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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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221.  イディオッツ 《ネタバレ》 
トリアーは、人は皆平等に愚かなのだと考えているのかもしれない。その愚かさをひたすら隠し続けなければいけないのがこの世の常。隠す術を知らない者たち(障害者)のように全てをさらけ出して生きてゆけたら、ある意味幸せなのかもしれない。ストレスは消え、虚勢をはる必要もなく、もしかしたら戦争だって起こらないかもしれない。だからといって愚かさをさらけ出しなさいと言っているわけではない。それは現実的ではないから。ここに登場する人たちがそれを証明する。愚かさを隠す人がいる以上、その中でさらけ出すには相当な勇気がいることを。障害者に見る純粋性に近づこうとする者たち。一人の女が純粋なハートを手に入れたかもしれないラスト、この世はそれを許さない。
[ビデオ(字幕)] 6点(2006-12-21 16:10:24)
222.  シンプル・プラン 《ネタバレ》 
大金が人を狂わせるというごくありふれた、まさにシンプルなテーマを兄弟の対比によって繊細に描かれる。ダニー・ボイルの『シャロウ・グレイブ』をより身近にしたような感じ。何人かの方が触れられているコーエン兄弟の『ファーゴ』もたしかに彷彿させます。ただしコーエン兄弟の映画は登場人物たちがコーエン兄弟の手によって弄ばされているかのように転がされるが、この作品は普通であれば普通であるほどに誰もが持ち得る悪意が悪いほうへ悪いほうへと転ばせているようで、自分にもあるだろう卑しい心を見透かされているような居心地の悪さを覚える。昔住んでいた家を買い戻すために大金が欲しい兄、借金返済のために大金が欲しい兄の友人、とは異なり、明確な使途が無い弟夫婦。より良い生活をしたい、そのためにまじめに働く弟夫婦は、大金を前により良い生活をしたい、もっとよりよい生活を、もっともっと、、という際限の無い欲望に取り付かれてしまう。殺人をも肯定させてしまう心情が怖い。ラストがちとドラマチックに過ぎるような気がする。
[DVD(字幕)] 6点(2006-11-09 14:38:29)(良:1票)
223.  ブレードランナー/ディレクターズカット<最終版>
この作品の近未来観の素晴らしさは通常版で書きましたので割愛させていただきます。不満だったナレーションが無くなり、全く別の星のようなロケーションに違和感を覚えたエンディングも無くなり、ずいぶん良くなった、、と言いたいところですが、ぶつっと切ったエンディング(というよりエンディング無く終わってしまう)にはやっぱり不満。ヴァンゲリスの音楽も活きてこない。 皆様のデッカード=レプリ論を楽しく拝見しました。原作では、デッカードはアンドロイドを処分する際に憐れみを感じてしまった自分に困惑し、自分自身が人間であるかどうかという疑念を持つ場面があります。もうその時点で人間とアンドロイドの差異は無いということ。特別なテストでアンドロイドであると告げられるまで人間と思い込み悲しみ、楽しみ、怖がり、そして人を愛し生きてきたのなら、アンドロイドはすでに人間と同じなのである。この映画がデッカードをレプリカントである可能性を提示したのは、原作同様に人間とレプリカントに差異は無いという提示だと個人的には思いました。
[ビデオ(字幕)] 6点(2006-10-17 13:39:00)
224.  フェリシアの旅 《ネタバレ》 
バックミラーに映る去りゆくフェリシアの後姿、家の中からとらえた窓の外遠くに映る去りゆくフェリシアの後姿が印象に残る。『エキゾチカ』のミア・カーシュナーや『スウィート・ヒアアフター』のサラ・ポーリーがそうであったように透明感ある美しさを放つエレーン・キャシディが美しい背景の中で映える。これまでの作品が「愛する者の死」をどう受け入れるかだったのが、この作品では(母の)「死」をうまく消化できずに愛に飢えた少年のまま大人になってしまった男の異常行動が描かれる。そして優しくて真っ直ぐで嘘のない少女によって母の呪縛から解き放たれる。回想シーンの入れ方は相変わらずうまい。それだけでじゅうぶんサスペンスになっていて楽しめると思うのだが、この監督はストーリーもサスペンス仕立てにしたがる。とくにコレはサスペンスが前面に出すぎていてエゴヤンワールドに馴染んでいないような気がして個人的に違和感を感じる。
[DVD(字幕)] 6点(2006-10-04 16:06:24)
225.  エキゾチカ
かなり前(5年以上は前)に、ビデオパッケージを見て正直エロ期待半分で借りて観ました。エロは期待を裏切りましたが意表をつくラストに満足感を得た作品です。何が目的なのかよくわからん主人公の意味不明な行動の数々が、そして何度もはさまれる草原散策の回想シーンが、最後に何を意味するかを明らかにする。雰囲気もかなり暗いですけど、それも納得のラストシーン。ただ、そこにたどり着くまでがチト不満。いろいろと興味をそそる出来事を並べて観客の興味を引っ張ってますが、ラストがラストなだけにもうちょっとラストを匂わせてほしかったような気がします。
[ビデオ(字幕)] 6点(2006-10-02 16:55:49)
226.  未来は今
昨日書いた『ディボース・ショウ』もこの『未来は今』も傑作とは思わないけどそこそこ面白かったと思う私にとって、前者の低評価にもびっくりしたが後者の高評価にもびっくりした。この作品の何が世間に受けているのか知らないが、ワーナーの資金提供もあってかコーエン兄弟お得意の毒のある笑いを極力排除したサクセスストーリーとなっている点が受けた原因でしょうか。とはいうもののちょっと皮肉めいたストーリーはやっぱりコーエン流で素直にサクセスストーリーにはしないようです、この人たち。ニューマンは元々悪役俳優なのかと思わせるくらい怖い顔してました。助監督サム・ライミの風味も一役買っているのかもしれません。あと、マンシーの応援歌?を知らないのに知っているように歌うジェニファー・ジェイソン・リーはめちゃくちゃ笑った。思い出して今も笑ってます。
[DVD(字幕)] 6点(2006-05-31 13:20:56)
227.  ストレイト・ストーリー
青々と茂った芝生に囲まれた家が映し出されるがそこに耳は落ちていない。しかしどう見ても耳が落ちていそうな雰囲気だ。リンチへの偏見がそう思わせるのかもしれないが、リンチだってぜったいそう思うようにもっていってますよ、これ。おばちゃんがカメラから消えしばらくすると「ドサッ」という音。ぜったいあのおばちゃん、殺されたんだと思うようにもっていってますよ。違うかなぁ。やっぱ偏見かなぁ。そういう類の緊迫感がところどころで襲ってくるんですよ、この映画。嵐の夜の稲光と窓の水滴がじいさんの顔に映される描写なんてホラーだし、橋を渡りきろうとする瞬間の映像のぶれなんかもSFホラーだし、最後の寝床は墓地だし。その「おちょくり」が好きなんだけど、もしこれがリンチの「おちょくり」じゃなく私のたんなる思い過ごしならせいぜい5点。でもたぶん、いや、どっちにしても個人的にはおちょくられた気になって楽しめたからいっか。鹿に囲まれて鹿を食うシーンはやりすぎ。笑ったけど。
[DVD(字幕)] 6点(2006-04-26 16:09:16)
228.  さらば、わが愛/覇王別姫
京劇「覇王別姫」の物語とそれを演じる二人の男の物語が重なり合ってゆく様が、美しくもせつなく描かれてゆく。(今となってはレスリーの人生までもが重なり合っているようだ。)この作品は京劇を介して出会った二人の男の、京劇を背景とした愛と友情の絡み合った人生劇が描かれると同時に、時代に翻弄される京劇と、時代に翻弄される人々という歴史ドラマが重厚に語られてゆく。この歴史ドラマの部分が物語が進行するにつれて画面を支配するようになる。中国激動の近代史がこのドラマにとって重要な要素であることは間違いないところではあるし、この時代を描くこと自体が中国映画としては非常に革新的であるため、「時代」が前面に出てしまうのはやむをえないところもあるかもしれないが、「時代」はあくまで背景として描いてほしかった。素晴らしい映画であるが、時代が大きく動くまでの見せ方で激動の時代を見せてくれたら、もっともっと素晴らしい映画になっていたに違いない。
[DVD(字幕)] 6点(2006-04-03 17:45:30)
229.  オープン・ユア・アイズ 《ネタバレ》 
「オープン・ユア・アイズ」と囁かれる声と誰もいないストリートの描写によって、「夢」がこの作品の中で重要な役割を持っていることを冒頭で提示してくれているので、困惑することなく主人公を襲う不条理劇に身を委ねることができる。非常にややこしい展開を最適な構成で見せてゆく。オチは驚きのSF的展開へ。ここからが夢なんですよという親切丁寧なご説明のおかげで、よりわかりやすく理解できるわけですが、そのわかりやすさゆえに余韻の無いオチにもなってしまっているのが残念。ほんのちょっと答えをぼかすだけでかなり印象が変わってくると思うのですが、、。
[DVD(字幕)] 6点(2006-01-31 16:44:32)
230.  エンド・オブ・バイオレンス
合理的に映画制作という名のビジネスをする主人公が衛星画像を利用した非公式の国家プロジェクトにまきこまれる。映像という媒体の手軽さと無限の可能性からなる危険性の提示、と同時に映像がそれを扱う人間によって脅威にも感動にもなりうる実に自由な存在であることを提示している。映像の魔力と魅力、、実にヴェンダースらしい題材だ。ここで描かれる暴力は映像が生み出したものではない。あくまで映像を利用して人間が生み出すのである。だから暴力の終焉もまた人間の手によってでしか為されない。そのとき映像が良識ある人の手によってなにがしかの役割を果たすかもしれない。ヴェンダースは映像に関わる者としての責務をこの映画で宣言しているように感じる。そして映画に出きることを常に考えているのだと思う。
[ビデオ(字幕)] 6点(2006-01-25 16:14:11)
231.  大阪物語(1999)
「大阪」がぎゅっと凝縮された作品。商店街での会話なんて非常に大阪の空気が出てて良かったです。役者を関西出身者で固めての大阪ロケというのは、「大阪」を画面に映し出すための監督の拘りを感じます。監督は坂本順治でもなく井筒和幸でもない。東京の市川準。東京の人間がよくここまで「大阪」を描けたなぁと思うと同時に、やっぱり東京の人間だなぁとも感じます。中盤からのプチロードムービーは大阪を映し出すことのためだけにあるような無理を感じます。父を探して家を出た少女が南港を拠点にフェスティバルゲート、梅田、新世界、道頓堀、天神橋筋、、とあり得ない距離を瞬間移動しているのはまぁ良しとしよう。でも、あまりにも「大阪」っぽい風景の洪水が「父を探す旅」ではなく「大阪を探す旅」になってしまっている。その風景の選び方が、さすがCMクリエ-ターと感心するくらいポイントを押さえているので余計にそう感じる。物語の設定が芸人家族の修復というコテコテ大阪シチュエーションなのだから、商店街でのお見事な「大阪」の空気だけでじゅうぶん「大阪物語」が出来たのに、と思わずにはいられない。ちょっと残念。
[ビデオ(字幕)] 6点(2006-01-17 13:01:20)
232.  勝手にしやがれ!! 強奪計画
ハードボイルド喜劇とでも言おうか、男っぽさをコメディの中で見せるこの手のジャンルは一時期流行ました。かっこ良くキメても欧米人のようにはキメられず、その照れ隠しに喜劇がピッタリはまる、といういかにも日本向けジャンルで、既に日本においては古典ジャンルといってもよい。その代表が「傷天」であり、その後の「あぶ刑事」であるのでしょうが、これらの特徴として必要不可欠なのが主役のキャラの面白さだと思うのですが、ぐるぐるさんも書いておられますように、今作の主演二人のキャラはけして濃くはない。むしろ薄い。哀川翔のこれまでVシネで培ってきたキャラの濃さを考えれば、あえてそうしているとしか考えられない。つまりはキャラで勝負しない。ストーリーだってベタベタである。つまりストーリーでも勝負しない。ただ、自転車で疾走する二人を見てくれと。そのときの生き生きとした背景を見てくれと。ブツを絶妙!にキャッチし損ねる瞬間を見てくれと。二度目のブツと人質の交換シーンのバカバカしさと緊迫感が同時に襲ってくる感覚を味わってくれと、、、そういうことなんじゃないだろうか。私的には、笑いがもう少しツボをついてくれたら言うことなかったんですが。
[ビデオ(字幕)] 6点(2005-12-12 15:46:32)
233.  王手
衝撃のデビュー作『どついたるねん』から『鉄拳』を挟み、再び舞台を新世界に移した今作は例によって男の真剣勝負の世界を描く。ボクシングとは打って変わって動きの少ない将棋の試合。しかし赤井の大きく振りかざした指し手とパシッという駒の音、さらには扇子を使い、そして戦いを見守る人々の表情を指し込むことで観る者を飽きさせることなく引きこんでゆく。圧巻は若山富三郎と通天閣で勝負する平安将棋(って名前でしたっけ?)!勝負が圧巻なのではなく、黄金色に輝く将棋盤と駒の一つ一つの陰が見せる画が圧巻。赤井と対照的な存在の加藤がいい味出しているのに物語の軸に絡んでこない展開に不満というか、消化不良感を拭えませんが、ストーリー以上に背景である「新世界」がじゅうぶんに魅了させてくれます。大阪の中でも独特な空気を持った街「新世界」を最も堪能できる作品。
[ビデオ(字幕)] 6点(2005-12-06 12:27:24)
234.  鉄拳(1990)
前作『どついたるねん』同様のボクシング映画かと思ったのは前半のみ。師と弟子の関係の成熟してゆく様もボクサーの成長も省略され、これから大和武士がボクサーとしてのぼりつめようとしたそのとき、ドラマは大きく動き、ボクシング映画から正義VS悪のヒーローものに変容する。しかも主役は大和武士ではなく菅原文太だった。ジムの壁に描かれたウルトラマンはこのことを暗示していたのか!妻や子供にも愛想をつかされ、仕事もほったらかしのヒーローを夢見る男が、絶好の悪と遭遇し、夢を実現させるがごとくに戦うヒーロー映画。(と、書くとなんだかゼブラ-マンみたいだな、、。)しかも改造人間(一部)だし。バイクで駆けつける大和武士はさながら仮面ライダー2号だ!!坂本監督の初期作品は非常にわかりやすい男のドラマ、そして戦いのドラマが描かれますが、全てのベースはヒーローもののような気がする。この作品はそのことを強調しているように感じました。
[DVD(字幕)] 6点(2005-12-05 13:56:54)
235.  Love Letter(1995)
始まることもなく終わってしまった藤井樹と藤井樹のラブストーリーが樹と同じ顔を持つ博子の手紙をきっかけに蘇る。死者に送った届くはずのないLove Letterが、甘くせつない図書カードというLove Letterを発見させる。時間を遡り蘇るその甘酸っぱさと死者を交えた毒のない三角関係が見事に岩井俊二の映像とマッチしている。そして岩井ワールドに染め上げられた女たちの透明感にやられる。残念なのは小樽の素晴らしいロケーションに対して神戸のそれは美しいんだけど神戸を感じさせないところ。さらに方言の持つ生々しさというよりも関西弁の持つ独特の生活臭が岩井ワールドとどうも相性が悪いような気がした。「お元気ですかー!」で一気に冷めてしまうスレた自分にも減点。
[ビデオ(字幕)] 6点(2005-11-16 13:00:54)(良:1票)
236.  パラサイト
宇宙から来た寄生生物という設定、そして誰が寄生されたかわからないところからくるサスペンス、正体を見破る方法があることで生まれるドラマ、、ロドリゲスが敬愛するジョン・カーペンターの『遊星からの物体X』を彷彿させるプロットに舞台を閉塞感極まる南極基地から開放感みなぎるアメリカの高校に移し、若さとスピード感溢れる脚本をもとに作られた堂々たるB級SFホラー。てか、ベタベタのB級SFホラー。B級といっても干からびた寄生生物が水を得て動き出す様や鼠を赤い食指で捕まえる様の特撮はA級といってもよく、このあたりをB級になりきれていないととるか、しっかりと作られたB級ととるかで評価も変わってくる。私としては『遊星からの物体X』のパロディとして登場する首だけの女の先生からタコ足が出てきてにゅるにゅると移動するシーンを見ただけで妙に満足してしまった。ラストで平和が訪れ五体満足で登場することの漠然とした疑問も心地よかったりする。ドラッグの吸引をふさぐために鼻の穴がピシャっと閉まるのもべつに閉じなくても吸引のふりだけでいいじゃんと思いつつも笑って許せてしまう。私のボーダーラインを下げさせる力を持った作品。
[DVD(字幕)] 6点(2005-11-11 12:18:46)
237.  エル・マリアッチ
低予算なのにお金をかけたように見せる、ということがこの作品を面白くさせているとは到底思わない。低予算だから良いとも思わない。お金をかけようがかけなかろうが、面白ければよい。で、この作品は面白い。もちろんお金をかけられなかったゆえの創意工夫があってこその面白さがこの作品を支配しているわけですが、お金が無かったからしょうがなかったという、車椅子を使って移動撮影したから結果的にローアングルになったとか、アマチュア俳優たちのロケーションに溶け込んだ佇まいとか、偶発的に撮れたような画がこの作品をよりエキサイティングな作品にしている。これもそれもロドリゲスの才能がベースにあってこそだと思いますが。で、その才能が発揮されているのが初期短編『BEDHEAD』同様、編集作業だと思います。スローと早回しも効果的でした。難を言うなら、いらないシーンがチラホラあったことぐらい。あと好みの問題で女優、、ですかね。ま、それも制作上、予算上の都合で仕方がないところもあるんですが。
[DVD(字幕)] 6点(2005-11-09 11:26:58)(良:3票)
238.  リトル・オデッサ 《ネタバレ》 
みなさんがおっしゃるように哀しさで溢れています。これは、けして弟が悲劇的な死を迎えるからではなく、この作品が常に家族を描いているにもかかわらず、主人公だけが最初から最後まで家族の一員になり得ず、望むはずもない家族の崩壊を自分のせいで招いてしまうから。弟を殴った父を草原の中でひざまつかせ銃口を向けるシーンの、なんて哀しいこと。息子を売ってしまう父親の、なんて憐れなこと。兄弟二人が母をはさんで座る、そう、ただ3人いっしょに座るだけという儚い妄想の、なんて痛ましいこと。雪が積もり、陽の明るさとともに雪が解けてゆくという背景への丁寧な心遣いも好感が持てる。地味な展開を、全編に流れる聖歌が作品に深みを与える。ただひとつ、残念だったのが、ラスト、兄と兄を殺しにきた連中と知らせに来た弟と助けに来た仲間が交錯するシーンの盛り上がりの無さ。緊迫感と美しさが全然足りない。緊迫感は許せても美しさは譲れません。とくにシーツ越しの人影を撃つところは最大限の美をもって撮ってほしかった。と、思うのは欲張りすぎでしょうか。
[ビデオ(字幕)] 6点(2005-07-28 15:38:30)
239.  ニキータ
6~7回くらい見ているだろうか、、ベニスのホテルのバスルームのシーンだけ(笑)。楽しい旅行から一転、落胆するニキ-タ。ターゲットの確認をする電話の声。ドアを隔てた恋人の声。そしてニキータの感情とは別に身体に覚えこまされた、まさにプロの殺し屋であることをまざまざと見せつける一瞬の仕事。何度見てもいい。単純なストーリーにハリウッドばりの派手なアクションを見せながら、教官と恋人の二人の男からの異なった愛を軸に、かといってそこを強調することなく描いたことで安っぽくないドラマに仕上がった。ハリウッド映画にはない独特の空気が好印象を与えるが、ストーリー重視で演出が雑に感じるところはハリウッド映画と同じように感じた。ラストはあれでいいと思うが、アクションシーンが洗練されているぶん、なんだかつりあわないというか、違和感を感じたのは確か。
[映画館(字幕)] 6点(2005-07-27 16:05:06)(良:1票)
240.  グロリア(1999)
オリジナルとは完全にテーマを変えてきたのは正解だと思う。カサヴェテスと真向勝負なんてできませんから。オリジナルは、自分には無いと思っていた母性に戸惑いながらもその本能のままに奮闘するグロリアを描いていました。対するリメイク版は、男の飾り物として生きてきたグロリアの自立を描く。女性の社会進出が珍しくなくなっても、本人に自立の意識が芽生えなければ意味がなく、まだまだその女性の自立心の芽生えを妨げる社会であることを、ギャングの世界(男社会の代表)を通して描いてゆきます。同じストーリーの中に違うテーマを語ってしまうとは恐れ入ります。そのテーマも実にルメットらしい。シャロン・ストーンは容姿だけならかなりのはまり役だと思いました。ただ、泣きそうになるのを堪える表情がわざとらしいと感じた。ムリに感動を煽らなくてもいいのに。
[ビデオ(字幕)] 6点(2005-07-22 18:56:56)(良:1票)
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