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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3867
性別 男性
年齢 53歳

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281.  スワロウテイル
なんで、偽札作るのにホンモノのお札使ってるんだよう。 ってコレ、考えようによっては、バブル経済そのもの。お金がどんどん、大金に化けていく。 映画が製作された96年は、バブル崩壊の後。だけど、作品の中ではまだ「円」が憧れの的になっているという設定で、これだけでも充分、日本人には痛烈なものを感じさせる(感じさせた)わけですが、さらにまた、こうやって、子供たちが偽札という新たなバブルで一儲けを企んでいるという皮肉。 ただしそれは、実世界のバブルへの復讐のように思えたりもするけれど、とにかく。 こういう「思わせぶり」な映画は、正直、苦手な方なんですけれど、しかしここまで不思議な、しかしどこか懐かしさのようなものを感じさせる世界を作り上げられてしまうと、やはりこれはスゴいな、と思わされます。現代の日本の都会と、架空の世界との同居。しかし架空の世界と言っても、それはかつての日本、当時のアジア、なんとなく懐かしさのある世界。21世紀の今、それはどこにあるんでしょうか。 作中で描かれる少年少女の世界が、また懐かしさの一端を担っているようです。伊藤歩は美人になりました。この当時は見事にイモっぽいですねえ。だからこそ貴重で、だからこそ魅力的。これは、彼女の映画だと思う。 偽札というバブルに頼らない、その次の世界へ。というラスト。しかし実際の世界では、各国がお札刷り競争をやってるのだけど、、、
[インターネット(邦画)] 7点(2022-03-06 21:39:17)
282.  免許がない!
私もまあ、教習所というトコロにはあまりいい思い出がないクチで、教習中に「徐行って、何だ」と質問された時に深く考えずに「10キロくらい」って答えたら、「『くらい』じゃない、10キロ『以下』だ!」ってエライ剣幕で怒られて、車を停めて延々、説教されたっけ。 そんな教習所が、舞台。無責任な言い方だとは自分でも思いますけど、でもやっぱり、「ヘタクソな運転」「思うように動かないクルマ」っていう鉄板ネタだけでも、映画が面白くならないワケがない、と思っちゃうんですけどねえ。この作品、どうしちゃったんですかねえ。 そのテのギャグには、作り手の興味が無かった、ってことなんでしょうか。 逆に、あの「主人公の大看板」ネタなんて、チラと登場させただけで流してしまえば、シュールで面白かった筈なのに、引っ張りすぎてせっかくの笑いをブチ壊し気味。 とは言え、他人の脱輪ほど面白い光景はこの世に無いので(?)、やはり教習所ネタ自体で得してる部分は、ありますね。さらに、舘ひろしの三枚目ぶりを、教官役の面々が支えて、ユーモラスに仕上げてます。 それにしても、森田芳光始め、この映画の製作陣は、世の中すでにバブルが終わってることに気付いてたんだろうか? バブル期のヘンな残り香がありますねえ。
[インターネット(邦画)] 5点(2022-03-06 11:31:14)
283.  リング2
これ、クレジット上は「らせん」が原作、ということになってるんですね、実は。一体、誰にどういう気の使い方をしたんですかね。 この、リングの続編。だいぶ困ったコトになってしまってて、イロイロと戸惑ってしまう作品なのですが、その割りには、必ずしも悪い印象はないんです。なんででしょうねー。 一作目のあの、ビデオ映像の粒子の粗い感じの不気味さ。そこにさらに、音の不気味さも加わってます。 念写、なんてのは、今のデジカメ時代には懐かしいキーワードですが、オカルトにサイエンスを絡め、さらにミステリ要素を盛り込んでいて、原作のリング~らせん路線に、沿ってるとまでは言わないまでも、つかず離れず。むしろ多少、破綻気味に突き進んでいる点は、映画ならではかなあ、とも。 水や血が不思議な動きを見せるのが、効果的。
[インターネット(邦画)] 7点(2022-03-05 21:07:11)
284.  THE POOL ザ・プール
水が満杯入ってないと金輪際出られないプール、なんてあるのか? このプール、誰かちゃんと掃除してるのか? ってなコトはどうでもいいとして。 これがホントの「水のないプール」。ただしワニ付き。昔、某プロレスラーがワニ(ただし1mくらいしかないヤツ)と棺桶デスマッチをやったことがありましたが、あんな感じ。違うか。え、某プロレスラーって誰かって?ミスターデンジャーこと、松永光弘。それはさておき。 次から次に危機、というか、何から何まで裏目に出る展開、そのサービス精神はとてもよくワカルのですが、如何せん、ここまでやっちゃうと、殆どギャグになってしまいます。かえって意外性がなく、ベタな展開に、ちょっと笑ってしまう。 あちこちで使用されるジャンプカットは、スピード感を高めるためのものなんだろうけれど、もう少しじっくり見せてくれてもよかったこな、と。ここまでくると、少々、お手軽な印象。そのくせ、痛そうな描写だけはやたら引っ張って強調する。 まあ、そういったこと皆、サービス精神の表れなんでしょうね。その点は、ちょっと頭が下がります。下がりますけど、やっぱりこの映画、考えすぎなんじゃないかなあ。ホントにドキドキするものとは、アイデアよりももっと、感覚的なものだと思う。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-03-05 20:43:18)
285.  真夜中のゆりかご
主人公の刑事がジャンキー夫婦宅に足を踏み入れると、そこには夫婦の赤ちゃんがいて、どう見ても育児放棄に近い状態。刑事にも同じくらいの赤ちゃんがいるもんで、これは許し難き状態。そんな中、刑事夫婦に悲劇が襲いかかり、彼はある行動に出てしまう・・・というサスペンス。その危うさに、目が離せません。 「目」のクローズアップ。赤ちゃんを含め、誰もが皆、すべてをありのままに見ているようでいて、実際は人によって違う光景が見えている。あるいは、人によって「見えていない光景」が、異なっている、というべきか。その残酷さ。 それでもなお、ラストで主人公が目撃する光景、二人が交わす視線には、確かに真実が含まれている、ということ、なんですかねー。
[インターネット(字幕)] 8点(2022-03-05 12:17:37)
286.  ギャングバスターズ
昔から「バカは死ななきゃ治らない」なんて言いますけれど、きっと正しくは、「バカは基本的に死なないので、治るわけがない」ってコトなんでしょう。 そんな作品。 極悪極バカ三兄弟による、車椅子の少年の奪還作戦。襲いかかってくる刺客どもと死闘を繰り広げるお約束の展開、とは言え、危機に陥りつつもお約束以上にバカで頑丈なもんで、大いに楽しませてくれます。 その裏には小悪党の刑事の物語もあって、なまじ小悪党だと悩みも迷いも出てくる。大悪党は悩まない、迷わない。バカだから。でも誰しも一度はバカになった方がいい。 ってコトなんでしょう。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-03-05 11:33:03)
287.  グラスホッパー
再現された渋谷駅前のシーンはさすがに驚かされますが、オープンセットでの撮影ならもっと自由度があってもよさそうなもの、なんか妙に不自由そうに見えてしまうのは、どうしたもんだか。 特徴的な何人かの登場人物たちが、それぞれ行動していけば、自然と映画になる・・・と言いたいところですが、どうも物語に、見え透いた作為のようなものばかりが感じられ、気分的にどうもノリません。伏線のための伏線。驚きが無い。
[インターネット(邦画)] 4点(2022-03-03 23:06:04)
288.  関東テキヤ一家 天王寺の決斗 《ネタバレ》 
持ちギャグそのまんまでは無いですけれど、一応、冒頭から岡八郎の「えげつなー」と由利徹の「オシャマンベ」が続けて聞ける、これは貴重かも。 と、ユーモアが散りばめられてはいるものの、バイオレンス巨篇です、ハイ。「関東テキヤ一家」の菅原文太が、ひょんな事から一人、大阪は天王寺界隈にやって来て、悪徳業者の地上げ騒動に巻き込まれる。 天王寺の喧噪を高所から俯瞰したカメラは、今ならハルカスから撮影するところなんでしょうけれど、当然まだ建ってない。ハテ、当時どこから撮ったんだろうか。いずれにしても、今の天王寺とは一味違ったごった煮感が溢れてます。 それにしても、清川虹子のド迫力。ちょっと、夢に出てきそうな(笑)。 二組の「兄と妹」のストーリーへの絡め方も上手く、動きのある物語展開に、目が離せません。悪役の遠藤辰雄の如何にもワルそうな感じ、さらに小池朝雄は丸刈りで不気味さすら感じさせます。 リンチシーンあり、ブルドーザーでのバラック街破壊シーンあり、そしてラストの殴り込みシーンの凄まじさ。まさに見せ場の連続です。 一方、途中でなぜか一瞬だけ、殆ど脈絡なく舞台が高山市に移るのですが、ここでも祭りあり、雪を被った遠景の山々あり。脈絡なくてもやっぱり、いいシーンなんです。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-03-02 22:54:44)
289.  フランシス・ハ
ストーリーなんて、有って無いような。主人公の女性、どこかトボケた、天然系のところがある女性の日常が、実に活き活きと描かれてます。だいぶ、冴えない日常なんですけどね。順風満帆には程遠いんですけれども。本人も、これではイケナイと薄々思ってるんでしょうけれども。それでもなお、活き活きとしてる。 その彼女の姿は、ふと気が付くと、いつも画面の中に入り込んでる。もちろん彼女が写ってないショットも無いわけではないけれど、まとまった時間、彼女の姿が映画から消えることはなく、彼女がカメラを追いかけ、カメラも彼女を追いかけるように、常に彼女の姿が画面に登場して。 一番まとまって彼女が登場しないのは、ラストのエンドロールの部分じゃないかと思うのですが、そのシーンが一番、彼女を象徴している。というオチ。
[インターネット(字幕)] 8点(2022-03-01 22:43:55)
290.  金田一耕助の冒険
子供の頃、テレビでやってたのを目にした記憶があって、ところどころのシーンも何となく記憶があったのだけれど(生首の場面とか、悪魔の手毬唄のパロディとか)、全般的には殆ど憶えてない・・・というより、多分、意味がワカランかったんだろうな。 今見ても充分に、ワカラン。意味が、というより、意図が。トホホ。 いくらなんでもフザケ過ぎで、ちゃんと横溝センセイに許可取って映画作ってるんだろうか、と心配してたら、ご本人が登場して、一安心。と思ったら、やっぱりご立腹なのでした、というオチがつく。 ついでに高木彬光まで登場し、意外に演技が上手いもんでさらにビックリ。その他、カメオ出演の数々。これが、芸能界最強説を噂された、角川春樹のチカラ、というヤツでしょうか。 自由気まま、自由奔放、まさにデタラメ。この自由さは、まあ、大したもんです。が、ここまでくると、ついて行けん。でも、金田一さんが陸橋から転落しても平然と起き上がって下駄ローラースケートを続けるシーン(だけ)は、ナンセンスさ溢れる名シーンだと思います。サイレント映画のドタバタの味わい。
[インターネット(邦画)] 5点(2022-02-28 23:01:33)
291.  嗚呼!!花の応援団(1976)
ビーバップハイスクールの原点にして到達点!? いや、片や硬派の極致、片や軟派の極致、のはずなんですが、一周回って両者、ほぼ区別がつかなくなっているという・・・。 ひたすらおバカで、害虫なみの存在感しかない、南河内大学応援団の面々。そのひたすらおバカな生態が描かれて。取り柄と言ったら、不死身であることぐらいでしょうか。一体、何のための不死身なんだか、よくわからんけど。しかしこの、どこまでも無目的な生命力と、そこから生まれるアクションの坩堝。いや、素晴らしい。 そして、そんな彼らでも、いや、そんな彼らだからこそ、どうにもならない哀しみがあって。その先には、突き放すような突然のラスト。ロマンポルノ以上にロマンを感じてしまうではないですか。こんな映画なのに。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-02-28 22:37:56)
292.  空海 KU-KAI 美しき王妃の謎
なんか、ものすごい長安の街のセットを作っての撮影らしいのだけど、ごめん、CGの印象ばかりが残ってます。ってか、実写なのかも知れない部分までCGに見えてしまうのは、やっぱりそれはCGなのか、それともCG並みに完成度が高いセットなのか(笑)。 かつてこの街に阿倍仲麻呂がいたんだ、などと空海が思ったのかどうか、そういう空想は確かにこの作品のとても面白い点、ではあるのですが、それならそれで、現在パートと過去パートを、もう少しうまく描き分ける演出に欲しかった・・・同じようにCG連発で、全編通じて平板な印象。
[インターネット(吹替)] 5点(2022-02-27 12:03:43)
293.  ザ・ドリフターズの極楽はどこだ!!
「ドリフで育った世代」というのは、「ドリフを見て」ではなくまさに「ドリフで」育ったのであって、もう絶対に逆らえないというか、なんというか。ドリフというのはあくまで「テレビ番組のドリフ」であって、ドリフ映画が好きなわけではないんだけど、それでもドリフ映画にあの懐かしいメンバーの顔が登場し、そして何よりもあの懐かしい声を聞くと、何だか細胞の隅々までしみ通ってくるような。 こればかりはもう、どうしようもないのよ。 面白いか面白くないかはさておき、ドリフの姿を記録してくれたという点だけでも、やはりドリフ映画には感謝せねばなりません。 で、この作品ですが。通例であれば、いかりや長さんが他のメンバー、特にカトちゃんをイジメて、逆襲されたりされなかったりするところですが、この作品では、憎まれ役の面は後退しており、むしろ、長さんが周りから邪険にされてる状況。頑固オヤジの孤独と悲哀、といったものが、あのゴリラ面と相俟って、何とも言えない味わいを出してます。 出征体験を持つという役どころは、長さんの実年齢とちょっと合わないのですが、しかし合わないと言っても、あとホンの数年、早く生まれていたら、、、という、それが、あの戦争。 ドリフはメンバーの年齢差が大きかったからうまくいった、という話もありますが、年齢差がこの映画ではうまく活かされてます。 でもやっぱり、うまく活かされてるのは、やっぱり、このゴリラ顔、かな。 なかなかイイお話でした。
[インターネット(邦画)] 7点(2022-02-24 23:09:45)(良:1票)
294.  ビリケン
最近の通天閣では、別料金払ったら展望台の上のテラスみたいなところに上がらせてくれるんですが(前に行ったときはお土産にレトルトカレーくれた) 、なんとこの映画では、そのさらに上、テッペン中のテッペンのトンデモないところに人が立ってます。それを空撮でぐるりと周りから撮影して。いやはやホントにトンデモないシーンに、度胆を抜かれます。 最近でこそ注目の観光スポットに返り咲いている通天閣ですが、この頃はよほど閑古鳥が鳴いててロケし放題だったのか(?)、なかなか臨場感、コテコテ感が溢れる作品になってます。 大阪のユルユルでダメダメなところが、通天閣のグダグダなところと重なり、さらには、大阪人のセコさがそのまんま神様であるはずのビリケンさんのセコさにも投影されていて。もうこの時点でこの映画、何が起きてもおかしくない(笑)。物語の中心はオリンピック誘致に向けた地上げ騒動、だけど、そこにはさらに、笑いを呼ぶエピソードがたっぷり盛り込まれていて、個人的には大満足の作品です。ラストは雑踏に消えていく、何と庶民的な神様であることか。なぜか感動してしまいます。 それにしても、登場する光景はすべて新世界の近くなんですかね?ちょっと意表をつく光景も登場しますが。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-02-23 20:46:03)
295.  デッド寿司
元ネタは、キラートマトですかね。キラートマトの日本版、寿司版、残酷版。モーレツにクダラない点は、同じ。 それにしても井口カントクは、武田梨奈の起用法を熟知してますね。そして彼女の一番ブサイクな、じゃなかった、一番イイ表情が、ワカッテますねえ。 襲い来る寿司との、果てしなき戦い。←意味不明だけど、実際そうなんだから仕方がない。 という、グルメパニックホラーアクション映画の決定版です。
[インターネット(邦画)] 7点(2022-02-22 22:52:51)
296.  噛む女(1988) 《ネタバレ》 
永島敏行演じる主人公はアダルトビデオ会社を経営してて、ちょいと女性の扱いに荒いところがある。言ってみれば趣味と実益の境界が曖昧になってる、職業的エロオヤジ。 そうなると何となく、ロマンポルノの巨匠・神代辰巳監督にこの主人公の姿を重ねてみたくなったりもするのですが、多分そういう見方は適切じゃない気もする。しかしそれにしては、ラストの不思議な情緒は、一体何なのか。 ラストでこの不倫サスペンスの事件の真相が明らかにされ、こういう「真相の暴露」はしばしば映画を味気ないものにしがちなんですが、この作品はそうはなってません。事件の意外性よりも、人間の意外性、とでも言いますか。だからこその、余韻。 しかししかし、タイトルが『噛む女』で、実際、主人公が女性に噛みつかれるんですが、一体どういうワケで噛みつくんだか、よくワカラン。ははは。このワカラナサが、いい。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-02-21 22:46:40)
297.  愛のむきだし
タランティーノが『パルプ・フィクション』で取り上げたように、アメリカを代表するサブカルチャーがパルプマガジンの三文小説であるならば、日本を代表するサブカルチャーと言えば?マンガ?アニメ? いや、サブカルを名乗る以上は、もっと「サブ」で無いといけない、どからそれはやっぱり、「エロ本」でしょう、と。そこには間違いなく欲望と才能とエネルギーが渦巻き、クダラなくもスバラしい何かが生み出され続けてきたワケで。今やpanchiraは世界共通語。かどうかは知らんけど。かつてエロ本界を代表する雑誌の一つであった「投稿写真」の最終号には、社会学者の宮台センセのインタビューも載ってたっけ。などと思い返しながら観てたら、この映画にも一瞬、宮台センセ本人が登場して、ビックリした(笑)。 家族「愛」とか、男女の「愛」とか、作品のテーマは極めて一般的、普遍的なのに、どうしてここまでネジクレ返ってしまっているのか、壮大な、誠に壮大な廻り道。対極にある「孤独」をも描くからこその、廻り道でしょうけれども。 このネジクレてブッ飛んだ世界を、4時間やり切ったことがまず、素晴らしいです。4時間、退屈させないということがすでに、作品の動機の一つになってるような。 最後のThe Endで、映画が無事に終わったこと自体に笑いが込み上げてしまう。稀有の経験です。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-02-20 21:53:08)
298.  マッキー
荒唐無稽の極みのアホらしい設定ですが、それなりにヒドい事もしてて、ちょっとしたホラーかも(?)。 悪いヤツに命を奪われた主人公が、愛する女性を守るべく、転生するのだけど、よりによって生まれ変わった生き物ってのが、ハエ。 と言うと、「何だ、蝿人間の話か」と思うところですが、さにあらず。何と、本当にただの蝿として生まれ変わってしまう。だもんで、そこからの主人公はセリフ無し。CGで描かれる仕草のみ。 さすがにちょっと、アイデア倒れというか、キビしいものが無いでは無いのですが、それでもこの設定の枠内で可能な最善の作品には仕上がってるんじゃないでしょうか。ハエの仕草で物語を描写するという、サイレント映画でもまだ誰もやったことのない世界。 見ていると、色々と伏線が張られていたことに気付きます。伏線というのもこれ見よがしにやってしまうと白けるもんですが、本作では、後に伏線となるモチーフの初出のシーンが、それ自体印象的な描写として映画の中で機能しているので、イヤミになっておらず、効果的で良かったです。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-02-20 15:53:35)(良:2票)
299.  オマールの壁 《ネタバレ》 
分離壁によって生活が分断されたパレスチナが舞台。主人公の青年が、反イスラエル活動に加わるも当局に逮捕され、拷問の末、仲間に対するスパイとなることを命じられ・・・というオハナシ。 ですが、単に抑圧の悲惨さを訴えるのではない「何か」が、この作品にはあります。 銃撃を受けようとも壁を乗り越えていた主人公。自由を求め、抑圧に反抗していた主人公が、スパイとなることを強要された末、当局に、あるいは状況に、呑み込まれ支配される存在となっていってしまう。 ついに自力では壁に登れなくなってしまう主人公の姿が、それを象徴しています。 いわば、人間の持つ弱さというものが、この理不尽な環境によって、残酷なまでに露呈されていて。 それでも人は、運命に抗うことができるのか、というラスト。
[インターネット(字幕)] 8点(2022-02-20 15:46:47)
300.  映画 みんな!エスパーだよ!
ドス黒く渦巻く自意識、その滑稽さをそのまま映画にしました、という感じの作品で、気持ちはよくワカル。 だけど、そもそもこの映画の主人公が、そこからの脱却をヒーローらしく目指していたように、我々だって、いつまでもそこに留まってるワケじゃない。 結局、「約束の女性」などというものが、この世にただ一人存在するのではない、というアタリマエのこと。そこに留まるのではなく、その先歩みを進めねばならない、焦り。この映画で描かれている自意識というもの自体、この映画で足踏みすることを拒絶する。 だから、やっぱり、物足りない。 でも、人生において、この映画がドンピシャ当て嵌まる時期、ってのは、誰しもあるんじゃなかろうか。私が素直に楽しむには、いささか遅すぎた。んでしょう。
[インターネット(邦画)] 6点(2022-02-19 21:39:18)
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