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コメント数 885
性別 女性

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241.  プリティ・プリンセス
ディズニーの実写プリンセスは「魔法にかけられて」の前にコレがあったね。 ゲイリー・マーシャルは目鼻立ちの大きな女の子を華麗に変身させるのがお得意、10代のアン・ハサウェイは変身前・後でちがう可愛さ。 ふつうの娘がお姫様になるにあたってゲジまゆをブチブチ抜かれるのは少女マンガにもあり、スッキリまゆ毛は美人の基本。 ミアが芸術家のママと住むおうちがポップで、デカ猫ルイがアクセント☆ ディズニー作品は「メリ・ポピ」以来というジュリー・アンドリュースの気品あるグランマが映画の格を上げて、最後の舞踏会ではミアより優美なデコルテが素敵です。 男性陣があまりパッとしない中で「プリティ・ウーマン」の支配人へクター・エリゾントが存在感ありましたが、お話は軽めなので90分くらいでいいかも。 ディズニーは少女たちにプリンセス幻想を与え続ける存在。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-05-01 07:35:02)
242.  わたしの可愛い人―シェリ
「クィーン」のスティーヴン・フリアーズの贅を尽くした最新作。 彼の「危険な関係」に出演したミシェル・ファイファーはもうあの時のように若さに輝いてはいないけれど、まだお美しく優雅な元高級娼婦レラ。 開ききって花びらが散りそめる白バラが彼女をシンボライズする。 母子ほど年の離れたシェリ(愛しい人)ことフレッドには、ルパート・フレンドが黒髪にして紅をさし、美青年でも印象の薄かった以前とはガラリと変わって今までで一番のハマリ役。 その母マダム・プルーのキャシー・ベイツがなんとも奇怪なキャラクターで2人を翻弄する。 彼女やレラと同様ココットあがりの老女たちの強烈な存在感も味つけとなっており、ベル・エポックの絢爛たる世界の中でシェリの若妻も絡んでのフレンチな恋愛摸様ながら、フランス映画ほどにはルーズにならずにイギリス映画然とした硬質な感触もそなえる。 「青い麦」「ジジ」のコレット原作「シェリ」を主体とした上で、続編「シェリの最後」の世俗的な内容は省きその結尾につなげることで彼らの物語を凝縮。 フリアーズは自分の描きたい部分だけを選りすぐって、甘美で悲痛な世界を構築したかったのか。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-05-01 06:55:09)
243.  ウォレスとグルミット/ベーカリー街の悪夢<TVM>
元のスタイルに戻って本来の良さが出た(今のとこ)最新作。 邦題の「ベーカリー街」はホームズのベーカー街にひっかけ(ともにパン屋)、一段と犯罪ミステリータッチ。 ホレっぽいウォレスの恋愛沙汰は「危機一髪」と同じだけど、理知的なグルミットの恋にドキドキ。(ポッとホホ染めたりして…) フラフルスは初対面の時はコワくて足がプルプルしてんのに、相手が自分に気があると見るやパッと元気になるあたりが女のコ、「危機一髪」に続く「犬キャメロン」は彼女がリプリーになりきる「エイリアン2」。 ご主人のパイエラ嬢はヴィジュアルからしてひとクセありそうなんだけど、自分を愛しすぎた報いとはいえ悲劇的な結末、ウォレスの心の中でベイクライトガールのイメージが永遠なものとなる哀切な美しさはあっても、ヘヴィな内容がこのシリーズにマッチしてなかったみたいです。 技術では旧作より上を行っている部分(ふくらむパン、リアルな雨水など)もありますが、なんとなく全体としてピークを過ぎた感があるのは否めません。(それでも十分WELL-MADEなのはさすが!) ニック・パークはもう長編は作らないっていってたけどホントかな?
[DVD(字幕)] 7点(2012-04-22 08:17:22)
244.  魔女の宅急便(1989)
魔女っ子キキのひとりだち。 宮崎さんは原作を自分の好きなように作り直す方ですが、これはそれが功を奏してるかと。 角野さんの魔女宅シリーズには独自のムードがありますが女性向きという印象がつよく、長い髪のキキは魔法が使える以外はひっこみじあんな普通の女の子、つきつめれば女系家族の話でもあります。 3作目のケケみたいな個性的な魔女っ子も書けるのにキキのような子をヒロインにしたのは、普遍的な女性像を書きたかったように思えますが、男性はあまり読まない本ではないかと。 監督はそういう女性的なテイストよりも、純粋にキキの飛行能力と自分に重なる空に憧れるトンボ少年に惹かれたのかもしれないし、興味のないエピソードはバッサリと切り落として原作にはない大きなハイライトを入れ(あまりに自分の作品と違うので、角野さんが製作中に宮崎さんに相談にいったほどの別物に)、男女に関係なく見られる広がりのある作品になったと思います。 (キキ役の高山みなみさんとジジ役の佐久間レイさんは、翌年ムーミントロールとミイに)
[映画館(邦画)] 7点(2012-04-22 08:15:56)
245.  スティル・クレイジー 《ネタバレ》 
過去の栄光ふたたび、でリユニオンするストレンジ・フルーツ(「奇妙な果実」、ビリー・ホリデイから?)の友情と奮闘の日々。 イギリスらしい題材で面白くなりそうなのに演出が地味であまり盛り上がらないのが少しもったいなく、ややマイナーなのもわかる感じ。 いい味してるんだけど。 同じバス巡業バンドでも「あの頃ペニー・レイン」のスティル・ウォーターよりバンドとしての魅力はあるのに、それが十分生きていないような気がするし、「コミットメンツ」のようにマネージャーの視点があるわけでもない。 カレンがずっと憧れていたブライアンでなく、トニーと親密になっちゃうのもなんかつまんない。 「クライング・ゲーム」のスティーブン・レイが一応メイン、「ラブ・アクチュアリー」でも同じようなオールド・ロックスターをやるビル・ナイがピザ宅配のサインを勘違いする場面は笑えて、豪放なローディのビリー・コノリーに税金滞納ティモシー・スポール、唯一若いギターのハンス・マシスンはシリアスな「ドクトル・ジバゴ」とは違う面白キャラ。 最後のステージは視覚効果も手伝って本物のフェスティバルらしく見え、曲も聴かせます♪
[映画館(字幕)] 7点(2012-04-18 17:22:01)
246.  アリス・イン・ワンダーランド
アリスはホームズと同じくフェイバリット英国アイテム。 アリスの決定版ということでなく、「ティム・バートンのアリス」としてならば。 バートンはルイス・キャロルの原作よりもそこから派生したサブカルチャーの方に愛着があるようで原作にお門違いなコメントしてるのがトホホだけど、アメリカらしく教訓入りの成長物語に変貌。 リデザインされた「不思議の国」と「鏡の国」の住人たちと19才のアリスのワ(ア)ンダーランドは、CGと3Dに支えられ一応見せますが、プロットに新鮮味がなくアリスも普通の子なのは女性の原案・脚本だからかな。 女たちの話になってて、マッドハッターなんて全然マッドじゃない。 アリスの映像化はシュヴァンクマイエルのものなど多々ありますが、一番有名なのはディズニーのアニメーションで子供が最初に接するのもこれですが、アリスというものを知れば知るほどこれから離れていくのはこれもアメリカのアリスだからで、本当はイギリスが教訓なしの遊び心だけのアリスを作るべき。 VFXを駆使した99年のホールマーク版もアメリカのテレビ作品なので教訓は入っているけれど、オリジナル・イラストレーターのジョン・テニエルの優れたデザインが生かされており、これに較べるとバートン版はややデザインが弱く、(赤の女王の巨顔も99年版のマッドハッターから)映像的にも何度も見たいという気にはならず。 それでも一人の少女アリス・リデルを喜ばせるためだけに大学教授が頭をひねって考え出した世界が、時を経てこんな巨大な映画になって彼の知らない未来の少女たちを楽しませるというのが、人の思いというものそれこそがワンダーなものという気はしましたけれど。 ジョニデ×バートン20周年ということで記念のオブジェもあり。
[映画館(字幕)] 6点(2012-04-14 17:46:14)(良:1票)
247.  イリュージョニスト(2010)
ジャック・タチが娘に捧げた遺稿を「ベルヴィル・ランデブー」のシルヴァン・ショメがアニメ化。 「ベルヴィル」の強烈な個性は影を潜め、タチの思いを形にすることに神経が注がれているよう。 台詞少なく、僅かに呟かれる言葉も真っ当な英語や仏語ではなく、おのずと画に集中する。 美しい背景画はソフトを使ってのものだろうけれどペンと水彩の微細なタッチで、CGを加工した乗り物ともども作画と違和感なくなじみ、50年前の失われた時代がレトロに魅せる。 破れた古靴が赤い靴になり白いハイヒールになるように、少女は手品師に磨かれていくのだが、ただ一枚のポスターを懐に巡業する手品師が(しばしばピンハネの憂き目に会いながら)アリスの望みを叶えるのは、父性愛からであると仄めかす一枚の写真。 ホテルに同宿する芸人たちも時代を映す存在、一杯のシチューで救われる命もある。 旅立つに及んでパートナーの白兎を野に放つのは「仕立て屋の恋」を思わせるが、その新たな世界の広がり。 繊細な情緒に彩られながら切なさより安堵を覚え、肩の荷を降ろした手品師のいた世界は見終わると同時に淡く薄れていくのだが、消えることはない。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-04-12 08:21:36)(良:1票)
248.  ベルヴィル・ランデブー 《ネタバレ》 
ディズニーやジブリも悪くないけど、何か変わったアニメが見たいと思ってる人はズッポリハマりそうなル・モンド・ド・ショメ。 デフォルマシオンを駆使して描かれる斬新なキャラクターやデザイン、ジュネ好きは確実に好みと思われるディテールのこだわり。 言葉でなく絵で表現するべく作られたこの作品はアニメーション本来の面白さに満ち、月並みな感動なぞ無用とばかりわが道をゆく。 巨船やべルヴィルの偉容、四角い男たちの合体、手塚風のボスの変形。 BELLEVILLE(美しき街)=デブばかりのハンバーガーの国アメリカとキツーイ皮肉、孫には犬のエサ同然の食事しか与えぬばあちゃんにファストフードは食わせず、姥三姉妹が発破で仕入れたカエル料理が口にあうフランス賛美。 電車にトラウマのある犬をタイヤにしたりと結構ブラックなんだけど、あまりグロくないのも結構。 目立たないけど不屈の精神で孫を救出しに行くばあちゃんの愛情と意地も根底にあり、最後のスローチェイスでは競輪賭博装置(?)が帆かけ船のよなエレガンス、歌手ばあさまの手動カーブがイカス。 粋に流れる音楽に心おどり、スモーキーな色が目に快く、見るほどに味の出るレアなフレンチ・アニメ。 8年後の「イルージョニスト」が美しくかつ至極マトモな作品であるのを考えると、ショメにとっても二度と作りえない世界かもしれない。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-04-12 01:20:55)
249.  ウォレスとグルミット、危機一髪!
「ウォレスとグルミット」は、一番有名なシーン(オモチャの列車)と最高傑作がちがう作品なのが粒ぞろいの作品群のレベルの高さを物語りますが、完成度でいえばやっぱり「危機一髪」。 すべてにおいて充実し、「ペンギン」と2本そろう90年代はシリーズの黄金期。 ウォレスが恋する毛糸屋さんのウェンドレン(愛称はウェンディだね! ウォレスと同じ顔じゃん)には人にいえない秘密が。 ウォレスが国際救助隊のバージル気分で出動のシーンは音楽もバリー・グレイ風の凝りよう(庭のノームが「GO!」)、本性を現したターミネーター犬プレストンが牙をむくのもマジ怖く、極めて英国的な世界の中に自国の「サンダーバード」と米国的な「ジェームズ・キャメロン」が混在するおもしろさ。 グルミットの赤い飛行機(ニック・パークはジブリ好きだから「紅の豚」のオマージュ?)には合成も使い、窓ふきの泡みたいな形のないものもアニメートしちゃうのもすごいワザ、ひつじのショーンはスピンオフもできたかわいい人気者。 このシリーズが長く愛されるのは、ハンドメイドの素朴な温かみや、チーズを愛する発明家ウォレスと忠実でかしこい執事犬グルミットのペットをこえた絆、大人の中の子供を呼びさます遊び心と魅力がいっぱいだから。
[CS・衛星(吹替)] 8点(2012-04-10 04:22:40)(良:1票)
250.  エイリアン2/完全版 《ネタバレ》 
「完全版」ではリプリーのニュートへの愛情は「地球に残してきた娘が既に死亡」という無念さに起因するものと強調されており、ベタながらジェームズ・キャメロンらしいキャラクターの作りこみ。 ニュート一家がエイリアンの宇宙船を発見するシーンも追加されていますが、ニュート(キャリー・ヘン)は、リプリーたちに発見された時の髪バサバサな方が可愛い気がするのですが。 キャメロンは「ターミネーター2」同様、「エイリアン2」も追加版の方をソフトのスタンダードにしているのが、他の3人の監督と違うところです。
[地上波(吹替)] 8点(2012-04-08 08:30:07)
251.  オリバー! 《ネタバレ》 
ミュージカルの映画化。 そのままだと暗くなりがちなディケンズの「オリバー・ツイスト」を楽しく見られるのがいいところで、3年後に「小さな恋のメロディ」で再共演するマーク・レスターとジャック・ワイルドがオリバーとドジャーに扮しています。 同じく舞台からの映画化の「マイ・フェア・レディ」のように、大英帝国時代の下層・労働者階級の人々の描写が生き生きとしてダンスもすばらしい。 歌は聴くほどに味わいの出るもの、歪みや崩れのあるセットがリアルな景観を生む。 マークは「メロディ」とそれほどイメージは変わりませんが、青い上着にシルクハットのジャックはまだ声変わり前のキュートさで芸達者。(かわい~♪) オリバー・リードのビル・サイクスには野生的な色気があり、彼の情婦ナンシー(シャニ・ウォリス)が彼を思って歌う"AS LONG AS HE NEEDS ME"は、「レ・ミゼラブル」の"ON MY OWN"のように女の一途で哀しい愛をうたった佳曲。 しかし何といってもロン・ムーディ演じる少年盗賊団の親分フェイギンの存在感が一番かもしれません。 ピカレスク小説の性質もおびた原作のキャラクターを悪党ながら生きたものにし、忘れがたい印象を残します。 ブラウンロー氏とオリバーの血縁関係は残されているものの、異母兄モンクスや叔母ローズは登場せず、救貧院(ワークハウス)の教区吏バンブル夫妻を小悪党として再登場させるにとどまり、自分が見た映画化のうちでモンクスの出番があるのは48年のデヴィッド・リーン版だけになります。 原作ではそれぞれ刑に処せられる運命のフェイギンとドジャーが落ちのびるアレンジは、ミュージカルならではの明るさがあります。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-04-07 09:35:11)(良:1票)
252.  スミス都へ行く
「素晴らしき哉、人生!」とならぶフランク・キャプラの傑作は、シンプルな構成ながら白のスミスと黒のテイラーの間に灰色のペインを置いたのが効果的。 クロード・レインズは「カサブランカ」では署長さんになるイギリスの俳優さんですが、まだ良心が残っているペインの苦しむ姿が印象的で、悪辣なテイラーは憎めてもペインを憎むことはむずかしい。 無論ジェームズ・スチュワートの熱演をひきたてるためのものでもあるのですが。 世間知らずのスミスを最初は小バカにしながら、彼の純粋さと熱意に動かされる秘書サンダース(ジーン・アーサー)の「一生皮肉言ってるのも不幸だわね」もいい言葉で、30年代のヒロインとしては古くささのない女性像。 彼女とスミスの野球のサインのような連携プレイが堅苦しくなりがちな議会のアクセントになり、彼女に求婚する記者ムーアは世間とのパイプ役をはたし、必死に応戦するスミスをニマニマしながら見守る議長は「初(うい)奴じゃ」とカワイく思ってるんですよね。 テレビやネットのない時代にはラジオや新聞の影響力がとても大きかったのが感じられ、そういう時代性の中にタイムレスな価値のある作品。
[DVD(字幕)] 8点(2012-04-06 06:50:08)(良:2票)
253.  オリバー・ツイスト(2005) 《ネタバレ》 
ロマン・ポランスキー版「オリバー・ツイスト」は、ディケンズの原作に真摯に取り組んだ力作、美術(セット)も立派ですが、きちんとしすぎていて堅苦しく、その雰囲気をレイチェル・ポートマンの音楽が和らげているよう。 ハリー・イーデンのドジャーは魅力がありますが、オリバー(バーニー・クラーク)は美少年だけれど彼自身が行動するよりも周りの思惑で動かされ、他のキャラクターの性格を浮き彫りにする役目なのは本と同じで存在感は薄い。フェイギン役のベン・キングズレーは熱演を見せますが、最後のオリバーとの別れのシーンは必要以上に感傷的になっておりとってつけたよう、重要なビル・サイクスやナンシーの印象も弱い。 保護者となるブラウンロー氏はテレビ「シャーロック・ホームズの冒険」の二代目ワトソン、エドワード・ハードウィックが演じ、このバージョンでは原作を簡略化すると同時に彼とオリバーの血縁関係もなくしており、血のつながりがなくとも注がれる愛情の方が得難いと考えたのかもしれず、原作の強い偶然性を排したことにもなりますが、一番の悪党モンクスの出番もなくなりミステリー的な面白さは減りました。 ドラマとしては物足りないものの、ディケンズが意図したように19世紀前半の英国の救貧制度を背景にした下層階級の世界を描いたことにはなり、ポランスキーが「テス」「戦場のピアニスト」同様に過酷な運命に翻弄されるキャラクターに抱いているシンパシーも感じ、それは彼の苦難に彩られた少年時代や青年期と無関係ではないように思えます。
[DVD(字幕)] 7点(2012-04-06 06:40:01)
254.  ツーリスト 《ネタバレ》 
昔風のロマンティック・サスペンスに感じるのは、「善き人のためのソナタ」の監督だから?(ドイツ映画は好きなのですが、他の先進国より洗練されてない気はするので) アンジーはコリーン・アトウッドによる衣装を着こなしてゴージャスだったけど、アイラインとマスカラがちょっと強烈★ ジョニーは少し中年っぽくなってきましたね!(ビリ・クリかと思った…) オチがわかんなかったのは一瞬姿を見せたピアースがルーファス・シーウェルだったので、てっきりそうかと。(期待したのに~) 主任警部がダルトンさんなのは諜報部員モノだからでしょ、「ホット・ファズ」よりイイ役でよかった♪ アメリカよりイギリスで評価が高いのは、英国俳優が2人出演してるのもありそう。 悪玉は「ランボー2」のバーコフでしたが役が陳腐だったようで、ベタニーもコメディタッチにあってないみたい。 されどヴェネチアが見られ、今の時代にこのオットリした雰囲気は貴重かもです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-04-04 06:49:59)
255.  トロン
82年はアナログSFXの有終の美を飾る「ブレードランナー」と、CGによるVFXの先駆けとなる「トロン」が共に誕生した年。 「トロン」はBRほどの直接の影響力はなかったけれど、あまりに個性的だったからでもあると思う。 5人の主要キャラクターが擬人化プログラムとなるのはファンタジックで、初期のCG(とアニメ)で描かれた世界は今見てもレトロな魅力に溢れる。 ユニークなデザイン、ソーラー船の優美な美しさ。 ウェンディ・カルロスの音楽もこの世界にマッチしていてクール。 フリン(クルー)、アラン(トロン)、ローラ(ヨーリ)の三角関係はグリッドの中でも続き、その結果は「レガシー」で明らかに。
[映画館(字幕)] 8点(2012-04-01 18:50:26)
256.  エイリアン2 《ネタバレ》 
「超A級ホラーを超B級バイオレンス・アクションに!」 ジェームズ・キャメロンの「ターミネーター」の次の監督作だが、脚本を書いた「ランボー2」の影響が感じられる戦争物になり、ラスト30分の怒涛の展開はサービス精神旺盛で、「1」では女ヒーローと呼ばれたシガーニー・ウィーバーも女ランボー的。 会社が実体を現したことで得体のしれない恐怖は半減したが、57年の漂流で人生を失ったリプリーが因縁の星アチェロンで力強く変貌する様を見せ、「1」とは違う魅力を出した。 宇宙海兵隊(マリーン)の多彩なキャラクターや、リプリーと孤児ニュート、人造人間ビショップ、ヒックスらとの関係、女戦士バスケスとゴーマン中尉の逸話など充実しており、バークのような会社側の人間も配置されて隙のない構成。 それは認めつつも軍隊式にスマート・ガンなどの重火器を大量に投入しての派手な銃撃は節操なく思え、ギーガーは直接関わらずヘッドカバーのない頭部が剥き出しになったエイリアンが昆虫のように群がるのも神秘性が減じた。 スタン・ウィンストンがデザインしたエイリアン・クイーンとリプリーが装着するパワー・ローダーとのマザー対決(ミニチュアも使用、「ランボー2」のヘリ戦を思わせる)などハイライトが多く、32才のキャメロンとゲイル・アン・ハードが心血を注いで作ったSFアクションの傑作。 常に「1」と比較され優劣が争われるが(ここの平均点も拮抗、IMDbでも同点)、タイプが違うので、どちらを上位に挙げるかは本人の嗜好が反映された結果に過ぎないと思う。 シリーズの半分を外国人が監督する中で、よくもわるくも一番アメリカンな「エイリアンズ」。
[映画館(字幕)] 8点(2012-03-31 15:30:08)(良:1票)
257.  英国王のスピーチ
能力があれば誰でも王になれるわけではなく、またなりたくもないのに王にさせられる人もいる。 エリザベス女王の父ジョージ6世は「悲運の代理王」のイメージだったけれども、それを大きく覆す作品。 自分に不相応と思える場を与えられた人誰もが感じるであろう戸惑いと陰の努力を描いて衒いなく、洒脱なユーモアをまぶして踏み外さない。 インディーズでそれほど豪勢に金がかけられていないのも「しょせん王族の話」との冷ややかな見方もされにくいだろう。 父ジョージ5世がいみじくものたまうように王室という場所で仕事をする人の話。 コリン・ファースはどちらかといえば寡黙な役が多かったように思え、それゆえバーティが必死に言葉をつぎしゃべろうとする姿は新鮮に映り、最後のスピーチは感動的で新たな代表作に。 ともすれば自虐に陥りやすい王を友人として理解し導くライオネル(彼も舞台俳優として挫折を味わっている)のジェフリー・ラッシュは見せびらかすことなく巧み、始めは王が平民の自分に歩み寄ることを求め、最後には自ら一歩退くライオネルには引き際を知る人の清しさがある。 クレジットではファースとラッシュの名が横に並び、この二人三脚の映画にふさわしい。 芸暦長いヘレナ・ボナム=カーターは近年のバートン作品とは違う顔を見せ、愛情深く聡明な王妃。 王と療法士が親しく呼び合うのを内心快く思わぬ彼女が最後にライオネルを名前で呼ぶのは、深い感謝の表れ。 「高慢と偏見」でファースの相手役をつとめたジェニファー・イーリーが、ライオネルの妻として姿を見せるのも嬉しい。 映画の中で幼い王女として登場するエリザベス女王も鑑賞され、愛する父がこのように描かれたことに懐かしさと共に誇らしく思されたのではないかと思う。
[映画館(字幕)] 8点(2012-03-30 07:35:30)(良:2票)
258.  スター・ウォーズ
ジョージ・ルーカスが自分の名を与えたルーク・スカイウォーカーの物語は、長大なストーリーを三つに分けその最初の部分をまず映画化したわけですが、これだけで完結してもおかしくない完成度。 資金や技術で苦労していながらそれを感じさせず、またサーガのバックグラウンドを匂わせても表面化しておらず、活劇と世界観が楽しめるスペース・ファンタジー。 ジョン・ウィリアムズのクラシックで雄大なスコアがその世界に心地よく響く。 理想主義のルークと現実的なハン・ソロは対照的で、ジョディ・フォスターもオーディションを受けたレイア役に抜擢されたキャリー・フィッシャーは気丈なプリンセスがはまり、表彰式でのローブ姿は美しい。 無名のトリオをデヴィッド・リーン作品常連の名優アレック・ギネスが支え、ベン・ケノービが使う光剣(ライトセイバー)はアーサー王伝説の騎士を意識しての洗練された武器で、フォースの概念も独特なもの。 黒衣の悪役ダース・ベイダーの威圧感をユーモラスなR2-D2とC-3POのコンビが和らげ、白を基調とした衣装はシンプルで砂漠の惑星タトゥイーンの風景も異世界らしい。 この映画のためにルーカスが作ったILMにはデニス・ミューレンら優秀な人材がそろい、冒頭のスター・デストロイヤーの威容など斬新な映像を生み出してその後の特殊(視覚)効果への道を拓くことに。 20年後の「特別篇」では修正・追加も多く、モス・アイズリー宇宙港での場面は力を入れて手直しされていましたが、そういったリタッチがなくても十分素晴らしかったと思います。
[映画館(字幕)] 8点(2012-03-27 09:55:50)(良:2票)
259.  ダイ・ハード4.0 《ネタバレ》 
21世紀の「ダイ・ハード」は、「アンダーワールド」のレン・ワイズマンの映像が垢抜けしていて渋いカラーに彩られ、デジタル時代を生きるアナログ刑事の「誰もヒーローになる奴がいないから仕方なくオレが」と諦念含みの使命感にマクレーン刑事の気概がにじむ。 「相棒+敵の女」という構成は「3」と同じながらフレッシュなキャストを起用、「ギャラクシー・クエスト」のトレッキー少年(ジャスティン・ロング)がこんな大役をやると予想しない意外性。 悪役ティモシー・オリファントは米仏合作の「ヒットマン」と同時期、スキンヘッドで寡黙なあちらの方がインパクトはあったものの新鮮ではあり、アジアン美女マギー・Qがスリムな体でアクション、可愛い顔して根性は父親譲りの娘ルーシーもストーリーの一翼をになう。 垂直離着陸できるF-35のシーンはヒコーキ好きには楽しく、それら視覚効果と共にスタントシーンが秀逸で(マクレーンがスキンヘッドになったことでスタントとの連携もスムーズ)、目を見張る一瞬に命をはる。 ファレルの友人でPCマニアのフレディの「司令部」の一角に旧式の無線機が置いてあり、持ち主の言うように「世界の終末がきても使える」それは、ハイテク世界を舞台としながらその脆弱性とローテクの堅牢・信頼性をうたい、マクレーンの隠喩でもあるのだろう。 家族を失い孤独であったマクレーンが娘との絆をとりもどし、ファレルの父とも見紛われるのは、現代の若者の父親世代になったマクレーンの位置づけと「頼れる父親像」復権の願いもこめてであろうか。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-03-23 21:00:55)
260.  グッバイ、レーニン! 《ネタバレ》 
寝たきりの母親の寝室の中だけに再現された東ドイツを、何とか保ち続けようとする息子の涙ぐましき奔走の日々。 アレックスの大嘘大作戦は「ライフ・イズ・ビューティフル」のグイドのように外の世界から大事な人を守るためだったのだけど、彼の作りあげた嘘の国が彼にとっても理想の国家に変貌していくのが不思議。 向こうみずで孝行息子すぎる彼のそばに現実的な姉アリアーネを置くことでバランスをとり、西側の同僚デニスは映像オタクを生かしてサポート、彼が「作品」の反応を知りたがるのがリアル。 恋人ララのおせっかいも結果的にはよかった? 母クリスティアーネの息子への眼差しを見たらそう思える。 外にさまよい出た母親の眼前をアレが横切る場面は圧巻で、まるで「同志」に別れを告げているよう。(CGとは知らず) 西独製品の作り変えや偽ニュース番組製作などの手作り感が、必死になって知恵をしぼれば何でもできてしまうのを見せてくれる。 40年の東西分断を経験したドイツならではの映画でドイツ近代史のお勉強にもなり、イェーン飛行士やお父さん、校長先生のエピソードとあれもこれもとつめこんで洗練された映画とはいえないかもしれないけれど、陰鬱にせずユーモアをからめた軽快なフットワークが好ましい。 戦後愛する母親と西と東に分けられた作家エーリッヒ・ケストナーが生きていたら、彼の本の少年たちのように母親思いのアレックスに、惜しみない拍手を送ったかもしれない。
[DVD(字幕)] 9点(2012-03-21 19:27:31)(良:1票)
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