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ミスター・グレイさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 565
性別 男性
自己紹介 三度の飯より映画好きです。どうぞよろしく。
※匿名性ゆえの傲慢さに気を付けながらも、思った事、感じた事を率直に書いていますので、レビューによって矛盾が生じていたり、無知による残念な勘違いや独善的で訳分らん事を書いているかもしれませんが、大きな心でお許し下され。
※管理人様、お世話になっております。
※レビュワーの皆様、楽しく読ませて頂いております。

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341.  スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師
やはり本作で最も記憶に残るのは鮮血シーンでしょう。回想や妄想のシーンでは色鮮やかなバートン色が前面に押し出されていますが、スウィーニーの世界は灰色が基調であり、そこでドッバッっと真っ赤な血が飛び散るコントラストが強烈な印象を与えています。ころあいに傾斜した窓も味わいがあり、そこで復讐の時を待つスウィーニーの人物造型もバートン監督の好きそうなキャラクターだけあってしっかりしていますし、ヘレナ・ボナム=カーターの役も良く練られています。ただ、アラン・リックマン演じる判事は若かりし頃に比べいささか狡猾さが弱まっており、そのせいで物語がやや貧しくなっているように思います。強烈な歌があるわりに全体的に見せ場には乏しい感じはしますが、アトラクションを体験しているような感覚を味わえる独特な世界は構築されており、さすがはバートン監督と言ったところです。
[映画館(字幕)] 7点(2008-01-22 18:11:44)
342.  大樹のうた 《ネタバレ》 
「大地のうた」から人生をオプー一家で体現してきた三部作が、ついにここに完結!・・・ですが、先に言ってしまえば前二作と比べてこの最終章は少々落ちると思います。徹底して〝生〟を描いてきた三部作には必然的に〝死〟が伴っており、今回もオプーの新妻が早産で亡くなってしまうという過酷な現実とつきあわされます。オプーの幸せそうな新婚生活が微笑ましく描写されているからこそ余計に辛くなっており、死の報告に来た者を殴ってしまうオプーの遣る瀬無い怒り、哀しみが伝わってきます。しかし、オプーの時間が止まってしまってからはいささか退屈になります。人生は待ったなしで進みオプーの息子はどんどん成長し、一部二部でオプー登場のファーストショットと同じく顔をチラッと見せて登場するあたりは可笑しいのですけど…。何と言いますか、一家のありのままの姿をリアリティに富ませ詩情的に描いてきた前二作とは異なり、もはや日常が消えてしまっているから物足りなさを感じたのかもしれません。でも決してそれだけではなくて、例えば汽車などは一、二作目では物凄いパワーを有していたのに対して本作では詩情もドラマ性も欠き印象深いシーンには見えないのです。さらにそれに反して物語は一部と比べ、二部、三部と段々センチメンタルになってきているから違和感を覚えるのです。それでも、肩車の親子が歩んでいく幕切れは、苦しみながらも再び一つの家族として歩み始めた姿であり、人間が営んでいく人生そのもので壮大な三部作のラストを飾るのに相応しいでしょう。  風土やカースト制度への問題提起などなど〝インド〟を映し出し、この一大叙事詩を作り上げたことは凄いとしか言い様がありません。いやぁ、インドにもサタジット・レイなる凄い監督さんがいたのですねぇ。歌い踊るばかりじゃない。さすがは映画大国ですな。
[DVD(字幕)] 7点(2008-01-10 18:32:39)
343.  リオ・ロボ 《ネタバレ》 
砂埃が舞う中での銃撃戦で撃たれようが主人公は絶対に死ぬはずないと確信できる安心して観られる活劇ですが、それにしてもジョン・ウェインがあまりに余裕かまし過ぎているため緊張感には欠けています。でもまぁ正義のヒーロー、ジョン・ウェインはジョン・ウェインなのでそれでも良いですし、何故かは分かりませんがわざと和やかな雰囲気で撮っているようです。それでもやっぱりあの酒飲み親父は前に出過ぎている気がします。ただ、隣町のガキたちとケンカする少年の発想の如く列車を襲うシーンの面白さ、それに出てくる〝女〟がことごとく生き生きしていて素晴らしいです。どの女性も扱い自体は中途半端なのですが各々しっかり見せ場が用意されておりとても魅力的に映っています。特に、いきなり上半身裸で登場するアメリータの一瞬の背中ヌードが息を呑むほど美しい!
[ビデオ(字幕)] 7点(2007-12-20 18:14:25)(良:1票)
344.  あるいは裏切りという名の犬 《ネタバレ》 
漂う犯罪の香り、暗闇に雨で濡れた地面、これはフィルム・ノワールをやるんだな!?と思っていたら警官でしかも人の好さそうなダニエル・オートゥイユが登場してあれれ?と、そうこうしている内に「ヒート」が始まる。あの車で擦れ違い様に会話する決別のシーンは、お互いの肩越しから撮られ「ヒート」でパチーノとデ・ニーロが喫茶店で宣戦布告するシーンのようではないですか!…こっちは面白味に欠けますが。で、結局は力入れて作ってあるのですけど煮え切らない感じです。というのもオートゥイユは良い役者だと思いますが、やはりいささか善人過ぎて暗黒映画の主人公には向かないように思います。それとノワールの定義のようなものは知りませんが、最後はドパルデューを撃って表に出たところでオートゥイユが射殺されたらもっと凄かったと思うのですが…、というよりも早い話、オートゥイユよりドパルデュー視点中心に描いた方が〝あるいは〟ノワールらしくなって面白かったのになぁ。だってドパルデューの方がヤバくて良いでしょ。オートゥイユはどんな目に遭っても金太郎飴の如く基準が正義で行動が明白ですが、ドパルデューは完全に出世に取り憑かれているようで何が何だか判らなくなっていますし。それにオートゥイユはドパルデューと闘わず信念で生きているから対決という感じではないですね。まぁ何だかんだいってこの〝男の世界〟は好きで、ドパルデューがドンパチやらかす前に景気付けにウィスキーの小瓶を空けてしまうところなどはとっても良いと思うんですけどね。
[DVD(字幕)] 7点(2007-12-17 18:24:37)
345.  虎の尾を踏む男達 《ネタバレ》 
安宅関と言えば義経をバシバシ叩かなければならない弁慶の痛切な忠義心と、それに感じ入り見逃してやる富樫の厚い人情の現代日本社会ではもはや廃れた?おっも~い想いの詰まったお話ですが、そこにエノケン!?一体全体どういうことかと思ったら最初からエノケン全開。ズンズン進む義経一行にたびたび笑い声で茶々入れてくる。なるほどこれはパロディなのだと思い、おそらくエノケンが下男の知恵や行動で気を利かせ、あるいは知らず知らずのうちに一行を助けてしまうのだなと思っていたのですが…。どうやらエノケンはただの道化だったみたいです。さすがのエノケンで登場すると空気が一変するのですが、どうも対照的な物語と巧い具合には溶け込めておらず明かに遺物混入状態です。弁慶と富樫の対峙シーンの緊張感や構図、義経の顔が初めてはっきり写るところなどは抜群だったのでエノケン抜き、ついでに歌で状況説明抜きの本格派勧進帳も見たかったですね。それから大河内傳次郎を弁慶にするならせめて家来に彼よりのがたいの良い人を配役しないで欲しかったなぁ。
[DVD(邦画)] 7点(2007-11-27 18:11:08)
346.  マルタの鷹(1941)
全体的に緊張感に欠ける演出は少し緩慢だと思いますが、ハードボイルドな世界が確かに存在しスピーディで、太った男やカイロなどの人物造型は面白く何よりボガードが良いです。ストーリー展開にしろ、あのシーンにしろこのシーンにしろ全てがボギーのために用意されていると言っても過言でないほどボギーを見て楽しむ映画だと思います。ただ、相手役の女優さんの存在感が欠如しているように見えます。これは個人的な女優の趣味の問題や見せ場が乏しいという次元の話ではなく、美しく撮ろうという心遣いがなされていないように思え、明らかに魅力に乏しい印象を受けてしまいます。せっかくのボギーの男振り、ファム・ファタールならば観客を魅了してくれないと。
[ビデオ(字幕)] 7点(2007-11-02 18:18:41)
347.  イカとクジラ 《ネタバレ》 
珍妙で滑稽なセリフや人物造型に視点とあらゆる面でユニークな本作は、実は活字媒体の方がより面白かったのではないかと思うのですが、映像作品としてもどこか吸引力を持つ本当に奇妙な作品です。一家族を第三者が覗き見しているようなカメラの存在が強過ぎる気もしますが、役者も良くて他者と関わっているにもかかわらず漂う孤絶の匂いなど家族の表現が抜群ですし、性的な場面も多々あるのですがこれは文字化してしまうともっと下品な感じになってしまって絶妙な世界観が損なわれてしまうのではないかと思うのです。それにラストで青年がイカ対クジラの模型を見に向かうところなど肯定的に受けとれるイメージを提示してくれたことは答え欲しがりな〝俗物〟の私には嬉しい限りです。  ・・・それから〝イカとクジラ〟という妙な題名についてですが、これは特に何かのメタファーになっているわけではなく、ただその楽しかった思い出を指しているのだと思います。ジェフ・ダニエルスとローラ・リニーが最後の別れ際に交わす〝最低〟という言葉と同義語であり、修復不可能な亀裂がはいり崩壊した家族にしても確実に絆が存在しているのだという悲劇的に寂しくもハート・ウォーミングで率直なメッセージなのではないかと思います。 
[映画館(字幕)] 7点(2007-10-26 18:24:25)
348.  素直な悪女 《ネタバレ》 
本作ではたびたび対象を画面の中央に捕えておらず、まるで固定カメラで傍観するような心持ちにさせられ〝何だよ~もう少しで見えるのに…〟というような窃視的感覚が生まれるのですが、これはチラリズムというものですね。BBの裸もバッーンと映すのではなく想像力をかきたてるように見せるあたりが巧妙で、まだ表情にあどけなさが残るにもかかわらずあの魅惑的な肢体が画面を支配しており眩しい限りです。そのBBがラストで踊りまくるシーンが圧巻なのですが、これは夫が彼女を平手打ちするシーンに対しているように思えます。と言うのも、この平手打ちは兄貴との喧嘩等のどの暴力シーンよりも痛々しく感情的に見え互いの愛の激しさの表われであり、これで彼女が家に戻ったのだと得心がいくのです。・・・それにしても生来の魔性の女を我が妻に演じさせ裸体をスクリーンに映し出したロジェ・ヴァディム監督は…やっぱり変態の気があるのでしょうね。
[DVD(字幕)] 7点(2007-10-23 18:10:11)
349.  パーフェクト・ストレンジャー(2007)
〝秘密〟というのがキーワードになっているようですが…早い話、人間は、特に男は変態的エロさなのだということが一番言いたかったのかなと思います。というのも秘密がどれもこれも変態チック。人間が社会を営み、そこで適応者として何気なく暮らしていく限り変態ではマズい。だから秘密にして平然な顔をして生きている。つまり世の中に秘密が溢れかえっているというのは世の中に変態が溢れかえっているということの裏返しでしょう。それに、実際に情事シーンが映るのは2回だけでそれも濃厚ではなく短時間だったと記憶していますが、両方とも覗き見というオマケが付いているところがワンランク上のエロさなのです。もちろんエロエロな映画ではないのですが、それはやり過ぎると作り手も変態的に思われてしまうので「この辺りで止めておいて秘密の線でいこうじゃないか」という感じで押し止まったのではないかと思います(勝手な想像です)。  でもまぁそんなことより本作はハル・ベリーに尽きるでしょう。久しぶりに魅力的に撮られています。特に最初の潜入シーンの可愛い仕草は個人的にクリーンヒット!キレイな女性が大人っぽい仕草をすると様になりますが、それより可愛らしい仕草をする方がたまらない!ってこれは変態の域に侵入してますか?ぜんぜん大丈夫…ですよね?あんまり書き続けると私の変態っぷりのボロが出そうなのでこの辺で退散します。 ・・・と、その前にもう一つ気になったことを。何だかこの映画にはお遊びみたいなところがいくつか入っているのですが、例えばパキケファロサウルス?(頭突き恐竜の置物)と人物の動きがシンクロするシーン(ほんの一瞬)とか一体何なのでしょう? 
[映画館(字幕)] 7点(2007-10-01 18:40:48)
350.  三人の狙撃者 《ネタバレ》 
ほとんど家の中だけで行われる密室劇が緊張感たっぷりに撮られています。何人か死人がでますがいずれもあっさり処理されるのも逆に印象深いです。特に感電し機関銃を乱射しながら計画をぶち壊し殺されていく殺し屋が壮絶。道具としての銃の使い方なども巧く考えられています。しかし、やはり何と言ってもフランク・シナトラの悪役っぷりがとても素晴らしいです。キャラクター造型自体が秀逸なのですが、見事に冷静そうで神経質で今にも暴発しそうな線上を狂気いっぱいに演じています。最初に保安官が訪ねてきた時に見せる笑みなど異常に怖い。…ただ、何ヶ所か妙な繋がりの部分がある(カットされたのか?)のが残念です。それから、戦争の被害者のような殺し屋を描きながら、最後に夫の戦死が無駄ではなかったと語る妻、それに自己防衛としての子供の銃の存在と、戦争を否定しているのか肯定しているのか良く分からないところがあります。でもまぁ難しいことは考えずに観ればサクサク進んで行くテンポの良さと上映時間の短さがあるので十分に楽しめます。
[DVD(字幕)] 7点(2007-09-18 18:06:18)(良:1票)
351.  アポロ13
極限状況における宇宙船のクルーと管制官の危機感を持った連携プレーが、絶妙な配分で描かれており作品の世界に引き込まれてしまいます。死と隣接している当事者は喧嘩、管制官たちは眠気覚ましのコーヒー片手の姿に温度差を感じさせるあたりも巧妙です。大作にして、宇宙船、管制センター、家の三空間だけで構成される一種の密室劇にし緊迫感を損なわず最後までもっていくのは見事です。感動の無理強いせず淡々とした作りになっているのも好感が持てます。ただ人物描写に関してはやや甘く、個々の演じる役者さんのそれぞれ特性に頼りきっているように思えます。つまりは見事なタイプキャストでもあるわけですけど。
[ビデオ(字幕)] 7点(2007-09-11 18:31:19)
352.  プライベート・ライアン
映画館で観終った後、席を立つのが嫌になるくらい虚脱感に襲われたことを覚えている。もう冒頭から圧倒された。ノルマンディーのオハマビーチ上陸シーンは戦場に放り込まれたように臨場感が溢れており、凝視できない光景に気分が悪くなった。実際の戦場など知らない私がリアルだなんて言えないが、悲惨さは十分過ぎるほど伝わってきた。その後始まる本題の物語自体も端的に戦争の不条理さや虚しさを描いている。大局には関係の無いたった一人の命を救うために他多数の命が犠牲になっていく遣る瀬無さ。人物造型は単純だが、ハンクスの教師という設定や同行し観客に近い目線を担うアパムの通訳という設定は、人を育てたり関係を築いたりする資質が戦争下では逆に人を潰すための道具として使われてしまう悲劇を誇張している。・・・だが、全編通して見ると反戦としての訴えはそれほど強く感じられなかった。というのも最後の戦闘シーンが冒頭のそれとは全く違うものになっているからだ。最初の戦場ではハンクス以外の人物の区別がつきにくく、数多の無名の兵士たちの命が一瞬にして奪われ累々たる屍が築かれていく恐怖がある。だが最後の戦場は一人一人の〝顔〟が見えるのである。こうなると娯楽アクション映画と同じで、ハンクス一行の命の方がその他の無名の兵士たちの命よりも重く感じられてしまうのだ。これはドラマとして必然的に起こってしまったことだと思う。神に祈りを捧げ狙撃するバリー・ペッパーなど恰好良く見えるし、バズーカを担いだトム・サイズモアや戦車に発砲し続けるハンクスの姿もまたしかりだ。つまり物語が始まると娯楽要素が強くなるのだ。語弊があるかもしれないが映画である以上、戦争であってもドラマやある程度の娯楽的アクション性を有するものだとも思う。そしてスピルバーグは反戦へのメッセージと映画としての娯楽の二頭を追った。その結果、融合はされておらず冒頭の悲惨な戦場はこれから開始する戦争舞台の壮大なメロドラマのための言い訳に見えてしまう。それは勘繰り過ぎなのかもしれないが、そのアンバランスさがこの映画の印象をどこか腑に落ちないものにしている。
[映画館(字幕)] 7点(2007-08-03 18:29:41)(良:3票)
353.  殺人カメラ 《ネタバレ》 
内容は簡単で極めて教訓的な喜劇であり、作中に出る説明文だけでオチまで読めてしまうくらいなのですが、神が世界を創造するかのように村のジオラマ作りから始まり、一つの世界が構築されていくシーンからして寓話的でユニーク。主人公はまさに迷走中で、常に走り続ける姿には味があります。死ぬ際のポーズの滑稽さは幼稚にして品がありますし、〝悪魔の世界も実力主義〟と嘆くヨボヨボじいさん悪魔などは同情したくなるくらいで、独特の皮肉とユーモアが笑えます。 ただ一つ残念なのは、一回だけ巻き添えに写してしまうところがあるものの、せっかくの〝カメラ〟という道具が単なる殺しの道具でしかなく、カメラという特性を十分には生かし切れていないように思えるところです。例えば、〝善人に集合写真を頼まれる〟だとか〝自分が写されそうになる〟とか…自己嫌悪に陥るくらいつまらぬ考えしか浮かばないのですが、そんなことです。これでは別にカメラでなくとも良かったのではないかと思ってしまうのです。 まぁでも、写真は魂を抜くという迷信もありますから。煙の出所は知りませんが、イタリアにもその手の迷信があるのかもしれませんね。
[DVD(字幕)] 7点(2007-07-17 18:22:37)
354.  北京原人の逆襲
完全無欠の合成、完全無欠のミニチュア、完全無欠の金髪美女、完全無欠の極小皮ビキニ…これは凄い。象が行進してくるところなど確かに映像技術は稚拙もいいところですが、一瞬しか映らない巧みな編集で強引に突っ切られてしまいます。早い話〝ごまかし〟に長けているんですけど、初期映画を手掛けたメリエスが奇術師だったように映画はマジックショーと共通しているところがあって、〝騙す〟つまり〝ごまかし〟も一つの要素だと思います。そういう観点から見るとこれはなかなか良く出来ているのです…まぁ手品のタネはモロバレしているのですが、それはご愛嬌。しかも夜の方がごまかしが利くのにほとんど明るい昼間で勝負するという潔さに感心してしまいますし、観客が見たいものを熟知しており楽しませてくれます。ツッコミどころ満載ですが揚げ足取りはナンセンスで素直に楽しむのが一番の見方でしょう(ツッコミまくるのも楽しいけど)。なんせ金髪美女は何故かメイクバッチリで無駄毛処理万全で清潔、きわどい露出で動作が激しいですし、金髪美女を襲う毒蛇が何故か内ももを噛みますし、金髪美女が男に襲われるシーンは何故かリアル。バカみたいに金髪美女、金髪美女と連呼しましたが北京原人よりも犯罪的な恰好の金髪美女の方が鮮明に記憶に残ります。ビキニな金髪美女に破壊的な怪獣、香港映画特有のテンポの良さで興奮と笑いがあり、こういうのを楽しい映画と言うのでしょう。男子諸氏は必見?ですぞ。…ちなみに何故か名前が変わり?何故か勝手にセリフが加えられている?吹替えの方が面白いです。
[DVD(吹替)] 7点(2007-07-13 18:29:53)(良:1票)
355.  ミフネ 《ネタバレ》 
物語の設定や展開、クジが大当たりしてしまうところなど非現実的な出来事がかなり起こりますが、無添加なドグマ映画なので現実味を帯びているように感じさせます。一見、酷なようでヒューマニズムに溢れており、娼婦仲間が殴り込みにやってくるシーンなどは力強くユーモアに富んでいて面白いです。 ・・・ところで題名にまで〝ミフネ〟とつけた本作。「七人の侍」と三船敏郎が北欧のデンマークでどれほどの知名度を誇っているのか気になるところですが、弟が迫真で演じるミフネはなかなか似てなくもないです。ただ何言っているのか分からないので菊千代ではなく「蜘蛛巣城」の武時でしょう。
[ビデオ(字幕)] 7点(2007-07-05 18:51:09)
356.  吸血鬼ノスフェラトゥ(1922)
サイレント作品ですから耳をつんざくようなキャーキャーというけたたましい叫び声は聞こえませんし、生々しい血がドクドク流れるわけでもないのですが、これが怖いのです。面白いのはノスフェラトゥはコミカルな場面では異様に素早い動きなのに、襲う場面はいたってスローになるところです。通常は〝静〟から〝動〟への転換でアッと言わせるものです。例えばセンサーに反応して人形が突然飛び出してくる安いお化け屋敷のように、あるいはティーンエイジャー向きのホラー映画の殺人鬼ように。しかし、よくよく考えてみればこの〝静〟から〝動〟で感じさせるものは〝恐怖〟というより〝驚き〟に近いです。擬音で表せばびっくりの〝ドキドキ〟であって背筋が寒くなる〝ゾクゾク〟ではありません。つまり純粋な意味での恐怖ではなく驚きが多分に混在した感情なのです。ですが、本作はそのドキドキではなくゾクゾクを見事に感じさせてくれます。つまり本当の意味での恐怖。ノスフェラトゥのあのシルエットと動きの不気味さ。ネズミの使い方の上手さ。これは純粋恐怖映画の教科書のような作品です。
[DVD(字幕)] 7点(2007-07-02 18:07:32)(良:2票)
357.  砂漠のシモン 《ネタバレ》 
ブニュエルと言えば「アンダルシアの犬」や「黄金時代」とシュールレアリスムの巨匠であって、私の貧困な感性では3000年の月日を要しても到底理解できないような境地に達している監督であるとストレートのフォアボールで歩かせていたのですが、久々に勝負を挑んでみました。・・・と、これがけっこう面白い。何と言いますかブニュエルの方から3000年分も歩み寄ってくれたという感じで、一般人にも分かり易いのです。あの砂漠の景観の素晴らしさ。それに悪魔の棺桶が暴走族の如くスライディングしてくるところなんぞ笑えます。しかし一番の見所は時空間移動の場面!異次元からの突然の介入で飛行機が映し出され、次ぎに柱が映るともう人影が無い。このジャンピング方法の見事さ!一瞬で現代都会のクラブへ移った時は思わず目が点になってしまいました。・・・ただ、一つ不満なのは試練に耐える者で砂漠が舞台なのに嵐が襲ってこないこと。映画で砂嵐が起きないなんて海水浴場にまで来て泳がないのと同じですよ。聞くところによると制作費が足りなくなりやむを得ず中編になったらしいので、もしかしたら構想にはあったのかもしれませんね。完全版を観てみたかったなぁ。
[DVD(字幕)] 7点(2007-06-20 18:40:58)
358.  監督・ばんざい!
後半のズッコケ劇の連発は私の笑いのツボからいくと少々くどい感じがしましたが、これはなかなかユニークな作品です。自作自演ながら、あらゆる映画監督への皮肉であり苦言であり、同時に賛辞であり憧憬なのだと思います。そして映画作りがいかに面白くて大変なことなのか、という北野監督、一流のジョーク。個人的には小津作品のマネゴトをしているところが好きです。もし幾分か才能を持って生まれ変われるとしたら私も映画監督になってみたいなぁ。ほんと〝監督ばんざい!〟な作品です。
[映画館(邦画)] 7点(2007-06-12 18:17:27)
359.  パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド 《ネタバレ》 
簡単に言えば〝かたづける気もないのにとっ散らかして遊びました〟ってところでしょうか(興行の調子が良好なら延長して遊ぶつもりで散らかしまくったのかもしれませんが;)万人が楽しむものなのに複雑だし、そもそもディズニーがこんな殺伐としたもんを作っていいのか?(絞首刑のシーンから導入した時はビックリした)ってところです・・・でもまぁ、そんな事はどぉ~でもよくて、私にとって大問題なのはイカ(タコ?)の料理の仕方です。何もスルメや刺身にしろと言っているのではないのです。なぜ調理過程を見せてくれなかったのかと言いたいのです。もちろんグルメな話をしているわけではありません。クラーケンについて言及しているのです。他が天こ盛りで時間のかかる料理は避けたかったからかもしれませんし、好意的に見て2で度々出したので食べ飽きただろうと思ったからかもしれません。だけど、だけど私は楽しみにしていたのですよ、クラーケンを。「ペットを殺した」って何のこっちゃと思っていたらあんなかたちで登場とは…。まったくターナー親子並にビックリのご対面ですよ。でもそう言えば予告にクラーケンは出てなかったなぁ。退治シーンがあったら目玉でしょうからワンカットでも予告にはさみますね(泣)。ということで期待外れではあったんですけど、もちろん良いシーンもあるんですよ。巨大な渦での戦闘とか、そこでの結婚とか、ああいうのは面白いアイディアだし確かに凄いパワーを感じます。1と2を観た上で水しぶきがかかりそうな劇場で観たし何だかんだで楽しかったのでプラス1点。
[映画館(字幕)] 7点(2007-05-29 18:30:55)(良:2票)
360.  ジェニーの肖像 《ネタバレ》 
ジェニーが登場すると空気が一変し、どことなく夢心地で幻想世界へ足を踏み入れた雰囲気が出ていて悠久の時を感じさせます。そして津波のシーンでモノクロから切り替わる緑が映え、いよいよもって時の間に突入した緊張感が高められています。さらに最後の最後にきて色彩の豊かさを見せる〝ジェニーの肖像〟が鮮やかであり何とも素敵です。色褪せないとはこのことで、愛と芸術の永遠という普遍性を見事に融合させ一枚の絵として完成させる素晴らしさ。友人をはじめとする登場人物たちが温かく描かれているのも微笑ましく、ファンタジーとはまさにこの作品。
[DVD(字幕)] 7点(2007-05-17 18:53:48)
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