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341.  哀しき獣
『コクソン』を見て、ナ・ホンジン監督の過去作に興味をもって鑑賞。入り組みすぎてごちゃごちゃな人間関係、説明不足のまま突っ走る展開は『コクソン』でも体験済みだったので、それはまあ許容範囲。ただ、終盤のアクションは手が込んでたけど、少し長くてダレてしまった。むしろ、個人的に感心したのは、序盤の殺人事件が起きるまでの緊張感。序盤に中国における朝鮮族社会を丁寧に描いたからこそ、中盤〜後半の主人公の陥る苦境が社会性をおびて「哀しみ」を増幅させる。ただ、哀愁に浸らせてくれないのもナ・ホンジン監督の面白いところ。後半は、一転してミョン社長の独壇場で、マイノリティとして成り上がった人間が持つ独特の凄みとユーモア。見てるこっちは苦笑いするしかない。怒濤のごとく突っ走った後で、ラストは静かにしんみりというのも韓国映画らしい。1本の映画にするには明らかにエッセンスを詰め込みすぎだけれど、それをまとめてエンタメとして提示するパワーもまた、この監督の魅力だと再確認しました。
[インターネット(字幕)] 6点(2019-02-14 13:55:51)
342.  ちはやふる 結び 《ネタバレ》 
太一に焦点を当てた「上の句」、千早を中心に描いた「下の句」を比べて、圧倒的に前者のクオリティが高かったのは確かだけれど、まさか「結び」を再び「太一の物語」にするとは思わなかった。軸を太一に置いたおかげで、登場人物が増えてゴチャゴチャした状況がすっきりオーガナイズされて、奇跡的といっていいバランスになった。見せ場は、新キャラにも旧キャラにもちゃんと用意されていて、ちゃんと「彼らにまた会えた!」感と「新しい仲間に会えた!」感が共存できてるのはすばらしい。ただ、その分、主役である千早自身の葛藤はあまり深掘りされず、新はふつうの脇役になってしまい、主人公のライバルのはずの若宮詩暢にいたっては完全にコメディキャラ扱い。「下の句」のラストからのつながりで言えば、あそこで高揚した気持ちの行き場がない感じは残念。監督はそれでも、これを「太一の物語」として、これを完結させたかったのでしょう。ただ、それが「結び」としてよかったのかどうか、もう少し違った『ちはやふる』がありえたのではないかなどと、素直に楽しめた「上の句」とは違って、あれこれ考えてしまった分、少し残念な幕引きとなりました。
[ブルーレイ(邦画)] 6点(2018-10-30 09:28:53)
343.  インクレディブル・ファミリー
今回の主役は明らかにイラスティ・ガールだ。彼女が大活躍するアクションの数々と比べ、夫のほうは育児や家事に悪戦苦闘。これが「『#MeToo』時代のピクサー映画!」みたいな評判も呼んでいるわけですが、それはかなり違和感あり。そもそも「夫が育児・家事に奮闘」話は1970年代の『クレイマー、クレイマー』あたりからずーーっと続く鉄板ネタであって、正直、現代のジェンダー絡みのトピックを表現するには目新しさがない・・・。この物語が「現代的」だとブラッド・バードあたりが思っていたのだとすれば、それは致命的な気がする(もっとも、ジョン・ラセターがセクハラでピクサーを追われるわけだから、米国のアニメ業界における感覚が、思った以上に「古い」のかもしれないが・・・)。というわけで、延々続くジャックジャックと育児絡みのエピソードに食傷気味になり、逆に極端なイラスティガール推しにもちょっと引いてしまいながらも、それでも全体とすれば、エンターテインメントとして「面白い」ものに仕上がっているところは流石です。個人的には、ジャックジャック無双よりも、もう少しバイオレットとダッシュの成長と活躍が見たかった。キャラの見せ場配分が絶妙のバランスだった前作と比べると、今作はイラスティガールとジャックジャック偏重でバランス崩してたなあという印象。このあたりのバランスの狂いに、ジョン・ラセターの休職が関係しているのだとすれば、大きな皮肉ではあるのですが。
[映画館(字幕)] 6点(2018-10-12 23:22:40)(良:1票)
344.  IT イット “それ”が見えたら、終わり。 《ネタバレ》 
原作未読。少年少女が大人になるための「通過儀礼」をホラー風味で映像化するとこんな感じなのかな。容赦ないイジメにどうしようもない親たちなど、子どもたちが生きるにはあまりに苛酷な現実世界。結局、子どもたちを襲う恐怖はこの苛酷な現実を増幅させたものであり、それに負けずに立ち向かえ、というメッセージも明確。でも戦うのは1人じゃない。友だちがいるから戦える。「負け犬」たちが自らあの井戸の屋敷に向かうシーンは感動的だ。そして、最後、主人公のビルが直面するのは「弟の死」という最も身近で苛酷な現実。これをみんなで共に乗り越えようとするラストは本当に感動的でした。ジュブナイルのお手本のようなお話。ただ、残念なのは、残酷描写をがんばってしまったせいか(・・といっても冒頭の子ども腕のシーン以外はそこまででもなかったような気がするけど)、肝心の子どもたちが見ることが難しいレイティングになってしまったこと。それから、恐怖を煽るペニーワイズの手法が、最初はバリエーションもあって楽しかったけど、後半はやや飽きてきてしまったこと。本当にビバリーの心をつかんだのはデブっちょのほうだったのに、なんか結局ビルとくっついちゃうところ。あと、あの牙がぶわーって出てくるやつ。原作もそうなのかもしれないけど、ああいうわかりやすい怪物感ではなく、もっと心理戦で来てほしかったかなあ、そのほうが本作の少年少女の成長譚にはあってたのではないかなあ、などと思いました。いろいろ突っ込むところはあるけど、さわやかなホラーというちょっと不思議な作風も含めて、好きな映画でした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-08-16 14:29:42)
345.  溺れるナイフ 《ネタバレ》 
原作未読。このちょっと寓話的な主人公カップルに説得力を持たせるには、これ以外ないという菅田将暉と小松菜奈の配役。この2人を「美しく」撮るというミッションについては十二分に達成できてる。それは、美しさを過剰に強調した前半だけでなく、物語が一気に展開する後半においても、アップでも引きでもこの2人がいかに美しいかが堪能できる作りになっている。あと、舞台となる「浮雲」の絵、海岸、旅館、森などもみんな印象的で、そこを「絵」として傑出した登場人物たちが生き生きと動く様を見るだけでも映画としての魅力は十分過ぎる。もう、この「絵」を見るためだけに映画館に行ってもいいと思ったくらい。一方で、物語のほうは、基本的には少女側の視線で、そして10代の少女側の「肥大する自意識」を描いているので、コウちゃんと大友君という、ある意味ステレオタイプというか現実離れした男性キャラ2人の描き方もこれでいいんだろう。2人ともその内面は限りなく空っぽ(に見える)ではあるけど、そこに少女側が読み込む「少年像」が過剰に描き込まれてる(ついでに「悪役」ストーカー男のヌルいベタさも)。当然、中年男性である私としては「わかる〜」などと感情移入できるわけがなく、「うわー、これはキツい」とさえ思える主人公の七転八倒ぶりは、いい意味で新鮮でした。一方、残念だったのは音楽。総じて鳴り過ぎでところどころ邪魔。絵の説得力を減じてるとしか思えない。それからラスト、一連のけっこう重たい事件を乗り越えて「女優」として成功した姿に「凄み」が足りず、最後の終幕で説得力不足だったのは残念。ここで「少女」の浮遊感から「女」への移行を表現できるようになれば、女優としても小松さん自身がワンステップ上がれるのだろうけれど。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2018-03-31 09:27:41)
346.  帰ってきたヒトラー 《ネタバレ》 
原作既読。ヒトラーの1人称視点で現代とのズレを描く原作と比べると、リストラされたTVディレクターのザヴァツキの視線も取り込んだ本作のほうが、視点が複雑でちょっと戸惑う。とくに、ドキュメンタリー的に一般人が登場するパートでは、彼らの嫌悪感や戸惑った表情がリアルで秀逸なだけに、いっそう視点がわかりにくくなる。また、この手の「出オチ」設定映画は、その「出オチ」で引っ張れる序盤から中盤・終盤への流れが難しいのだけれど、この映画もそのへんはあまりうまくない。ヒトラーとディレクターのロードムービー風の前半はブラック・コメディとして理解できるけど、政治批評色が濃くなる後半への移行のバランスが今ひとつで、総じて「楽しみ方」が宙ぶらりんのまま落ち着かない。けっこう長い『最期の十二日間』のパロディとかも、シリアス展開のなかで唐突に出てくるので笑えないまま。ラストの劇中劇風のオチも、そういうベタなディストピアSFみたいな展開でいいのかよくわからないまま。それでも本作がそれなりに妙な説得力を保持してるのは、ヒトラーを演じたオリヴァー・マスッチの怪演があってこそ。方向性は間違ってるのに一貫した立場から発する言葉に、登場人物だけでなく、いつのまにか自分も何かを期待してしまっていることにドキッとして、背筋が寒くなる。終始支離滅裂で一貫しない演出を補うどころか、そのなかで一本の筋が通ってしまっていたがゆえに立ち上がるカリスマ。その批評性に心底感心してしまった。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-03-30 16:31:59)(良:1票)
347.  クリーピー 偽りの隣人 《ネタバレ》 
かみ合わない会話、とくに社交辞令に絡むあたりから、するするっと隣人が心の奥に入っていく過程は、同じ黒沢清監督のCUREを思い出す。そういえば、本作の展開もよく似てた。ただ、CUREが「あんたは誰だ」というわかりやすい問いで絡んできたのに対し、本作は、どこで入り込まれたのかよく分からないままに気づいたら支配されてしまうというのが怖い。そのプロセスについては、いろんなメタファーが劇中に用意されている。たとえば、西島さんの演技が終始下手くそに見えるのだけれど、「刑事」「犯罪心理学者」「大学教授」のベタな役柄を演じている人という設定なんだろう(とくにあのわざととしか思えない棒読みの大学講義シーン・・・)。冒頭の刺されるシーンでの、それは「致命的だ」という教訓から結局学ばず、事件に首を突っ込んで、刑事ごっこ、犯罪心理学者ごっこに夢中になる。そして当然ながら「夫」としての演技も基本に忠実すぎて、まったく中身がない。妻はそれに気づいているからこそ、役割や社交辞令を逸脱して踏み込んでくる西野に、なんだかんだで近づいていってしまう・・・。あと「隣人」ではあるのだけれど、家と家のあいだにある「空き地」も象徴的。これは6年前の事件とも共通しているのだけれど、人と人の「距離」を象徴するようなあの場所は、西島さん演じる主人公、そして役割演技に忠実な現代人の対人距離でもあり、西野はその向こう側からいつもこちらを眺めつつ、いったんそこを越えれば、いきなりつけ込んでくる。そう考えれば、アイデンティティっていうものの自体を問うたCUREよりも、より現代的な問題設定であり、2010年代の黒沢映画らしい一作でした。ただ、後半のバランス崩れるところも同じ。前半の緊張感、妻が取り込まれるまでの恐怖はどこへやら、結局はサイコパスvs間抜けな警察、薬と銃をめぐるドタバタ劇で終わってしまう。最後の絶叫シーンで救われる部分はあるけど、もはやこのがっかり感、チープ感こそが黒沢印の様式美となっているようにも思えます。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2017-12-16 09:30:51)
348.  インターステラー 《ネタバレ》 
もともとこの手の「なんちゃってリアル的SF」は好物。『ゼログラビティ』や『オデッセイ』など、それなりに理屈っぽい設定とそのわりには大ざっぱなエンタメ部分のバランスが魅力的だった良作群から見ると、今作はどっち方向からもやり過ぎた感がある。序盤はけっこう理屈で押してくるのに、ブラックホール以降はぶっ飛んでしまって、そもそもの設定は何だったんだろうと思ってしまう。長尺ではあっても退屈はしなかったけれど、マン博士の件や兄妹間の微妙な関係などは物語を冗長にしちゃった感じはするし、個人的にはラストのクーパーの「帰還」後のエピソードは完全に蛇足感があった。そもそも父娘の「再会」は必要だったか? 自分としては、時計のモールス信号だけで十分に「再会」は果たされていて、けっこう感動してたのに・・・。救出の経緯もよくわからないし、アメリアのその後の描き方だったら他のやり方もあっただろう。あそこで、ちょっと冷めてしまったというか物語から突き放されて、エンドロールを迎えてしまった感じ。総じて、娯楽系の正統派なSFとしてしっかり楽しめたけれど、あとでいろいろ考えると、うーむと言わざるをえない。それもひっくるめて、ノーラン監督らしい映画ということはできるかもしれません。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-12-15 15:41:34)(良:1票)
349.  ドライヴ(2011) 《ネタバレ》 
冒頭の逃走シーンは本当に凄い。派手なアクションはわずかだけど、静と動の組み合わせでこれだけサスペンスに溢れる場面が作れるのかと関心しました。また、映画中盤のモーテル?のシーンから急にタガが外れるバイオレンスも、あの頭ぶっとぶシーンから別の映画になったようで戸惑ったけど、物語にスピード感を与える(まさに「ギアが入る」)表現としては面白いと思いました。前半は違和感だった80年代風の音楽もだんだん映画と馴染んでくるから不思議。ただ、残念だったのは、プロットのほう。これは原作ありきなので仕方がないのかもしれないけれど、「純愛」部分のベタベタなロマンティシズム。キャリー・マリガンは可愛いが、どこか男目線のファンタジーを体現した感じは2010年代の映画としてはどうなんだろう。「ドライヴ」というタイトルから想像されるカーチェイスも後半はほとんどなし。そして、事件の真相部分。LAという大都会を舞台としたはずなのに、想像以上に狭い人間関係で、主人公周りの人物相関図だけですべてが描けてしまうのが、いったいどこの田舎町の話だっていう感じだった。まあ、映像とか音楽とか、台詞の間というか無言のシーンとかの使い方にはセンスを感じるので、監督の他の作品には興味ありです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-09-17 12:12:25)
350.  キングコング: 髑髏島の巨神 《ネタバレ》 
ベトナム戦争が終わっても不完全燃焼の将軍が「戦争の狂気」を求めて・・・ってまるっきり『地獄の黙示録』じゃないか。兵士パートは完全に「地獄の黙示録」状態で、そんな将軍に翻弄される若い兵士たちが気の毒で(涙)。島で二手に分かれたときも、主人公(傭兵+女写真家)組はたいした危機もなく原住民とかと交流したりしてるのに、兵士組は決死すぎるサバイバル・・・。で、そんな話と平行してるのかしてないのかわからないところで、怪獣どうしの大バトル。ただ、怪獣パートはかなり楽しい。ピーター・ジャクソン版はちょっと生理的に無理なシーンもあって辛かったけど、これはそこまででもなく、予想の範囲内ではあるけどバリエーションも迫力も十分。一方で残念なのは、主人公パートで、せっかくのトム・ヒドルストンは見せ場も少ないし、女写真家のブリー・ラーソンはなんか無理矢理コングと交流させられてる感もあって微妙。あと、この手の映画としては、最後けっこうたくさん生き残ったね。せいぜい主人公とヒロインの2人だけが生存ってパターンを予想してただけに、ちょっと肩すかしだったかも。もったいぶらないスピード感(逆にいえば「タメ」は皆無)は結構好きだし、楽しく作られていますが、正直、次は別にいいかなあ、という感じ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-09-01 13:53:51)
351.  ハドソン川の奇跡 《ネタバレ》 
短くシンプルな作品ではあるけれど、うーん少し疑問が。結局、この映画は事故に関わったすべてのプロフェッショナルたちが「自分の仕事」をしたことで「奇跡」が起きたということを美しく描いているのだと思うのだけれど、唯一ちゃんと仕事してないのが、NTSBの調査官だ。ラストの公聴会でのサリーの主張は、「え、そんなことNTSBが考えてないわけないでしょう」というもので、NTSBからどんな反論が用意されているのかと思えば、なんと本当にNTSBは考えてなかったらしく、そのまま大逆転からの大団円(どころかNTSBによるサリーへの絶賛付き)・・・・。数十年前の話ならともかく、今時、再現シミュレーションにヒューマン・ファクターによる時間ロスぬきで計算していたなんて、普通に考えてあり得ないでしょう(とはいえ、実話ベースの話なので、それも実話なのだろうが、そうであるならなおさら、なぜNTSBがヒューマンな要素を抜きで計算してしまったのか、についての検証も必要な気が・・・)。NTSBの「壁」があまりに脆かったので、個人的には物語的なカタルシスの行き場がなく、「これで終わり?」という結末でした。とはいえ、NTSB以外の事故シーンにおける淡々とした描写には、イーストウッドらしい「引きの美学」が満載で、どんな派手な再現ビデオよりも素晴らしい人間賛歌であったと思います。であるがゆえに、NTSBの調査官も市井の人であり、プロフェッショナルであることをきっちりと描いてほしかったし、そうであればこそのこの事故検証劇だったのだと思うのです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-08-01 12:55:30)
352.  SING/シング 《ネタバレ》 
子どもが見たいというので、あまり期待しないまま、つきあいで鑑賞。こうゆうときに思わぬ良作にめぐりあったときの幸せ。昔「シュレック2」のおまけで歌唱コンテストもののパロディやってたことがあったけど、なんとなく先が読めるというか、SNSで流れてくる海外番組のシーンの寄せ集めみたいなのを想像してました。しかし、予想に反して、キャラクター設定やシーンの構築が丁寧で、ベタでわかりやすい展開なれど、しっかりはまることができました。そして、なんといっても魅力は音楽! ラストのライブシーンは、テイラー・スウィフトから始まって、エルトン・ジョン、シナトラ、そして最後はスティーヴィー・ワンダー! 歌詞も上手に絡めた選曲は見事だし、その合間に入るアッシュのオリジナル曲もすごくよかった。最初と最後のジェニファー・ハドソンの貫禄もさすが、という感じ。期待値ゼロでこれだけ楽しませてくれれば大満足です。ただ、細かい点では、バスター・ムーンが賞金絡みのウソで失った信頼の取り戻し方が物語のキモになると思ったので、そこがあっさり解決しすぎててやや拍子抜け。個々のキャラの問題も、ちゃんと向きあって乗り越えてるのか微妙なまま、歌の力で押し切ってしまった感がありあり。そもそも動物キャラであることの意味もあまり感じられず、『ズートピア』以後の作品としては物足りなさも。あくまで期待しすぎないのが、この映画を楽しむコツかと思います。
[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2017-07-14 14:17:03)
353.  イコライザー 《ネタバレ》 
同じバイオレンス系アクションでありながらも、『エンド・オブ・ホワイトハウス』と同じ監督とは思えない、静かでスタイリッシュな本作。名優デンゼル・ワシントンの起用は大正解で、静かな所作を積み重ねても「ただ者ではない感」満載の冒頭のシークエンスから、最後のロシア・マフィアとの対決まで、独特の緊張感を携えたデンゼルの目の演技は、「サイコなのにいい人」という独自の領域を切り開いてしまったと思います。そして、その笑っちゃうくらいの無敵ぶり。敵役のニコライもけっこうヤバいやつであることが次々と描かれて、これとマッコールが対決したらどうなる・・・と思わせて、あっさり完勝してしまう完全無双。ただ、ラストのホームセンターの対決では、同僚を人質に取ったことが全く活かされていないのはちょっと残念。この辺は、前作『エンド・オブ・・・』でも露呈したフークア監督おなじみの詰めの甘さ。あそこでマッコールを追い込みながら、きっちりとしたロジックで逆転する様を描ければ、アクション映画の新しい傑作になったと思う。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-02-16 13:26:22)
354.  バクマン。 《ネタバレ》 
原作未読。内容的には「好きなものは好き!」というど真ん中の青春映画だけれど、大根監督らしい一筋縄ではいかない映像表現や役者さん達の好演もあって楽しめた。とくにプロジェクトマッピングのようにマンガの絵が映り込む執筆シーンは出色。こうゆう工夫で、「マンガを書く」という行為が躍動感にあふれててとても魅力的だった。あと、小松菜奈さんがまさに「少年マンガのヒロイン」的魅力全開で、大根監督が「モテキ」でも見せた演出力がうまく働いていたと思う。ただ、少年ジャンプ的な「友情、努力、勝利」をあくまで大肯定するストーリーには乗り切れず。その「犠牲者」となったおじさんと同じことをしようとする主人公にはちょっとがっかりした。もちろん、おじさんとの違いは「仲間がいた」ってことなんだろうけど、命を危険にさらしてもマンガを書き続けることを、「狂気」としてではなく「友情、努力、勝利」の美しい象徴として描いてしまうのは、やっぱり恐ろしいセンスだと思ってしまう。せっかく「少年ジャンプ文化」のメタ批評にもなりうる題材だったのに、結局はベタな賞賛としてまとめてしまったのはちょっと残念。エンドロールが、「少年ジャンプ文化」に対するとっても優れたオマージュでもあったことは、自分もジャンプ最盛期に夢中で読んでた世代なのでよくわかる。だけど、この物語が描く「少年ジャンプ」的なものを「懐かしい」の一言で表現できない程度には、自分はつまんねー大人になってしまっということなのだろう。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2017-01-25 16:54:00)(良:1票)
355.  ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー 《ネタバレ》 
自分は「スピンオフ」というのはあまり好きじゃない。映画はやっぱりその作品内で完結するほうがいいし。だから、マーベルとかの最近の展開はあまり歓迎していない。というわけで、「ローグワン」もあまり期待しないままというかネガティヴな先入観のもとでの鑑賞でした。で、鑑賞後の感想は、「好きじゃないけど、悪くない」というものでした。「好きじゃない」部分は、やはり自己犠牲モノになってしまっていること。「大義のために死ぬ」ことを美談として感動的に描くこと自体、好きではないし、この作品では命を賭けてまで取り組んだミッションへの動機が弱いので、なおのことその死への盛り上がりに頼っているように見えてしまう。別に1人くらい生き残ったっていいんじゃないかと思うんだけどなあ。逆に「悪くない」というのは、おなじみのスターウォーズの世界のなかで、今作限りのオリジナルキャラクターたちが出会い、チームを作って、戦う、という一連の流れが思ったよりよかったこと。EP7ですら、ハンソロやチューバッカの存在感は大きかったし、EP1-3だったらヨーダやオビワンらの存在が物語の軸にあった。この作品でも、ダースベイダーなんかも出てくるけど、あくまで「ゲスト」扱いに徹して、物語の軸は、ローグワン部隊とあの中間管理職のクレニックのあいだの戦いにあったのがよかった。というわけで、スピンオフの利点をそれなりに活かしながらも、結局はその設定先行によって残念な展開になってしまった、という感じ。
[映画館(字幕)] 6点(2017-01-05 00:06:52)
356.  青天の霹靂 《ネタバレ》 
導入のマジック&一人語りから立て続けに大小の不幸が襲い、父の写真を手にするまでの序盤の出来は秀逸。「生きる」ことの意味を失う気持ちに見事に感情移入させられます。ただ、タイムスリップ後の展開はベタすぎてちょっと・・・。結局、主人公は、それから何が起きるかを知っていても過去を変えようとするわけでもなく、ある種の「傍観者」になってしまうのが残念。この展開だったら、タイムスリップなくても過去の母親の日記を見つけるとか、そういう展開でも十分成立しちゃうわけだし。あと、柴咲コウのキャラが美人でいい人過ぎて場末の劇場に似合わなさすぎ。ビンタ癖はそのへんを補ってのことなのかもしれないけど、マジシャンの助手の段階ですでにオーラありまくりで、ちょっと不自然過ぎた。とはいっても、この映画で感心したのは、劇中の「ぺぺと陳さん」のマジックコントが本当に笑えてしまうこと。芸人を描いた映画って肝心の芸が面白そうに見えないと本当に悲惨なことになるのだけれど(音楽映画とか芸術映画でも一緒だよね)、その点、あのマジックコントは大泉洋と劇団ひとりのキャラにもあってて本当に面白そうだった。その説得力は、芸人出身の監督さんでもなかなか難しいはず。そういう意味でも、劇団ひとり監督の次作もちょっと楽しみです。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2016-11-24 00:01:52)
357.  シン・ゴジラ 《ネタバレ》 
久々のゴジラは想像以上の迫力で、映画館で見て本当によかった。一番インパクトがあったのは、正体不明生物が上陸して、最初に全体を晒すシーンで現れる、目玉ギョロギョロの珍獣。その前のヒレや尻尾のチラ見せで煽られていただけに、その瞬間は「え・・・これ・・・何?」とこっちも目をまん丸に(あと、石原さとみの初登場シーンもみんな口あんぐりだったかも)。いい意味で期待を裏切られつつも、その後の使徒ばりの変態過程はお見事で、あの珍獣がちゃんとゴジラになって、最後に火を噴くまでの変態過程を見られただけでも満足でした。一方のドラマパートの会議室描写はお見事で、ベテラン俳優のみなさんのとぼけた演技が最高です。ただ、後半のゴジラ凍結作戦は残念ながら乗り切れず・・・。なんというか世界に見捨てられた日本人がその智恵と組織を総動員して反撃っっていつの映画なのかと(しかもアメリカ特使まで「日系人」という設定)。そもそもあれだけ会議シーンがあるのに、それはすべて日本人どうしの会議。21世紀にもなって、もう一つの会議(=国際会議)が全く出てこないという、この閉じた世界観(1984年版にはあったよね)。一方には震災や原発の災厄が明らかに描かれているのに、その先に開かれるのは、細かく描写された自衛隊兵器や新幹線特攻とか在来線爆弾とかも含めたガラパゴスなオタク日本の逆襲。こうゆうストーリーにアガるのは理解できるけれども、これに熱狂していていいのだろうかという不安をどうにもぬぐうことはできませんでした。
[映画館(邦画)] 6点(2016-09-09 15:45:38)(良:3票)
358.  ワールド・ウォー Z 《ネタバレ》 
序盤の事件発生からヘリで脱出までは、家族が一緒だったこともあってサスペンス感高し。また事件の全容が見えないまま、各都市がゾンビで壊滅していく映像も見応えあり。その後のブラピの世界旅行になってからは、家族という枷が外れたこともあって、サスペンス感は減退して安心して眺められる。ここでもゾンビがお互いを踏み台にして壁を越えるという、なかなかインパクトのある映像も見られて満足。そして、終盤の研究所での閉鎖空間でのアクションは、なかなかのハラハラ感。要するに、それなりに楽しんだわけですが、全体としては、ややしまりのない大味な展開が目につく。どんな実績があるのかわからないのにみんなにやたら大切にされる元国連職員のブラピとか(でもブラピだからそれが当然にも思える不思議)、前半活躍したけど後半完全に空気になったヒスパニックの少年とか、飛行機墜落現場から腹になんか刺さったまま歩いて研究所へ行くとか、「WHO Research Facility」というあまりにもアバウトな建物の名前とか、細かい作り込みとは無縁な感じです。「ワールドウォー」という大げさなタイトルも含めて、「そういうもの」として期待せずにみれば、サスペンスやアクションの演出はうまいので、それなりに楽しめる1本だと思います。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2016-07-30 21:59:17)
359.  幕が上がる 《ネタバレ》 
「アイドル」さんって、歌って踊ってる時は輝いているけど、映画の世界に入ると結構「地味」な顔立ちだったり、スタイルだったりが目立つことが多いように思います。なんというか、女優さんとは「輝き方」が違うというか。で、「ももクロ」さんに疎い私は、大変失礼ながら、劇中は「地味な子たちだなあ、これで本当にアイドルなのかな」と思いながら見てました。ただ、それでも5人のキャラとか関係性が見えてくると、だんだんいろいろ気にならなくなり、恋愛要素すらなしの超ストレートな青春映画として楽しめます。そして、ラストのタイトルどおりの「幕が上がる」ところで、突然「アイドル」性が開放され、(口パクで)歌って踊る5人を見れば、「ああ、この子たちは確かにアイドルだ!」と妙に納得。演技としては女優一歩手前というか、まさに「演劇部」という感じでしたが、瑞々しい演劇とアイドル性の両面性を門外漢なりに楽しむことができました。難点は、みなさん同様に、しょうもない小ネタとカメオ出演。ファンを公言する某局アナウンサーもそうですが、最悪はラスト付近で出てくる黒い人。ももクロと縁がある方のようですが、最後の盛り上がりに水を差す完全なる蛇足です。まあ、そのへんの文脈を読めないやつはお断り、ということなのかもしれませんが、映画自体は門外漢でも十分に楽しめる仕上がりだっただけに、そういう部分は本当に残念。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2016-07-25 21:49:40)
360.  ナイロビの蜂 《ネタバレ》 
『シティ・オブ・ゴッド』のメイレレス監督ならではのスラムの風景とかアフリカの人たちの描き方はやっぱり魅力的。ラスト近くの少年を飛行機に乗せるかどうかという、ギリギリの状況の「究極の選択」の重みも上映後にずしりと胸につっかえる。ただ、やっぱりサスペンス部分が惜しい。常にこちらの一歩手前で誰かが新事実を教えてくれるので、サスペンス感は薄い。妻の正体みたいな謎もあまり深まらないし、イギリス政府からも監視されてるはずなのにあっさりとケニアに戻れたり、国連支援組織の飛行機に乗れちゃったり。まあ、一番おかしいのは、あんなに重要なこと、なんで手紙に、それも手書き&署名付きで書いちゃうかなあ・・・という事件の根幹に関わる部分だったりします(原作がそうなのかもしれないけど、現代という時代設定を考えればあれはない)。というわけで、社会派スリラーとしての詰めの甘さが残念で、手ぶれカメラ演出もあまり効果的とはいえず、序盤のスラムの映像以外にはメイレレス監督の力量もあまり活かせていないなあというところ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-01-24 22:44:16)
010.16%
120.32%
260.95%
3345.40%
4457.14%
511217.78%
612319.52%
716025.40%
88914.13%
9426.67%
10162.54%

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