2561. 大菩薩峠(1966)
《ネタバレ》 時間の経過を忘れるほど鬼気迫る仲代達也の演技と眼光。 大人数を相手にした立ち回りは、迫力十分だが、ややリアリティを欠くのが残念。 終り方はかなり拍子抜け。 加山雄三のあの気合いは何だったのか? そしてお松は一体どこに? 西村晃はいかにもクセ者風で、最後にキーパーソンとなるのか?と思わせぶりながら、活躍は最後まで観られず。 敢えてこういう終わらせ方にしたのだろうが、どうも消化不良気味だ。 だが、全編を通してみなぎる緊張感、そして、観る者を釘付けにし続ける演出は見事だ。 [ビデオ(邦画)] 8点(2008-01-27 20:15:06) |
2562. 真空地帯
《ネタバレ》 戦時下における、軍隊の内幕をリアルに描いた作品。 軍隊内部ではイジメや暴力が日常茶飯事に行われており、むしろそれが内部では当たり前のこととされている。 上層部は物資を横流ししたり、人事を不当に行ったりと、こちらも腐敗し放題である。 そういった軍隊内部の内幕を、嫌というくらいにリアルに見せ付ける。 これが本当にリアル過ぎて辛すぎて、観ていて嫌になる。 作品の出来具合としては、文句のつけようがない。 時間の経過を忘れる程の力作である。 しかし、先に書いたように、観ていてどうも嫌になる。 気分が悪いままに二時間が経過するのだ。 「良い物観た」ではなく、「胸くそが悪い物を観た」。 観終えた後、そんな気分になってしまう。 そこがこの作品の良い所であり、悪い所でもある。 いずれにしても、本作が非凡な作品であろうことは間違いない。 久しぶりに凄い邦画を観た気がする。 [DVD(邦画)] 8点(2008-01-27 20:04:02)(良:3票) |
2563. にっぽん昆虫記
《ネタバレ》 内田吐夢監督の『飢餓海峡』と負けず劣らず左幸子の演技が凄まじい。 彼女の熱演なしには、本作のパワーは生まれなかったであろうことは相違ない。 男と女が情欲に流されるまま、まるで昆虫の様に生きる姿をリアリティに演出した今村監督。 『赤い殺意』と非常に似たテイストの作品だが、本作の方がパワー・リアリティ・性的描写の全てにおいて上であろう。 宗教、父娘の親密過ぎる間柄、母娘丼、売春、他人の子を身篭り「あなたの子」と騙す、チクリ、金への執着、強姦、、などなど、際どいテーマてんこ盛り。 それらを下手に飾ることなく、リアリズムに徹して描いた今村監督。 「調査魔」と呼ばれた今村監督だからこそ、リアリティを欠くことなく描くことが出来たのではないだろうか。 [ビデオ(邦画)] 7点(2008-01-27 11:48:47) |
2564. 暗殺のオペラ
これまでに観たこともない様な森林の緑。 あまりに美しい映像だ。 ゴダール作品にも通ずる様な雰囲気が漂う。 ただし、ゴダール作品ほど難解ではない分良い。 ストーリーで観る作品というよりも、映像美を固唾をのんで堪能すべき作品の様に感じた。 [ビデオ(字幕)] 6点(2008-01-26 23:56:05) |
2565. 淑女は何を忘れたか
《ネタバレ》 やはり、小津監督はユーモアのある作品を撮らせてこそ本領を発揮する監督である。 斎藤達雄と桑野通子との掛け合いが素晴らしい。 特に二人で示し合わせて説教をするシーン。 ドアの使い方、全てが軽妙洒脱でセンスも良い。 ラストのエロス漂う演出も見事。 [ビデオ(邦画)] 7点(2008-01-24 22:12:47) |
2566. The Follow
ウォン・カーウァイの送り出した幻の短篇。 幻と呼ぶには、取るに足らない作品だったが、さすがの映像美であった。 [インターネット(字幕)] 5点(2008-01-23 21:08:11) |
2567. ONE TAKE ONLY ワン・テイク・オンリー
オキサイド・パン監督作品としては一番好きな本作。 タイ映画として観ても、バンコク映画として観ても、非常に楽しめる。 今や結婚して一児の母となってしまった主人公の女性だが、とても可愛らしく、タイ人女性はやっぱりいいなぁと感激しきり。 ゴーゴーバーの音楽もノリノリでいいし、全体的にすっきりとしていてスピーディなのも良い。 本作の様な、タイの首都・バンコクを舞台にした、いわゆる“サイアム系”ムービーは大好きだ。 ちなみに、「サイアム」とはタイ・バンコクにある流行発信基地の地名で、日本で言えば、東京の原宿か渋谷に当たる場所だ。 本作は映像センスも素晴らしく、とても透明感がある。 監督のオキサイド・パンは、『the EYE』というホラー作品の興行的成功により、以降はホラー映画ばかり撮る監督になってしまった。 本作の様な、良質のドラマをもっと撮ってもらいたいのになぁ。 もったいない。 [DVD(字幕)] 7点(2008-01-21 21:18:34)(良:1票) |
2568. かげろう笠
“CS・衛星”として初レビュー! 万歳!! やっと、CSで本作の様な貴重な邦画を観ることができた。 それが、まず嬉しい。 香川京子を目当てで本作を鑑賞。 とても静かな女性を演じており、香川京子の可憐な魅力には欠ける作品である。 逆に長谷川一夫は、なかなかの男気を見せていて良かった。 今まではナヨナヨした女形のイメージが強く、あまり好きな俳優ではなかったが、本作でそのイメージが消え去った。 長谷川一夫という役者は、どんな役柄でもこなせる役者なんだと感心した。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-01-21 21:09:38) |
2569. Z
《ネタバレ》 前知識なくいきなり観たので、まさかこれほどまでに思想的・政治的な作品だとは思わず、面食らった。 しかし、とてもスピーディな作品で、苦もなく観ることができた。 その時点で既に傑出した作品だ。 主演のイヴ・モンタンは、中盤であっさり殺されてしまい、これまた面食らった。 これで主演とは。 それにしても、イヴ・モンタンって、こんなに長身だったっけなぁ。 スーツ姿でユラユラと歩く姿が、とても威圧感がある。 すごい存在感だ。 [ビデオ(字幕)] 7点(2008-01-21 21:04:02) |
2570. まぼろしの市街戦
シリアス・コメディ・ラブロマンス・戦争モノ・アクション・風刺劇。 色んな要素を併せ持つ作品。 しかし、どうもコメディセンスが自分に合わない。 楽しさより苛立ちが先に立った。 [ビデオ(字幕)] 6点(2008-01-20 17:29:34) |
2571. 一人息子
後の小津代表作『東京物語』の原型ともいえる小津の王道的作品。 つまりは、私の苦手な系統の小津作品である。 やっぱり小津の魅力はコミカルさにあるんではないか。 本作は終始淡々と進み、コミカルさは成りを潜めている。 [ビデオ(邦画)] 5点(2008-01-16 22:14:55) |
2572. プラハからのものがたり
ヤン・シュヴァンクマイエルのインタビューを交えたドキュメンタリー作品。 [DVD(字幕)] 4点(2008-01-14 11:53:03) |
2573. 独立少年合唱団
大林宣彦監督の『青春デンデケデケデケ』を好きな人なら楽しめるはず。 私は苦手なジャンルの作品だ。 [ビデオ(邦画)] 5点(2008-01-13 23:35:22) |
2574. 狂い咲きサンダーロード
リアリティ無視で爆走するストーリー展開に苦笑するも、勢いだけは物凄く、最後まで引っ張られた。 娯楽作品として素直に観れれば、十分楽しめる作品である。 古臭さがそこかしこに溢れているが、その古臭さを逆手にとり、逆に楽しむ。 これがリアルタイムではなく、21世紀において本作を楽しむ上では必須の条件だ。 山田辰夫のかすれた声が何しろかっこいい。 そして雰囲気も、どこか私の好きな成田三樹夫に似ていてかっこいい。 この作品でこれだけのインパクトを放つパワー溢れる演技をみせたのに、その後のブレイクがなかったのが残念だ。 暴走族はもはや時代遅れ。 しかしながら、それが逆に観る者の好奇心を否応なくかき立てるのだ。 [ビデオ(邦画)] 7点(2008-01-13 16:19:53) |
2575. スターリン主義の死
チェコの歴史的背景は知らないし、興味もない。 [DVD(字幕)] 1点(2008-01-13 09:40:32) |
2576. フローラ
美しいんだかグロテスクなんだか、それすらも分からないです。 [DVD(字幕)] 4点(2008-01-13 09:06:10) |
2577. 肉片の恋
この監督の作品の中では唯一良かったですね。 [DVD(字幕)] 5点(2008-01-13 09:05:07) |
2578. ワイズマンとのピクニック
よく分かりませんでした。 [DVD(字幕)] 1点(2008-01-13 09:04:23) |
2579. 石のゲーム
アートなんでしょうが、まったく興味がわきませんでした。 [DVD(字幕)] 0点(2008-01-13 09:03:26) |
2580. フード
なんというか点数がつけようがないです。 生理的に全く合いませんでした。 [DVD(字幕)] 5点(2008-01-13 09:02:29) |