Menu
 > レビュワー
 > R&A さんの口コミ一覧。15ページ目
R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

●今週のレビュー
   「」

   
     










    


  










  


 












表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順1234567891011121314151617181920
212223242526272829303132333435
投稿日付順1234567891011121314151617181920
212223242526272829303132333435
変更日付順1234567891011121314151617181920
212223242526272829303132333435
>> カレンダー表示
>> 通常表示
281.  ベンゴ
これはギャングのお話なのだろうか。いつの話なのだろうか。主人公の娘はなんで死んだのだろうか(映画内のお話以前に)。主人公の兄はなぜ人を殺したのだろうか(映画内のお話以前に)。よくわからないままに映画は進む。わからなくても結局困らなかったからいいんだけど。ファミリーの結束はそんじょそこらのギャング映画も顔負けの結束具合で、しかもやたらと男くさいのに怖さがなく、常に家族の結束としての暖かさに溢れている。そこに音楽。声も楽器のひとつなんだと思った。雰囲気は最高にいいんだけど、主人公の葛藤や行動に少々ついていけないところがある。兄の息子を守ること以外に自分の娘の死を引きずっていることも、最後の悲しい決断を促す要因になっているのだろうが、その行為が家族を守るための勇敢なもののようにも見え、ただただ悲しい運命にも見え、あるいは主人公のある意味投げやりな行為にも見えてしまうのが、最後の最後に自分の中で盛り上がりきらない原因になっている気がする。
[DVD(字幕)] 6点(2008-03-19 12:33:37)
282.  パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち 《ネタバレ》 
かのアトラクションからここまでの物語を作り上げてしまう創造性に恐れ入りました。また続編への伏線を残しながらもこれはこれでちゃんと完結しているのもウマイ。ま、失敗したときのための戦略なんでしょうが。また、呪われた海賊たちって言わばゾンビなんですが、怖さよりもコミカルさを前面に出し、月の灯りに照らされてそのグロテスクな容姿をさらけ出したときはさらにそのコミカル演出をパワーアップさせて、けして切羽詰らない、どこか楽しい戦いを見せてくれる。へたすりゃ、本来怖いはずのところをスカされたわけで、チープ感こそが漂ってもおかしくないのだが、コミカルな部分を多く担わされているデップ=スパロウが徹底してズルくて自分勝手で自由奔放で酔っ払いで天然でだらしなくて汚くて体の動きがいちいち変で、でもキャプテン、というキャラを完璧にこなしていることでむしろゴージャス感まで漂っている。けっこう楽しめた。
[DVD(字幕)] 6点(2008-03-10 15:09:42)
283.  名探偵コナン 水平線上の陰謀
毎年毎年よく考えるなあと感心する。途中からワンパターンから抜け出そうと人気のあるサブキャラの活躍で急場を凌いできた感があったがそろそろ限界かなと思ってた矢先の今作は、サブキャラの助けを借りずに王道で頑張っている。コナンのアクションシーンがかなり少ないのだが、そのぶん本筋の推理以外のかくれんぼや園子の居場所の推理といった推理漫画ならではの展開で楽しませてくれる。ラストはこれまた本筋の事件とは関係のない蘭のピンチ。ウチの娘は何度も見てるくせにラスト付近になると、蘭ちゃんは?蘭ちゃんは?とウルサイウルサイ。とまあ、視覚的にも一人閉じ込められているという画は、けっこうドキドキさせてくれる。毛利のおっちゃんが滅法かっこいいというのもたまには良い。
[DVD(邦画)] 6点(2008-02-12 11:32:20)
284.  ジョンQ-最後の決断-
『狼たちの午後』を彷彿させる社会派ドラマではあるが、社会派ドラマについてまわるリアリティを追求せずに、登場人物たちを極端にキャラ分けする寓話的とも言える手法で見せてゆくというのは昨今のメジャー映画事情に明らかに逆行していて、そのぶん非常に分かり易い。この分かり易さこそが良きハリウッド映画だったのではないだろうか。主人公はただ子供を助けたい一心で犯罪に及ぶのだが、映画は極端なキャラクターでもって歪んだ社会を次々と露呈させることで主人公の行為を許容させようとする。営利最優先の病院経営者は病気の人間を助けるという病院の本来あるべき姿を消し去り病院システムの問題をさらけ出させる。名声に執着する警察署長は早急さにこだわりより良い解決策を考えることもなく警察の本来すべき仕事をせずに警察システムの問題をさらけ出す。ガードマンも金に見合った以上の仕事をしようとしない姿は金が全ての社会をさらけ出し、メディアの主人公の訴えには腰が重く事件が起きてはじめて動く姿にはやはり金銭および名誉至上主義をさらけ出している。主人公の会社も保険会社も社会問題を露呈させている。この映画のいいところは、ここまで明確なキャラ分けをしているにもかかわらず、さまざまな問題はすべて社会にあるのであって人にはないとしているところ。だから主人公も誰も憎まない。ただ、いくらリアリティを求めないにしても病院長の心変わりは急変にすぎる。もうひと粘りしてほしかった。
[DVD(字幕)] 6点(2008-01-25 12:32:02)(良:1票)
285.  Gガール/破壊的な彼女
唐突にできた空き時間にシネコンに飛び込んだはいいが限られた空き時間ではコレしかなかったので半ば仕方なしに観たというのが正直なところなのだが、大当たりとはいかないまでも拾い物をしたという満足感は大いに得ることができた。スーパーヒーローといっても当然長所ばかりであるはずもないのだが、これまでのあらゆるスーパーヒーローの短所は必ずと言っていいほど負の一面、あるいは暗黒面として描かれ、ヒーローたちは自問自答し悩むのだ。しかしGガールの短所ともいえるヒステリックな嫉妬心は、あくまで普通の女の子としての短所であり、けしてスーパーヒーローであることと結び付けようとはしない。そして普通の女の子としてスーパーパワーを使うのだ。だから突拍子もない無茶苦茶な行為もそこには不自然さはなく、むしろ人間的でイヤミも嫌悪もなく爽快感すら呼び起こす。ラストがまたいい。資質に合った仕事に出てゆく者と送り出す者。男と女の凝り固まった概念を取り除けば、こんなにも自然なカタチを形成できるのだ。
[映画館(字幕)] 6点(2008-01-23 16:07:09)
286.  Jの悲劇
冒頭の気球事故シーンがインパクトあり。気球の色が赤だということも印象強さを助長する。物語が全てこの冒頭のシーンに起因していることを強烈に見せている。ただ強烈すぎて、その後のこちらの想像とは異にする意外な展開に頭がついていかない。そのうえ主人公の葛藤が事故による罪悪感という単純なものではなく、罪悪感をさらに起因とする様々な葛藤が複雑に絡み合うので余計についていけない。それでもその複雑な心理という不可視なものをしっかりと映像で表現しているのは巧いと思う。変質的な妄想を膨らませる男を拒否しながら拒否しきれない視線。理論がために逃避する主人公のいらだち。肝心なところを語っていないところから始まる女との確執。全てを理論づけて思考する主人公が赤ん坊という理論を越えた温かみをその腕に抱きかかえた瞬間を切欠として自分自身を取り戻してゆく過程もまた実に映画的な見せ方。ちょいと謎めかした展開がかえって面白さを半減してしまっているのが残念。
[DVD(字幕)] 6点(2008-01-22 10:50:22)
287.  くたばれ!ハリウッド(2002)
写真をパラパラと見せていくだけで一人の男の半生を語らしめてしまう。もちろんナレーションがあってのことだけど、なかなかうまくこなしてるんじゃないかと。ハリウッドの大物は社交界の花形でもあるわけだから華やかな写真も多々あるわけで、それゆえに可能となった人物史。中身は今さら驚くようなものでもないが、それなりに興味深く見ることができると思う。メジャーのプロデューサーといえば映画の敵のような印象があるが、この仕事もけっこう大変なんだなと。『ローズマリーの赤ちゃん』の周囲の反対を押し切ってロマン・ポランスキーを監督に抜擢したというエピソード、女優心をくすぐってミア・ファロー降板を阻止したというエピソードを聞くかぎりでは、金儲けが大前提だとしてもプロデューサーの映画に対するセンスと手腕ってのは映画に不可欠なのだと思い知らされたような気がしました。ま、この人は「特別」なのかもしれませんが。
[DVD(字幕)] 6点(2007-12-21 16:52:45)
288.  ウィスキー 《ネタバレ》 
おもいっきりアキ・カウリスマキだった。ただ、一つ一つの口数の少ない会話がカウリスマキよりもちょっとリアル感を持っている。パターン化された朝の仕事始めの繰り返しもコメディでありながら妙に生々しい。なので最後はちょいと残酷に思えてならない。カウリスマキの映画のようにもっと虚構性を帯びてくれればこのオチでもいいのだが、なんだかこの変われない男が哀れで・・。奇妙な三人の奇妙な旅がもたらしたものが結局主人公の男には何も無かったというオチはある意味その辛辣さにおいて斬新かもしれないし、ある意味至極当然ともいえるのだが、マジメな男にもほんの少しの光を与えてほしかった。博打はその伏線だと思って見てたもので。
[DVD(字幕)] 6点(2007-12-10 15:28:33)
289.  ブラッド・ダイヤモンド 《ネタバレ》 
扱うネタは社会派であっても社会派映画として問題を露にしたり伝えたりという体はとらず、そのネタはひたすらサスペンスとアクションに従事する。だから面白い。さらにサスペンスとアクション以上にズウィックが比重を置くのが「男のドラマ」。ディカプリオの最期は、それまで見せてきたワイルドさからしてみればちょいとセンチメンタルに過ぎるような気もするが、あの最期のシーンこそがズウィックの真骨頂。紅一点ジェニファー・コネリーの存在は、子供が殺し殺される悲惨な世界の中で展開される、それぞれが異なる目的のために強力し合う男二人のドラマに華を添えることで作品の重さを軽減している。物語を終わらせるラストシークエンスは蛇足とまでは言わないが、社会派映画によくあるパターンでがっかり。もう一工夫欲しかった。
[映画館(字幕)] 6点(2007-11-16 11:21:39)
290.  素晴らしき休日(2007)
カンヌ映画祭60回記念の企画として「劇場」をテーマに35人の監督が作ったってやつのひとつ。『監督・ばんざい!』を観に行ったらコレもやってた。同時上映を全然知らなかったので得した気分。でもカンヌ上映時の前評判がえらく良かったことを聞いていたせいで期待しすぎたのか、いわゆる「お約束」の連続でちょっと物足りない。ラストはお約束とはいえ、『キッズ・リターン』のように颯爽と自転車に乗って気分良く帰りたかったんだろうなぁとか思ったら後から笑いがこみ上げてきた。フィルムが燃えるシーンは前に一度実際に見たことあるんでドキッとしました。こうゆう絶対採算がとれないような小さな映画館って少なくなったけどまだチラホラ残ってて、休日を素晴らしき休日にするためにも残し続けて欲しいなと思いました。上映時のハプニングもまた映画体験なんですから。
[映画館(邦画)] 6点(2007-11-06 14:41:14)(良:1票)
291.  ピアニスト 《ネタバレ》 
母親の精神的完全管理の下、ピアニストとしてのみ生きて来た女はピアニストに必要なもの意外を受け入れる器を持たない。歳をとっても女として成熟していない。未熟な女が性欲を満たすために行う行動の一つ一つが男の性欲を満たすための行動となるのが面白い。つまり男は成熟しても性欲に対しては未熟なままということなのだ。なるほど、そうかもしれない。 異性への興味はあるものの、それを受け入れる器もないから認めたくもない。そこに突然表れる男。不器用を通り越した異常な愛の形。本当に縛られたいわけじゃない。本当に殴られたいわけじゃない。でも何をすべきか、何をしてほしくないのか、それさえも分からない。観ていて悲しすぎる。それでもハネケは手を緩めない。ラストであんな表情をさせるなんて、、、ハネケは鬼です。それにしても、これは小説ですね。ハネケは映画で小説を作ってます。
[DVD(字幕)] 6点(2007-06-27 13:59:04)(良:1票)
292.  恋の門
ぶっ飛んだマンガチックな世界観がいい。映画監督初挑戦の意気込みだとか硬さだとかも感じられず、いろんなことに手を出してしまうというありがちな失態も(豪華キャスト総出演意外は)見せず、その世界観を最後まで逸脱せずに作り上げている。こういうぶっ飛んだ世界観だとそこに登場する人物のキャラクターがいかにその世界観に馴染んでいるかが重要になってくるのだが・・・馴染みまくり! 酒井若菜って何者?可愛いしエロいし、しかもその可愛さとエロさをコメディエンヌとして発揮している。ほとんど彼女がこの映画を引っ張っていってる。彼女の個性が抜きん出ているため、松田龍平のダメぶりも活きている。べつにいなくてもいいキャラを豪華キャストが演じているが、そんなサービスは要らない。主演二人でじゅうぶん見せてくれてるんだから。
[DVD(邦画)] 6点(2007-06-06 11:03:46)
293.  レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード
低予算ゆえの創意工夫がなされた『エル・マリアッチ』と無茶苦茶な『デスペラード』の良いところを合わせたような第三弾は、一見無茶苦茶ながらも前作よりもはるかにスタイリッシュで、スッキリしている。前作でハリウッド初作品ゆえに他人に譲った「撮影」も「美術」も監督自らの手に取り戻したからなのか、前作のチグハグさも解消されている。だから同じ無茶苦茶でも無茶苦茶さが一種の味となっている。そして無茶苦茶さがバージョンアップされた最たる場面がジョニー・デップの終盤の顔!血の痕がデビルマンみたいで怖いんだけどかっこいい、痛々しいんだけどちょっと笑っちゃうというとんでもない姿にやられた。こんな衝撃的な姿が終盤にあるならもっと前半でも活躍してほしかったぞ。バンデラスは前作のほうがかっこよかったけど、カメラが追う登場人物の人数が増えてるからしょうがないか。
[DVD(字幕)] 6点(2007-06-01 17:58:19)
294.  ゲゲゲの鬼太郎(2007)
キャスティングが見所!なんていうと大抵があんな人がこんな役で出てるというただそれだけでしかないことが常で、この作品の西田敏行やYOUや中村獅童や小雪なんかはまさにあんな人がこんな役で出てるという典型で、別に他の俳優がやったって問題ないものだと思う。でも意外や意外、メインの妖怪たちのキャスティングは見てびっくり、ぴったりはまってます。中でも田中麗奈の猫娘にやられた。25年前の「スリラー」をパクッたような思わず「古っ!」と絶句しそうなダンスを踊らされたり、バトルシーンでは子供向けヒーローもののようなキメのポーズをさせられたり、そもそもスラッと長い足を惜しげもなくさらけ出すあのコスチューム!!可愛かった~。一番重要な役どころの「少年」のキャラが弱かったのが残念。映画としてどうなのかという以前に映画を映画館で観るという醍醐味のひとつである「いっしょに笑う」ことの心地よさを久々に味わいました。オナラというのは子供から大人まで笑える。そのオナラを何度もネズミ男がする。そのたびに子供たちが笑う。こういうのもたまにはいい。
[映画館(邦画)] 6点(2007-05-15 11:39:57)(良:1票)
295.  ギプス
エロチックというよりも、女のいい匂いが充満した映画という感じ。実際、さほどエロチックなシーンはない。その代わり、極端に妖しげな佐伯日菜子も、ものすごく普通っぽい尾野真千子も、どちらも同じくらいに女の匂いをプンプンさせていて、もうそれだけでこの作品は評価されても良いくらいの雰囲気を持っている。『月光の囁き』にも似た二人の関係をサスペンスで推し進めるというだけのストーリーが、この充満する女の匂いによってエロスにもホラーにも、はたまたラブストーリーにも不条理劇にもなり得る可能性を秘めながら進んでゆく。『月光の囁き』ほどのインパクトは無いものの、「女を撮る」ことに対する塩田監督の可能性を見た気がした。
[ビデオ(邦画)] 6点(2007-04-11 12:15:17)
296.  ローズ・イン・タイドランド
ギリアム版「不思議の国のアリス」という宣伝は、私にとってはディズニーのそれを想起させ、ギリアムの突拍子もない世界観との融合を想像させてしまい、結果、全く違う本作に違和感を感じてしまい失敗だったと思う。真っ白な状態で観たほうがぜったい楽しめた。そもそも「タイドランド」とは干潟 のこと。海でも陸でもないところ。海でも陸でもあるところ。少女の妄想の世界などではなく妄想と現実が交わった世界が描かれるのだ。どうしようもない父と母。厳しい環境をものともしない小さな女の子の強さの源は「子供の想像力」。この「童心」を大人に持たせてきたのが今までのギリアムだった。モンティ・パイソンのシュールな笑いもこの「童心」にあるような気がする。しかし本家の子供を使ってこの「童心」を描くと、このシュールさ、グロテスクさ、エロティックさが妙にリアリティを帯びてくる。列車事故まで引き起こしてしまう童心パワーの凄まじさ。そして残酷さ。子供の本質にある可愛さと残酷さを実にうまく描き出している。うまく描き出しすぎている。この映画、ちょっと怖いです。あぁやっぱり真っ白な状態で観たかった。いつか再見します。
[映画館(字幕)] 6点(2007-02-20 11:44:43)(良:1票)
297.  パーフェクト ストーム 《ネタバレ》 
船が帰ってくる。漁港でのそれぞれの再会、魚の計量、船主とのやりとりやらが無駄なく要領よく映し出され、次の酒場のシーンでほぼ全員の人となりが提示される。待ち受ける「パーフェクト・ストーム」のお膳立てでしかないこのプロローグの出来の良さに期待が膨らむ。お話はポーの「メールストロムの旋渦」にそっくり。ただし奇跡の生還者が語る生々しいお話などではない。つまり生還者なし。冒頭のネームプレートに続きダイアン・レインの眠れぬ夜によってそれらは提示されている。にもかかわらず生きて帰ってくるんじゃないだろうかという淡い期待を抱かせる作りがどうも納得がいかない。もっとはっきりと、いっそ葬式のシーンから始めればいい。もしくは実話に反して生還させればいい。前者だと自然の驚異であるパーフェクト・ストームがより脅威に感じられ、後者なら前半のドラマがより活きた人間ドラマになってたと思う。あと、自業自得という意見が多いことを考えると、もっと切羽詰った感があってもよかったのかもしれない。私はじゅうぶんあったと思ってたんですが。
[DVD(字幕)] 6点(2007-02-14 13:47:06)
298.  マイアミ・バイス
マイケル・マンは【やましんの巻】さんがおっしゃるように「プロフェッショナル」な男たちを描いてきた。その道のプロたる佇まい、視線、挙動を見せてきた。だからその道というのがどんな道であろうと男たちはいつもかっこいいのだ。この作品ではそこに女が加わる。しかし、麻薬組織のボスの愛人であり、取引の際の一部決定権まで握る位置にある女を、影があり凄みがある女を、コン・リーがかっこよく示してくれたのは前半だけで、後半の恋する女はただの恋する女に変わってしまった。ラストに見せる表情なんて『活きる』のコン・リーそのものじゃないですか。だからせつないのだと言われればそれはそうかもしれないが、プロフェッショナルな女が恋をし裏切られるほうがもっとせつないにきまってる。もちろん女はプロではなかったということだったわけですが、女捜査官の死に瀕したシーンの「女らしい」挙動を見ても、マイケル・マンの中では「しょせん女はプロにはなれん」的な概念があるんじゃなかろうか。女がもっとかっこよかったらこの映画、かなり良かったと思うのですが。
[映画館(字幕)] 6点(2007-02-09 15:36:27)(良:1票)
299.  ディパーテッド
題材から、これならスコセッシも本領を発揮できるんじゃないかと、期待半分不安半分で鑑賞。オリジナル版を観ている者はまずマット・デイモンがアンディ・ラウのように「善」と「悪」の間で、いつ揺れ動くのかを待ち、結局ただ保身のためだけに行動することにがっかりするだろう。でも個人的にはそんなかっこ悪くてドラマチックじゃない脚色が気に入った。スコセッシをちょっと見なおした。 でも期待するものでもなかった。銃撃戦で『マイアミ・バイス』を思いおこした。『マイアミ・バイス』を彷彿させたのではなく、マイケル・マンならもっと派手でかっこいいシーンになったのにと思った。しかし『ゴッドファーザー』をリアルじゃないと断じたスコセッシなら当然ともいえる。じゃあ、『グッドフェローズ』のギャングの恐怖を、『タクシードライバー』の撃ちあいの衝撃を再現できたのかというと全くできていない。一方でディカプリオもニコルソンもかっこいい。でもそのかっこよさを前面に出さない。なぜならかっこいいことはリアルじゃないから。でもかっこいいではないか。ものすごく中途半端。スコセッシは観客に受け入れられる映画を研究していくうちに自分本来の持ち味を忘れてしまったように思う。と書いたがスコセッシに過剰な期待をしなければけっこう楽しめたような気もしないでもない。
[映画館(字幕)] 6点(2007-02-05 12:05:12)(良:3票)
300.  ライフ・イズ・ミラクル
犬と猫が喧嘩するところがありましたが、べつに犬と猫の喧嘩のシーンというのでなく、役者が演技している傍らで喧嘩をしているわけなんですが、当然犬と猫は喧嘩をしなさいという支持のもと喧嘩をしているわけではなく、勝手に喧嘩をしているのだと思うのだが、こういう動物の使い方は好きだ。この犬と猫がいたるところでいい味を出している。クストリッツァの作品を被う突き抜けた陽気さのひとつの小道具として動物は欠かせないものとなっているが、この作品もまた効果的に機能しているように思う。そしてその「陽気さ」に常にまとわり付く「戦争」が『アンダーグラウンド』のように「陽気さ」をただの陽気さではなく悲しみを内包した深みのある陽気さへと昇華する。ただし、やっぱり長い。エピソードがあっちいきこっちいきして、しかもその一つ一つが長い。この監督のどの作品にも感じるのだが、いらないエピソードが多すぎる。尺を半分くらいにしてくれたら傑作だと思う。かもしれない。
[DVD(字幕)] 6点(2007-02-02 12:52:26)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS