261. 海炭市叙景
《ネタバレ》 この映画、凄く静かでジトーっとしている。序盤のエピソードは特に。 でも、不思議と退屈な感じはしない。慣れれば、すーっと観られる。2時間半もあるけど、それほど長さは気にならなかった。映像と音楽と役者が良いからだろうか。 この映画、暗い。でも暗いだけじゃない。明確なラストが用意されているわけじゃない。 でも、不思議とそこまで後味が悪くなく満足感があるのはラストの良さのせいだろうか。 普段の僕なら、「クソ退屈の暗い映画!」と言ってもおかしくないようなタイプの映画なんだけど、なんかそう言うのとも違う。 うまく良さが説明できないけど、これは良い映画だったと思う。 これ、年末観に行けばよかったなー。 [DVD(邦画)] 8点(2011-01-30 11:09:11) |
262. アンストッパブル
《ネタバレ》 この映画には、感動もないし、深いストーリーもあっと驚くような展開もないし、暴力もないし、犯罪者も悪人も出てこないし、可愛い女の子もでてこないし(フーターズ除く)、ラブストーリーもない。それなのに面白いなんて! ただ電車が走っていて、二人の男が一生懸命それを止めようとするだけのお話。 主人公二人だけでなく、脇のキャラクターがそれほど掘り下げられない割に、魅力的に映るのは、会話のやりとりが軽快だからかな。いちいち面白くて、ニヤニヤしてしまう。 下手に感動させようとか、驚かせてやろうとかいう、欲張り根性が全くない分、すっきりしていて、シンプルに楽しめるパニックムービーとしてしっかり仕上がっている。 特に気に入ったのが、やけっぱちみたいな二人の動機。その軽さが心地よい。簡単に命かけちゃう、この二人、嫌いになれないっす。 期待せずに気楽に映画館で観るには最適な一本。映画館で観ないなら、観ないでもいいような一本でもある。 [映画館(字幕)] 8点(2011-01-10 00:30:36)(笑:1票) (良:1票) |
263. キック・アス
《ネタバレ》 ノリの軽いアクション・ヒーローコメディかと思っていたが、大分違う手触りに少々戸惑う。確かに笑える部分も多く、コメディの要素は多い。一般的なバカ映画ならこういうノリはアクションシーンであろうと継続され、バイオレンスを笑いにするのが常套手段であると思う。しかし、本作でのバイオレンスシーンはシリアスでハード。アクションシーンではあまりおちゃらけず、痛みを表現している。 特に幼い女の子が殺戮をする場面なんか陽気な音楽が流れてて爽快に感じてもおかしくないのに、マジメに残酷な描写がされるためか、どこか憂いを帯びている。 デイブ君らが敵に追いつめられるようなシーンはハードに描かれ、なかなか笑えない。 それなのに映画の雰囲気自体はすぐに陽気に戻ったり、という温度差が実は気持ち悪かったりする。何も考えず楽しめる爽快アクションとはちょっと違うのである。 とはいっても、敵味方脇役に至るまですべての登場人物に愛嬌があって非常に楽しい。 ヒットガール演じるクロエちゃんはクソ可愛い。クソ可愛いだけに、殺しに哀愁がにじむ。耳に残るポップでハードな楽曲の数々も素晴らしい。 少しだけ気になった点と言えば、デイブ君の立ち上がる動機が弱いところ。ヒットガール親子がしっかり戦う宿命を持ってただけに、主人公のデイブ君が薄すぎるのが少し残念。 しかし、2時間しっかり釘付けにされたし、コメディ&ヒーローハードバイレンスという新鮮味のある娯楽作品でした。面白かった! [映画館(字幕)] 8点(2010-12-25 18:19:59)(良:2票) |
264. 酔いがさめたら、うちに帰ろう。
《ネタバレ》 観た後、確実にカレーが食べたくなる一本。 アル中と病気がテーマだから、シリアスなヒューマンドラマかと思いきや、かなりコメディ色の強い作品だった。アル中の病棟が舞台となるあたりから、もっと禁断症状に苦しむアル中を描くのかと思ったらそういう描写はほとんどない。浅野さん、ちょっとピンピンしすぎじゃねーの?っていう突っ込みもされるだろうが、これはこれでいい気がする。 入院して、周りの患者さんとダベったり、ケンカしたり、看護婦さんにデレデレしたり、食事にウダウダ文句言ったりと、『愉快な入院体験』の様子という感じで、観ていて楽しい。 泣かせに走らないライトさがなかなか好みの作品である。 エンディングテーマのキヨシロウには、かなり涙腺刺激されたけど。 あー、永作さんと結婚してえ。 [映画館(邦画)] 8点(2010-12-12 17:02:45) |
265. トロピック・サンダー/史上最低の作戦
《ネタバレ》 いやあ面白かった。笑った。金かかったコメディアクションってのは気持ちいいな。それにしても、あの踊るイカレタハゲが、あの人とはねぇ。言われても別人にしか見えない。パリ恋のトラボルタみたいだもん。まあ、笑いの要素がほとんどグロ、パロディ、不謹慎だから笑えないという人が多いのも頷ける。 [DVD(字幕)] 8点(2010-12-05 19:29:20) |
266. SPL/狼よ静かに死ね
《ネタバレ》 なんか色々凄い。マフィアもののバイオレンスかと思いきや、いきなりハイスピードカンフーになるのが凄い。デブ(サモハン)でも速いのが凄い。通行人とか無関係な人が一切出てこないのが凄い。善玉の警官もザコキャラ一匹を集団でボコボコにしちゃうのが凄い。 終盤のコテコテすぎる展開と仰々しい音楽とスローモーションには流石に笑ってしまった。もう劇画すぎるんだもの。いやー、一体何人殺したら気が済むのっていう、とても面白いハードボイルドアクションでした。 [DVD(字幕)] 8点(2010-12-05 19:21:35) |
267. ノーウェア・ボーイ/ひとりぼっちのあいつ
《ネタバレ》 序盤はちょっと退屈だけれど、ジョンがロックンロールに目覚めて、 クオリーメン結成してライブやったりするあたりはテンション上がる。楽しい。ポール可愛すぎる。ご機嫌なロックンロールナンバーがガンガンかかってることで、二人の母親の間で葛藤するジョンの苦悩という重さが上手く軽減されている。 でも、生みの親と育ての母親がいたとしたら、絶対育ての親を大事にすべきだと思うけどね。ジョン君、ワガママすぎだよ。ちょっと厳しいけど叔母さん超いい人じゃん。超愛されてるじゃん。他方、実の母親の若づくりの不快感の出し方は巧かったなー。「このババアウゼー!」と誰もが思ったんじゃなかろうか。 音楽、ビートルズが好きな人には特にオススメな良作。 [映画館(字幕)] 8点(2010-12-05 02:06:07) |
268. エクスペリメント(2010)
《ネタバレ》 内容はesとほとんど一緒だから新鮮味はないけど、面白かった! esにあったような寄り道や、余計なシーンはほとんどなく、こちらのが完成度は高いかも。 逆にesを観たことない人は観た方がいいかも。 特にウィテカーさんのブチ切れ演技は最高。俺だったら、最初に笑顔で挨拶されたときに全力で逃げるね。この人、キレだすと目が優しいのにマブタがピクピクして泣き出しそうな顔なのに、なんでこんなに怖いのよ。 しかし、ブロディ君が飯をだまって食ってればこんなことにはならなかったんじゃ…。 和を乱す奴が一人でもいるとみんなの迷惑になるよね。 ラストの実験中止の描き方が印象的で良かったなあ。 [映画館(字幕)] 8点(2010-12-05 01:48:31) |
269. まぼろしの市街戦
戦争映画なのに、ファンタジーのような映画だったなー。リアル不思議の国のアリスのような。邦題からもっと血なまぐさい戦争映画かと思いきや、ふわふわした映画だったのでびっくりしたが、素敵な映画だった。 渋谷ですらビデオしか置いてないというのが勿体ない。 [DVD(字幕)] 8点(2010-11-07 20:11:56) |
270. ビッチ・スラップ 危険な天使たち
《ネタバレ》 いやー面白かったなー。ぶっ飛んでる。 序盤は事あるごとにお色気シーンが挿入されて、話がなかなか進まなくてはずれかなーとも思ったが、次第に時間を遡るに連れ明かされていく謎!! っていうほどの大層なものではなく、とりあえずバイオレンス。 バイオレンスの間であってもサービスカットは忘れない。 ビッチのハイキックの時にパンツが見えた場合はそこでスローモーションになり、 舐めるようなカメラワークになるところとか、いちいち演出がバカバカしい。 とりあえずオッパイを映してみる。 とりあえずハードコアを流してみる。 とりあえず服は濡らしてみる。 とりあえずマシンガンを乱射してみる。 とりあえず尻と太股を映してみる。 とりあえず爆発させてみる。 とりあえず股間を映してみる。 とりあえず殴り合いさせてみる。 とりあえずレズ行為させてみる。 日本語をしゃべり、ヨーヨーを武器とする敵の中国人(?)が 恐ろしいブスだったのは哀しかった。そこは、エロスをふりまくるアジアンビューティーを配置してほしかったところだ。 いきあたりばったりのようにしか見えない物語だが、途中から予測不能、めちゃくちゃになっていって、あんぐり。もはやこれはSFの部類ではなかろうか。 不死身に近いビッチ達にもうメロメロ!! いまだかつてない、しょうもないエンドロールが素晴らしい。 とても面白いクソ映画! ビッチ最高!! [映画館(字幕)] 8点(2010-11-03 19:57:19) |
271. 乱暴と待機
かのパビリオン山椒魚を撮った監督だから警戒していたが、超面白かった! こんなすげー面白くて笑える脚本かけるんじゃん!(上から御免) 原作のおかげ? にしても、面白かった! いやー、ドロドログチャグチャとした人間関係なのに、とにかく笑えてしまう。 この作品の手触りは同原作の「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」に近い。 やっぱ原作の貢献度は高いんだろうな。 4人だけしか登場人物が出てこなく、みんな声をやたら張っていて演劇っぽくもあったのが、余計おかしさを強調していたのだろう。4人のぶっとんだキャラクターの掛け合いがとにかく気持ち良い。 心に残る映画でもないけど、久々に邦画のコメディでこれだけ面白いものを観たような気がする。 [映画館(邦画)] 8点(2010-11-03 19:54:46)(良:1票) |
272. アドレナリン:ハイ・ボルテージ
《ネタバレ》 いやー前作に劣らない、オゲレツ指数ハイボルテージな楽しいクソバイオレンス映画。乳首カットは流石に痛そうだった・・・。 また続編が出たら劇場行っちゃうな、こりゃ。 [DVD(字幕)] 8点(2010-10-23 14:20:19) |
273. ペット・セメタリー(1989)
《ネタバレ》 いやー、酷い悪趣味な映画だった。 子供に死を教えるシーンや、 奥さんの病気のお姉さんに対するトラウマなど なかなか唸らされるし、テーマ自体は重い。 なおかつ救いようのないストーリーなのに、 幽霊なのに頭ぱっくりな優しい兄ちゃんが可笑しすぎる。 そして、あの爺さんは何で他人の猫一匹のために あんな危険な儀式を教えたんだ・・・? 死神みたいな顔してたから黒幕かと思った。 悪趣味ホラーとしてはかなり好きな部類。 運転中のラモーンズはテンション上がって 事故を起こす恐れがあるので気をつけなくてはなりませんな。 [DVD(字幕)] 8点(2010-10-23 13:57:47) |
274. ベスト・キッド(1984)
《ネタバレ》 オリジナルのベストキッドはやはりとても面白い。ウサン臭くてお茶目なミヤギが可愛い。 リメイクはマジメすぎるし、演出過多だったんだなーと改めて思った。 サラっと軽く笑えて、軽く熱いこのヘッポコな感じが好きだ。余韻のなさすぎるラストにはビビるけど。やっぱこの映画は吹き替えでしょ。 [DVD(吹替)] 8点(2010-09-27 00:25:30) |
275. 十三人の刺客(2010)
《ネタバレ》 いやー、これは良い! 近年の邦画大作のしょぼさを見ると、これだけのスケールを持ったアクション娯楽大作が見られるとは思えなかった。 序盤は粛々と、しかし緊張感を持ったままストーリーが進むが中盤以降は、もう切って切って切りまくる。もう、その辺にしときんしゃいって思っても斬りまくる。 爆薬もドカーン。罠ドーン。で、迫力満点。 相手側がもっと頼りになる用心棒(中ボス)を数名用意しといてくれればもっと盛り上がったんでないかな。敵は、誰も飛び道具持ってないし、弱すぎる。 13人が強すぎるのかもしれないけど。 13人ものキャラを描き分けろとは言わないけど、それぞれ得意分野で戦い方が違ったりするような工夫があれば、もっと良かったんでないかな。 薄い人もいたけど、キャストの顔つきもギラギラしてて良かった。 だが、やっぱこの作品でもっとも語られる役者は、稲垣吾郎だろう。戦場でただ一人涼しく冷たい顔したり、ヘラヘラしたりする姿は異様で良かった。 というわけでアクションに次ぐアクションと、セットの豪華さ、キャストの本気具合も相まって中々レベルの高い娯楽作となっており、俺は十分に満足した!! 細かい事はどうでもいいんだこういう映画は。 邦画にも娯楽大作を撮る力があったという事を知らしめる作品なのである。 俺はあんまり長いと感じなかったけど、 たぶん乱闘(チャンバラ)がクソ長いので、アクション嫌いな人は見ない方がいいです。 [映画館(邦画)] 8点(2010-09-25 23:24:10)(良:2票) |
276. 特攻野郎Aチーム THE MOVIE
《ネタバレ》 次から次へと展開するストーリーと、愉快なキャラクター達とアイデアのつまったバカアクション。なんと言っても戦車のシーンがいい!バカすぎる!! しかし、それが序盤か中盤あたりに出てきてしまって、これ以上に熱いシーンはないのであった。前半は脳みそ空っぽで楽しめてひたすら面白くてもう黒幕とか結構どーでもよくなっちゃってるのに、後半は黒幕がアイツなのか? それともコイツなのか?的に、ちょこっと脳みそが必要な展開になり、失速。 でも、こういうバカアクション映画はやはり気持ち良いので、また何作か作ってもいいんじゃないかね。てーてれってー てれってー♪ Aチームのテーマが耳から離れない!! [映画館(字幕)] 8点(2010-08-29 12:44:17) |
277. 未知への飛行
《ネタバレ》 過失によりアメリカの編隊がモスクワに水爆を落としに行ってしまうという恐ろしい話。 序盤、話が始まるまでが退屈で心配したのもつかの間、いざ話が動き出してからは、終始凄まじい緊張感。世界戦争を回避するために米大統領が下す決断に寒気が生じた。 [DVD(字幕)] 8点(2010-08-09 14:27:11) |
278. ヘル・レイザー
《ネタバレ》 皮膚のない人が生き血をすすって復活したり、顔とげとげ男や魚類とかが究極の快楽とかいって箱を開けた人をブチ殺したりするというよくわからん話だが面白かった。 良い感じにぶっ飛んでる悪趣味映画。 [ビデオ(字幕)] 8点(2010-08-01 21:32:37) |
279. ブラザーズ・ブルーム
《ネタバレ》 ツタヤ独占レンタルらしい。 微妙な豪華キャストに惹かれて借りた詐欺師映画。 音楽やカメラワークなどのセンスが良いしストーリーも結構面白かった。 時にクールで時にキュート、喋らない日本人を演じた菊地凛子が素晴らしかった。 あと爆破演習シーンで、はっぴいえんどの「はいからはくち」がかかったときはテンションかなり上がった。洋画ではっぴいえんどが聞けるなんて!! [DVD(字幕)] 8点(2010-08-01 21:18:03) |
280. 宇宙ショーへようこそ
絵が本当に美麗!! 精密に描きこまれまくった田舎の風景とか、実写を超える美しさがあると思う。 キャラクターの動きも当然、めちゃめちゃ滑らか。 アクションシーンとかも凄くカッコ良い!そうそう! こういうのが観たかったの。 宇宙に出てからの、宇宙人の造形やら何やらも全てのアイデアを ぶち込みまくり精魂込めて描かれている。 髪の毛が手みたいになってる宇宙人のインクちゃんとか可愛すぎだし。 物語のプロットとしては、大長編ドラえもんのあの感じ。 異世界をちょっと覗いてみたら、でっかい事件に巻き込まれててんやわんや。 子どもだけど勇気を出して戦う!みたいな。 しかし、本作では「ドラえもん」は不在。 便利な道具がタダで出てくることもなく、子どもはただの子ども。 そこらへんの苦悩もしっかり描かれている。 あまねとなつきのビミョーな関係性の描き方が絶妙で、どちらも非常に愛くるしい。 メッセージも子供へ向けているのものと思われるので、観ているのが大きなお友達だけってのは勿体無い。 ただ、長すぎる。丁寧すぎるのと、表現したいものを全て形にしたいという高い志ゆえに、広げすぎた話のテンポが若干悪かったり、話がごちゃごちゃしてて整然としていないため、お子さんが集中して席に座って見ているのは辛いかもしれない。 しかし、大人も子供も楽しめる作品であるので、もっと多くの人に観て欲しいと思うのであった。面白かったです。 [映画館(邦画)] 8点(2010-07-17 15:14:22)(良:2票) |