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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2402
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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261.  ダーティハリー5 《ネタバレ》 
監督はイーストウッドとは長い付き合いのスタント演出のバディ・ヴァン・ホーン、もうシリーズ最終作だからということで今までの労をねぎらっての監督起用、というか製作陣はこの映画を名作にしようとする努力を端から放棄しているとも言えます。まあこの脚本じゃ誰がメガホンとっても結果は変わらなかったでしょう。イーストウッドもさじを投げたって感じで、シリーズ中でこれほど情熱を感じないハリー・キャラハンはなかったし、ただ脚本通りに動いているってところでしょうか。恒例の相棒ネタは一回りして第一作に戻った感じで、エスニックの中国系となりました。この相棒がカンフー使いなのはお約束通りです、でもシリーズ中で最も印象が薄かったのは否定できません。原点に帰ろうとしたのは犯人像で、スコルピオに負けない凶悪さを出そうとしているのは認めましょう。でもそいつを明確にキチ〇イということで片付けてしまうストーリーテリングじゃ、話が膨らむはずもありません。だいたい此奴が出現した途端に可哀想にもリーアム・ニーソンの存在意義が霧消してしまい、ストーリーからもいつの間にかフェード・アウトしてしまう情けなさ。まったくしょうもない脚本です。 まさかハリー・キャラハンの最後の一発が銛だとは、愕然とさせられました。そういや、シリーズ中でハリーは一度も犯人に手錠をかけて逮捕しなかったよな、ひょっとして手錠を持ってなかったりして。まあとにかく、さらば、ハリー・キャラハンよ永遠に…
[CS・衛星(字幕)] 3点(2018-03-26 23:03:51)
262.  第27囚人戦車隊 《ネタバレ》 
デンマークの資本でハリウッド俳優とユーゴスラビア人俳優を使いユーゴで撮影されたという典型的なB級戦争映画。70~80年代のユーゴでは『戦略大作戦』や『戦争のはらわた』といったハリウッド戦争アクションが撮影されていますが、ユーゴでロケするメリットはもちろん西側と比べて物価が安いことと、第二次大戦の両陣営の兵器がけっこう残って使えたことに尽きます。 本作はドイツ兵を主人公にしたプロットが珍しいと言えます。囚人兵を集めた懲罰戦車部隊がソ連軍を相手に特殊作戦を展開するという、内容自体はよくあるパターンです。前半は戦車が動き回るのが見どころという風情ですけど、出てくる戦車は大戦中の実物ですけど全部ソ連戦車ばっかり。それに鉄十字マークを付けてドイツ戦車ですと言われても、少しも似せようとしてないので実感がないことは夥しいです。ドイツ戦車兵の軍服もなんかおかしなレプリカなのでこれまた雰囲気が出ません。おまけに肝心のソ連軍後方に潜入しての特殊作戦が、戦車を捨てて徒歩で実行とくればなんか騙された気分です。また脚本がヘロヘロで何を訴えたいのか良く判らんというのも致命的。世間に名が少しは知れていると言える出演者はデヴィッド・キャラダインとオリヴァー・リードぐらいです。そのオリヴァー・リードの出演シーンはラストの五分にも満たない超短時間ですから、もう開いた口が塞がりません。この二人が出演している80年代の映画はそれぞれ駄作ばっかりというのが定説ですけど、その二人が曲がりなりにも共演してしまったというわけで、その破壊力は想像通りでございました。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2017-07-11 22:30:07)(良:1票)
263.  襲う巨大怪鳥/空の大怪獣Q 《ネタバレ》 
ラリー・コーエンという人は『フォーン・ブース』の脚本家でもあり、脚本を書かせたらちゃんと出来る人なのになぜか監督すると脱力系になってしまうという困ったお方です(そう言えば日本の橋本忍に似てますね)。監督作はほとんど自分で脚本も書いているのですが、悲しいかな演出力が無いので駄作になってしまうというパターンですけど、本作に関してはどう考えても脚本もヘボ過ぎです。まあ低予算なんで怪鳥の造形や特撮には元から期待なんかしてないのであまり苦になりませんが、だいたい大怪鳥Qとアステカの儀式はどんな関係があるんじゃ!と突っ込みたくなります。NYのクライスラー・ビルの先端に巣を作って飛びまわっているのに誰もその姿が見えないとはどういうこっちゃ!「それはQはいつも太陽を背にして飛ぶからです」なんて解説されても、誰が納得するかい! 宝石泥棒の一味の男が主人公みたいなものですけど、冒頭で宝石が入ったスーツケースを落として紛失しちゃうというのは、いかにもラリー・コーエンらしくてユニークな展開です。でもどうも気になるのですが、宝石泥棒と怪物の組み合わせというとどうしても『宇宙大怪獣ドゴラ』を思い出しちゃうんです。もしラリー・コーエンに会うことがあったら、「あんた『ドゴラ』をパクったろ」と詰問してみたいです(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2015-11-04 23:14:45)
264.  第七の予言 《ネタバレ》 
黙示録や“さまよえるユダヤ人”の伝説などをモチーフにしているショボい滅亡オカルトなんですが、これはもうデミ・ムーアのマタニティ・ヌードを見せたいがための企画としか言いようがないです。ていうか、同時期に雑誌でもヌードになっているし、デミ・ムーア自身がよっぽど見せたかったんでしょうね(露出狂かよ)。でもこんなお腹が大きいときに、良くこんな胎教にも母体の精神上にも悪影響を与えそうな役を演じられるもんだと感心しちゃいます。この時生まれたブルース・ウィリスとの子供は、今はどういう風に育ったんでしょうかね。 この映画で堪らなく不快だったところがあります。デミの旦那がマイケル・ビーンで弁護士としてある死刑囚(実は予言では救世主になるはずの人物)の処刑を中止させようと奮闘するのです。彼が何をしたかというと、近親結婚をした自分の両親を“神の掟に背いた”と殺害したのです。ふつうの感覚では死刑になってもしょうがない狂信者だと思いますが、この映画ではなんか無垢な精神を持った清らかな人みたいに描いているんです。しかもそれを演じているのが障害を持った俳優(ダウン症みたいでした)で、つまり彼は“神の子”だということみたいです、監督の意図は。もうシャレにもなってませんよ、まったく!
[ビデオ(字幕)] 3点(2013-09-29 22:34:25)
265.  ニューヨーカーの青い鳥 《ネタバレ》 
割と渋い俳優を揃えて映画化された舞台劇というジャンルは、むかし『キャスティング・ディレクター』という映画で自分は痛い目にあっているのに、またやられてしまいました。もうこれはR・アルトマンの責任とは言い難く、元ネタの舞台劇が私には合わないというかつまらないのだからどうしようもないでしょう。 日本人にはアメリカ人の精神分析・セラピー好きはどうも理解できないし、それをネタにしたコメディなんか笑えるわけはないでしょ。G・ジャクソンとT・コンティがセラピストなわけですが、患者と寝たりもの凄いゲイ差別主義者だったりというところが、まあこの映画のミソと言えなくもないです。 ラストシーンなんですが、J・ゴールドブラムとJ・ハガティがレストランから出てくるとカメラがどんどん引いていって遠景になり、そこにエッフェル塔が小さく見えるんです。「えっ、ここはパリだったの、NYのお話しだったはずなのに?」とびっくりしましたが、この映画でここが唯一アルトマンらしさが出てたところでした(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2013-07-23 23:31:59)
266.  人魚伝説 《ネタバレ》 
かつて邦画界のあだ花だった海女映画が、20年の月日を経て究極の進化形となって甦ったと言う感じです。原作は劇画なんだそうですが、本家新東宝の海女映画も青ざめるようなお話の壊れっぷりは、もう暴走機関車みたいです。『八墓村』状態のラスト45分は、白戸真理のぶっ飛んだ暴れっぷりがあまりにバカバカしくもう笑うしかありません。銛が一本であんなに人を殺せるわけないだろ、ふつう猟銃か日本刀を使わせるんじゃないかよ、などと文句を垂れるのは所詮虚しいこと。激しい運動のためほとんど過呼吸になりかかっている白戸真理の姿は、もう演技ではなく素のままを撮ったとしか思えませんでした。 そしてある意味とても貴重なのは、白戸真理が“洋上の飛田新地”として有名な渡鹿野島へ逃げるところでしょう。あの伝説的な島は実在するのです。むかし独身寮の旅行で渡鹿野島へ行く計画を立てたら、会社にバレて総務部長から大目玉を喰らった苦い思い出があります(笑)。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2012-11-22 18:56:04)
267.  バカルー・バンザイの8次元ギャラクシー
うーん、良くと言うかさっぱりわけがわからん映画でした。別に難解なわけではなく、単純すぎるほどベタなお話しなんですけど、そもそも何で主人公が天才科学者でロック・ミュージシャンで日本人とのハーフなのかと言うプロットからしてどこが面白いのかついてけないので困ったもんです。スタッフは一流の仕事ぶりで映像や特撮はけっこうレベルが高いのですが、コメディなのにどこか真面目すぎる様な感じで笑うに笑えない。この映画だけは、なんでカルト的な人気があるのか私には理解不能でした。ウェス・アンダーソンの『ライフ・アクアティック』は本作にかなり影響を受けたみたいだと言うことは判りました。なんせ、本家“バカルー歩き”ですからね、オリジナルだけあってこのシーンだけは見事に決まってました。
[DVD(字幕)] 3点(2011-10-09 00:15:40)
268.  スキャンダル(1989) 《ネタバレ》 
「プロヒューモ事件」と言えば英国政界最大のセックス・スキャンダルとして歴史に残っていますが、この映画を観て知ったのですがどうもスパイ事件自体は冤罪だったということです。本作はそこら辺の経緯を忠実に映画化しているみたいですが、はっきり言って全然面白くない。監督が、下手くそなくせに不思議と良い題材を手掛ける運を持っているが、それらをことごとく駄作にしてしまうマイケル・ケイトン=ジョーンズだからしょうがないかな(あの『氷の微笑2』の監督です)。高級娼婦キーラー役のジョアンナ・ウォーリーは妖艶な色気が漂っていて観て得した気分になれるのですが、プロヒューモを演じるイアン・マッケランのキューピーみたいな髪型がどうしても気になってしょうがなかったです(実物もそういう髪型なのでしょうけど)。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2010-10-18 00:48:43)
269.  ボディ・ダブル 《ネタバレ》 
久しぶりに観直してみると、こんなにボロボロの映画だったのかと改めて驚きました。デ・パルマが本作を撮る動機がヒッチコックへのオマージュを作りたいということだから多少のプロットの甘さは目をつぶるとしても、サスペンスなのだから主人公がここまで大馬鹿者では話が成り立たないでしょう。「スカーフェイス」次に撮ったのがこれって、ほんとデ・パルマという監督は不思議な人です。ただ観るたびに思うのですが、エンド・ロールの「ボディ・ダブル」のやり取りは楽しいですね。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2009-11-07 19:07:49)(良:1票)
270.  死霊の罠 《ネタバレ》 
ヒロインの名前が“名美”なので?だったけど、よく見れば脚本は石井隆だったので納得。監督も例の『人魚伝説』の池田敏春、つまりディレクターズ・カンパニー御一行様の製作というわけです。今から観ればバブル時代のカリカチュアライズみたいなメイクとファッションで決めた小野みゆきがTVディレクター、スタッフには小林ひとみと中川えり子という当時のスターAV女優を配し、ワンシーンだけの出演だけどプロデューサーは島田紳助!というちょっと突っ込んだキャスティング。 なんですけど、ちょっと予算をかけたVシネマという程度の出来、いやもっと面白いVシネマはゴロゴロあります。送られてきた謎のスプラッター・ビデオの真相を探りに行ったTV取材陣がいわば“ミイラ取りがミイラになる”というお話しなんだけど、もう脚本がムチャクチャ、ツッコミ入れる気力さえ失せてしまいました。一から十まで説明しちゃうストーリーテリングは問題外だけど、いくら何でもこれは語らなすぎです、おまけにその舌足らずのストーリーの裏を考えようという興味も持てない。“日本初のスプラッター映画”ということらしいですけど、私の観たヴァージョンでは大したことはなく(上映時間が数分短かったので、CS放映用にカットがあったのかも)、でも起用した二大AV女優はいちおうはそれらしき仕事はこなしていました。中盤で謎の男・本間雄二が登場したところで予想した結末通りだったというのも、この脚本の薄っぺらさが偲ばれます。まあそれ以前に、主要キャラたちの演技も学芸会レベルだったしね。貴重な私の人生時間の100分をムダに使ってしまいました。
[CS・衛星(邦画)] 2点(2023-06-12 21:53:00)
271.  アングスト/不安 《ネタバレ》 
これって、ワイドショーなんかで見かける犯罪再現フィルムを映画にしたような代物で、そこに脚本家が妄想した犯人の心象モノローグと精神鑑定医(らしき人物)の分析を被らせただけです。「モノローグを聞いているとこの男が犯行に至った気持ちが理解できるようになる」なんて解説がありましたが、こっちとしては悪いけど一ミリも理解も共感もできませんでした、ただ不快なだけです。この映画のキモであるキチ〇イ犯人が家宅侵入してからは無意味じゃないかと思うぐらいの長回しが多く、普通に編集したら三分の二ヘタしたら半分ぐらいの尺で済んだんじゃないですかね。極端なほどのローアングルと今ではドローンを使うだろうというぐらいの高さからのクレーン撮影には確かに禍々しさを感じさせてくれますけど、肝心の内容がここまで胸くそ悪いと全く無意味でしょう。犯人のキチ〇イ役の俳優は見覚えある顔立ちだと思いましたら、『Uボート』で“幽霊のヨハン”と仲間から呼ばれていた印象深い機関員、アーウィン・レダーでした。あんな超大作で爪あとを残したのにその直後にこんな自主映画みたいな作品でキチ〇イを演じるなんて、本人はけっこう乗り気でオファーを受けたらしいですけど、ヘンな風に意識が高いタイプの役者みたいですね。監督は本作で多額の負債を背負ってその後は一本も商業映画を撮れていないそうですが、当然の報いです(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2023-01-10 19:06:29)
272.  地獄のモーテル 《ネタバレ》 
噂には聴いていたけど、期待に違わずメタメタなトンデモ映画でしたね。“人肉を混ぜて隠し味とした世にも美味な燻製”をウリにして商売繁盛のサイコ兄妹、アメリカB級ホラーでは定番のジャンルである“モーテルもの”でございます。でもこの映画、登場するキャラがみな頭のねじが外れていて善玉を含めて行動がほとんどシュールです。ヒロインといちおう位置付けできる女性にしても、普通に考えれば半ば拉致されたような境遇なのに、危ない目になんども逢いながらも緊張感がまるで欠落している。挙句には弟の保安官からのモーションを振ってサイコな兄貴になぜか惹かれていって、ついにはマジで結婚しようとする。もっと判らんのは食材の“畑”で、声帯を切って呻くことしかできない人間を首だけ出して埋めるって、こりゃなんの意味があるんだい?脚本も酷いけど監督が超怪作『ゴースト・イン・京都』のケヴィン・コナーですからこうなるのは必然だったのかもしれない、ほんと『ゴースト・イン・京都』がまともに感じるほどです。ラストが唯一の見せ場であるチェンソーでのチャンバラですが、ブタの生首を被った兄貴のビジュアルはさすがに強烈でした。インパクトがある絵面でスプラッター映画のアイコンみたいな扱いをされていて自分も知ってはいましたが、まさかこの映画のキャラだったとは… ラストの兄貴の死に際での衝撃の告白、たしかにこれはこの映画をコメディにカテゴライズする唯一の要素かもしれませんね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2022-08-25 22:52:18)
273.  ドレミファ娘の血は騒ぐ
こりゃあ、にっかつから納品拒否くらったというのは当然かもしれません、ATGに持ち込んだ方が良かったんじゃない?というか、PFF(ぴあフィルム・フェスティバル)に当時エントリーされていた自主映画とどっこいどっこいです。スタッフは塩田明彦・万田邦敏といった黒沢清と同じ蓮實重彦門下生が終結しているし、プロと言える俳優は伊丹十三・洞口依子・麻生うさぎぐらいで、その他大勢の学生役にも黒沢と同じ界隈を集めて素人演技を見せてくれる。おまけにストーリーと表現方法は青臭くてなおかつ理解不能、まったくどこを褒めたら良いのか頭を抱えてしまいます。まあこの映画の果たした唯一の役割は、伊丹十三と洞口依子を結びつけたことしかないでしょう。『タンポポ』『マルサの女2』で彼女は鮮烈な爪あとを残してくれました、その後の黒沢清作品の常連にもなりましたけどね。
[CS・衛星(邦画)] 2点(2021-12-15 21:16:23)
274.  ゆきゆきて、神軍 《ネタバレ》 
“ドキュメンタリー映画の最高峰”“凄い映画体験”などの世評は聞いていましたが、観終わってからの感想は、もう嫌悪感しか残りませんでした。引き合いに出すのもヘンかもしれませんが、自分にはこの映画を観て『ありふれた事件』が思い出されて仕方ありませんでした。共通しているのはどちらの主人公もカメラの存在を意識し過ぎだということです。奥崎という人、元から過激というか粗暴な人物だったんでしょうけど、自分が主役として撮られているという自覚が過剰な演技に繋がってゆくという影響を間違いなく与えていると思います。途中から銃殺された兵隊の遺族に逃げられて、ニセ者を同席させ始めたのにはさすがに唖然としてしまいました。製作者たちは「虚実を超えた構成」などと自賛しているみたいですが、これはTVバラエティでやったら大問題になるヤラセ以外の何ものでもありません。監督が田原総一郎の弟子だったという経歴を知って、まあ納得しましたが。 この奥崎という男はとにかく自分の狂信以外は決して認めない、他人にも私生活があるなんてことはこれぽっちも理解していないという、もうまるっきりサイコパスだということは良く判りました。自分の私怨を晴らすために亡き戦友を利用しているだけとしか思えない。彼は終戦1年前に投降して捕虜になったみたいで、敗戦まで部隊に残った兵士たちより食料事情ははるかに恵まれていたわけです。本人に自覚はないかもしれませんが、彼の深層心理にはそれが深い負い目になっているのかもしれません。そんなキチ○イ男に群がってカネもうけのネタにする映画屋たちにも反吐が出そうです。 「これこそがドキュメンタリー映画の神髄なんだ」と説教されるぐらいなら、この世からドキュメンタリー映画なんて消えてしまった方がせいせいします。
[DVD(邦画)] 1点(2015-07-06 22:46:03)(良:1票)
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