがとても下品なので監督の演出意図に首を傾げたくなりまた。レストランでT・コレットがコップにオシッコをためるシーンなんて、もうどこが面白いんだよと突っ込みを入れたくなりましたよ。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2012-11-06 23:31:00)
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