241. 帰郷(2004)
《ネタバレ》 これは、じんわりと心に来る小品ですね。世の中や人の心をわかっているように見えて、実はそれほどわかっておらず、まだまだガキの部分が残っている30代の姿を、西島秀俊が上手く演じています。片岡礼子の振り回す女っぷりも良かったですね。 ストーリーのところどころに隠された「肩すかし」が非常に心地良くて、心がほっこりと暖められました。 舞台が自分にとって馴染みのある地域(おどやが出てきたときはびっくりしましたw)だったので、知ってる場所を探すのも楽しかったです。 [DVD(邦画)] 8点(2009-07-27 10:19:07) |
242. 全身と小指
《ネタバレ》 池内博之と福田明子の頑張りは評価できますが、その他の部分がどうも駄目でしたね・・・・。何というか、妙に芝居がかった幻想的な雰囲気を作り出そうとするような「狙ってる感」が露骨に浮き出ていたのが、私には全く合いませんでした。 ただ、この【堀江慶】という監督は、今後日本映画史に残るような凄い作品を撮る素養はあると感じました。 [DVD(邦画)] 3点(2009-07-17 09:27:52) |
243. 題名のない子守唄
《ネタバレ》 何というか過酷で重苦しいテーマを、謎めいた雰囲気で緊張感たっぷりに描いていて最初から最後まで気が抜けませんでしたね。まあ、面白かったんですけど、ちょっと腑に落ちない部分もありましたね。主人公の思い込みに巻き込まれた人たちが可哀そうで・・・・・。 [DVD(吹替)] 7点(2009-07-11 23:02:47) |
244. 闇の子供たち
《ネタバレ》 はっきり言って観てて気分が悪くなりました。どこまでが真実でどこまでがフィクションなのか良くわからない面もあります。重いテーマでありながら、どうもテレビドラマ的な演技の軽さに違和感を感じました。 ただ、それでもこの映画は一人でも多くの人に見てもらいたいです。この世界では、貧しさにつけこんだ悪党どもが卑劣な商売を行っている事実があることを知ってもらいたいし、そしてそれがいかに目を背けたくなるような醜い所業であるかを目に焼き付けてもらいたいですね。 [DVD(邦画)] 7点(2009-07-05 21:51:47)(良:1票) |
245. 17歳の風景 少年は何を見たのか
《ネタバレ》 正直言って、そんなに面白くはなかったです。 永山則夫の見た風景をひたすら映し出していった「略称・連続射殺魔」の21世紀バージョンといった印象を受けました。永山にしてもこの作品の主人公にしても、その時代に対する不安や怒りが犯罪に結びついていったわけですが、永山の場合劣悪な家庭環境に育ち「無知」であったことが大きな要因であったのに対し、この主人公は逆に自分の未来図が大方見えてしまっていることが引き金になったであろうことが非常に興味深かったですし、今という時代の閉塞感を感じてしまいます。 [DVD(邦画)] 5点(2009-07-05 00:29:12) |
246. ぐるりのこと。
《ネタバレ》 橋口監督の繊細な人物描写は見事ですね(これまでの作品はテーマ的に敬遠していましたけど、今後の作品は見ていきたいと思いました)。木村多江とリリー・フランキーのキャスティングも見事にはまってました(理想的な夫婦関係ですよね・・・)。それと、90年代の不気味で世紀末な世相をうまく取り入れてたのも良かったです。 見終わった後、確実に心がやさしくなっている・・・そんな作品でした。 [DVD(邦画)] 8点(2009-07-03 18:31:28) |
247. 僕らのミライへ逆回転
《ネタバレ》 本当に映画って素晴らしいと思わせてくれる映画愛に満ち溢れた人情喜劇でした。映画好きならちょっと懐かしさを感じてしまう映画のパロディ(リメイク?)の数々に惹かれてしまうことは間違いないでしょう。 何というか、この作品とウディ・アレンの「カイロの紫のバラ」は映画ファンとしては心の中に大切にしまっておきたいです。双方に出てますけど、ミア・ファローの魅力は年を重ねても代わる事は無いですね。 [DVD(字幕)] 7点(2009-06-17 19:11:14) |
248. Mr.ディーズ
《ネタバレ》 「オペラハット」のリメイクとしては全然駄目ですが、「オペラハット」の設定を使ったアダム・サンドラーのコメディ映画として見ればまあまあ楽しめる作品でした。 [地上波(吹替)] 6点(2009-06-16 19:31:59) |
249. OSS 117 私を愛したカフェオーレ
《ネタバレ》 ジャン・デュジャルダンのアホ丸出しの笑顔が非常に印象的なスパイコメディでした。正直、スパイ映画が好きでないと退屈かもしれないですね。まあ、くだらなさを楽しむ類の映画ですので、東京国際映画祭グランプリ受賞(笑)のことは頭から消して観たほうが良いでしょう。 消さずに観ると、何か腹立たしくなってくるので・・・・。 [DVD(吹替)] 5点(2009-06-13 19:04:12) |
250. まなざしの長さをはかって
《ネタバレ》 何というか、恋愛・移民問題・サスペンス等いろいろな要素が詰まっている割には、非常にあっさりした作りになっていて観易いんですけど後に残る物は少なかったですね。ちょっと散漫な印象を受けました。 ただ、のどかなイタリアの田舎町の生活風景なんかは見ていて面白かったです。 [DVD(字幕)] 6点(2009-06-11 18:40:11) |
251. エターナル・サンシャイン
《ネタバレ》 見終わった後、人間関係のあり方や人生について考えさせられる映画でしたね。 どんなに捨てたい思い出であっても、今の自分を形作っている必要不可欠な要素の一つなんですよね(たとえ捨てることが出来たとしてもその部分を補う要素は無いのですから、欠落したまま人生を生きていかなければならない)。 それと、人間関係に於いて他人はどこまで行っても他人でしかない事を受け入れること、そして「水に流す」ことの大切さを改めて教えられた気がします。 人間の記憶という、時間も状況も自由自在に描く事ができる設定を上手く生かした演出も良かったと思います。ただ、もう少しシンプルに出来たかも・・・・・ [DVD(吹替)] 7点(2009-06-10 19:07:20) |
252. ペッピーノの百歩
《ネタバレ》 地域社会に深く根付いてしまっているマフィア組織に立ち向かっていくことでさえ非常に勇気がいるものなのに、そのマフィアの身内のような家庭に育ちながらもその存在に疑問を持ち反マフィア運動へ足を踏み入れたペッピーノの正義感には感服しました。そして、みんな誰かが声を上げることを待っているなかで、その「誰か」になろうとする意思の強さは見習いたいものです。(まあ、世話になった義理は大事にしなければならないとは思いますけれども)。 一方で、「殉教者」が出てはじめて人々が動き出すシーンからは、マフィア問題の根深さが見て取れましたね。 [DVD(字幕)] 8点(2009-06-07 22:03:19) |
253. TOKYO!
《ネタバレ》 まあ、東京というのは世界から見て良くも悪くも個性が無くて逆に不思議な都市なんだろうなというのが見てとれましたね。そのためか、3作品とも非常にシュールな作品に仕上がっています(まあ、そういう狙いで監督を選考したんでしょうけど)。 1本目は、日本の低予算自主制作映画みたいなノリに違和感を感じましたけど、終盤のシュールな展開はなかなか面白かったですね。この監督の作品は見たことないんですけど、ちょっとDVDを借りてみようと思いました。 2本目のカラックスの作品ですが、まあタイトル通りの内容で、なかなか挑発的でパンクな作品でしたね。しかし、いきなり五反田の街が映し出されてすごい看板のビルが出てきて笑ってしまいました(怪人は五反田から銀座までどうやって移動したんですかね?)。ただ、3作品の中で一番東京らしい風景を映し出している作品ではありました。 3本目については、「蒼井優の目力」これに尽きます。 すごい傑作というわけでは無いですが、まあそれなりに楽しめる作品でした。 [DVD(字幕)] 7点(2009-06-06 18:13:35) |
254. ママ男
《ネタバレ》 全てにおいて「微妙」な映画。でも、それが妙に心地良いんですよね。 出てくる人物がみんな「微妙」ですし、設定やストーリー展開も「微妙」ですし、使われている音楽もジャムにモリッシーと個人的には大好きですけどなんとも「微妙」ですし、オチも「微妙」と本当に「微妙」だらけです。でも、本当に楽しい時間を過ごす事が出来ました。そんな映画です。 [DVD(字幕)] 7点(2009-06-04 08:58:14)(笑:1票) |
255. BOY A
《ネタバレ》 非常に難しい問題を描いた作品ですね。日本でも未成年者の凶悪犯罪の取り扱いは大きな問題になっているので興味深く観ることができました。 観終わった後、いろいろ考えましたが未だに結論は出せずにいます。この映画だけを見れば、主人公に赦しを与え新しい人生を送れるよう周囲も協力すべきだとは思います。ただし、もう被害者は戻ってくる事は無く、その関係者そして社会に与えたダメージの大きさを考えれば、今後同様の事件の発生を防止するためにも、見せしめとして犯した罪を生涯背負わせていくことも必要なことなのかもしれないとも思います。本当に難しい・・・・・。中々「罪を憎んでその人を憎まず」なんて言えないものですね。 [DVD(字幕)] 8点(2009-05-27 17:10:38) |
256. アバウト・ア・“サッカー”・ボーイ
《ネタバレ》 これは、フットボールフリークであれば共感できるけれども、それ以外の人たちには到底理解されることの無いおとぎ話のような映画ですね。まあ、はっきり言って主人公の行動は最低ですからw 現実にこんなことしたら裁判沙汰になってしまいます。 試合自体の映像は全く出てきませんが、欧州選手権の熱い雰囲気は凄く伝わって来ました。フットボール文化の魅力に取り付かれている方には是非お勧めしたい作品です(それ以外の方にはちょっと・・・・・)。 [DVD(字幕)] 7点(2009-05-26 18:58:15) |
257. 風の痛み
《ネタバレ》 非常に詩的で美しい雰囲気に包まれてはいますが、内容は中上健次の「路地」の物語を東欧移民社会に置き換えたようなドロドロとしたものになっています。 主人公は、厭世的でストーカー気質で鬱屈した感情を溜め込んでいるちょっと近寄りがたい人間ですし、展開も正直心底ハッピーなものでは無いのですが、映像の美しさとストーリーの面白さに不思議と惹かれる映画でした。 [DVD(字幕)] 7点(2009-05-25 19:43:51) |
258. 戦場でワルツを
《ネタバレ》 非常に衝撃的な作品でした。アニメーションが内容のショッキングな部分をやわらげてくれはするものの、現実に登場人物たちが体験したことであるという事実にはやはり恐怖を感じてしまいました。 当事者の目から戦争というものの姿をありのままに描いたこの作品は本当に多くの人に見てもらいたいですね。 音楽(OMD「Enola Gay」やPIL「This Is Not a Love Song 」そしてバッハ等)の使い方もよかったです。 [映画館(字幕)] 9点(2009-05-24 00:36:14) |
259. My Son あふれる想い
《ネタバレ》 まったく作品や監督についての予備知識無しで観たので、感想は「うわ、やられた!この設定・テーマでこうくるとは・・・・」でしたね。まあ、詳細の記載はしませんが、とりあえず予備知識無しで素直な気持ちで見てください! たぶん賛否両論あるとは思いますが、個人的には非常に清々しい気持ちにさせてくれる良い映画だと思いました。 [映画館(字幕)] 8点(2009-05-18 20:32:58) |
260. シークレット・サンシャイン
《ネタバレ》 人間というものは不完全な生き物であり、神の恵みを受けることはできても神そのものになることはできない・・・・・。そんなことを考えさせる「神の不条理」を描いた作品でした。 チョン・ドヨンの迫真の演技が光ります。正直、観ていてひいてしまう程なのですが、それをソン・ガンホをはじめとする密陽の人たちのユーモアが中和してくれて非常にバランスの良い構成になっています。 しかし、このイ・チャンドンという監督は本当に凄いです。 [DVD(吹替)] 8点(2009-05-18 20:30:06) |