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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1885
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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261.  トゥ・ヘル 《ネタバレ》 
数年前に火事で妻と娘を失い、以来酒浸りの日々を送っている冴えないトラック運転手、ジョー。ある日、彼はたまたま立ち寄ったコンビニのトイレで謎の男に首を絞められている女性ジュリーを発見する。咄嗟に男を殴り倒し、彼女を救いだしたジョー。だが、感謝の言葉が聞けると思いきや、ジュリーから出てきたのは驚くべき言葉だった。「余計なことしないで!首を絞めるように頼んだのは私だから」――。なんと彼女は、バイク事故で瀕死の重傷を負った一人娘を助けるために自ら首を絞めてもらったのだと言う。詳しく訊いてみると、実はジュリーは、幼いころの臨死体験が原因で死の淵に立たされると死後の世界に入ることが出来るらしい。半信半疑で一緒に病院へと向かったジョーは、そこで彼女の娘が無事に意識を取り戻したことを知る。行く当てのなかったジョーは、そのまま彼女たち親子と一緒に暮らすことに。だが、ジョーはまだ知らなかった。実はちょっとした手違いから、生き返った娘の身体にはジョーの失った妻の魂が宿ってしまったことを……。毎度おなじみニコラス・ケイジ主演で送る、そんなオカルト・テイストのエロティック・サスペンス・スリラー。ぶっちゃけて言うと、最近のニコケイ・ブランドの映画の中でも一、二を争うくらいの恐ろしく程度の低い作品でしたね、これ。とにかく何もかもが適当すぎ!具体的に述べさせてもらうと、まず基本となる臨死体験のルールが曖昧過ぎて物語としての枠がふわふわし過ぎです。なんで首を絞められたら娘の命を救えるのか理屈が分からない。百歩譲ってそこを良しとしても、何故蘇生した娘の身体に間違ってニコケイの死んだ妻の魂が宿るのか、ほんと意味不明!!挙句、この母親とニコケイが速攻で一線を越えちゃうのはまあ分かるとしても、その後、何故か娘ともがんがんエッチやりまくるってどんなアホ展開?!そこら辺の親子丼ものAVの方がまだ説得力ありますって!最後もよー分からんまま、ニコケイが燃えて終わりってなんじゃそりゃ(笑)。こんなお粗末なもんで観客から金を取ろうなんて、もはや詐欺行為に等しいっすよ!娘とのエッチがバレて情けない顔で言い訳する白ブリーフ姿のニコケイに、母親が言った「早くズボン穿きなさい!」ってのが、この映画の中で唯一共感できるセリフでした(笑)。
[DVD(字幕)] 3点(2020-03-09 00:50:13)
262.  ファイナル・スコア 《ネタバレ》 
人質は、スタジアムの観客3万5000人――。米軍特殊部隊の元兵士であるマイケル・ノックスは、久しぶりにロンドンへと訪れる。目的は、かつてイラクで戦死した同僚の遺された家族に会うため。実の娘のように可愛がっている彼の娘ダニーとの久しぶりの再会を喜ぶマイケル。だが、ダニーは父の死をきっかけに荒んだ生活を送っていた。少しでも気を紛らわせようと、マイケルは彼女と一緒にサッカーの試合を観に行くことに。超満員のスタジアムは、人気チーム同士の対戦ということもあってかつてないほどの熱気に包まれていた。否応なくテンションが上がる二人。だが、彼らはまだ知らなかった。その裏で、凶悪なテロリストたちによって恐るべきテロ計画が進んでいたことを――。電波妨害によって外部との接触を遮断された巨大スタジアムには、いたるところに爆弾が仕掛けられていたのだ。瞬く間に指令室を占拠した犯人たちは、要求を呑まなければ観客ごとスタジアムを爆破すると宣言。密かにその事実に気付いたマイケルは、独自に行動を開始するのだが…。と言う、もう分かりやすいくらいダイ・ハードのテンプレにのっとったベタベタなアクション作品なのですが、演出のキレがいいので最後までぼちぼち楽しめました。エレベーターやレストランの厨房でのアクションシーンなど、わりかしグロ描写多めでサクサク進んでいくので普通に面白かったですね。それに、主人公の相棒となる中東系の警備員が愛すべきダメキャラで、そんなハードシーンのいい緩和剤となっているのが大変グッド。対するテロリストたちもそれぞれキャラが立っていて、特にイカレタ女兵士が本当に良い感じにぶっ壊れてます。彼女と、はねっかえり娘であるダニーとの激しい女の戦いは見ものでした。ただ、さすがに後半は突っ込みどころが多いのが本作の残念なところ。スタジアムの通路でバイクチェイスや激しい銃撃戦をやってるのに、観客が誰も気づかないってあり得ます?天井から主人公がダイブして巨大ビューイングにぶつかってるのにそのまま試合続行って、イギリス人はどんなけサッカーバカなんですか(笑)。また、ファンの人には申し訳ないんですが、主人公を演じた俳優さん、主役としていまいち華がないように感じました。見た目こそごりごりの軍人っぽいんですけど、銃を構えたり敵を追って走ったりする姿が全然サマになってないんです。この人、主役より脇役の方が合ってるんじゃないかな~。まあでもエンタメ映画としてはアクション・シーンもけっこう迫力あったしお話も分かりやすいし、気軽に観る分にはそこそこ楽しめると思います。
[DVD(字幕)] 6点(2020-03-08 00:30:16)
263.  モンスターズ/悪魔の復讐(2018) 《ネタバレ》 
1892年、8月4日。マサチューセッツ州のとある豪邸で起こった凶悪な殺人事件。当主であるアンドリュー・ボーデンとその妻が、斧で顔面を元の形が分からなくなるほど何度も強打されるという残忍な手口で殺害される。しかも逮捕されたのが彼らの実の娘だったということで、当時世間でセンセーショナルな話題を振りまいたことでも有名な未解決事件だ。本作は、後に一転して無罪となった娘リジーの犯行に至るまでの6カ月を当時一家の召使いであったブリジットの視点から描いたサスペンス・スリラー。ブリジットを演じるのは、『トワイライト』シリーズで一躍人気女優となったクリステン・スチュワート。リジー役には、アカデミー賞にノミネートされたこともある実力派のクロエ・セヴィニー。彼女たちが実は秘密の同性愛的関係にあり、ともに恨みを抱いていた被害者を二人協力して殺害したのではないかという新たな?解釈で描いているのが本作のポイント。娘であるリジーは持病の癲癇を理由に父から虐待に近い抑圧を受けていて、召使いであるブリジットは夜な夜な彼から性的虐待を受けていた――。このことを映画の三分の二近くもの時間をかけて丹念に描いている。だが、正直自分にはこれが退屈で仕方なかった。やたらと暗い画面でダラダラダラダラ続くので途中から眠気と闘いながらの鑑賞となってしまった。しかも物語の焦点となる、この二人の百合的関係も鳥小屋でちょろっとキスして抱き合う程度。この二人の歪な関係性をこそ最も力を入れて描くべきだったのに、これでは極めてバランスが悪いと言わざるを得ない。ようやく殺害にいたるシーンも二人が協力して斧で殴り殺すだけという何の捻りもない展開で、肩透かしもいいところ。大胆なヌードを披露した主演女優二人も、これでは単なる脱ぎ損ではないか。どうせ脱ぐなら、もっと百合シーンでこの二人のヌードを見たかった。クリステン・スチュワートの形のいいおっぱい(クロエさんの方は正直どうでもいい!笑)に、+1点。
[DVD(字幕)] 4点(2020-03-07 23:56:34)
264.  ビリーブ 未来への大逆転 《ネタバレ》 
男は外に働きに出て、女は家で家庭を守る――。米国社会に色濃く残る、そんな古い価値観からくる性差別の歴史。本作は、司法の世界に伝統的に残る性差別へと果敢に戦い、後に女性として初めて最高裁判事となったルース・ギンズバーグの半生を描いたもの。監督は社会性の強いエンタメを得意とするミミ・レダー。正直、自分は全く嵌まらなかったです、これ。別に僕は性差別主義者でもなんでもありませんが、ここまで全面的にフェミニズムを持ち出されるとちょっと引いちゃいます。このギンズバーグって人、なんだか田嶋陽子さんの若い頃みたいなイメージで、何を言っても「それは男社会の論理!」で反論されそうな、ぶっちゃけて言うと物凄く面倒臭い感じがして僕はどうも苦手です。肝心のドラマ部分も、いかにもミミ・レダー監督らしく丁寧に作られていて好感は持てるのですが、全体的に専門用語が多くて分かりづらい部分もちらほら。最後の主人公の演説も僕の頭が悪いせいかいまいちピンとこず、法廷劇としてそこまでカタルシスを得られなかったです。うーん、そんなわけで自分とは合わない作品でありました。
[DVD(字幕)] 5点(2020-03-04 22:24:04)
265.  魂のゆくえ 《ネタバレ》 
この狂った世界に、子供を生まれさせるのは間違っている――。ニューヨーク郊外に佇む、今年で創建250年を迎えた歴史ある教会「第一改革派教会」。責任者であるトラー牧師は、かつて一人息子をイラク戦争で失くし、以来神の教えに目覚めた敬虔な信者だ。孤独を愛し、ただ神の教えだけを心の糧に生きる彼は、ある日、妊娠中の女性メアリーからとある相談を受ける。環境保護活動に熱心な夫が、自分の子供を堕ろすことを強要してくるというのだ。世界はいま急速に破滅へと向かっている、この世界に子供を送り出すのは悲劇しか生まない、と。実際にトラー牧師が会ってみると、夫はただひたすら利益優先の大企業がいかに地球環境を破壊し続けているかを語り始めるのだった。また会うことを約束しその場は別れたものの、のちにトラー牧師はメアリーから更なる相談を受ける。なんと彼はガレージに自爆ベストを隠し持っているらしい。最悪の事態を想定し、ベストを持ち帰ったトラー牧師。だが、彼自身もまた、この世界に絶望を感じている自分を否定出来ないのだった……。神を信じつつもこの世界に希望を見失いはじめた、ある孤独な牧師の魂の遍歴を淡々と描いた哲学的なヒューマン・ドラマ。そんな信念の危機を迎え孤立を深めていく男を演じるのは人気俳優、イーサン・ホーク。監督は、70年代を代表する問題作『タクシー・ドライバー』の脚本を書いた、ポール・シュレイダー。ドラマティックなストーリー展開とは終始無縁、音楽もほぼ流れず、最後までただ淡々と続く暗い作品ながら、最後まで緊張感を途切れさせずに見せた監督の手腕は大したものだと思います。俳優たちの静かな熱演も素晴らしく、特に愛する者を失いながらそれでも懸命に生きようとする妻を演じたアマンダ・セイフライトは特筆に値します。この狂った世界に生きる価値などないのか――。病的な思考へと傾倒し、やがて過激な行動へと駆り立てられるこの主人公は現代の『タクシー・ドライバー』そのもの。それは間違っていると思いながらも、自爆ベルトへと袖を通す主人公にいつしか共感している自分が居ました。神なき時代を生きる現代人の苦悩に鋭く迫った、社会派の問題作と言っていいでしょう。ただ、残念だったのは後半の展開が幾分か腰砕けになってしまったところ。ここまで主人公の魂の苦悩を深く描いてきたのに、この結論はちょっと物足りない。なんなら絶望のどん底へと観客を徹底的に叩き堕とすくらいの覚悟が欲しかった。この現代に、安易な希望などいらない。
[DVD(字幕)] 7点(2020-03-02 00:12:14)
266.  オーヴァーロード 《ネタバレ》 
1944年、ナチスドイツとの熾烈な戦闘が繰り返されるヨーロッパ戦線。アメリカの若き空挺部隊の兵士たちは、ドイツ軍の猛攻撃を受けながらも輸送機で目的地上空まで辿り着く。パラシュートで何とかフランスの大地へと降り立った彼らは、郊外の小さな村へと到着するのだった。生き残ったのはボイス二等兵をはじめとする4人の兵士たち。教会にナチスが建てたという電波塔を速やかに破壊せよという命令を果たすため、彼らは偶然知り合った村娘の民家を隠れ家にしてそれぞれ任務遂行への道を探る。だが、目的の教会へと忍び込んだボイス二等兵は、そこで驚くべき光景を目にするのだった――。悪魔のようなナチスの科学者たちは、村人たちを材料に恐るべき実験を繰り返していた。なんと彼らは死人たちを蘇らせ、死をも恐れぬ兵士を創り上げようとしていたのだ!圧倒的に困難な状況の中、甦った死人軍団を相手に何とか任務遂行を目指すボイスたちだったが…。対ナチスの戦争ものとゾンビパニックものの奇跡の融合というアイデア一発勝負のそんな本作、戦争もののグロにゾンビもののグロを掛け合わせるというアイデアはけっこう新鮮で、このグロの相乗効果はなかなか良い感じでした。全体的に演出のキレも良く、特に冒頭ナチスの猛攻を受けながらのパラシュート降下シーンはかなりの迫力で摑みはばっちり。中盤、主人公がナチスのうじゃうじゃ居る教会内へと忍び込むシーンなども緊迫感があって普通に楽しかったですし。ナチスの人体実験と言うよく考えればけっこう不謹慎な内容ながら、これがなかなかゾンビものとよく合う。粘液質な液体からゾンビがぬるぬる出てきたり、首だけの女性がまだ生きていたりと、その手の映画のツボはちゃんと押さえられていたのもポイント高いです。ただ、さすがに後半脚本に突っ込みどころ満載なのが本作の残念なところ。あの村娘の家に囲われていた叔母ゾンビは、いったい何のために出てきたのでしょう?クライマックスは設定のむりむり加減がたたってだいぶ破綻しかけちゃってます。そもそもこの兵士たちが何のために戦ってるのか観ていていまいち分からなくなってくるので、物語としてのカタルシスがかなり弱い。電波塔破壊かゾンビ殲滅か、焦点をどちらか一本に絞るべきでした。とはいえ、エンタメ映画としてはある一定の水準に達しているので何も考えずに観る分にはぼちぼち楽しめると思います。
[DVD(字幕)] 6点(2020-03-01 00:35:07)
267.  翔んで埼玉 《ネタバレ》 
日本に唯一残された秘境、埼玉を巡る壮大な魂と誇りの物語。前評判通り、あまりにも荒唐無稽な内容でしたが完全にイキ切っていたのでけっこう面白かったです。同じ作者のギャグ少女漫画の名作『パタリロ』の初期のころの大ファンである自分としては、この毒のあるネタの数々はなかなか楽しめました。ただ、自分が関西在住で関東のこの地理的な関係性がいまいち呑み込めない部分もあったので、そこまで嵌まれなかったところも。でも、群馬県の扱いは酷すぎてさすがに笑っちゃいました。と、全体としてはまあまあって感じかな。もしこれを関西バージョンで撮るとすれば、やはり舞台は滋賀県になるんですかね?(笑)。決まり文句はもちろん、「滋賀県民には、琵琶湖の水でも……(以下自主規制)」
[DVD(邦画)] 6点(2020-02-24 02:04:06)(笑:1票)
268.  Z Bull ゼット・ブル 《ネタバレ》 
ストレス社会をぶっ飛ばせ!――。世界に冠たる一流兵器メーカー、アモテック社。そこは高性能銃器や小型地雷、破壊力抜群の重火器や最新型の戦闘ロボ、さらには清涼飲料水まで幅広く手掛けるグローバル企業だ。ある日、闘争心を高める兵士用エナジードリンク「ゾルト」を開発した社長は、全社員を集め、強制的に試飲させることに。だが、誰も知らなかった。そのエナジードリンクには致命的な〝欠陥〟があることを――。突如として狂暴化し、手近の武器を手に取るとお互いを殺し始める社員たち。一瞬にしてオフィスは血みどろの大パニックへと陥ってしまうのだった。遅刻してきた落ちこぼれ社員であるデズモンドは、目の前の信じられない光景に途方に暮れるばかり。同じくドリンクを飲まなかった落ちこぼれ社員たちと合流したデズモンドは、ほのかに好意を寄せている女子社員を救うため、そんな阿鼻叫喚の地獄絵図と化したオフィスへと乗り込んでゆく。果たしてデズモンドと仲間たちはこの絶体絶命の危機を脱することが出来るのか?アイデア一発勝負で撮られた、完全にB級であるそんな本作、まったく期待せずに今回鑑賞してみたのですが、これが意外や意外、なかなか面白いじゃないですか!まあゾンビものの単なる亜流と言ってしまえばそれまでだけど、全編に散りばめられた会社あるあるがけっこう笑える。経理部と営業部が無茶苦茶仲悪かったり、女社会である人事部がかなりドロドロだったり、典型的なパワハラ&モラハラな上司がブイブイ言わせていたりと、「あー、これ分かる分かる!」と終始ニヤニヤしっぱなし。日々のストレスを発散するかのように暴れまわる、ダメ社員主人公に思いっきり感情移入しながら見入っちゃいました。ドリンクを半分飲んだせいで我慢できないことがあると急に暴れ出すヒロインの女子社員もけっこう可愛くて、そんな彼女が前半ガムテープでぐるぐる巻きのまま移動させられるとこなんてすんごくキュート。そして、この会社が兵器メーカーであるとこも舞台として最高です。なんせクライマックスは、倉庫に保管されていた様々な武器爆弾に火炎放射器、果てはミサイルやバトルロボットまで持ち出して、もはやぶっ飛びまくり(笑)。うん、なかなか面白かった!!日々、会社のストレスにウンザリしているサラリーマン諸君にお薦めの一本です。
[DVD(字幕)] 7点(2020-02-24 00:42:25)
269.  キラー・メイズ 《ネタバレ》 
ヒマを持て余した今年で30歳になろうという無職のダメ男が、何を思ったか自宅のリビングに段ボールで迷路を作り始めたことがそもそもの始まりだった。もともと凝り性だったせいもあり、出来上がったそれはなんと作った本人ですら三日も出てこれないほどの超大作に。迷い込んで出られなくなったという彼を救うため、同棲中の恋人や腐れ縁の友人たちが一致団結。半信半疑に入口を潜ってみるとそこには本当に広大な迷路が拡がっていた!しかも、内部には随所に危険な罠が仕掛けられていたのだった。さらには危険な悪の化身ミノタウロスまで登場し、獲物を求めて辺りを徘徊し始める。果たして彼らは無事にこの殺人迷路から抜け出すことが出来るのか?アイデア一発勝負で撮られた、完全に低予算のそんな本作、あまり期待せずに今回鑑賞してみました。舞台となる、全て段ボールで手造りされたであろうこのセットは確かにチープなんですけど、これがけっこう細かいところにまで独特のセンスや拘りが感じられて意外に最後まで観ていられる作品になってましたね、これ。まあ一言で言い表すなら、エッジの効いたNHK教育の子供番組みたいな感じで、折り紙の鶴や虫がそこら中にわさわさ動き回っていたり、ピアノの鍵盤が何処までも続く部屋があったりとなかなかに独創的。首を刎ねられた女性から噴き出す血が色鮮やかな紙吹雪なとこなんて、けっこうセンスを感じました。他にも遠近法を使ったビックリハウス的な部屋や、入った者が全員チープな段ボール製パペットになっちゃう部屋など視覚的に飽きさせない工夫が施されているのもポイント高いです。学生たちが自主製作で創ったようなノリで観たら、意外とセンス良かったみたいな感じかな。とはいえ、脚本が同じくらいチープなのはいただけませんけど。全く中身がないうえに、さして笑えないギャグが全編に渡って繰り返されるのがかなり寒い。致命的なのは、こんな殺人迷路が何故出来上がってしまったのか、その根本的な原因を曖昧なままに終わらせてしまったこと。とまあ、お話的には完全にナシだけど、この監督のヴィジュアル・センスにはほんのちょっとだけ将来性を感じました。
[DVD(字幕)] 5点(2020-02-21 03:44:43)
270.  スウィート17モンスター 《ネタバレ》 
彼女の名は、ネイディーン。何処にも居るような平凡なティーンエイジャーだ。別にクラスの人気者ってわけでもなく、勉強もスポーツも平均以下、憧れの男子にはSNSで友達申請するもずっと音沙汰なし、婚活失敗続きのママはずっとヒステリーを起こしっぱなし。そんな冴えない日々を送っていた彼女に、大事件が発生。なんと自分の兄と、唯一の友達で子供のころからの大親友でもあるクリスタが付き合うことになったのだ。「そんなの絶対あり得ない!」――。色ボケ兄貴も親友だと思っていたクリスタも怒ってばかりのママも分かってくれない学校の先生もクソったれな世界も何より自分のことが大嫌いになったネイディーンは、その日から人生の袋小路へと迷い込むのだった。果たしてお先真っ暗のネイディーンの人生に明日の光は差すのか?そんな八方塞がりのイケてない日々を送る17歳の女の子の日常をポップに描いた青春ドラマ。まあいわゆる今どき“こじらせ女子”の生態をリアルに描いたそんな本作なのですが、何より主役を演じたヘンリー・スタインフェルドの魅力に尽きると思います。最近のクロエ・グレース・モレッツを髣髴とさせる、この絶妙なブ……失礼、個性的なルックスがこの主人公のこじらせ具合にばっちり嵌まってました。ほとんどアドリブなんじゃないの、これ?って思わせるほど人の嫌がることを次から次へと捲し立てる彼女の減らず口には思わずニヤニヤ。うん、居るよね、こんな子。自意識過剰のかまってちゃんで、自分の思い通りにいかないとヒステリーを起こすトラブルメイカー。いやー、客観的に見る分にはすこぶる面白いですわ。まあ当事者になるのは絶対嫌ですけど(笑)。「いいよね、君は私と別れられて。私はこんな自分とは一生別れられないんだよ」。同じくこじらせ女子の生態を描き続けて芥川賞を受賞した日本の小説家に本谷有希子が居ますが、彼女のとある作品の中にあるこんな言葉を思い出しちゃいました。そんな彼女を温かく見守る、ウディ・ハレルソン演じる学校の先生もなかなかいい立ち位置でナイス!ただ、さすがに後半は余りにも迷走しすぎてちょっとしんどくなっちゃいましたので、そこは若干マイナスです。ネイディーン、さすがに男を振り回しすぎでしょ。まあそこらへんは好みの問題だろうけど、ぼちぼち面白かったです。
[DVD(字幕)] 7点(2020-02-20 03:01:25)(良:1票)
271.  500ページの夢の束 《ネタバレ》 
彼女の名は、ウェンディ。何処にでも居るような平凡な女の子。でも、一つだけ人と違うことがある。それは人と話すのが大の苦手で、自分の思い通りにならないことがあると思わず“かんしゃく”を起こしてしまう困った癖を持っていること。そう、彼女はいわゆる自閉症なのだ。唯一の肉親である姉の結婚を機にウェンディは福祉施設で暮らすようになり、今はパン屋さんで働き自立している。でも、本当の願いは思い出がたくさん詰まった自分のお家に帰ること。そんな折、姉の勝手な判断で大切なお家が売却されてしまうことを知るのだった。到底納得いかないウェンディはまたしてもかんしゃくを起こしてしまう。食事が喉を通らないほど落ち込んだ彼女が、考え込んだ末に思いついた解決法。それは、映画会社が主催する、自分の大好きなテレビドラマ「スタートレック」の脚本コンテストに応募し、賞金10万ドルを手に入れることだった。寝る間も惜しんで書き上げた500ページにも及ぶ原稿はすでに完成してある。だが、締切は明後日。とてもじゃないが、今から郵便局に預けにいってては間に合わない。仕方なくウェンディは、たった一人ロサンゼルスへと向かうバスへと乗り込むのだった。愛犬のピートを相棒にして――。自閉症と言う個性を抱えた一人の女性が、自らの夢を叶えるために遠く離れたロサンゼルスまで旅する姿を描いたロードムービー。前作で、障碍者と性と言う難しい問題をあくまで軽く爽やかに描いたこの監督らしい、ほのぼのとした空気に包まれた心温まるお話でしたね、これ。とは言ってももちろんキレイごとばかりではなく、当然そこには障碍のある人の生き辛さや家族の葛藤、世間の無関心やそんな弱者を食い物にする悪人の存在もちゃんと描かれる。でも、そこまで深刻になる一歩か二歩手前で引くこの監督の絶妙な匙加減は見事としか言いようがありません。特に居なくなった彼女を追って奔走する、トニ・コレット演じる施設職員には好感持ちまくりです。バスの運転手や医者、融通の利かない映画会社の事務員など嫌なやつも沢山出てくるのですが、それ以上に彼女のような魅力あふれる人々がいっぱい出てくるのがとてもいい(宇宙の言葉を突然話し出す、あの警官マジサイコー!)。そう、どんな人にだってちゃんと手を差し伸べてくれる優しい人が居ることを改めて教えられました。主演を務めたダコタ・ファニングも自閉症を抱えた若い女性をリアルに演じていてとても良かったです。最近妹の方が何かと話題になることが多いのですが、彼女にはこのまま演技派の道を歩んでいって欲しいものです。今回の結果は残念だったけど、必ず認めてもらえる日がきっと来るよ。そう思わずにはいられないヒューマン・ドラマの佳品でありました。お勧めです。
[DVD(字幕)] 8点(2020-02-18 22:39:07)
272.  バグダッド・スキャンダル 《ネタバレ》 
『石油・食糧交換プログラム』――。それはイラク戦争開戦前夜、欧米の経済制裁によって苦しむイラク国民を救うために国連主導で行われた人道援助だ。当時まだ独裁者として同国に君臨していたサダム・フセインによる大量破壊兵器開発を防ぐため、国連が窓口となって豊富な石油資源を市場価格で売却し食料や医薬品と交換してイラクへと還元させる。多くの人命を救うための人道的プログラムのはずだった。だが実際は、フセイン政権による横領や横流しが相次ぎ、さらには先進国の大手企業がその利権を巡って多くの不正行為に手を染めていた。驚くべきことに、監視者であった国連職員にまで汚職が蔓延していたのだ。若き職員マイケル・サリバンはその事実に気付き、すぐさま上司に報告するも実態は公にされることなく握りつぶされてしまう。だが、様々な国の思惑が複雑に交錯する国際情勢の中、やがてそれは国連を大きく揺るがす一大スキャンダルへと繋がっていくのだった……。本作は、200億円にも及ぶ大金が闇に消えたという実話を基にして描かれた硬派なポリティカル・サスペンスだ。主演を務めるのは若手俳優テオ・ジェームズ、他に制作も務めたというベテラン、ベン・キングズレーが名を連ねている。確かな取材や時代考証に基づいたであろう骨太な物語はなかなか見応えがあった。ニューヨークの国連本部から当時混乱を極めたイラクの首都バグダッドにまで拡がるそのスケールの大きさにも圧倒されるものがある。何より、この弱者を救うためのプログラムを利用し甘い蜜を吸い続けた、欧米各国の行き過ぎた資本の論理には戦慄させられる。人間とは、かくも欲深き生き物なのか――。「民主主義に汚職はつきものだ」と言うベン・キングズレーの言葉が重い。そんな醜い国際情勢によって翻弄される、主人公の国連職員とクルド人女性通訳との儚い恋物語は強く印象に残った。丁寧な手腕が光る政治サスペンスの逸品と言っていいだろう。ただ、こういう作品なので仕方ないのだろうが、お話として地味すぎるのが自分には少々退屈に感じてしまった。もう少しドラマティックに脚色しても良かったのではないか。世界の実態を知るという点では充分観る価値はあったが、人間ドラマとしては幾分か物足りなさの残る作品であった。
[DVD(字幕)] 6点(2020-02-17 23:10:59)
273.  エリザベス∞エクスペリメント 《ネタバレ》 
舞台は、人里離れた小高い丘の上に建つ豪華な別荘。そこに、持ち主であるノーベル賞を受賞した老科学者が若き婚約者を連れてやってくるところから物語は始まる。婚約者の名は、エリザベス。まるで人形のような完璧な美貌の持ち主である彼女を迎え入れるのは、科学者の息子である盲目の若者と家政婦のような謎の女性。誰もが何か秘密を隠しているような別荘の中で、科学者とエリザベスの愛欲に満ちた新婚生活が始まる。沢山の高価な服に高級な家具調度品、何不自由ない満たされた日々。だが、エリザベスは拭い切れない違和感を抱き始めるのだった。夫の目を盗み、秘密の地下室へと忍び込んだエリザベスは、そこであり得ないものを発見してしまう。それは昏睡状態で保存された、自分と瓜二つの若き女性だった――。果たして自分は何者なのか?エリザベスの出生の秘密を巡り、衝撃の物語が今幕を開ける……。とまあ、ここでぶっちゃけてネタバレすると彼女はこの科学者が創り出したクローンなわけなのですが、こんな単純なお話なのに、こんなにこんがらがったストーリー展開にする意味が分からない作品でしたね、これ。エリザベスの基となった人間はこの科学者の亡くなった奥さんで、しかも6体しか作り出せなかったのに、約束破って秘密の地下室に入ったからって簡単に殺しちゃうこの科学者の行動がまず意味不明過ぎます。物凄く怪しさ満点でしかも指紋認証で簡単に入れるのに、「この部屋に入ってはいけない」なんて言ったら誰だって入りたくもなりますって!え、これは「ここには誰も隠れてへんで!」って言う往年の吉本新喜劇のネタですか(笑)。さらにこの別荘の住人である女性科学者の謎の経歴やら実は息子もクローンだったという無駄にややこしいうえにさして盛り上がりに欠けるエピソードを絡めてくるもんだから、後半はもう眠たくって仕方なかったです。中途半端に哲学的な会話を盛り込んでみたり、全編にわたって変に凝った撮り方をしたりするのもこの面白くなさに拍車を掛けています。大胆なヌードを披露してくれたエリザベス役の女優さんも確かにキレイなんですけど、なんだかお人形さんのような作り物めいた感じなので、そこまで僕の股間に響かず…。うーん、観るだけ時間の無駄の凡作でした。4点!
[DVD(字幕)] 4点(2020-02-16 23:52:45)
274.  コード211 《ネタバレ》 
それは平凡な一日になるはずだった。いつものように――。定年を間近に控えたベテラン警察官、妻の妊娠を知り人生の絶頂に居る若手警官、学校での乱闘騒ぎから丸一日のパトカー同乗体験を余儀なくされたいじめられっ子の高校生、長年連れ添った妻との記念日を迎えた銀行の支店長、そして凶悪な犯罪者を追ってアフガニスタンからやって来たインターポールの刑事……。彼らの平凡な日常が、突如として切り裂かれる。街の一画にある大手銀行を狙って、元軍人たちで結成された凶悪な強盗集団が襲撃したのだ。何丁もの武器と大量の爆発物を用意した彼らは、瞬く間に銀行を占拠し、中に居た客や行員を人質にする。白昼堂々と行われた大胆な犯行。異変を察知した、偶然近くに居た警察官の通報により、緊急コード〝211〟が発動されるのだった。それは、現在進行中の銀行強盗を意味する秘密のコードだった――。果たして人々は無事にこの大惨事を乗り切ることは出来るのか?突如として修羅場と化した地方都市を背景に、偶然そこに居合わせた人々のサバイバルを臨場感たっぷりに描いたクライム・アクション。毎度おなじみニコラス・ケイジ主演で送るそんなオーソドックスな本作、まあやりたいことは分かるのですがなんだか全体的に演出の詰めが甘い作品でしたね、これ。一応群像劇っぽい作りになっているのですが、それぞれのエピソードの描き方がいまいちよく練られてません。例えばニコラス・ケイジ扮するベテラン警官、なんか妻を過去に失くしてそれが原因で娘と疎遠になってるっぽいんですが、そこらへんが説明不足でよく分からないんですよ。偶然パトカーに居合わせたという高校生もそのキャラ設定の詰めが甘くいまいち感情移入できない。インターポールの女性刑事に至っては、正直何がしたいのかさっぱり理解できません。終始こんな感じで、肝心のドラマ部分にうまく乗り切れないんですよ、残念ながら。対する銀行強盗たちも綿密に計画を練ってると思いきや、かなり行き当たりばったりの無為無策ぶりでちょっと呆れてしまうレベル。最後、追い詰められた彼らがどうするのかと思ったら、まさかの重たいバックを背負ってえっちらおっちら正面突破。当然のように瞬殺されるという捻りの無さには思わず苦笑しちゃいました。最近のニコケイ映画にしてはアクションシーンにけっこうお金を掛けていて、白昼の街並みで展開される銃撃戦などはなかなか迫力あっただけになんとも残念。
[DVD(字幕)] 5点(2020-02-15 23:00:44)
275.  シシリアン・ゴースト・ストーリー 《ネタバレ》 
マフィアに拉致監禁され、突然居なくなってしまった13歳の彼氏のことをただひたすら捜し続けた少女の姿を幻想的な映像で描いたピュア・ラブ・ストーリー。ギレルモ・デル・トロの作品を髣髴とさせるというキャッチコピーに惹かれて今回鑑賞してみましたが、正直「どこがやねん!」と思わず突っ込んじゃうくらい残念な作品でありました。もう雲泥の差ですよ、これ。とにかくストーリーの見せ方が恐ろしく稚拙。大して面白くもないお話がダラダラダラダラ続くうえ、意味不明なシーンが山ほど差し挟まれるもんだからもう眠いったらありゃしない。あの主人公が髪の毛を染めるシーンはいったい何の意味があったのでしょう?音楽の使い方もまるでなっちゃいない。何より、この「どうだい?芸術的だろう?」と言わんばかりの全編に横溢する監督の独り善がりなナルシズムが、もうとにかく気持ち悪くって仕方なかったです。そしてよく分からない唐突なラストシーンの後に表示される、実話を基にしたというテロップ。はっきり言って、これは死者への冒涜ではないかとすら僕には思えてしまった。正直、観る価値など欠片もない恐ろしいほどレベルの低い作品だと断言していいでしょう。主人公の女の子の今にもパンツが見えそうな超ミニスカート(実際何回か見えてたし!笑)に+1点!
[DVD(字幕)] 2点(2020-02-11 00:30:21)
276.  サマー・オブ・84 《ネタバレ》 
連続殺人鬼も誰かの隣人だ――。1984年、6月。オレゴン州の小さな田舎町で暮らす15歳のデイビーは、何処にでも居るような平凡な男の子。仲の良いクラスメートとはくだらないエロ話で盛り上がってばかり、ジャーナリストの父との関係も普通、大した夢があるわけでもなく、憧れの幼馴染の女の子には声をかける勇気もない。そんな冴えない日々を過ごしていたある日、彼はとある重要な事実に気付いてしまうのだった。隣人で広い一軒家に一人暮らししている警察官。彼こそ、最近世間を騒がせている幼い少年ばかりを狙った連続殺人事件の真犯人なのではないか――。自分なりに観察すればするほど確信を深めていくデイビー。いてもたってもいられなくなった彼は、いつもつるんでいる仲間たちと本格的に調査を開始するのだった。果たして隣人は本当に連続殺人鬼なのか?デイビーたちの一生忘れられない夏が今、幕を開ける……。80年代を代表する数々の映画作品にオマージュを捧げた、そんなノスタルジックな雰囲気が横溢する青春スリラー。とまあ、ノリはもう完全に『スタンド・バイ・ミー』や『グーニーズ』で、他にも『グレムリン』や『E.T』などと言った有名映画への愛が溢れ出ている昔懐かしい雰囲気の作品でしたね、これ。主人公の仲間となる少年たちも、キザな不良、頭脳派の眼鏡、とろいおデブ、そして憧れの美少女と物凄くベタなんですけど、一周廻って逆に新鮮でした。それに全編を彩るテクノサウンドもホント懐かしい!肝心の隣人の警察官も最初は怪しさ爆発、でも中盤で実際は主人公の勘違いでしたと思わせといて、実は……、と言うのもベタながらアリ。警官宅に忍び込むシーンなど、不穏な音楽で「来るぞ、来るぞ」と観客の不安を煽っといて急に大きな音を出して驚かすという手法も懐かしい(若干腹立つけど!笑)。この古き良き80年代を懐かしむという点ではなかなか良かったと思います。ただちょっと残念だったのは、前半のストーリー展開が若干もたもたしてるうえにいまいち分かりづらいところかな。もう少し丁寧な演出を心掛けて欲しかったですね。そして、最後の驚きの展開は賛否が分かれるところ。でも僕はなんとなくスティーヴン・キングの『IT』っぽくてけっこう好きかも。ま、こういう作品なんで新しい部分は一切ありませんが、僕はぼちぼち楽しめました。
[DVD(字幕)] 6点(2020-02-10 12:32:19)
277.  ハッピー・デス・デイ 2U 《ネタバレ》 
謎の殺人鬼に何度も何度も殺されるという悪夢の無限ループへと陥ったビッチな女子大生、ツリー。彼女がその無限ループから抜け出すために、何度も殺されながら真相を探る姿を疾走感あふれる展開で描いた青春ホラー第二弾。前作の低予算ながらポップでキレのいい演出がけっこう面白かったので、続編となる本作も期待して今回鑑賞してみました。前作では謎のままだったタイムループ発生の原因が、本作で明らかにされたのは嬉しい展開。前作ではちょい役だったあの「メス犬とやったのか」でお馴染み(笑)の金髪アジア系男がまさかの張本人だったとは!冒頭、こいつが新たな無限ループに巻き込まれる展開に、「え、もしかして今回はこいつが主人公なん?!」とちょっと不安にもなりましたが、途中でちゃんとツリーの無限ループに戻ったのでホッとしました(彼女にとっては迷惑この上ないでしょうけど笑)。ただ、肝心のことの真相が実は幾つもの現実が併存する多元宇宙(パラレル・ワールド)だったというのは賛否が分かれるところ。僕はどちらかと言うと否の立場かなぁ。話が無駄にややこしくなって前作ほどのカタルシスを得られませんでしたわ。それに前作よりスラッシャー・ホラー要素が薄まったのもちょっと残念。まぁこればっかりは好みの問題なのでしょうけれど。それでも、相変わらず様々な死にざまを身体を張って魅せてくれたツリーの潔い死にっぷりには今回も楽しませてもらいました。ドライヤーで感電死したら次の瞬間髪の毛爆発してたりだとか、スカイダイビングに裸で挑んだりだとか、ゴミ収集車に頭からスライディング・ダイブだとか、前作以上の悪ノリっぷりに終始ニヤニヤが止まんなかったです。最後のオチもけっこう決まってましたしね。というわけで、前作ほどではないですが、今回もなかなか楽しませていただきました。でも、さすがにこれ、もう続編はないよね(笑)。
[DVD(字幕)] 7点(2020-02-09 23:50:59)
278.  ハッピー・デス・デイ 《ネタバレ》 
彼女の名は、ツリー。自他ともに認める下半身ゆるゆるの女子大生、いわゆる“ビッチ”だ。その日の朝も昨日の酒が残った状態で目覚めたツリーは、自分が見知らぬ同級生の部屋のベッドに寝ているのを発見する。「あっちゃー、またやっちゃった」。酷い二日酔いの頭でそう後悔しつつも彼女は、今夜のパーティーのためにすぐさま自分の学生寮へと急ぐ。何故なら今日は誕生日だから。今日こそ最高にハッピーな一日を過ごすため、ツリーは嫌みなルームメイトや不倫の関係にある大学教授たちをやり過ごし、約束のパーティー会場へと暗い夜道を歩いていた。すると、彼女の背後に忍び寄る不穏な影。不気味なマスクを被った謎の男に、ツリーは呆気なく殺されてしまうのだった――。だが、次の瞬間、ツリーはまた見知らぬ同級生の部屋のベッドに寝ている自分を発見する。見覚えのある人と見覚えのある会話。戸惑いつつもパーティー会場へと向かった彼女は、またしても謎の男に殺されることに。でも、次の瞬間、ツリーはまた見知らぬ同級生の……。原因不明のそんな悪夢の無限ループへと迷い込んだビッチは、果たして無事に誕生日を乗り越えることが出来るのか?最近流行りのループ物に青春ホラーをミックスしたというそんな本作、いやー、これがなかなか面白いじゃないですか!最初目覚めてから謎の男に殺されるまでの一回目が若干長くてループ物としてどうかと思ったんですが、二回目三回目とループが繰り返されるたびにどんどんとスピード感が増してゆくのが観ていて爽快。ツリーの殺され方も、ナイフで刺殺から割れたガラスで顔面串刺し、バッドで殴打、噴水で水死、バスで轢死、ガソリンで爆殺とバラエティに富んでるのも大変グッド!あまりに殺され過ぎて、もはや開き直ったツリーが裸で学内を歩いたりするシーンなんていかにもビッチでナイスでした(笑)。きっと原因は自分の自堕落な生活のせいだと思い込んだ彼女が、真人間になろうと努力する中盤の展開なんてすんごく薄っぺらいんですけど思わず応援しちゃってる自分が居ました。うん、頑張れ、ビッチ(笑)。そして真犯人が明らかにされるクライマックスもけっこう脚本が練られていて普通に面白い。ラストシーンなんてなかなか技ありで思わず拍手しそうになっちゃったし。いやー、この監督、けっこうセンスあるんじゃないですかね。このタイムループの原因をもう少し納得できる形で説明して欲しかった気がしなくもないですが、エンタメ映画として僕は充分楽しませていただきました。うん、8点!
[DVD(字幕)] 8点(2020-02-08 23:03:38)
279.  ア・ゴースト・ストーリー 《ネタバレ》 
交通事故で死んだ夫が幽霊となって、遺された妻を時空を越えて見守る姿を幻想的に描いたファンタジック・ラブ・ストーリー。率直に言ってさっぱり面白くありませんでした、これ。役者たちの台詞を極力排除したり、極端に動きの少ない画をひたすら長回しするシーンなんて、まあ意図してやってるんでしょうけど、普通にセンスがないんでもはや観られたもんじゃありません。あまりに退屈過ぎて開始10分で早々と襲い掛かってきた睡魔と闘いながらなんとか最後まで観ましたが、残念ながら得られたものは特に何もなく……。雰囲気ごり押しで全く中身がないくせに、変に芸術を気取ったこの監督の独り善がりなナルシズムがとにかく鬱陶しくって仕方なかったです。うーん、観るだけ時間の無駄の駄作としか僕には思えませんでした。
[DVD(字幕)] 3点(2020-02-07 22:02:44)(良:1票)
280.  ドント・ウォーリー 《ネタバレ》 
彼の名は、ジョン・キャラハン。毒の効いたユーモアで人気を博した風刺漫画家だ。だが、その人生は決して順風満帆とは言えないものだった。実の母親に捨てられたというトラウマから酒に溺れ、二十歳を過ぎたころには立派なアル中に。前日の酒が残った状態で朝目覚めると、その酒が切れないうちに新たな酒を求めるという典型的な負のサイクルに陥っていた。そして迎えた運命のその日――。いつものように友人と酒場をはしごし、前後不覚になるまで酔っ払った彼は、更なる酒を求めて次の酒場を目指していた。しかも、酔っ払って歩くことさえままならない酩酊状態の友人が運転する車で。当然のように車はかなりの事故を起こし、ジョンは意識不明の状態で病院へと担ぎ込まれることに。下された診断は致命的な脊髄損傷。一生車椅子生活を余儀なくされるというものだった。障碍者となりながらも、それでも酒を止められないジョン。絶望のあまり自暴自棄へと陥った彼の人生に、果たして光は差すのか――。実話を基に、そんな過酷な境遇に居るとある一人の男の人生を淡々と描いたヒューマン・ドラマ。監督は、丁寧な心理描写には定評のあるベテラン、ガス・ヴァン・サント。障碍者でありながらアル中のどうしようもないクズ男を演じるのは今最も勢いのある実力派俳優、ホアキン・フェニックス。他にもジャック・ブラックやルーニー・マーラと言った人気俳優が脇を固めております。この監督らしいほんわかとした雰囲気は相変わらず健在で、半身不随とは言っても完全に自業自得のこのダメ男の人生を、良い時も悪い時も含めて丸ごと掬い取る監督の目線はとても優しい。「そう、人生って上がったり下がったりの繰り返しなのよね」という当たり前のことに改めて気づかされました。時系列をバラバラにし、敢えていつの時代の話なのかを曖昧にするこの独特の構成が巧く効いています。これはジョン・キャラハンと言う男の平凡だけどかけがえのない人生のポートレートと言っていいのかも知れませんね。その時々に現れる美しい恋人?の存在も彼の人生を豊かに彩っています。ルーニー・マーラって改めて思いますけど、ほんとにキレイですよね~。「人生いろいろあるけどこの先ちょっとは良いこともあるだろうし、まだまだ頑張ろう」と改めて思わせてくれる、人間賛歌の良品でありました。
[DVD(字幕)] 7点(2020-02-05 13:07:01)(良:1票)
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