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tottokoさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2001
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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341.  アントマン
これ、面白かったです。小っちゃくなったら世界はこう見えるとか、アリを味方につけるとこんなことができる、といった想像の世界を驚異のCGテクノロジーで楽しませてくれます。 まさかの出演M・ダグラスが活き活きと仕事してまして、脇キャラの息抜き的な余興も楽しくて笑いました。 ポール・ラッドは実に平均的なアメリカン男性の顔立ちでヒーロー顔には遠いんだけども、その分彼の普通さに親近感がわきまして、となりのお兄ちゃん型ヒーローとして成功してると思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-10-01 01:01:48)(良:2票)
342.  ミッション:8ミニッツ 《ネタバレ》 
David Bowieの息子という色眼鏡で見られる運命のダンカン・ジョーンズ、見事に”親の七光り”イメージを一蹴してみせました。 理論が複雑になりがちなタイム・パラドックスSFを、短尺にまとめた要領のよさ。「8分間の同じこと」に何度も付き合わされるのだから、もし150分とかあったらたまったもんじゃありません。テンポよくノンストップでクライマックスまで乗せてってくれます。 そんなに仕事の無さそうなキャスト陣の中、一人スター格のJ・ギレンホール。芝居のできる彼が出演してくれたのは作品にとって幸運なことでありました。コルター大尉にはすっかり引き込まれましたもん。 終幕の筋書きは思いもかけないものでした。直前に「笑いながらとは、なんて良い人生の終わり方か」と流した感涙の引っ込みどころが無くなりはしましたが。これはこれで、理屈は分からないながら安堵を感じる素敵な幕切れだったです。 元いたはずの教師の彼はどうなるのかな・・。これ考えちゃいけないんだろうな。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-09-30 00:31:50)
343.  マーシュランド 《ネタバレ》 
猟奇事件は田舎で起きる。今作の舞台はスペインはアンダルシア地方であります。アンダルシアにはこんな湿地帯があったのか、と瞠目しました。両サイドに延々と広がる沼地の中を走る一本道。走り抜ける車に覆いかぶさるような水鳥の群れ。しっとりしつつ、広々したロケーションはなんとも目に新しく、映画全体が陰鬱ながらも目を引く美しさがあります。少女たちは美しい娘ばかり。彼女らが殺害されてしまった事を、撃たれて血を流している水鳥のショットとだぶらせていたり、隠喩のセンスもなかなかです。 殺人犯の真相はかなりあっさりしているといえます。何故ならこの話は、事件の犯人が分かったところで結、としていないからです。 信頼していた同僚に対して生まれた黒い疑惑。打ち消したい、との思いは証拠写真を破らせる。けれど若き刑事ペドロに生まれた疑念はおそらく一生晴れることは無いと思われます。 思えば最初からフランコ政権の爪あとを所々差し挟んでいたのでした。 このラストの衝撃はおそらく日本人の私よりスペインの人たちに、よりダイレクトに伝わるものでありましょう。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-09-24 00:02:15)
344.  イット・フォローズ 《ネタバレ》 
口コミで全米ヒット、の煽り文句には眉唾つけたくなるのが習性なので期待値はさして高くなかったんだけど、これがなかなかでした。画の見せ方が独特で、しーんと冷たいのです。冒頭の、定点カメラで撮ったようなシーンとかデパルマを彷彿とさせるぐるぐる回転カメラには引力がありますし、かと思えば思わぬタイミングで場面が切り替わったりもする。そこはかとなく不気味な思わせぶりな描写も多い。これは一体?と考える間もなく話は進むあたり、リンチにもちょっとだけ似てます。 POVでもないのに、一連の事件をその場で傍観しているようなリアリティがあり、その要因のひとつとしてアメリカの地方都市に住む現代の若者の生態をとても正確に写していることがあります。主人公ジェイはいつも仲良しの友人らとつるんでいる。幼なじみや妹らで、世界はとても狭い。バイト先は地元のアイスクリームショップ。ひまを持て余して友人の家でだらっと見るでもなくDVDを流す。(これがかなり昔の白黒特撮とかで、チョイスも微妙)親がいる時はバルコニーでカードゲームしながらビール。ぱっとしない。20年前ならばアメリカの若者にはマストだったであろう自動車は、もはや持てない時代。娼婦が街路に立つおっそろしく寂れた郊外。この荒れ果てぶりは絶句するレベルで、トランプが大統領になぜ当選したのかなんとなく分かります。 まさに「今」を切り取った画のなかに、音楽や絶叫を極力入れずひたひたとしつこく「それ」を置く。並みのホラーなら「それ」の弱点を探ったり、起源を遡ったりするところだが、超絶リアルな今作は、そんな手間も知恵もジェイとその仲間には出せません。感電作戦も失敗。 ”新感覚ホラー”という使われすぎな言葉が、これにこそぴったりな低予算な意欲作。お時間があればぜひ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-09-20 18:14:08)
345.  カットバンク 《ネタバレ》 
カットバンクとは街の名前なのですね。アメリカのとある田舎町。人口3000人、住民はほぼ顔見知り。若者は町から出て行きたがり、ミス・カットバンクなるミスコンに優勝すべく独学でレッスンに励む垢抜けない女の子たち、変わり者には冷たい閉鎖性、と田舎のアイコンをずらーっと網羅しているカットバンクである。田舎で起こることといえば猟奇殺人と相場が決まっている(?)。今作は観客が犯人を分かって観るパターン。主人公が拵えた偽装殺人計画と同時進行で本ボシの殺人が起きる、なかなか凝った脚本である。 変人の殺人犯、ダービー・ミルトンはけっこう人を殺してるけど殺し自体が趣味なのではなく、本来の目的を果たすため他者が巻き添えになって死ぬ。その目的が何なのか分かった場面は戦慄しました。哀しさ漂うというか。 不満なのはラスト。主人公の彼ですが、ものすごい御厚意を保安官からもビリー・ボブ父ちゃんからも受けてますけど、そんなに目をかけてもらえるほど好青年でしたっけ?そんな良い奴だったかなあ。 さらに細かいこと言うと、後から銃創こしらえても検死したらバレるんでないの?と基本的疑問がわく。まあそこはなんとかなるんだろう、田舎だから。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-09-16 23:55:41)
346.  キャロル(2015) 《ネタバレ》 
オスカー女優とカンヌ女優賞、二人の競演はとても見ごたえがありました。そしてなんと番狂わせなことに、ケイトを抑えてルーニー・マーラに軍配が上がりました、ワタシの中では。ケイトが押されている・・?とびっくりしました。 だって、テレーズはもう完全にキャロルに惚れている。彼女を追う時の目線の熱っぽさや、頬が自然と上がるときめき、恋する人間の発する独特の甘い空気。ルーニー・マーラすげえ。 一方、ケイトはルーニーよりハンデがありまして、なにしろ忙しいのです役が。我が子を思う母親であり、愛の冷えた夫とその家族に疲弊する妻でもあり、元カノに弱みをさらす一人の女性でもあって、ケイト・ブランシェットだからこそこんなに沢山のタスクをこなせたとも思うのですが、恋に身を焦がすほどの想いをばんばん放出してきたルーニーの方が印象強かったです、はい。
[映画館(字幕)] 7点(2017-09-15 00:19:51)(良:1票)
347.  ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン 《ネタバレ》 
お下劣、とひんしゅくを買ってる批評もありますが、私にはまあぎりぎり許容範囲内でした。人気のコメディエンヌをずらっと配してるだけあって、皆「自分のやるべきこと」を的確に把握してて期待通りのはっちゃけぶりです。 女子の友人関係あるあるを盛り込んだ脚本もなかなか。クリスティン・ウィグ演じるアニーには苦笑しつつも共感できる部分が多く、特にヘレン(このキャラ、もうキャスティングからして完璧。この人のおかげで話が締まる)が登場した際の、脳内にNGランプが点灯したアニーの引きつった表情はオスカーものですよ。わかるわかる。 ギャグは大げさだし、下ネタは要らないし、リリアンの心情をもっと掘り下げてほしいし(ヘレンに愛想を尽かす原因が資金面のことだけだなんてちょっとすっきりしないですよね)で、完全にノレたわけではないのだけど、画はきれいですし、アニーこれからどうすんの、と観客を最後まで引っ張る話力は高かった。観る人の立ち位置によるでしょうけど、アニー派なら楽しいですよ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-09-13 23:38:00)
348.  ミケランジェロ・プロジェクト 《ネタバレ》 
第二次大戦中の、ナチからの美術品奪還物語。こんなこともあったのですね。 戦時の物語ではあるけど、時期がほぼ戦局が見えてきた頃でもあり、どう見ても兵役の上限年齢を越えたオジサンたちが「新兵」として奮闘するくだりがコミカルだったりで、凄惨なシーンは無くおおむねのどかです。“モニュメントメン”の面々がそうそうたるベテラン揃いでコメディタッチな軽さは彼らのキャスティングによるところも大きいと感じます。 とはいえ、事実に基づき殉職する者も出てしまう。彼らへの敬意を込めて制作したのでしょう。大げさな演出を避けてはいるけど、記憶に長く留まるような描写でありました。 ナチスとついでにソ連を悪役に回して、実に志の高い誇り高きアメリカ人の皆さんである。今時ちょっと珍しいくらい、てらいなく「アメリカ万歳」を言っているかのようで、アメリカの人がこれを観て気分を良くするのは別に構わない。 でも占領していた日本から引き上げる際、占領軍の一部はわが町からも勝手に接収施設の調度品を持って行っちゃってるよな?返してくれ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-09-10 01:08:00)
349.  ピエロがお前を嘲笑う 《ネタバレ》 
”映画観てる”勘の良い人たちなら早々と気付いちゃってるらしい、「ファイトクラブ」なジャンルものでした。私はそこらへん大層鈍いので思いがけなくて、けっこうびっくりしたのですけどね。だからこそ、二重底みたいな“もう一回”のアレは必要なかったと思いますね。 ネットの電脳社会を視覚化するのに、不特定多数が行き交う電車内での描写にしたのは上手いなあと思いました。電車っていうのがまたオタク感があるのですね。これがデパートではちょっと違うものね。 指一本でコード変更し、社会システムを混乱させ得るのがコンピュータ社会の危うさであり、こういうハッキングストーリーの肝なんだけど。だけどやってることはゴミの山を漁って手書きの物を探したり、警備員を騙して建物に潜入したりとけっこう生身の身体を張っててアナログ度も高いよね。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2017-08-26 18:07:27)
350.  レフト・ビハインド 《ネタバレ》 
これはイカン。久々の大迷走映画を観た。 大体、人が突如文字通り「消えて無くなる」なんて、あまりの大風呂敷っぷり、収めようが無い。普通のやり方では。 だから、まあ百歩譲って、「神の行い」であるとの設定も呑むとしよう。では、その後神様に「置いてけぼりにされた」人たちがどう生きるのか、また何らかの形で消えた者たちが復活するのか、観客の視点はそういうことに移ると思うんだ。少なくとも私は。 ところがところが、映画は登場人物らの観念など一ミリも描かず、ひたすらパニック映画の様相になってゆく。飛行機の燃料はたりないわ、着陸場所はないわ。しかし、機長とその娘(大学生)の機転により、飛行機は見事建設中の道路に着地するのだった。おお、と思わず拍手・・するはずもなく、もうどこに気持ちを置いてこの話を観りゃいいのか、画面の前の異教徒のワタシも若干パニックだ。 で、こんな映画に出るのかN・ケイジは。もういいかげんパニックものにはニコラスを使えのパターンやめてくんないかな。 あいかわらず上手いんだが、その器用さがこんなのに使われると悲しくなる。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2017-08-15 00:36:31)(良:2票)
351.  ライト/オフ 《ネタバレ》 
元ネタの2分ちょいの動画の方が怖いですよね。2分を80分に伸ばさなきゃならん、というわけでどうしてもいろんなことを付け足さなきゃならないんだけど、その付け足しが物語をつまんなくしてしまいました。 オバケの正体はノイローゼの母親が作り出した幻影というのもちょっと突拍子も無い印象だけど、幻というにはコイツ物理的に強すぎませんか。家以外にもほいほい出現するし、人一人持ち上げて落とすとか、格闘技かいな。ホラーとしてははなはだ興をそぐ演出でした。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2017-08-12 00:35:45)
352.  ドラフト・デイ
絶頂期にはもう見飽きるほど、当たり作続きだったケビン・コスナー。水映画でコケてから、長い低迷期に入るとは人生分からないものだなあと思っていた。今作、「どれどれ」の気分でナメてかかって観ましたら、おやこれがなかなか”見せる”ドラフトドラマなのでした。コスナー復活の狼煙となるか。 プロスポーツの経営ドラマといえば、ブラピの「マネーボール」が記憶に新しいし、評価も高い。二番煎じというハードルもなかなか高いぞ、と思ったのですがこちらはアメフトのドラフトの一日に絞ったのが功を奏しました。 ライバルチームの腹の探りあいや、旧知の選手とのわだかまり、オーナーやファンからの圧力といったマネージメント業のストレス要素をみごとドラマに変換し、さらに一人の目玉選手について「マイナス点の有無」を観る者にも投げかける引っ張り方も巧い。 コスナー個人の恋愛ネタがちょっとうるさかったですが。ここ職場だよ。 苦悩しつつ、毅然と考えを貫くGMにコスナーが久々にかっこよくハマりました。長らく御無沙汰でもスクリーン映えするその姿。きちんと容姿をキープしているプロ根性に、ケビン・コスナーやるなあとちょっと感動しました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-08-09 00:45:26)(良:1票)
353.  ゴーストバスターズ(2016) 《ネタバレ》 
いやあ、残念です。オリジナルのを当時観た時は心から楽しくて、映画を観ることの喜びを体感したものでした。これは工夫も何も無い焼き直しです。 オバサンばかりの4人組、ルックスで客は呼べないこのユニットで何ができるのかとまず疑問でしたが、各々の役回りもオリジナルのそれと一緒なので、女にした意味は特に無いように思います。 ゴースト達が街中で好き勝手して大混乱、の弾けっぷりも原版の方がずっと楽しい。スライムの食欲ゴーストやマシュマロマンなどはオリジナルに敬意を表しての登場でしょうが、まったく同じことをやらせてどうするんだ。 リメイクは難しい。オリジナルへの愛が必要なのはもちろんだけど、その想いを糧にして新しい創造をしないと単なる模倣で終わってしまいますから。こうも堂々と創造性の無さを発表されてむしろびっくりしました。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2017-08-02 01:09:18)(良:1票)
354.  デッドプール
ワタシはアメコミにもX-MENにもほとんど造詣のない人間なのですが、それでも楽しかったです。真面目な要素をきれいに排除して、馬鹿なまま突っ走ったセンスは好きです。あと、はっちゃけてるライアン・レイノルズの貢献度も大きいです。 それほど下品じゃないし(異論はありそう)、彼女はキレイだし、話は難しくないし、はははーと笑って観れた私は一応人の子の親なのだが、何か問題あるだろうか。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-07-26 23:31:41)
355.  シンデレラ(2015)
誰もが知ってるおとぎ話を、”清き者がハッピーエンドを迎える”の大原則に沿って、キャラを上手にふくらませました。CGはうるさ過ぎず、でも「ここだけは外せない」馬車・ドレス・ガラスの靴といったシンデレラ定番のアイテムにはしっかりと精力を注入した美麗さであります。 シンデレラ役のリリー・ジェームズは世界中の先入観に晒されての大役をしっかり果たしています。自然で素朴な笑顔は魅力的で、意地悪をされた時の表情は「怒る」「むかつく」でなく「戸惑い」であるところが上手いです。 そして演技力といえばケイト・ブランシェット。もともとクールな顔立ちですから継母メイクをしたその迫力たるや。大げさな身振り、表情、もうノリノリでヒール役を務めるケイト、楽しそう。 継母の人物造形も既出の作品より作り込まれており、ケイト母は娘らのように単なる愚鈍な意地悪ではない。シンデレラの美質をきちんと見抜くキレ者として描かれ、だからこそ手強くおっかない。 対するシンデレラも運命に翻弄されてめそめそするお嬢さんではないのでした。悪意とは立派に闘える意志の持ち主であり、故に「ヒロインvs継母」の構図が成り立って見ごたえのあるお話になりました。終盤エラが継母に切る啖呵は毅然として爽快です。 もはやシンデレラでなくゴッドマザーエイジのワタクシ、しみじみエラの幸せを祈る気分で観終わりました。 [うらわっこ]さん きっとあなたはスーツを着たシンデレラなのですよ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-07-17 00:12:35)(良:2票)
356.  パレードへようこそ 《ネタバレ》 
サッチャー政権による炭鉱閉山ドラマって多いなあ。いかに荒療治で、人々の傷も大きかったか分かろうというもの。今作は炭鉱ストの フィールドに何故かゲイの皆さんが加わる。「同じく圧政に苦しむ境遇だから」というのが理由らしいが、このあたり描写あっさりし過ぎじゃないですかね。たまたまTVでリーダーが炭鉱街の苦境を見て、思いつきで行動をおこしたように見える。そんな唐突なことで集団は動くのだろうか。 描写の浅さはそこかしこに感じる。一因としては、誰が「主人公」なのか軸がはっきり定まっていないこと。炭鉱にもゲイ側にもぱらぱらとさわりだけ触れられる人物が多数存在している。群像劇というには各キャラに入り込めるほど掘り下げていない。炭鉱サイドのアンチゲイのおばさんも、ビル・ナイもそれなりに存在感を発しているけど、話の収め方はもやっと不発に終わる。A・スコットのウェールズ人のアイデンティティーのくだりとか、菓子職人志望の青年ん家の揉め事とかはいっそカットでよかったのでは。描ききれてないもん。 実話の強みで、終盤のパレードのシーンはそこそこの盛り上がりを見せるけれども。実話だからなあ。なんかずるいよな。 炭鉱ものは名作が多いので、ちょっと辛口になってしまった。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-07-16 00:07:32)
357.  フィフス・ウェイブ 《ネタバレ》 
こんな既視感満載の”人類滅亡モノ”を今また作ってどうしようというのだろう。切迫感とか、手に汗握るヤバイ感とかが何も無い撮り方ってどうなんだ。もそっと宇宙人の攻撃が始まって、なんかウイルスとか洪水とかがありました、と箇条書きのようなヘボ描写。クロエ一家は弟以外全滅、がしかしうまいこと協力者が現われ、脚は撃たれたけど、治ります。 基地サイドはこれまたユルユルな流れで新兵班をざっと説明したのちは、反抗的な新入りが来たりと、これは学園ドラマかと思う。ホンも演出も稚拙としか。もっとちゃんとやって下さい。 クロエと弟はもちろん再会を果たす。そしていつ公開になるのかは知らないけど、続編に乞うご期待的なお約束の終わり方。巷で不評しか耳にしないのに、なんて屈託の無いことか。ああもう、ちゃんとやってよお。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2017-07-02 23:41:11)
358.  オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分 《ネタバレ》 
トム・ハーディのあっぱれな一人芝居。登場人物一名、場所は車中、交わされる電話の会話のみでストーリーを構築してゆく脚本は舞台劇のよう。目に映るのはひたすらトムの正面顔と横顔か、車内電話の着信画面。この単調さにも関わらず、ただならぬ展開を見せるのでもらい緊張でどきどきした。もう口が乾いて。 アイヴァン・ロックは困ったことになったもんだ。反父親という思いが骨の髄まで沁み込んでしまってて、「奴のようにはならない」「俺はきちんと責任を取る」を信条に生きてきた。その生き様は仕事においては非常に有能で、家庭も円満だったのだ。彼がいかに仕事のデキる男かは、この数十分でつまびらかに伝わる。ああその律儀さが、まじめさが、父への反発心が、築き上げてきた人生を葬り去ろうとは。 ロックに言いたい。間違ってるよ。「誰に対しても等しく責任を取る」なんてことはできないのだよ。仕事のように段取りを正確にこなして、突発的なトラブルにも的確に対処してゆけば事が運ぶのとはフィールドが違うんだ、こればかりは。 突然大仕事を丸投げされた同僚のパニックも、打ちのめされた妻の気持ちも手に取るように分かる。「悪気のない」ロックは大好きなトム・ハーディだしで、もう困っちゃったなああ、とワタシまで頭を抱えるシマツだ。この後をいろいろ想像するが、私の技量では誰も良いことにならないんだどうしましょう。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-07-02 00:15:09)(良:1票)
359.  サード・パーソン 《ネタバレ》 
「三つの都市での三者三様の恋愛模様」だかっていうピンボケの内容紹介のせいで、全く先入観無しで観たのだけど、ラスト5分で唸ってしまった。そこに至るまでオチが読めず、だからこそとてもすっきりした。 変だったもんなあ。NYのミラ・クニスがちょくちょくパリに現われるし、ローマでは初対面のロマの女に全財産注ぎ込む男が不可解。女の8歳の娘も姿を見せないし、出来事全容の歯切れが悪いのだ。 NYとローマの側が「何か変」なのは、架空の話だから。実在するのはニーソンとオリヴィアとキムのフィールドだけ。NYの愚かな母ミラはニーソンの映し鏡。”重過失”でわが子を失った小説家が自らを投影したキャラクター。翻ってローマ編、他人の娘を救いたいと必死になるビジネスマンもまた、小説家の願望の現われなのだろう。こちらはぼんやりとハッピーエンドぽくフェイドアウトした。 観直すと、ちゃんと伏線がたくさん張られている。キムの台詞「あなたは小説の人物にしか感情理解できない」「この会話もどうせ書くんでしょ」とか、編集者の「(エレインが)よく立ち直ったね。強い人だ」とか。分かって観るとおお、と思うが初見で気付くのはかなり難しいと思う。タイトルの「三人称」の意味するところも、気付いた人って凄いな。 ラストの愛人の驚愕顔と小説家が「自らについた嘘」、これらはまだ私にとっては宿題中。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-06-26 00:27:32)
360.  セッション 《ネタバレ》 
フレッチャーは果たして「師」なのか。終盤の、運命のあの一瞬まで私の心は揺れ動きつつも肯定的だった。何につけ、”芸事”や”技”を磨くフィールドではスパルタはつきものだ。「ガラスの仮面」もそうだったし。 時間を嘘ついたり、気さくに聞き出した家族事情を恫喝のネタに使ったり、性格は極めて悪いとは思ったが。しかし、ラストの騙し討ちは次元の違う話だ。人として屈辱を与え、演奏家として再起不能なダメージを与えた。「師」とは”育てる”者のことをいうのだ。フレッチャーは悪魔だった。音楽に魅入られた人非人。かつての教え子は命を絶ったではないか。事故じゃないオメーのせいだよ。しかしニーマンは死んでしまうタマではなかった。そもそも唯我独尊、親戚に喧嘩を売り、自己中全開で彼女を捨てる。見た目が田舎出の野暮ったい青年なので、さしものデビルフレッチャーも見誤ったろう。 ストーリーのテンションは冒頭からラストまで常に高く張り詰めており、ワタシのような小心者は心臓がばくばくしっぱなしだ。 悪魔と狂気がぶつかり合うラスト9分、発せられる熱量はただごとではなく息苦しい。個人的には相討ちと思う。「フルメタル・ジャケット」の、教官が落ちこぼれに弾丸を放たれた手洗い場のシーンがだぶった。
[DVD(字幕)] 8点(2017-06-20 23:55:40)
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