261. ひばりの三役 続・競艶雪之丞変化
ひばりの一人三役と期待されたが、他の「雪の丞変化」と比較しても敵討ちを中心とした後半が貧弱で妙味がないように思う。 [映画館(邦画)] 5点(2012-08-31 19:11:29) |
262. キリマンジャロの雪(1952)
《ネタバレ》 冒頭に出てくる謎「豹は何を求めてあの高い山頂まで行ったのか」が妙に引っかかる。これは映画の途中にも、なぞなぞとして出てくるのだが、私にはその豹が主人公のハリー自身に思えてくる。足が壊疽になってあのまま死んでいたら本当にそう思ったことだろう。しかし映画は原作とは違っていた。この方が映画向きなのかも。 個人的には、主人公のハリーがどうも好きになれなかった。シンシアの気持ちは良く伝わってくるのに・・・。それにヘレンもシンシアに似ていたからというのも・・・。 余談だが、キリマンジャロの雪といえばヘミングウェイに決まっていたと思っていたが、ネットで調べてると最近別の映画が作られたらしい。 [DVD(字幕)] 5点(2012-08-26 21:01:42) |
263. 次郎物語(1955)
《ネタバレ》 作成年からして、私が子どもの時見た映画「次郎物語」はこれだったと思う。同時期には子ども向けの本として「次郎物語」を読んだ(読んでもらった)こともあり、原作は大変な感動作だった。だが改めて見てみると映画はすごく淡泊で細切れだ。これでは原作を知らない人には何だこの映画は?と思われるのではなかろうか。 この映画の主題は親子の愛だろうと思う。子役があまり上手でないせいもあるが、それ以上に映画の作りがまずい。ラストの継母お芳をお母さんと呼ぶシーンはもっともっと感動できるはずなのに・・・。 [ビデオ(邦画)] 5点(2012-07-06 21:29:03) |
264. ノンちゃん雲に乗る
家族で見に行ったのか、学校か何かで見たのかよく覚えていないが、子どもの頃見た映画。もちろんストーリーも細かなことも覚えてはいなかったが・・・。昔はこういう文部省推薦の教育映画?を何本も見せられたものである。50年ぶりにDVDで鑑賞。 内容についてとやかく言うことはないが、ヴァイオリンを弾いたり、バレーを踊ったりすると、子どもらしい顔が急に大人びた顔に見えたのが印象的だった。 ところで大泉さんは左手でヴァイオリンを弾いていたが、あれは左利き用の特別なものだったのだろうか。 [映画館(邦画)] 5点(2012-06-21 00:10:46) |
265. 君の名は 第三部
第3部で雲仙ロケも行われたということで、長崎で上映された。第2部は見ていないのだが、映画の冒頭にこれまでのあらすじがあり何とか見ることができた。 第2部まではさんざん苦労したようだけど、第3部では中盤から良い方に向かっているし無事に収まる。ただ病気が重体に見えず何かこんなものかで終わってしまった。やはり全編を連続して見ないと感動は薄いようだ。 [映画館(邦画)] 5点(2012-06-17 13:56:03) |
266. 西城家の饗宴
《ネタバレ》 家族愛をテーマにほのぼのとした感じはとても良いが、元海軍大佐の父親が協会の金を流用するとは信じられない。一遍に見る気が失せてしまった。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-03-10 11:21:18) |
267. 上と下
ミレーヌ・ドモンジョがメイドに挑戦、デビュー間もないC・カルディナーレも出演ということで、大いに期待したが・・・。カルディナーレは初めの方だけで姿を消してしまうし、ドモンジョは中盤になってもなかなか現れない。コメディとしては悪くないのだが、ちと軽すぎる映画。中盤までは家政婦さんに泣かされっぱなし、ラストはお巡りさんが・・・。 [DVD(字幕)] 5点(2012-01-21 14:20:03) |
268. タイタニックの最期
アカデミー賞の脚本賞を取るだけに、ストーリーは確かに良い。人間ドラマとしては、キャメロンのタイタニックよりずっと優れていると思う。しかし良かったのは前半だけで、氷山に衝突するシーンやその後の沈没するまでのシーンはまるでなっていない。豪華客船がいかにも作り物のおもちゃになっているし、船が沈没するというのに、乗客があわてず落ち着き払っているというのも、どうみても嘘っぽい。後半は興ざめしてしまった。 ところで気になるのは字幕のミス、ミシガン州のマキナック群(マキナック郡のまちがい)は許されるとしても、冒頭の乗客数でtwenty two hundreds を2万2千とは何事か(2200のまちがい) [DVD(字幕)] 5点(2012-01-07 03:46:35) |
269. 忠臣蔵 花の巻・雪の巻(1954)
最後になって討ち入りに加われなかった毛利小平太を準主役にした忠臣蔵だ。描き方としてこういう描き方もあるのかもしれない。 映画は控えめな演出ながら、本格的に堂々と進む。松本幸四郎の内蔵助も、長谷川一夫や片岡千恵蔵と比べ遜色ないと思う。しかし鶴田浩二の小平太は雰囲気に合わないような気がするし、エピソードもそれだけが浮いている感じ。チャンバラの時間も長くて嫌だ。 ところで内匠頭の時世の句が読まれるのはわかるが、内蔵助をさしおいて忠左衛門の「君が為・・・」が朗々と読まれるのはなぜ? [DVD(邦画)] 5点(2011-12-21 16:58:07) |
270. ふしぎの国のアリス(1951)
身体が大きくなったり小さくなったりするし、へんてこな動物やトランプのカードなどの登場でおもしろくさせているが、ややドタバタしすぎのように思う。しかしアニメを使って子ども向けにみせても、原作の会話の妙(風刺、かけことば、言葉遊びなど)にはついてこれないだろう。そのあたりがちぐはぐにも思える。仕方ないことかもしれないが・・・。 [DVD(字幕)] 5点(2011-12-20 23:36:01) |
271. 忘れえぬ慕情(1956)
長崎を訪れた異人さんとの恋と言えば、真っ先に思い浮かぶのが蝶々夫人(マダムバタフライ) それと似るといえば似ている。そしてどちらも・・・。 長崎の街に55年ぶりに登場という触れ込みで、長崎の映画館は久しぶりの満員だった。昭和30年、私が小学校に入ったばかりの頃の長崎の街が再現されるのを見ずにはおられない。その頃のグラバー邸、料亭、キャバレーなど、見るものすべてがなつかしかった。 だがその反面、映画のストーリーはどこにもあるような話で、何ということはなかった。気になったのはゲルト・フレーベ、もちろん純粋のドイツ人なのだが、その彼がフランス語の先生とは、恐れ入った。 [映画館(邦画)] 5点(2011-12-04 07:04:51) |
272. 朝を呼ぶ口笛
《ネタバレ》 新聞社主催の全国中小学生綴り方コンクールで、文部大臣賞を受賞した吉田稔の「新聞配達」の映画化、吉永小百合の映画デビューにもなった。 映画はいかにも文部大臣賞らしい内容で、明るくすがすがしい。夜間高校をめざす新聞配達少年が、父母の病気や手術による家庭困窮に遭遇したが、周囲の励ましやカンパなどによってがんばり抜く。 14歳の吉永小百合もまた、明るくまぶしいほどの輝きである。 [DVD(邦画)] 5点(2011-10-15 23:45:50) |
273. カルメン故郷に帰る
私の子どもの頃はカラー映画は大変珍しく、「総天然色映画」という名前でもてはやされたものだ。この映画こそ当時見たわけではないが(お子様には無理だったのか?)、当時の人気はすごかったのだろう。しかし何せカラー日本で初めてというのは大冒険だったろう。 妙なクラシック音楽や信州の大草原での踊り、暗い感じのオルガンというアンバランスの中で、高峰秀子のはじけっぷりは見事。 [DVD(邦画)] 5点(2011-10-12 16:33:54) |
274. 南太平洋(1958)
《ネタバレ》 リチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタイン2世の作だけあって、ミュージカルとしてはまったく申し分なし。有名な「魅惑の宵」「バリ・ハイ」はもちろんのこと、「ワンダフル・ガイ」「私に告げて」「ハッピー・トーク」などどれをとっても大変魅力的である。 それに加えて南国の島の美しさ、この音楽と映像の美しさが背景にとなる太平洋戦争とがなかなかマッチしない。戦争というのに、歌ったり踊ったりのんびりしているし、真剣に闘っているようにも思えない。 また逆にあれほど「戦争は嫌だ、平和な暮らしを壊したくない」と作戦協力を拒否していたエミールが、ネリーとの結婚がままならぬとあっさりと戦争に加担してしまうし・・・。それほど安っぽいものだったのかと落胆してしまう。 また人種差別も結構引っかかる。ポリネシアンを低く見ていたのを教育のせいにしてしまったが、おそらく敵国日本は「黄色い猿」とか何とか言っていたのだろう。むろん日本も「鬼畜米英」と言っていたわけではあるが・・・。 [映画館(字幕)] 5点(2011-09-12 01:20:48) |
275. 羅生門(1950)
《ネタバレ》 「わからん、さっぱりわからん。恐ろしいことだ」と言いながら、実は一部始終を見ている。私にしたら「何がわからんのか、何がおそろしいことなのか」と思っていたら、一緒に見ていた妻が「皆がなぜ嘘を言うのかがわからないと言ったのでしょ」と明快な答、なるほどと納得。人間のエゴがおそろしいのか。 グランプリ作品らしいが、私の好みではない。 [DVD(邦画)] 5点(2011-08-29 21:02:05) |
276. 旅愁(1950)
《ネタバレ》 美しいイタリアの街と風景、これがカラー映画だったら何とすばらしいことだろう。それに音楽、イタリアの民謡、それがセプテンバーソングのレコードのレコードを聴いてからは、映画のBGMとなって情感を盛り上げる。あちこち見物して回るのも二人が飛行機に乗り遅れた乗客としてほほえましい。 しかし、乗るはずだった飛行機の事故を知ると急転直下、美しいロマンス映画がただの不倫映画になってしまう。愛を貫くのかと思えばそうでもない、その辺の微妙なところが映画の主題なのかもしれないが、私にとっては簡単にはついていけない。 不思議なのはお金、相当の金額が事故の二日前に振り込まれていたこと、このあたりが不可解というか納得できないところ、事故が起きる前から長期滞在を目論んでいたとは・・・。 ジョーン・フォンテインは確かに美人だが、残念ながらピアニストには見えない。ピアノを弾いているとき、ピアノに集中せず考え事ばかりしているように見える。それが肝心なコンサートの場面まで・・・。 [DVD(字幕)] 5点(2011-08-14 04:21:41) |
277. イヴの総て
とにかくやたら会話が多い、他の映画の倍もしかしたら3倍くらいあるのではないか。 しかも演劇に関するものがほとんどで、前のが未消化のうちに次々と新しい会話が出てくるので、理解力不足の私はなかなかついて行けなかった。 たぶん名作なのだろうとはわかるが、どこがどう名作なのかは私には説明できない。蛇足だが、コロンボに出てきたバクスターとイヴの総てのバクスターが未だに同一人物に思えない。 [DVD(字幕)] 5点(2011-07-11 20:29:05) |
278. 青空娘
源氏鶏太と言えば「三等重役」に代表されるサラリーマン小説が有名であり、私も若い頃何冊も読んだものである。ユーモアに富んだ軽妙な語り口と明るくさわやかな感じが私の好みであった。その源氏鶏太の映画作品とあればと期待して見たのだが、評価は微妙。映画にしてしまうとわざとらしさが目立って気になってしまった。 [DVD(邦画)] 5点(2011-07-01 10:42:57) |
279. 張込み(1958)
《ネタバレ》 この映画は途中までは本当に退屈である。張り込みを始めてから5日6日と日にちだけが過ぎていき、殺人の容疑者はいっこうに現れない。毎日が判で押したような後妻高峰秀子の生活、ここで私のように退屈だと感じる人は刑事にはまったく向かない人であろう。 刑事というのはとても地味な仕事で、テレビドラマのような格好いいことはまったくないのが普通である。こつこつと聞き込み足で稼ぐ、あるいは映画のようにじっと張り込んで待つ、これが刑事の仕事である。その張り込みですら、旅館で他の職業人に化けてというのは異常だろう。実際は建物の陰や空き地その他の吹きさらし、暑さ寒さや雨露を凌ぎながらということになる。そういう現実ではなく、非常に都合の良い映画である。 また昔は他人の家の中をのぞき込んでも、まったく問題にならなかった。警察権力すなわち国家権力イコール正義だったのである。だが今ではどうだろう、本当に問題にならないのだろうか。警察は正義という名の前に、何でもできるというのが未だに残ってはいないだろうか、またそれが捜査の行き過ぎや冤罪を生み出してはいないだろうか。 この映画は清張特有の人間の心理より、警察権力そのものが問われているように私には思えた。 話がそれたが、旅館で男(刑事)が二人何もせず昼の日中からごろころとしている。知らぬ者がみれば怪しむのは当然であり、地元の警察を呼ぶが、うまいこと言って切り抜ける。この辺にも警察どうしの馴れ合いを感じさせる。 容疑者役が田村高廣というのもまったく凶悪犯には見えないし、高峰秀子と二人きりの姿を見ると、心中の心配はまったくないし、大石先生と磯吉君を思い出す。 またラストの「若いんだ、やりなおせるさ」という言葉すら「刑事に何がわかるのか」という空々しささえも感じる。後に「砂の器」や「鬼畜」の名作を描いた野村芳太郎監督だが、ここではまだ松本清張映画の第1作目で力は十分出し切れなかったのだろう。 [ビデオ(邦画)] 5点(2011-05-11 18:25:51) |
280. ロミオとジュリエット(1954)
《ネタバレ》 建物とか踊り、音楽といったものは中世の雰囲気がよく出ていると思うし、情景も美しい。そしてストーリーもすっきりしていてわかりやすい。 しかし、ロミオとジュリエットが愛を語る場面は夜なのに明るすぎてぶちこわしだし、主演の二人にももう少し魅力がほしい。また戯曲の世界だから仕方ないのかもしれないが、たいした決闘シーンもないのに一突きで簡単に死んでしまうのもあっさりしすぎではなかろうか。総じて盛り上がりに欠ける。 [DVD(字幕)] 5点(2011-04-27 15:51:11) |