221. ラストナイト・イン・ソーホー
《ネタバレ》 すごーく雑にいうと、「プロミシング・ヤング・ウーマン」などと同じ題材を扱っているのですが、正直こちらの方が面白かったです。 原色バリバリの照明と気を衒ったアングルとオールディーズ(アレンジ込み)などの音と映像で見せる手法はアルジェントのそれ、というか現代版ジャーロというべき手法。特にいきなり挿入される印象的な殺人シーンはゴア度という意味ではそれほどですがインパクトは抜群。 一見すると、60年代(というか前世紀)の女性の立場の弱さやジェンダーなどのもろもろ、夢半ばで諦めxざるをえなかった悲しい女性の物語などを主軸にしているようでいて、その実そんなのはどうでもよくて、とにかく綺麗な女の子がひたすら酷い目にあって画になるシーンと印象的な殺人シーンがあれば良いわけなので、そういう意味で非常に良くできていると思います。 意外に思える犯人も、序盤の「8時以降の男性来客禁止」「喫煙禁止」というのをうまいこと「夜の洗濯禁止」という禁止事項でカモフラージュしつつ、「愛着があるから売らない」という意味深なセリフでしっかりと明示している点も細かいなと思いました。 そして、はじめてエリーがサンディの姿を鏡で見るシーンがそのまま立場を変えてラストへ持ってくるあたり(そして同じ行動でしめるあたり)イカしているな、と思いました。本来なら7点くらいかな、と思っていたのですがこのシーンで一気に好きになりました。 昨今は変なお気持ち配慮が映画界にも迫ってきていて変にメッセージ性を求めたり、平等だの配慮だのという風潮がありますが、個人的に映画なんてもっと俗っぽいもので良いと思っているので、もっともらしいテーマで煙を巻いていその実ただのグロテスク映画だった、という本作は非常に気に入りました。 [映画館(字幕)] 8点(2021-12-11 02:57:51) |
222. ブラックサイト
《ネタバレ》 観覧数によって死の時間が早まるというジグソウもびっくりの仕掛けを使った猟奇殺人事件、昨今のネット文化、物見高い、または怖いもの見たさ、より過激なものを求める傾向を良く捉えてるなと思います。 現に新聞やメディアも、印象的な見出し、過激な事件を補導してばかりというのも人の内包するそういった負の感情を理解してるからなのでしょう。 犯人も、そうしたネット文化の被害者、と描かれているので、胸糞悪い事件も幾分かは同情のしようがある気がしますが全然関係ない捜査官を殺してる時点でただの八つ当たりにしか見えないのはちょっと残念でした。 カメラワークだったりとか、緊張感のある捜査シーンなど、なかなか良かったなと思う反面、R15という割にはゴア描写にパンチが無かったのと、唐突すぎるラストにちょっと呆気に取られてしまったので、5点ということで。 まあ作り物なので、それをわかっていて残虐なものを楽しんでる方がよっぽど健全だと個人的には思います。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2021-12-09 04:38:07) |
223. ディア・エヴァン・ハンセン
《ネタバレ》 パニック障害で苦しむ主人公がセラピストに出された「自分宛の手紙」を、片想い中の彼女の不良兄貴に取られたことから大きな事件に発展するというのが大まかなあらすじ。 まず冒頭からの楽曲がとにかく素晴らしいです。真剣に物語を語ろうとするシーンでも突如歌い始めるので、ミュージカルが性に合わない人には「なにやっとるんじゃ?」というかm寺ではありますが、そうでなければ、歌詞やメロディラインともども素晴らしく、思わず一緒に歌いたくなってしまうような感じです。 内容についても、昨今の問題「誰しも問題を抱えている。だけど、誰かが手を差し伸べてくれる」という内容で刺さる人にはとにかく刺さるでしょう。 ただ、ラストに関しては、結局嘘の情報で記念果樹園ができてそれで良かったん?という感じでした。それから、せっかくエヴァンが嘘である、ということをカミングアウトしtれ、そこからコナーの演奏シーンにを探し出すくだりになるのですが、あそこをやるならせめて「なぜ、友達のフリだ」っていってギブスに名前を書いてくれたかを絡めてくれれば、彼の抱えていた問題とエヴァンの心境がシンクロして、お互い、誰かを求めていた、ということがはっきりわかるのかな、と思いました。 ただ、それを差し引いても、ラストの余韻含めてなかなか良くできた作品だと思います。 [映画館(字幕)] 7点(2021-11-27 13:47:18) |
224. にんじん(1932)
《ネタバレ》 原作小説は小さい頃にほんのさわりだけ読んだ程度だったのでこんなにハードな内容だったのかとびっくり。 とにかくにんじんことフランソワの不当かつ理不尽な扱いが酷すぎて胸が痛い。 演じるロベール・リナンのなんとも言えない表情が物語をよりリアリティにしていました。 なんといっても母親のクソっぷりが目につきますが父親も大概、だけど息子を愛すれど不器用さも感じられる感じで、最後は美味しいとこどりな感じもしましが、これから父親らしくなって行くことを暗示しており良かったです。 まあ、罪をなすりつけた兄姉に制裁はないんかいとか母親との絆はどうなるんだいとか、短い故の点は気になりますが、原作読めってことで、原作小説へのとっかかりとしてもいいのではないか、と思いました。 なにはともあれ、ブレッソンの「少女ムシェット」のように自殺エンドではなくて良かったです。 [DVD(字幕)] 8点(2021-11-25 02:17:51) |
225. うたかたの戀(1936)
《ネタバレ》 当時18歳(!?)だったダニエル・ダリューの美しさに尽きる作品。 原作はどうなってるのかわかりませんが、ルドルフ皇太子が今でいうところのダメンズで全く魅力がないのがなんとも(笑) ただ最後の「決意」からの2人の行く末というか皇太子の眼差しなどは今までのダメなやつから一変、という感じで良かったです。 [DVD(字幕)] 6点(2021-11-24 21:28:11) |
226. 戦争と平和(1965-1967)
《ネタバレ》 とにかく「長ぇ!」という印象が先行してrしまいますが、やはり本家本元、スケールが違います。 まずオープニングの、天空から雄大な国土を映すショットで「メリケン産とは格が違うんだぜ!」という意志をひしひしと感じますし、ナターシャが初めて社交界デビューするダンスホールの大きさもなんだか3倍くらいでかいような気がしますし、予算の三分の一を使って、しかも本物のソ連兵12万人を動員して撮影したという戦闘シーンも圧巻を通してあきれるレベル。そりゃ金と人に糸目をつけないで製作できればそうなるよな、という感じですし、モスクワ占領シーンのカオス感も生半可なスペクタクルでは足元にも及ばないレベル。 やたら長いのと登場人物が多いので何が何だかかわからなくなる部分も多々なのですが、なんかすごいもん見たぞ、という気にさせてくれる作品でした。 [DVD(字幕)] 7点(2021-11-15 03:41:06) |
227. 戦争と平和(1956)
《ネタバレ》 オードリー・ヘプバーンにヘンリー・フォンダをはじめ出演陣がとにかく豪華。特にオードリーの、前半の尻軽女っぷりから徐々に芯のある女性へと変容を遂げるシーンを始め、愛らしいと頃はとことん愛らしい表情などで、3時間半、意外と観られてしまいます。後半の戦闘シーンなども、膨大なエキストラやらでとにかく数の勝負、臨場感もありますし、ティベレ川の岸沿いに作られたというモスクワ市内のセットは素晴らしいの一言。 ただ、原作が原作だけにどうしても「戦争メロドラマ」のような安っぽさは拭えず、、、それから3時間半あるのにここまで長くてもまだ「ダイジェスト感」が拭えないのも、まあ仕方ないことなのでしょう。 本家が7時間かけて映像化してますし。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2021-11-14 15:53:07) |
228. ハロウィン KILLS
《ネタバレ》 こっちに方向転換するかーという感じではありますが、途中でキルカウントを放棄するくらい面白いくらい人が死にます。 殺しのレパートリーも多くそうした意味でも観ていて面白かったです。 3部作(いつの間に?)の第2作目ということで終わりが非常に中途半端なので、これだけだと評価しづらい部分もありますが、怖いシーンやゴアシーンなど見応えはあったと思うのでこの点数で。 [映画館(字幕)] 6点(2021-11-13 21:20:21) |
229. マリグナント 狂暴な悪夢
《ネタバレ》 正直言うともう少し殺人描写にジャーロ的な派手さを求めていたのだけど、それでも十分に面白い作品でした。 自作の凶器、革手袋、ロングコートにロン毛というインパクトあるいでたち、周りの景色が腐敗していき殺人現場と同化する演出、後半の大虐殺と下手なアクション映画よりもスタイリッシュな殺陣と、ジェームズ・ワン監督がこれまでに撮ってきた作品の総決算と言わんばかりの作風はとても楽しかったです。 悪性腫瘍をとらなければ!のセリフで大体双生児系とは気付くとは思いますがまさかの張り付き具合の衝撃度はピカイチ。 ジャンル映画としてとてもよくできた作品だと思います。 ちなみにタイトルは凶暴ではなく「狂暴」、、、。 [映画館(字幕)] 7点(2021-11-13 21:16:49) |
230. 赤い手のグッピー
《ネタバレ》 あらすじを読んだ時点ではなんのことはない?とか思ってしまいましたが実際に本編を見るとなかなか一筋縄では行かない作品でした。 冒頭からグッピー家の面々の描写が延々と続き、どこにいくの?と思っていたら殺人や窃盗、とどんどん展開していき「結局どうなるの?」という感じでした。 結構なスロースターターな作品、しかもそれなりに事柄が複雑に絡み合うのでなかなかとっつきにくい感じを受けましたが、後半、というか終盤の推理もの(犯人というか事件の詳細がこちらはわかっているにもかかわらず描かれる)になる展開からの、上へ上へと目指す様、そして、なkだかなで丸く収まる最後などはなかなか余韻もあり面白かったです。 [DVD(字幕)] 6点(2021-11-07 18:54:35) |
231. 幸福の設計
《ネタバレ》 前半は大してハマらずに、向かいの店のエロ親父のことが気になってしょうがなかったのですが(笑)、中盤以降、当選した宝くじをなくしてしまうくだりから俄然面白くなってきました。 前半の本のくだりが何気なく伏線になっているあたり難いなと思いました。 同じような題材で「ル・ミリオン」みたいな感じかな、と思っていたのですが、市政の人々の何気ない暮らしと、くじの行方を探すハラハラの両方を味わえるとても面白い作品でした。 [DVD(字幕)] 8点(2021-11-07 18:53:53)(良:1票) |
232. 肉体の冠
《ネタバレ》 ベッケルの作品は個人的に合うものと合わないものがあるのですが今回は後者の方でした。 シモーヌ・シニョレがあまり好きではないというところも起因するのですが。 ただ、過不足ない設定や男の友情、殺人といった要素が色々と絡み合ったものは見応えあったのかな、という感じでした。 全体的にあまりピンとこなかったのですが、終盤の、ルカを殺そうとするシークエンスからの流れは個人的に良かったです。 [DVD(字幕)] 5点(2021-11-07 18:52:31) |
233. エターナルズ
《ネタバレ》 あまり言いたくはないのだけど、正直「エンドゲームでやめとけば良かったんじゃない?」と思ってしまいます。 今回の作品は丁寧だし、それな要りに面白いしところどころの画も綺麗ですが、まず長い。 そして時代が結構色々飛ぶのでちょっととっ散らかっているイメージ。 時代に配慮してるのかポリコレ要素も満載。描かれ方は普通にしても、わざわざ原作設定変えてまで入れる必要はあったん?それにしては作品に深く関わってきてなくない?という違和感が先行してしまいました(くれぐれも言っておきますがマイノリティの登場人物がいらないと言っているのではありません) そして敵。味方の力吸収してあんだけ強そうだったのに扱い結局かませ犬?あっさり三枚におろされてましたけど、だったら初めから倒しとけよという印象。対してイカリスが裏切って実質ラスボスになりましたが、ディヴィアンツ(ボス)にさえ勝てていなかったのに「こいつは最強」とか言われても強さが全然伝わってこないし、空飛ぶのと名前が似てるからって太陽に突っ込ませるのは安直すぎ。イカロス(ギリシャ神話)はそういう理由で太陽に向かったんじゃないでしょ?とか色々思ってしまって純粋に楽しめませんでした。 戦闘は格好いいのですが、どうしてもジャスティス・リーグ系のDC映画群のような印象を受け、「これやる必要、ある?」という感じ。 色々と詰め込みすぎてるので、もっと純粋にエンタメに振り切っても良かったんじゃないかと思いました。 もう一度見れば印象が変わるかもしれませんが。 [映画館(字幕)] 6点(2021-11-06 12:18:50) |
234. ホテル・ムンバイ
《ネタバレ》 これが実話ということがとても胸が痛いのですが、映画としては実にエンターテイメントとして面白くできていると思います。 ただ、完全無欠のヒーローがいるわけでも英雄になるキャラいるわけでもない(一応アルジュンがその役を担う形にはなりますが)ので人が徹底的に無慈悲に死んでいきます。 変な微格も何もなくただただ「殺戮」という作業的な工程として。もちろん反撃も脱出劇も失敗します。そして「神に栄光あれ」という非常に馬鹿げた思想から利用されてしまったテロリストたちの滑稽さも相まって、首謀者の卑怯さも浮き彫りにされ非常に胸糞が悪くなる展開。初めから自分で実行しろって話です。 話がそれましたが、どうやって脱出するか?いつどこから弾が飛んでくるかわからない緊張感も相まって2時間集中しっぱなしでした。 ただ清々しい緊張感ではなかったです。 このテロで犠牲になった人の冥福を祈りながら、2度とこうした馬鹿げたことが起こらないことを祈ります [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-11-03 04:22:01) |
235. 007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
《ネタバレ》 コロナによる散々な公開延期を経てようやくの公開、まずは無事に公開してくれたことに感謝をします。 で、観た感想ですが「ダニエル・クレイグのジェームズ・ボンド物語」としてはとても面白い、けど「007」というシリーズという点では個人的には「なかったこと」にしたいというものでした。 クレイグボンドにしては「軽口」や「憎まれ口」をたたき、これまででのボンド映画のような感じがあって良かったんのですがやはり、ラストで「ボンドの死」をもってボンドを退場させてしまった点がやっぱり納得できませんでした。 これまでだったら「なんだかんだで乗り越える」ある意味不死身性があったのに、そういうシリーズのお約束を蔑ろにしての終焉というのは「フェルプス君を殺した」ミッション・インポッシブルの時のような感じを受けたからです。 ただ、クレイグボンドがこれまでのシリーズとは毛色が違って、「00エージェントに昇格してからのボンドという男の物語」というテイで作られているので、そういう意味ではこのラストも納得がいくものでした。 ただ、ちょっと長すぎ。そして予告でも散々映し出された新人エージェントの女性の活躍が思ったより少なすぎ、など気になる点もあり、というところでしょうか。何はともあれ、ダニエル・クレイグ、お疲れ様でした。 [映画館(字幕)] 6点(2021-11-03 04:12:42) |
236. ザ・ケイヴ
《ネタバレ》 何本かある洞窟探検ものミーツモンスターもの。ここを始め方々で「暗くて何が何だかわからない」と聞いていたので、さすがにそれは言い過ぎじゃ?と思っていたらこれがびっくり、予想をはるかに超える酷さで本当に「暗すぎて何が何だかさっぱりわからない」状態(笑) POVでもないのに放送事故レベルで暗闇+ドアップ+手ブレで本当にさっぱりわかりません。 もはやこれは臨場感云々ではなく映画として「見せる」ことを放棄してるんじゃないか?と思わせるレベルです。 ゴア描写はそれなりによく洞窟内の雰囲気も良かったのですが今回はそれでも打ち消せない圧倒的な壁がありました。 気取ったエンドロールでしたが、そこ頑張るんだったらもっと他を頑張った方がいいんじゃない?と思わせる作品でした。 [インターネット(字幕)] 3点(2021-11-01 23:48:11) |
237. ドリラー・キラー
《ネタバレ》 純粋なスラッシャー映画を期待してみたしまったので正直退屈でした。 貧乏画家が自分の抱えている鬱屈とした不安や隣人の出来損ないのピストルズみたいなバンドの騒音にに耐えながら徐々に狂っていく話、主人公の不安定さを表すために他の登場人物のどうでもいいような状況を執拗に描いたりするので、単純に「もっとサクッと進まんかい!」と思ってしまいました。 ドリルでの殺害シーンは、まだ本格的にスプラッターが台頭してくる前とはいえ結構な血糊、ところどころ、というか終盤の画商の殺害シーンからの一連の流れはようやく「ホラー映画」してきたのでよかったです。 もう一度見たら面白く感じるかもしれません。 [インターネット(字幕)] 5点(2021-10-30 13:51:22) |
238. パブリック 図書館の奇跡
《ネタバレ》 大前提として日本とメリケンの公共図書館の在り方が違うのでそこをしっかり理解していないと「なんでホームレスに解放しなけりゃならないの?」が終始よぎってしまうでしょう。そしてお国柄というか「圧倒的格差&差別大国」という知識があれば「ホームレスなんてやってないで働けばいいじゃん」という考えではなく「まず職がない」「そもそも雇ってもらえない」という本質的な問題が理解しやすいと思います。 そこらへんの「社会の様子」や「公共施設としての在り方」を描いたフレデリック・ワイズマンの「ニューヨーク公共図書館/エクス・リブリス」というドキュメンタリーを見れば、本作で言及さえれているような図書館の在り方や内包する問題などが理解できるのではないでしょうか。 そうでなくとも、夜は氷点下にまで下がる気温、派手ではないけど昨日までの利用者(路上生活者)が凍死体となって運ばれる場面などで「とにかく冬での生活はやべえ!」という感じが伝わってきますし、ホームレスという存在に誰しも好きでなったわけではない、社会のあり方の根本にも欠陥がある、というエピソードも非常に印象深いものだと思います。 映画的には比較的淡々と進むので、華のない作品のような印書も受けますが、冒頭の図書館の役割、在り方をサラッと流すあたりなどは非常によく、ラストの誰もいない図書館内でのシーンも静かな余韻があるので、なかなか見応えのある作品だと思います。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-10-24 23:46:50) |
239. 情婦マノン
《ネタバレ》 うっかり恋をしてしまったのが男を手玉にとる情婦。さっさと若sれればいいのに、とか思いながら結局最後は2人の行末を案じてしまう。 そしてマノンの方もロベールに心を惹かれ、しかし苦渋の別れ。でも実の兄を殺した彼の元に戻っていく。 純愛とは違うけどこれもまた一つの愛の形。マノンの死体に語りかけながら最後の時を待つシーンはなかなか印象深い終わり方だった。 [DVD(字幕)] 7点(2021-10-23 18:48:14) |
240. CUBE 一度入ったら、最後
《ネタバレ》 なんで今更?という感じですが、ここ最近の作品は20年前だろうが30年前だろうがリメイクが平然とできているので、まあそれはよしとします。 で、肝心の中身。「俺たちのCUBEを返せ!」とまでは言わないまでも「そうじゃねーんだよ」とは言いたいです。 本作の顔?ともいうべき冒頭の「元祖サイコロステーキ先輩」はブロックステーキ先輩みたいな感じでショックシーンが劣化していますし、トラップで死ぬのも多くない、そして「余計な人間ドラマ入れるんだったらもっと上映時間短くしてくれない?」と思ってしまいます。 まあ、見方によっては、ストーリーなんてほぼないに等しいオリジナルよりはちょっと重たいテーマを題材に選んでいるので、その分は見られるかな?という感じですが、それにしては主人公?の弟の自殺の件はやたらフォーカスされるのに他のメンツの背景はほぼ語られず、という感じでちょっとアンバランス。ぶっちゃけ観客は「いかにCUBEから脱出するか/グロテスクに死んでいくか」を楽しみに見にきている(はず)なのに人間ドラマ語られては興醒めもいいところ。 せっかく途中サイコパスな感じに変容したのに肝心おショックシーンも描かれておらずフラストレーションが溜まる一方でした。(終盤の)演技自体はなかなかよかったと思いますが。 まあ色々ありますが、すんげえ駄作、という感じではないけど、気の抜けたコーラ、またはぬるいビール、みたいな印象を受けてしまいました。 最後に、主題歌ですが、個人的にはこれはこれでアリだと思いました。 [映画館(邦画)] 5点(2021-10-22 22:08:14)(良:1票) |