281. アマデウス
ピーター・シェーファーの大ヒット舞台劇を原作者自ら脚色してミロシュ・フォアマンが映像化した一級のクラシック映画。流石にモーツァルトを知り抜いているシェーファーの脚本だけあって曲を挿入するタイミングが実に絶妙。レクイエムのシーンでは、モーツァルトを追い詰める内に音楽家としての本能が憎しみを凌駕し、共に作曲に没入するサリエリの鬼気迫る姿が印象的。トム・ハルスは本作以降パッとしないが、個人的には本作のMVPだと思う。あれくらい羽目を外さないと、お耽美系の美男俳優とかが演じていたら、ありふれたコスチューム・プレイ映画として作品の格がガクッと落ちていただろう。ただ、史上に名高い悪妻(経済観念ゼロの女性を妻にしたら…ゾゾッ!)コンスタンツェの描き方がてんで甘いので2点マイナス。 8点(2003-01-10 02:14:17)(良:1票) |
282. レインマン
自閉症の兄弟を持つ身として言わせて貰うなら、ダスティン・ホフマンの演技は圧巻の一語。半端な演技力ではありません。所謂「知的障害者」と混同されがちですが、全く違います。その違いをココで説明するつもりは無いですけど。後半ギャンブル等にホフマンの驚異的な数字の記憶力を利用するシーンがありますが、アレは決して誇張ではありませんよ。正常だと思っていた自分が、全然脳味噌使いこなしていない事実に私も何度と無く愕然とさせられたコトがありましたから。トム・クルーズはハッキリ言って嫌いなんですが、本作では好感が持てます。レイモンドを差別視せず、優しく接するトムの恋人役を演じたヴァレリア・ゴリノも素敵でした。ホフマンのオスカー主演男優賞受賞は当然でしょう。アカデミー受けを狙ったとか言う次元の演技レベルを遙かに超えていると思いますし。スピルバーグが監督予定されていたとは知りませんでしたね。個人的に実現しなくて良かったと胸を撫で下ろす気持ちで一杯です。矢張りコレはバリー・レビンソンの映画ですよ。尤も本作以降は精彩に欠けているみたいですが…。 8点(2003-01-09 23:42:10)(良:1票) |
283. サボテン・ブラザース
単純にズッコケ(死語?)お笑い映画として楽しめる点でジョン・ランディス作品としては出色の出来。今観てみると…このプロットって、思いっきり「ギャラクシー・クエスト」にパクられているような気が…考え過ぎか? 7点(2003-01-09 16:39:46) |
284. グレムリン
無名時代のクリス・コロンバスが持ち込んだオリジナル脚本をアンブリンってかスピルバーグが気に入って、ジョー・ダンテに監督させたファミリー向けモンスター映画。当時は結構話題になったと思うが、別に大して面白くもない。モグワイの入手先がチャイナタウンってのも、何か胡散臭いモノは「東洋の神秘」経由にしちまえ、とでも言わんばかりで不快。グレムリンてのはそもそも西洋の小鬼っぽい妖精のコトじゃあないのかな?と突っ込みたくなるが、そうまでムキになる価値はコレには無い。まして続編には更に無し。 5点(2003-01-09 11:25:19) |
285. コマンドー
シュワが鬼のようにひたすら強い!対する敵側が数のみ…って普通はそれで充分オッケーなんだが、生憎シュワ映画では通用しない。だったら、もっとシュワを人質以外の手で追い詰めるようなインパクトのある悪役出さなきゃ!どいつもこいつも弱過ぎだし、シュワはさぞゴキゲンだったかもしれないが、シュワの武勇談か自慢話を延々と聞かされてるみたいで正直ウンザリだった。(当時の)アリッサ・ミラノはチョット可愛いので5点。 5点(2003-01-09 05:50:40)(良:1票) |
286. フラッシュダンス
個人的にエイドリアン・ラインの作品はどうも…アノ何ともあざとい感じが全編に横溢してハッタリ臭いのが苦手で。これもナァ、ジェニファー・ビールス演じるヒロインのダンスシーンが見所なんだから、安易に替え玉使っちゃダメだろう。初めっから踊れる若手女優選べよ。いくらでもいただろうに。往年のMGMとかのミュージカル女優も容姿は二の次で、先ず「歌って踊れるか」が基準だったんだから。ジンジャー・ロジャースしかり、アン・ミラーしかり。アイリーン・キャラとかの音楽でお茶を濁してるのが見え見えで今イチ底が浅い。もう古き良きミュージカル黄金時代は帰らないと分かっていつつも、ついコノ手のダンス映画観ると溜め息混じりに文句つけたくなっちまうんだよね。スマン! 6点(2003-01-09 00:06:06) |
287. ストリート・オブ・ファイヤー
デフォーが云々とか予備知識一切無しに観れば、往年の日活アクションっぽいノリで結構それなりに面白いけどなぁ。リッチモンドって路地裏と高架しかない無法地帯みたいな印象だ。アチラの暴走族は歌劇じゃなくて過激ッス!「一体、警察はナニをやっているんだ!」…って、それは言わない約束でしょ?お父っつぁん。 7点(2003-01-08 11:39:53) |
288. 危険な情事
このエロともホラーともつかない中途半端な映画が全米ナンバーワンヒット作?あまつさえオスカーにノミネートぉ?おいおい、どうかしてるぞ。エイドリアン・ラインって監督には、どうもハッタリがかった作品が多くて個人的に全く合わない。マイケル・ダグラスも随分男を下げたモンだ。「一夜だけ遊びのつもりが大火傷」的映画なら、コレよりはクリント・イーストウッドの処女監督作「恐怖のメロディ」のジェシカ・ウォルターの方が遙かに怖かったぞ!1971年当時の若いイーストウッドをギリギリ追い詰めるんだから、そりゃもう…! 5点(2003-01-08 02:20:30) |
289. ゴジラ(1984)
製作態度に偉大なる第1作へのリスペクトが全く感じられず、ひたすら不快なので3点。単純に正義の味方リセットして悪にすりゃあ、また一儲け出来るわい、てな感じで作ったんだろう。第一リセットするなら先ず「ゴジラの身長」だろ?旧作と同じじゃ80年代東京の高層ビル街の方が遙かに高いに決まってるっつーの!お陰でゴジラがちっちゃくて都市破壊シーンが全然サマにならない。橋本幸治や中野昭慶に期待なんぞ一滴もしちゃいなかったが、ココまでお馬鹿とは…。つくづく円谷英二はワン・アンド・オンリーであったのだなぁと痛感。 3点(2003-01-07 02:54:23) |
290. 戦場のメリークリスマス
ヴァン・デル・ポストの原作は未読だが、そういうコト云々以前にキャストでストーリーと映像を著しくスポイルし過ぎていて、とてもじゃないが正視に堪えない。デヴィッド・ボウイ老け過ぎ!回想シーンの若き日のセリアズまで自分で演じちゃコントだよ。坂本龍一のヨノイがナヨナヨし過ぎ!ちゃんと長髪をバッサリ刈って坊主頭にしたのは潔いが、如何せんヒョロっちくて帝国軍人だという説得力が皆無。加えて大根じゃ救いようが無い。大島渚は「適役と確信した」とか言ってるけど、知名度のあるミュージシャンを担ぎ出して話題性を狙っただけだろう?音楽だけはマァ印象的だけど。 5点(2003-01-07 00:15:41) |
291. プレデター
序盤は特殊部隊モノかと思ってたら、謎のエイリアンに次々と血祭りに…。何じゃコリャと思ったが、「invisible」ってトコが結構斬新な着想だったし、「アポロ」の黒人が呆気なく殺られるわ、シュワもボコられるわで意外にイケてるじゃん♪と中盤以降すっかりゴキゲンでした。マクティアナンやるな。が、しかーし、プレデターが姿を現したのが運の尽き。何かショッカー怪人みたいなチープな造形!ここで急速にクール・ダウン。ギーガーとまではいかなくても、もうちょっとプレデターのデザイン&造形に凝って欲しかった…。惜しいナァ。 6点(2003-01-03 20:29:05)(良:1票) |
292. ゴジラVSビオランテ
これが完全オリジナル作品なら「平成の世によくぞ作った!」と諸手を挙げて絶賛しないでもないが、所詮は「ゴジラ」シリーズの一環でしょ?大森一樹も小林晋一郎も特撮オタクとしての「ボクが考えたゴジラ映画」レベルでは優秀な部類かもしれないけど、偉大なる円谷英二御大と比較するのは無礼というモノです。身の程を弁えなさい! 6点(2002-12-31 16:43:55) |
293. スウィートホーム(1989)
この大失敗も「CURE」の肥やし位にはなったんだろう、という意味で…5点!古舘も出演を悔いているに違いない。 5点(2002-12-31 16:23:06) |
294. バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2
3もそうだが、蛇足!4年の歳月はマイケル・J・フォックスを老けさせ過ぎた。いくらトッチャン坊やでも、あの顔でハイスクールボーイはないだろう。前作の引用が多すぎて「一見さんお断り」になっているのも不快だナァ…!シリーズ続編としちゃマシな方ではあるけどサ。 6点(2002-12-31 16:04:32)(良:1票) |
295. バック・トゥ・ザ・フューチャー
うわ、点数高っ!ま、確かにゼメキスの出世作だし、結構楽しめる良く出来たSF青春コメディの佳作だとは思うけど…。個人的にはマァ、こんなモンかね。でも80年代にバンドやってるギター少年はチャック・ベリーのコピーなんかしないと思うぞ。いくらオールディーズ好きだとしても、ダックウォークはチト古過ぎ! 7点(2002-12-31 05:16:53)(良:1票) |
296. ZOMBIO(ゾンバイオ)/死霊のしたたり
原作はハワード・フィリプス・ラヴクラフトの短編「死体蘇生人:ハーバート・ウエスト」。ま、ラヴクラフト作品ではカスの部類に入るので、映画版の途轍もない暴走ぶりにも大して腹も立たないってトコですか。ヒル教授の「ブロッケン伯爵」風ゾンビが主役ウエストを食う怪演で、ここまでやられると何か「もっとやれ~!!」とか無責任に叫んでしまいそう(^^)。同スタッフで作った次作「フロム・ビヨンド」(これまたラヴクラフト作品「彼方より」の映画化)も完全にイッてしまってマス! 6点(2002-12-31 04:56:11) |
297. スペースバンパイア
やっぱり、このダサイ邦題(まぁ、コリン・ウィルソンの原作がコレなんだけど)がこの作品の価値を相当スポイルしてるってことでしょう。んっとに無神経な!それこそまんま片仮名で「ライフフォース」ってしてくれた方がナンボかマシだった…。マチルダ・メイの素っ裸エイリアンは凄いインパクトだし、何かピカードが医者になってるし、ロンドン中ゾンビだらけになるし、トビー・フーパーに過剰な期待さえしなけりゃ結構面白いと思いますが。アノ「悪魔のいけにえ」監督にしちゃ上出来の部類でしょ? 7点(2002-12-31 04:35:28) |
298. スーパーマンIII/電子の要塞
前作の悪役が三悪人+ルーサーだったことを思い合わせれば、ロバート・ボーンなんてケチな小悪党では明らかに役不足。そう思って出したんであろうコンピュータが輪を掛けてチャチなのが致命的。次でジ・エンドになったのも当然の駄作としか言い様が無い。クリストファー・リーヴも「こんなシリーズと心中するのはゴメンだ」と必死にイメチェンしてたっけ。カーペンターの「光る眼」以来見かけないナァ…。 5点(2002-12-29 03:27:24) |
299. ブレードランナー
リドリー・スコット第2作(「デュエリスト」から数えりゃあ3作目か?)にしてカルト。ヒゲガンダムのデザイナーと同一人物とは思えない、美術シド・ミードのベストワーク。「協力わかもと」の看板、怪しげな日本語の飛び交う屋台に降りしきる酸性雨…。胡散臭過ぎる2020年の未来都市の映像はCG垂れ流しの現在でも見事。このアトモスフィアを描く方便にP・K・ディック原作を付き合わせたのはチト頂けないが、ディック無しにこの沈鬱なイメージは到底インスパイアされなかっただろうからマァ仕方ないか。とは言え、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」とはハッキリ言って別物なんで、ディック好きの私としては絶対に混同してもらいたくない。読んだヒトなら分かる…よね? 7点(2002-12-29 03:01:43)(良:1票) |
300. タイタンの戦い(1981)
「キング・コング」に魅せられた男・レイ・ハリーハウゼン最後の劇場公開作という点に敬意を表し、6点。って敬意表してないジャン(^^)!でも、ギリシャ神話モノでは既に「アルゴ探検隊の大冒険」というマスターピースがあるからネェ…。この手のジャンルには名優とか出さない方がイイのに、オリヴィエとかM・スミスとか出すし。おかげでモンスターの印象が弱い、弱い。モンスターそのものの出来も今イチ。ラストを飾る大海獣クラーケンなんてイーマ竜(マニアしか知らないか)に腕を付け足しただけみたいな感じで、造形的にも「シンドバッド七回目の冒険」(58年!作)のサイクロプスやドラゴンの素晴らしさには遠く及ばない。特に致命的なのは主役のペルセウスを演じるハリー・ハムリン?とかいう俳優が全然颯爽としておらず、ちっともファンタジーを感じられない点。ま、これはハリーハウゼンの責任じゃないけどね。有終の美を飾りたかったんだろうけど、「ハリーハウゼン老いたり」て感じ。だけど、昨今のCG垂れ流しSF映画なんかより遙かに良いのは確かなんで勘違いしないで欲しいナ。あ、アンドロメダ役のジュディ・バウカーは結構可愛かったよー。 6点(2002-12-29 02:27:42) |