321. 胡同のひまわり
中国の庶民の暮らしの様子が目新しかったり、文革のエピソードなどはかの国ならではで興味を引くのだけど、いかんせん家族ドラマとしての新味が無いので、父と子の葛藤も連続ファミリードラマ並に凡庸に感じる。ラストもちょっとどうかな。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-11-05 23:52:58) |
322. セックス・アンド・ザ・シティ
《ネタバレ》 TVドラマの方は見ていません。女4人の誰一人にも共感できない。40才になっても自分大好きでなんだか幼稚。更年期だって近いのに考えることは「男とファッション」しかないのだろうか。そんなことないだろ。広いクローゼットをブランド品で埋め尽くすのが幸福だと思ってる価値観がいまだに健在なのにも軽く驚くけど、それがうまくいかないと突然ジミ婚へベクトル急転換するのにも鼻白む。いい大人なんですから自分の恋愛が行き詰ってるからって4才かそこらの子に「王子様なんて絵本の中だけのことよ」とか言うなや。 [CS・衛星(字幕)] 1点(2012-10-25 01:04:53) |
323. ヤギと男と男と壁と
《ネタバレ》 アメリカが好きそうな大掛かりな設定に、英国風なジョークが見え隠れ。だからなんだかどっちつかずな印象なのかな。笑いもへへっ、と漏れる程度。“地球救世軍”だかって大風呂敷広げておいて結局救ったのは捕虜?とヤギだけ、という尻すぼみっぷりとかクルーニーのキラキラ目線とか結構好きですけども。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-10-25 00:24:35) |
324. エリン・ブロコビッチ
巨大企業に丸腰で挑むエリンの気風の良さと腹のくくり具合を表現するのに、ジュリアの大作りで派手な顔がぴったりマッチして大成功。子供はそろってよい子たちで手がかからず隣人はイケメンの上に善人で(しかも戻ってきてくれる!)、とサイドに関しては甘すぎね?とも思うけどお話全体に勢いがあってスカッとするのでまあいいか。 [映画館(字幕)] 7点(2012-10-22 00:55:37) |
325. パンズ・ラビリンス
《ネタバレ》 外は苛烈で陰惨な戦争だけれど、迷宮の中に入ってごらん。王宮までたどり着いたら、その眩いまでに壮麗なこと。そこは少女の頭の中の世界でもあるのだけど、なにしろ狂気の軍人たちや酷薄な義父らに囲まれて正気を保つためには想像力が無いと生き抜けるものではないですもん。大人から見れば奇行の数々も、この子にとっては命綱の精神世界。観てる間中、オフィーリアとともに迷宮をさまよい、弟のために祈り、大尉を憎悪しメルセデスさんに快哉を叫び、と忙しかったけれどオフィーリアついに向こう側に行ってしまった。やっぱり現世に生かしてほしかった。とても悲しい。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-10-22 00:25:04) |
326. リトル・ダンサー
《ネタバレ》 舞台となっている炭鉱街が坂の多い街で、これが情緒あって良いんです。坂の上から見渡す先には水平線、道の両側には赤いレンガ壁の家並みが段々と並び、そこをビリーの父が「受かった!」と初めて見せる満面の笑みで駆けてくる。泣く。ビリーへ残したお母さんの手紙、クリスマスのほのかな彩り、頑固一徹かと思われた親父の豹変にも近い愛情の発露、二人して心細そうなロンドンへの旅。ああ~泣く。ビリーの思春期を迎えた拗ねた表情や、辛さに耐えかねてバレエ教師に悪態をついては泣く、ひとつひとつのエピソードも良いのだけど、なんたって親友に恋心を寄せられるとは驚いちゃうよねビリーも。引くかと思いきやチュチュまでプレゼントだ。なんて麗しい友情だ。通知が届いた時は身内の如くどきどきして見守りました。ビリーの帰りを待って、誰からともなくすっと食卓に集まる家族の描写が素敵。 [DVD(字幕)] 9点(2012-10-12 00:25:06) |
327. ダイ・ハード4.0
《ネタバレ》 やったー、“3”で瀕死だったダイハードシリーズが息を吹き返したよ。今回はついにホリーと離婚しちゃってるマクレーン、年頃の娘にも嫌われている侘しい中年風情を漂わせて、しかも相棒は息子ほどの年のオタクなハッカーときた。この思考回路も電脳システムみたいな口ばっかり達者な理屈屋小僧を、鳩時計マクレーンが生身の身体を張った驚異の肉弾戦でぐうの音も出ないほど圧倒してゆく、このへんやはりアナログ世代としてはそりゃもう小気味良いことこの上ないわけです。いいぞー、マクレーン!数々のアクションシーンも、CGには食傷気味のはずなのに技術が進んだおかげか、迫力が従来よりも増して見応えあり。ヘリを車で落とすなんて、いやあり得ないにしてもスカッとするシーンでしたよね。台詞も気が利いていてマクレーン節炸裂、あオタクの彼もけっこう面白い。ラストは娘と心通わせることに成功したマクレーン、良かったねえ。なんでいつも誰かと喧嘩して嫌われてんのかなあとフビンだったからさ。良かった良かった。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-10-11 01:05:44) |
328. ニューヨークの恋人(2001)
《ネタバレ》 年齢を考えてか、今回はやり手のキャリア・ウーマンに扮しているメグが容貌の衰えと闘ってぎりぎり踏みとどまってます。ラブコメにまずまず及第点。なんといってもH・ジャックマンの貴族っぷりが素晴らしい。クラシックな顔立ちで得をしているし、白馬にまたがってパカパカ疾走された日には、膝から下が脱力して全部許す気になりますね。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-10-09 17:14:20) |
329. パリ20区、僕たちのクラス
移民がわんさか押し寄せるフランスの、苦労と困難が教育の現場から伝わってくる。とりあえず空気を読む技量の必要な日本とまったく違って、まあ向こうの子供らの主張の激しいこと。ああ言えばこう言う式に、物怖じせず声を張る。ああ先生大変。様々な家庭環境の子供を導くなんてまったく一筋縄ではいかないよ。かといって移民排斥、と安易に論が流れるのも怖い。一人の教師が「こんなクラスで担任なんかできるかっ」とキレてましたけど、激しく同意。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-09-30 01:43:27) |
330. 月のひつじ
《ネタバレ》 月面着陸中継を、オーストラリアでキャッチしていたとは知らなかったー。いかにもオージーなのどかさ、茫洋と広がる牧草地と羊羊羊の真ん中に忽然と佇むでっかいアンテナ。科学技術の粋を集めた施設と、牧歌的環境のアンバランス。冒頭から掴まれます。現地所員3名と、ほぼこの部署いらないんじゃないの的な警備員1名にNASAからの派遣員1名が前線で頑張るんだけど、一生懸命な割りにすったもんだな展開になっちゃって可笑しいのなんの。外野の田舎町の皆さんも首相や大使を迎えてわあわあ楽しそうに大騒ぎ。合衆国国歌を悪意無く間違える・・ありなのか。笑ったけど。困難あり、恋バナありでサービス満点。全編に漂うほのぼの感が心地良く、あざとさが無くてそれでいてお客に楽しんでもらおうという制作姿勢の気持ちの良い映画。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-09-26 00:34:17) |
331. アバター(2009)
この作品はもちろん3D企画が先にきて、とにかく映像革命を観てくれという映画でしょうから地上波で観賞した上で評価するのはちょっと筋違いかもとは思うのだけど、お話があまりにつまんなくてびっくりしたもんですから。2Dで観ても、映像の凄さはそこそこ伝わりましたが少なくとも私は映画を観るにあたって“飛び出す”ことは一切求めていないのですが世間は違うのかなあ。 [地上波(吹替)] 5点(2012-09-08 17:39:00) |
332. ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
《ネタバレ》 ダニエル演じるごうつくばりのオヤジがどんどんモンスターになってゆく・・この酷薄なことったら。もともと息子にも愛なんて無かったんだろうな。障害を負ったことを恥じ、自らは手話を学ぼうともしない。嫌な奴。このキャラクター、破滅へ向かう道筋は同じなれど、トニー・モンタナのような色気とか美学が無い単なる強欲親父なので魅力を感じられず、単調。ただ、ラストの欲深い二人の対決シーンでのダニエルのキレっぷり、ボウリングのピンまで振り回しちゃってもう、裸足で逃げ出したくなるような迫力でしたな。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-09-04 18:54:12) |
333. シークレット ウインドウ
《ネタバレ》 これは、たいていの作品にまんまと引っかかる私をもってして主人公の妄想オチだと読めてしまった(私にとって)記念碑的な作品。サスペンス色はむしろ「あなたが心配」としつこく電話してくる元ヨメに感じてしまうのは私だけか。なんだこの女。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2012-08-31 16:41:09) |
334. メメント
10分しか記憶がもたないって、その設定がもうサスペンス。拠って立つところの無い心許無さ。日常が猜疑心のカタマリになっちゃうじゃないすか。ひらひらと交錯する時系列を追うのに脳みそフル回転、しかし苦しくなって思わずメモをとりそうになり、主人公と同じになりそうな恐怖にかられて思いとどまりました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-08-22 00:37:56) |
335. クラッシュ(2004)
《ネタバレ》 人の心の奥深さや矛盾をうまいこと突いてくるなあと思った。人の心は多面体、誰でも黒い面、白い面をちょっとずつ持っている。終わりのないスパイラルの様な差別や憎悪を前にして立ちすくみそうになるけど、その上で映画としての回答を控えめに出してみせている。人物みな存在感あるけれど、差別主義をおおっぴらにしていたM・ディロンと、彼に不快感を感じ袂を分かつ二人の警官のエピソードが強烈に皮肉が効いていた。ちょっと呆然とした。この映画が用意したのは空砲を選んだペルシャ人の娘。武器を最初から放棄した彼女の選択こそが女の子とその家族、自分の父親をも救うことになった。社会の片隅で、確実にほぐれた偏見の一端。見事なエンディングだったと思います。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-08-14 15:54:49) |
336. キリング・ミー・ソフトリー
《ネタバレ》 一言で言うと「安い」。サスペンスぽくしよう、エロっぽくしようという意図はわかるけど、すべて「~風」で結局のとこまがいモノ。この二人が主人公か・・J・ファインズはかなり人を選ぶし、ヘザーのお人形さん顔では援助交際みたいだ。頭悪そうなマイクロミニのみ妙に強烈。あ この二人ダメになったんだったか。“恋が終わった”とかって言ってたもんな。男は無実だったのになんでそーなるんすか。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2012-08-14 14:00:50) |
337. Bubble/バブル(2005)
74分のうち30分くらいまでは、あまりの陰気さ、楽しくなさに観る映画間違ったかなあと頭を抱えたくなった・・それが新入りの女の泥棒行為から話は一気にスピードアップ、ゆるゆる進んでたトロッコが突如猛スピードになって、ラストで急ブレーキ、乗ってたこちらはぽーんと放り出された感じ。垢抜けないもっさりした中年女のマーサのわびしさ、痛さ。大量生産される塩ビの子供人形の気色悪さ、耳にしつこいギターサウンド、すべてが脳の底にびっちりはりついてたちが悪い。最後に大写しになる金の腕時計、この小道具の使い方の巧みなこと、ソダーバーグ凄いなあ。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-07-26 00:55:40) |
338. 運命のボタン
《ネタバレ》 レンタルDVD屋さんで宣伝コピー“あなたはそのボタン押せますか?”を見たときの期待感を返してほしい。心理サスペンスどころか中途ハンパなSFっぽい仕上がり。“笑ってはいけない”の仕掛けボタンみたいのが唐突に届くんだけど、キャメロンこれ熟考の末押したんじゃなかったよ。「こんなのただの箱よ」ってイキオイでぽん、て押しただけだったよ。松っちゃんが「悪意のカタマリやなっ」てばーんて押したノリに近い。にも関わらずプランが実行されちゃうとこも両者そっくり。ほんで結果通り魔みたいな宇宙人?の仕業だったそうな。風穴の内部にこさえられた意味ありげに青白ーい秘密基地に始まってベッドに水がばしゃーってもう訳がわからない。あげく「利他的であれ」って宇宙人に説教されるシマツ。大きなお世話だよ。自分の命でもって我が子を救うことができるのなら、キャメロンだって一片の悔いもなかったはずだ。人間なめるな。 [DVD(字幕)] 1点(2012-07-26 00:23:10) |
339. ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン!
《ネタバレ》 いかにもイギリス映画な笑わせ方、にやりというかくすっというか。こういうの大好き。大真面目に白鳥探して、殺人事件が起こったつーのにご近所トラブル仲裁しに行かなくちゃなんだからね。いやあ・・ばかばかしー・・(脱力)。フザケた話ながら登場人物のキャラが、スーパーの店員に至るまで個性的で粒揃いで、これまたイギリスを感じたのでした。 [DVD(字幕)] 7点(2012-07-18 14:17:00) |
340. ダウト ~あるカトリック学校で~
《ネタバレ》 まるで実写版“ガラスの仮面”のごときもの凄い演技合戦が見られます。演技力No.1のオスカー女優M・ストリープ、対するは食わせ者P・シーモア・ホフマン。この二人が火花散るようなぶつかり試合、延長戦になったとしても追加料金を払うのが惜しくないくらい。ストリープが渾身の演技波をぶつけます、それをにやにやとかわすホフマン、隙を見せない見事な狸っぷり。純真そうな瞳をぱちくりさせて間に入るA・アダムスは二人の巻き起こす突風に完全に弾き飛ばされました。ラストシーンの、カメラがシスター二人を見下ろす冬の庭が寒々しくも美しいのが印象的でした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-07-09 17:39:53)(良:1票) |