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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2517
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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261.  ベイビー・ドライバー 《ネタバレ》 
 映画を見終わって、ヒロインは絶対にリリー・ジェームズじゃなきゃダメな映画だったんだなぁ、と思いました。だってBABYが夢想して最後には実現するあの映像、アレは「かぼちゃの馬車に乗ったシンデレラが迎えにくる」姿なワケで、だからシンデレラ女優な彼女以外に一体誰があの役を演じられるの?って。  この映画は(主にダメな)男が夢見る世界がたっぷり詰まったおとぎ話。(主にダメな)男の妄想をそのまま映画にしてみました、みたいな。   スバルWRXを自在に操る冒頭、幾らなんでも(都合の良さも含めて)ありゃ無理だ、ってレベルのドライブテクニック、でも妄想の世界ですからアリなんです。  BABYの過去も寡黙さも仕事っぷりも現在も恋も襲いかかる危機も未来も、全部妄想ゆえにキレイに整ってリズムを刻みます。映像も効果音もピッタリと音楽とシンクロしてカーアクションもガンアクションもミュージカルとなってピタッとキマってゆきます。ひたすらキモチイイで作られた映画。あ、ちなみに(主にダメな)妄想家にとって(たとえ妄想であっても)(リアルでは非力な)自分がマッチョってのはあり得ないですね。マッチョは駆逐すべき敵ですね。リア充も敵ですね。無神経なヤツも自信家も敵ですね。  一見、『ドライヴ』みたいな犯罪映画なワケですが、あくまで人として真っ当なところに落としどころを持ってゆくあたりまでキッチリ、教訓もタップリなおとぎ話。「いつかお姫様が」な映画なのでした。   邦題は『シン・デボラ』の方が良かったかも(それはない)。   ちなみに最近のシンデレラ女優はもう一人、アナ・ケンドリックがおりますが、彼女がヒロインだと絶対お姉さんと弟みたいに見えちゃいますね。
[映画館(字幕)] 8点(2017-08-24 16:47:09)
262.  君の膵臓をたべたい(2017) 《ネタバレ》 
 この映画、当然のように学校のシーンが多いのですが、劇中一度もチャイムが鳴らないのですね。これまでレビューで「青春映画の記号としてのチャイム」の批判を何度か書いてますが、そういう記号的表現を抑え込んでいて、時代や世代を表わすアイテムをやたら画面内に並べるような余計な雑味を排除して、ヒロインを輝かせるように光を操って、とても丁寧に作られています(ちょっと三木孝浩監督作っぽいかな)。   物語は『セカチュー』フォーマットの、よくある話に見えます。一見、恋愛に到達しない、恋愛未満の二人の物語のように思えます。でも、実は男女の性差を超越して、お互いをリスペクトし、遂にはそれぞれが相手と同化したいと願う(それがタイトルにかかっているように)、繊細なコミュニケーションを通して相互に人として高められ、1つの存在へと近づいてゆく姿を描いた、ちょっと哲学的なお話じゃないかな、と思います。だから、彼女に訪れる最期も、一応伏線はあったけれど、それってどうなの?と最初は思ったものの、考えてみれば、委員長の存在と同様に、相互ではなく理解の無い一方的な意思によって壊れてしまう事の理不尽さ、虚しさを描いているのかな、と。   既に二度見ておりますが、一度目は悲劇的であろう到達点は提示されているものの、ほわほわとした、微笑ましい関係に心和む映画でした。でも、物語を理解した上で見る二度目は最初から切なく、でもその儚さに酔えて。  主役2人がとても良いです。陽の浜辺美波と陰の北村匠海がそれぞれの役割を的確に繊細に演じていて。それに大友花恋の不機嫌っぷりも魅力的で。それに比べると大人サイドの人達はあんまりパッとしないのですが、小栗旬のオーラの消しっぷりは凄い技なのかも。   主役2人が大切な話をする、それから僕と恭子が桜良について話をする学校の屋上は、『映画 けいおん!』で卒業式の朝、唯、りっちゃん、澪、ムギちゃんが駆ける屋上と同じ場所で(設定上はもちろん違う学校ですが、そして一方はアニメの絵な訳ですが)、かつて聖地巡礼した経験も手伝って(屋上には出られませんでしたが)、更に感動追加状態でした。
[映画館(邦画)] 8点(2017-08-06 19:44:05)(良:2票)
263.  カーズ クロスロード 《ネタバレ》 
 マックイーンは最後に何故トレードマークの赤い色を捨てたのでしょうか?  若くて未来ある、だけども性格の悪いストームのボディは青い部分もある、けれど黒いです。まだ若いけれど挫折して夢を諦めた状態のクルーズのボディは黄色いです。もう若くはなく、レーサーとしての寿命を認識せざるを得ないマックイーンの色は赤いです。つまり、今回の作品に関してはそのボディカラーが信号の色を示してたりしない?って。1作目の段階で赤いマックイーンですから、今作に対してしか通用しない考え方ですが。  もう少し細かく見ると、クルーズは黄色一色が、途中で黄色に黒のペイント、次に黄色にオレンジ~赤のペイントとなり、そして最後には黄色にブルーのロゴ。マックイーンは赤いボディに黄色のロゴが、一度は剥がされ剥き出しの素の色になり、元に戻ってハデになって泥を被って元に戻って、最後はブルーのボディにブルーのロゴ。その塗装の変化が立場や心情、意識の変化を示しているようにも思えます。ブルーは未来を予感させる色、黄色は惑いの色、そして赤は限界を感じる色、そんな感じなのかな?みたいな。   そんな今作はある程度歳を重ねた人、挫折を経験した人、人生に迷った人に染みるようなお話で、だから日本でのシリアスな大人向けっぽいCMも、あながち間違いでもないのかな、と。これまでの『カーズ』はあまり好きになれなかったのですが(マックイーンもメーターもウザくて)、今回はシンパシーを感じる部分が多く楽しめました。ああいうシンプルなデザインのキャラがドラマを演じる事の無理がある感は1作目同様にあったと思います。もっとテンポアップした方がいいんじゃないかって。でも、情感溢れるシーンはキャラとのバランスに違和感を抱きつつも味わいを感じて。  ピクサーの子供向け枠の限界にぶち当たってる状態はここに極まれり、って感じではありますが。   あと、松岡茉優は蒼井優に匹敵する声優殺しでした。
[映画館(吹替)] 8点(2017-07-25 22:05:35)
264.  銀魂 《ネタバレ》 
 映画として評価するとちょっと(かなり)シンドい感じなんですが、っていうか酷いんですが、でも、映画である事、映画の文法がどうこうって、そういう見方はこの作品にはさして意味がないような状態で。「酷い」ってのはこの映画にとっては褒め言葉みたいなものですからねぇ。   元々少年マンガって遥か遠い昔に読まなくなっているので原作未読ってヤツですが、アニメの方は映画館で『完結篇』を見てからテレビシリーズをキッズステーションでそれなりに見てます。で、今回の映画はただのコスプレ映画になってるかと思ったらしっかり『銀魂』だよ!って感じで。  福田雄一監督の良くも悪くもなノリ、アレがそのまんまで、だけどそれが『銀魂』には無問題って状態。福田組の佐藤二朗、ムロツヨシ、安田顕が悪目立ちしてるんだろうなぁ、と思ってたらその通りで、でもこの作品にはアリだし、これだけ脇までキャラ立てまくったら(真選組なんかめちゃくちゃ濃いし)銀さんカスみまくりだろ!って感じだけど、元々そういう立ち位置だし。  千年に一人の美少女ネタを持ってきた上に、その美少女になんて事させるの、って状態だったり、著作権的にグレーっていうか殆どアウトなネタが満載だったり、実写化の弊害をメタ化したり、なんかアニメ版よりもよっぽどフリーダムな事してるっていうか、ワーナー大丈夫か?っていうか。古いオタクが歓喜するようなネタ満載で「役者目当ての若い人ついて来てるか~?」みたいなシロモノですが、まあ、いいんじゃないでしょうか。   ただ、シリアスなシーンはテンポ悪くなっちゃって、特に紅桜戦から高杉戦へと至るクライマックスは山場が分散してダラダラしちゃった感がありました。福田監督の「クドさ」の難点がここで出ちゃったか、って。単騎状態の新八とか神楽VSまた子とかのクドさは良かったんですけどねぇ。   でも全体的にはとても酷かったので良かったです。はい。
[映画館(邦画)] 8点(2017-07-16 19:25:12)(笑:1票)
265.  マンチェスター・バイ・ザ・シー 《ネタバレ》 
 映画が始まった時点で主人公は既に終わってるんですよね。もうロクでもない状態でしかなくて。この映画が描くのは、主人公が何故終わってしまったのか、であって、これは救済の物語でも再生の物語でもありません。   短い映像とバラバラな時間軸がモザイク状に散りばめてあって、徐々に主人公の世界が明確になってゆく、そのドラマは辛く、切なく、そして、でも、決して彼が癒されたり救済されたりが許されたりする訳でもない事もまたハッキリとしてゆきます。失われた者に対するその責任はあまりに重く、生易しい赦しなど存在しようがないのですから。  彼は兄の遺志によって甥との関係を通して人間性を取り戻しそうにも見えますし、元妻の言葉によって救済されたようにも見えます。ですが映画の最後に至っても結局は映画の冒頭と同じように酒場で他人に殴りかかるような生き方しかできない、彼がもう終わっている事がハッキリしただけのこと。何処にも彼の居場所なんて、ありはしません。彼の辛い思い出の地であるマンチェスターは、そしてその地の人は、その気候と同様に彼に冷たい存在でしかありません。   エンドロールの美しい風景の、だけど主人公を拒む限りない淋しさが染みる映画でした。
[映画館(字幕)] 8点(2017-06-27 19:55:15)
266.  20センチュリー・ウーマン 《ネタバレ》 
 1人の少年と世代の違う3人の女性と1人のおっさんが、コミュニケーションを通してアタマと肉体とのバランスを学び、折り合いを付けて生きてゆく物語。そこには沢山の対話があって、皮膚感覚があって、生の摩擦や対立があって、和解や妥協や不一致があって、生の痛みや苦しみがあって。   ユーモラスに描かれた、ここに生きている人々の、不器用ながらも自分の生をカタチにしてゆこうとする姿は魅力的で愛おしさすら覚えます。アビーが自分の身の周りの物を写真に収めてゆく姿はインスタグラムやツイッターのメディアツイートなどに通じ、自分という個を掴もうとし、他者にアピールする事で存在確認をしようとする感覚自体はカタチを変えながらも昔も今も変わらない事を示していますね。   この映画、まるでネット無き時代の人々の生き様を、ネットによってコミュニケーションのカタチがすっかり変わってしまった世界から見つめ、人のあるべき形を想うようで。単なるノスタルジーではなく、今のアタマばかりが肥大化した、極端に偏った知識や思想を持った人を憂えているようで。  最近ツイッターで女性の生理についての極端に無知なツイートが話題になり、それがこの映画の中のエピソードにピッタリと符号していて、とてもタイムリーだなぁ、と。ネットは全てなんでも判るようでありながら、知らない事はとことん知らないで済んでしまう世界な訳で。でも本当はリアルでのコミュニケーションから微妙なニュアンスと共に知る事もいっぱいある訳で。   複数の人間のモノローグがあって、死者のモノローグもあるけれど、それは創作上の禁則とはちょっと違って、時間を超越している状態で、登場人物達が自らを客観視、俯瞰してゆく構造が面白く、映像も色々な仕掛けを施して印象的。自動車が登場すると物語が動く(冒頭からして炎上する自動車で)、みたいな仕組みもあって、散りばめられた様々な要素で楽しめ、考えさせられ、感じる映画でした。
[映画館(字幕)] 8点(2017-06-11 22:30:18)
267.  LOGAN ローガン 《ネタバレ》 
 一体世界はどうなっちゃったの? これまでのX-MENの戦いの意味はなんだったの?っていうのはあるんですけど、でもメタものによくあるような、逆にふざけた感じになっちゃう血と暴力ではなくて、真正面から堂々と血と暴力によって英雄とは何かを描いた作品でした。   暴力の世界に足を踏み入れ、血で手を汚した人間がそこから逃れる事はできない、ならばどう生き、どう死ぬのか。その葛藤、足掻きがローガンもしくはウルヴァリンという孤独なキャラクターを通して描かれます。  主人公が特殊な能力を持ったアメコミキャラである事を除けば実は定番な物語ではあるのですが、自分の過去を象徴する少女ローラ(人間性を獲得する以前の存在)と、自分の化け物としての姿を象徴するX-24(人間性を獲得しなかった結果としての存在)によって、深い物語になっていると思います。自分の影としてのX-24が優しき人々もチャールズも殺してゆく、ならばローラが光となるべく希望を託す、そのために残されたわずかな生命を燃やして英雄となるローガン。地球の危機とか、悪の支配とかではなくて、一人の男の生きざまだけに収束してゆく物語。ヒュー・ジャックマンのウルヴァリンの集大成。   ただ、そんなローガンが命を賭してローラ達に与えられた希望が、不服従のための逃避であったのは今この時代の要求だと考えると心は重く。もちろんトランプ政権が成立する以前に製作されていた筈ですが、映画のスタートからラストシーンまで、そこに確かな未来への希望を見出すのが困難なのは、やはり暗い気持ちにならざるを得ないのでした。
[映画館(字幕)] 8点(2017-06-06 21:00:20)(良:1票)
268.  美しい星 《ネタバレ》 
 この監督のクセで、今回もやや説明的な感が無きにしもあらず、ですが、ヘンであるがゆえの「これは一体どういう話なんだ?」っていう興味の持続と、ヘンでありながらも映画としてきっちりとまとまってゆく巧さに満足させて頂きました。   宇宙の中で長い時を刻む地球の、そのいっときの物語、1つの家族の話。『メッセージ』にも繋がるミクロとマクロの世界が、オフビートな笑いとちっとも先の見えて来ないドラマによって紡がれてゆきます。バラバラに撒かれた家族のそれぞれのエピソードが、宇宙人という突飛なモチーフを通して、やがて1つの形を成してゆく、その面白さ。  「美しい地球」に対する固定観念、人間の眼から見ながら人間の存在が排された自然に対する視点、対する人工物の美しさ。その投げかけられるメッセージにハッとして。   最後まで見て、佐々木蔵之介の「まばたきしない男」や、今のこの日本で「牛が自由に歩いてる、入ってはいけない、警察が追いかけてくる場所」などの、なお曖昧に残る虚と実に至るまで、その「考えさせるバランス」が気持ち良い映画でした。
[映画館(邦画)] 8点(2017-06-06 20:37:37)(良:1票)
269.  ムーンライト 《ネタバレ》 
 有色人種に対する差別や貧困など、わざわざ事細かに描く必要は無く。LGBTに対する差別にしたってそう。だってこれは本当は普通の恋愛映画なのですから。それが普通ではないと見なされる、普通として捉えられない限り、この世界は不幸なのです。   終始受動的な主人公の秘めた思慕、本来大切なのはそこだけ。
[映画館(字幕)] 8点(2017-04-12 22:43:54)(良:2票)
270.  夜は短し歩けよ乙女 《ネタバレ》 
 心地良く気持ちのいい混沌、といった風情で。「クレヨンしんちゃん」で独特な作画世界を見せる「湯浅監督」が「大島ミチル」の音楽と共に描く、「京都」を舞台に「酒」と「本」と「歌劇」をめぐる一夜にして一年の「不思議の国のアリス」みたいな物語(私の「好き」がいっぱいだ)は支離滅裂。でも、エピソードはバラバラで不条理ながらも全く物語的な流れが無い訳ではなくて、終わってみればキャラ同士、人同士の繋がりが織り成し組み上げた世界が見えてくるという。   黒髪の乙女が巡るワンダーランドは魅力たっぷり。京都は辛うじて京都な感じだけど(鴨川はちゃんと鴨川だけど出町柳駅など名前出てなきゃ判らん)、ポップな和が支配していて、単純化された絵がモダンアートとなって。  『MIND GAME』に通じる湯浅ワールドはデフォルメと歪んだパースの付きまくった絵の気持ち良いアニメートの世界。こんな題材、湯浅ワールドだからこそ成立するような感じで、ヘタな人がやったら目も当てられない大惨事を生み出しそうな気がします。   歌劇のシーンでは、元からあるメロディに無理矢理訳詞をハメ込んだような翻訳モノ歌劇みたいな歌い方が楽しく、多くの声をアテている人々の歌が聴いていて息苦しいけれど(音域が合ってない人多数)、だからこそ黒髪の乙女と紀子さんの歌声が大変に耳に心地良く響きます。つか紀子さんの歌で泣けたし。あと学園祭事務局長の乙女っぷりもそれはそれでステキだしね。   整合性とか論理性とか、そういうアタマをさっさと捨てて身を委ねるのが吉、って感じの映画でした。   ちなみに映画終わって家に帰って早速電氣ブラン(偽でなく)と赤玉飲みました。酔っ払いの家には標準装備。あと、再来週、宝塚大劇場まで雪組の公演を見に行きますが(ちぎちゃんの退団公演だし)、ついでに京都に一泊して夜の京都を観光してきます。
[映画館(邦画)] 8点(2017-04-12 22:20:14)
271.  チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜 《ネタバレ》 
 限定的、条件付き高評価、って感じで。   とにかく欠点だらけです。冒頭からしばし続く「ギャグマンガ的」なバカくさいノリは「あー、コレダメなヤツじゃん・・・」って感じ。登場人物はみんなマンガ的で、悪役的ポジションやガヤ連中はそのままで固定のキャラ。広瀬すずが反感を抱き続けた天海祐希の、その想いは第三者から細かく説明されちゃいますし。アメリカでの決勝会場のハリボテ感は邦画の伝統。決勝のダンスは余計な映像差し挟み過ぎですし、つーかせっかくシネスコ使ってるのに横一列のロケットの全体像をきっちり俯瞰で撮らんでどうする!っていう。決勝途中で脱いだユニフォームは一発で消滅しちゃうし、エピローグは蛇足感たっぷり。   だけどね、天海祐希が踊ってみせる、高々と足を上げてみせる、それだけでうわーってなってしまうヅカオタなので(「頂点に立った者だけが見える世界」ってのもとても説得力を持つ言葉なのですが、でもそりゃ映画の外側の知識によるものでこの映画の力とは別ね)、わりと早々に「見るべきところはある」って。   で、欠点だらけなのだけれども、素材の良さ(元になった話と、役者と)で十分に見られるものになってる、欠点が作品の足を引っ張りきれてない、っていう感じ。とにかく女優陣の表情がいいですし、きちんと動けてます。練習シーンを除いてダンスシーンはラストの決勝までお預けだったりはするのですが、その決勝でのダンスは見事で(だからこそ、その肝心なシーンでボケをかまして笑いを取りに行く教頭だのストーカー少年だのって余計な要素は入れないで欲しかったのですけれど)、若さゆえの身のこなし、動きとか表情とか、そういう溢れるパワーがダメな部分を押し切ってる感じがします。広瀬すず、中条あやみ、山崎紘菜といった女優の本気に救われてる映画なのだなぁ、と。  彼女達の本気っぷりだけで十分に見る価値のある映画です。   蛇足ですが、舞台挨拶で紘菜ねえさんの「ようこそTOHOシネマズへ」を生で聞けたのには感激しましたのう。
[映画館(邦画)] 8点(2017-03-12 21:39:45)
272.  ハルチカ 《ネタバレ》 
 原作はミステリーなようですが、映画にはミステリー要素はほぼ無く「廃部寸前の吹奏楽部をメンバー集めて立て直し、コンクール出場を目指す物語」って事で、まーよくあるタイプのモノになってます。吹奏楽を題材にした邦画だけでも『スウィングガールズ』『ブラブラバンバン』『青空エール』『響け!ユーフォニアム』とある訳ですしねぇ(オーケストラまで幅を広げると更にいっぱい)。   でも、そんなよくある物語も面白い演出で楽しめるものになっています。「期日までに部員9人集めないと廃部」という時間制限モノな前半、人数のカウントを字幕で示して、9人目の達成と共にそのカウントの意外な展開で盛り上げたり、静寂を語るシーンでは実際に無音にして観客にも静寂を求めたり(渋谷のシネコンは客席の半分ほどの入りで、ほぼ若いお嬢様で占められていましたが、場内に響くのは空調の音だけで)。  後半のヒロインが抜けてから19人で演じられる長回しのヒリヒリした感じも、ラストのファンタジーも見応えがあって。  群像劇になると共に、ヒロインの苦悩がよくあり過ぎる以上にヒロインの生気をも奪ってしまうのが残念でしたが。引きの画が多くなって情感に訴えかけますよ、って状態になるのですが、いや、もっとヒロインの顔を見せてよ、っていう。   でもまあ、何より橋本環奈なんですよね。橋本環奈って個性?逸材?を採用した時点で約束された世界があったような、この映画の世界は彼女という唯一の真理によって成立しているようなモンで。いや、他の生徒達も良かったんですけどさ、なんていうか、一人だけ違うステージに存在していて。素早い鉄拳とキックを繰り出す(本来はそういう映画じゃないのですが)彼女の姿に、何かが降臨した瞬間を見たのでした。
[映画館(邦画)] 8点(2017-03-08 20:57:36)
273.  サバイバルファミリー(2017) 《ネタバレ》 
 東京大停電とか東日本大震災の時の物不足とかを経験しているので、この映画に描かれた事がリアリティを持って伝わってきて、これ、私にとってはコメディなんかじゃなくって、パニックホラーの世界でした。映画を見ながら実際にこのような状況に陥ったらどうなっちゃうんだろう?とあれこれ考えて恐怖に震え上がってしまう状態。   映画にはツッコミどころがいっぱいです。乾電池、充電池まで全て無効化してしまうとかいう本来あり得ない事はそういう状況を作るためのファンタジーとして、事態を認識するまでが遅い、自動車がダメなのに飛行機は飛ぶと信じてしまう根拠が判らない、それなりの日数が経過しているのに主人公一家が到達したタイミングで閉鎖になる羽田空港、全く機能していないように見える警察や自衛隊や地方自治(マンション一棟での自治しか機能していないっていうのは幾ら連絡方法が無いとはいえ狭すぎやしませんかねぇ?)、その一方で妙に連帯している田舎(そうやって都会と差別化してイメージ作ってる訳ですが)、これ見よがしに要所要所で登場するゲスト出演者でシラケる(フジテレビらしいと言えますが)等々。   でも、やがてその旅から根源的な「食べるため、生きるために行動する」姿が浮かび上がってきて、それはやっぱり感動的なのでした。後半の農家でのご飯は『この世界の片隅に』以上に泣ける食事シーンでした。   教訓染みた自然回帰志向とか、依存型の文明に対する批判とか、そういう部分を強調し過ぎていて白ける感もありましたし(都市型の一般大衆を意識の低い存在と見てるフシがありますな)、エピローグ部分のダメ押しみたいな展開にゲンナリしたりもしましたが(目覚ましのところあたりで終わらせちゃった方が良かったんじゃ?)、この世界の中で「人間」という生物が「食べる」事の重要さ、大切さを描いた点を高く評価したいと思います。
[映画館(邦画)] 8点(2017-02-14 22:32:40)
274.  ぼくは明日、昨日のきみとデートする 《ネタバレ》 
 その構成が『ヒメアノ~ル』とモロにカブってますが、こちらはひたすら甘く切ない映画。   『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のドクが言った「細かいコトは気にするな」って、私はレビューでよく書くんですが、この映画は「大きなトコからして気にするな」って映画で、基本設定が「なんでそうなってるの? そもそもどこからどうきてるの? 起源はどこ?」ってまあ大変なツッコミワールド。でも、グダグダと説明を重ねて言い訳せず「そういうものだ」と割り切ってくるので、こちらもいつまでもソッチに頭を使わずに済みます。それにとにかく映像が魅力的なのでそちらに心がどんどん動いてゆく、全編アタマよりココロな感じで見られる映画です。   「青春映画を撮らせたらこの人!」な三木孝浩監督お得意の光を駆使しまくった映像(よくもあれほどまでにキレイに自然光を利用できたもので)によってキラキラ輝く小松菜奈の魅力、彼女の存在感だけで映画を引っ張る十分な力を持っています。福士クンはどうも毎度演技が薄いと思っちゃって仕方ないのですが、今回はそれがプラスに作用していた気がします。彼女の心を受け止め、伝えてゆく役ですからね。   題材からタッチから『陽だまりの彼女』の姉妹編のような作品ですが、こちらは更に純化されていて(物語に絡む登場人物の少なさ!)、舞台の京都の風情も手伝って味わい深い一編に仕上がっておりました。京都好きな私から見ると聖地巡礼がしやすい映画(笑)
[映画館(邦画)] 8点(2016-12-18 21:44:19)(良:1票)
275.  スター・トレック/BEYOND 《ネタバレ》 
 『スター・トレック』の魅力はキャラクターにあると思っているので、完全なキャラものと化した今回はかなり楽しく見られました。不時着によってクルーを分断する事によって幾つものコンビを作り、それぞれの道中を通してキャラの魅力を見せる、っていう作りはファンサービスになっていると思います。映画の展開はかなり慌ただしいですが。   ツッコミどころはいっぱいあって、あれだけの戦力(エンタープライズ号を短時間のうちに破壊してしまうような)があれば、別に細菌兵器に頼らなくてもアレだけでヨークタウン制圧できちゃうんじゃね?とか、あんなデカい戦艦を視覚だけで隠しておけないだろ(敵側もその存在を知ってるハズですし)とか、異星人女性キャラ3人のデザインが似過ぎとか、微弱な放射線でも素肌に密着してちゃマズいだろとか・・・   でもノリの良さっていうのか、押しの強さというのか、エンタープライズのクルー達の獅子奮迅っぷりで見せ場を連ねてぐいぐいと映画を推進してゆくパワーが心地良いです。   それからエンタープライズや宇宙ステーションを舐めるようにぐりぐり動くカメラワークを3Dで見るのも気持ち良くて。これまで150本くらい3D映画見てきて、すっかり3D慣れしちゃって効果が薄く感じられるようになってましたが、この映画の立体感は久しぶりに3D見た!って感じがして。エンタープライズをフェティッシュなくらいに撫でまわすが如く撮る、っていうのはロバート・ワイズの映画版第一作目を思い出したりもして。ただ、上下左右がグルグルする系3Dなので、3D酔いしやすい人にはヤバいレベル、つーかエンドロールは3D慣れしてても酔います。   ご贔屓マイケル・ジアッキノの音楽は作品によって好不調の波がハッキリしてる感じですが今回は好調な方でしたし。   でもアントンはやっぱり悲しかったですね。ラストの「亡きクルーに」の次のカットに映るアントン。『ターミネーター4』の舞台挨拶の時に場内グルリと回ってハイタッチしてくれたアントン。もっともっとあの笑顔をスクリーンに刻んで欲しかったです。
[映画館(字幕)] 8点(2016-11-06 21:03:48)
276.  ボーダーライン(2015) 《ネタバレ》 
 狂言回しポジションのヒロインの言動がいちいち甘ちゃん過ぎてイラッとしたのですが、最後まで見るとその感覚こそ恐ろしい事なんだと悟るという。   映画の進行上、ヒロインはクライマックス前にお役御免となって画面から姿を消し、以後デルトロの独擅場となります。その彼の取った行動、その深い深い闇こそが麻薬社会の現実で、そんな現実に立ち向かえるのは決して正常な健全な精神ではないというもう1つの現実。狂気に対抗し得るのは狂気でしかなく、狂気に頼らざるを得ない正義はもはや正義として成り立たない、そこにあるのは闇と闇の戦いでしかないという絶望感。   『コール・オブ・デューティー モダン・ウォーフェア』シリーズを思わせる画面は現在の兵器のテクノロジーを示し、直接死体を映す映像とは別に今の時代のリアルな恐ろしさを寒々しく表現しています。  効果音がそのまま重苦しい映画のBGMになっていて、一方でBGMも終始不安感を煽り、なので一部で効果音をBGMがジャマしてるように感じる箇所があって、BGMをもう少し抑えて欲しかった感もありました。   綺麗事を決して許さない、出口の見えない果てしない闇の重さを心の底に残す映画でした。
[映画館(字幕)] 8点(2016-11-02 22:51:39)
277.  アングリーバード 《ネタバレ》 
 中盤までは結構シンドい感じ。大してカサの無い単純な物語を、キャラのドタバタエピソードで埋めてゆくという状態なのですが、これがあんまり笑えるものではなくて。美術デザインが色々と凝っていて、飛べない鳥達が暮らす世界を見るのは楽しいものの、物語の進行が遅くてちょっとダレ気味。   でもこれが後半、反撃の物語になると途端に激しく弾んだ映画になって。飛翔と落下と破壊、その快感、3Dの効果も手伝って非常にエキサイティングなクライマックスを迎えます。前半のドタバタ描写も、この部分の各キャラの個性分けされた見せ場のためだったのかと思うと納得。   映画鑑賞後に元となったスマホゲーをプレイしてみたのですが、なるほど、シンプルなゲームのシステムをよくもまあ上手く映画化したもんだと。ゲームに親しんでから見ていたとしたら、徐々にそこに向かってゆく展開に焦らされた上で最高に盛り上がるクライマックスを迎えられたかと思うと、ちょっと残念な気もしますが、逆に何も知らないで見て、そのぶっ飛んだ展開に「なんじゃこりゃ!」って驚きを持って見られたので、それはそれで。どちらでも吉。   点数はかなり甘い気もしますが、クライマックスの異様なテンションにすっかりやられて見終わった時の満足感がハンパ無かったので。
[映画館(吹替)] 8点(2016-10-06 22:54:21)
278.  レッドタートル ある島の物語 《ネタバレ》 
 映画がかなり進んだところまで映画と格闘状態でした。カメはなんのメタファー? この世界って主人公の心象風景? 主人公には見えていない、主人公の息子の視点が登場した時点で、ああ、これは描かれた事象をそのまま受け止めりゃいいんだ、って気付く始末。つまり孤島に流れついた男がカメに惚れられ、人間となったカメと孤島で暮らし、一生を過ごす物語。それだけ。   情報量はそれほど多くありません。シンプルなデザインのキャラと、描き込み過ぎていない背景、静かな音楽。いちばん情報量が多そうなのはリアルな環境音。主人公の出自など語られません。大自然に翻弄されつつ、その世界を受け入れてゆく主人公に心を重ねてゆけば、世俗から離れて何物にも煩わされず(不作法な観客がいなければ、ですが)、映画と自分との対話ができるひとときを過ごせます。強いて言えば、色々と削ぎ落とした(描かれる事も映画の表現法も)後に見えるもの、そこに物事の真価を問うているのかな、と。でも、そこに意味を求める必要もないですね。   カニが可愛かった、感想はそれだけでも十分な気がしないでもないです。
[映画館(字幕なし「原語」)] 8点(2016-09-29 22:54:28)(良:1票)
279.  岸辺の旅 《ネタバレ》 
 予告編は黒沢清監督らしからぬハートウォーミング夫婦モノ路線風なイメージを漂わせていて、ここに至って一体どうしたの?って思っちゃいましたが、フタを開けてみれば『回路』の姉妹編と言ってもいいような紛うことき黒沢清作品でした。  死と孤独に囚われ続けた作品群の系譜から見てこれは必然と言っていいような到達点にも思えます。   ボンヤリとした、表情のハッキリとしない、何を考えているのか判らない恐ろしさ、それはこれまであちら側の存在に現れていたのですが、この作品ではそれが曖昧になっています。表情を持ったあちら側と表情のボヤけたこちら側があり、明確な意志を持ったあちら側と意志のハッキリしないこちら側があり、あちら側とこちら側とで光と影が移ろいゆき、その曖昧な境界線が生む空気が独特の匂いを生みます。   シネスコ画面の片側に寄った被写体と、反対側に空いた空間に存在する空気。窓、カーテン、風、そこに居る何か、居ない何か。不安や緊張を煽る筈のそれが、でも今作に至って、もはや心地良さすら感じるのは何故でしょう? そして逆にいつもは癒しのイコンのような蒼井優が、自己の生を主張するかのような彼女が不安で不気味な存在と感じるのは何故でしょう? それは死の孤独を越えた世界が見えるから? 或いは生の中の絶望的な断絶が見えるから? それとも孤独を中心に据えた概念の中では生も死も大きな差のないフィールド上に存在しているから?   旅の終わりは海。道の途切れるところ。その狭い入り江が決して「解放」ではないその先の世界を示すようで寂寥感を漂わせます。   黒沢清監督の創造する美を表現する言葉が思いつきませんが(「頽廃的」っていうのもなんか陳腐で違うかなぁ)、その沈んだ空気に身を委ねるのが心地良い一編でした。って、心地良い黒沢清監督作品っていうのは、ちょっとやっぱりこれまでと違うのかな?
[映画館(邦画)] 8点(2015-10-05 22:17:16)(良:1票)
280.  ロマンス(2015) 《ネタバレ》 
 小田急のロマンスカーと言えば昔は喫茶店なみのサービスがあって、サンドイッチとアイスティーを頂くのがウチの家族旅行での慣例となっておりました。微妙に鉄分を有していた私は箱根登山鉄道のスイッチバックにも心ときめかせていたものです。  灰色とオレンジの懐かしいボディカラーの箱根登山鉄道が登場するこの映画、壊れてしまった家族の楽しかった思い出を巡る物語に自分を重ねて胸が締め付けられる思い。家族って、壊れたり変容したりするもの。   大島優子ってこんなにジミなお嬢さんでしたっけ?っていうのが最初の印象。仕事はできるけれどつまらなそうに生きてる感じの役で、それがオッサンとの旅でどんどん魅力的になってゆく、そんな映画(つーか、オッサンが買ってくれた毛糸の帽子被った姿を妙にかわいく思ったのね。帽子フェチか?)。  オッサンとの体温やテンションの極端な差がおかしくて笑わせてくれますが、その対話によってそれぞれの事情が徐々に明らかになってゆく、それぞれの痛みがじわじわと溢れてくる、そして映画はその痛みを優しく抱きしめるのでした。   家族が再生するわけじゃない、幸せが訪れるわけでもない、何かが大きく変わるわけではないけれど、過去から現在そして未来へと続いてゆくそのひとときをそっと見つめる、それだけの映画、それだけの物語。
[映画館(邦画)] 8点(2015-09-23 21:47:57)(良:1票)
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