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FSSさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 854
性別 男性
自己紹介 <レビュアー引退について>

他の方にとってはどうでもいい事ですが(笑)、
こちらでのレビュアーを引退させて頂きます。
理由はあまり映画自体を見なくなった事と、
結局、映画以外にもレビューを書けるAmazonが
レビュー投稿の中心になってしまった事ですね。

長い間、お世話になりました。 2021/11/27
   
<ジャンルの好みについて>

・好きなジャンルは「ホラー」「サスペンス」「ミステリー」。
・嫌いなジャンルは「ミュージカル」「恋愛」「韓国映画」「感動押し付け系」。
・どちらでもないのは「アクション」「SF」「コメディ」「時代劇」。

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361.  ラビナス 《ネタバレ》 
作品として何が見せたいのかイマイチ分からない内容。  「人でなくなる事の苦悩」がテーマなら、人肉を喰わなくてはならない人間の「葛藤」や「極限状況」がまったく描けていないし、人肉を喰うだけで不死っぽくなるという設定もこれまた無意味。  おまけに、あの時代設定にもほとんど必然性が感じられないしで、終始、作品としての方向性がはっきりしない「思い切りのなさ」が見て取れる。  別に「人喰い」でなくても、「吸血鬼」とかでも成立してしまう、この状況や設定を活かし切れていない中途半端なシナリオに疑問。  ラストあたりの展開も唐突。人間性を捨てるくらいなら、お前ら共々死ぬって事だと思うけど、これまた悲壮さや凄絶さに欠ける。とにかく全体的に中途半端。  独特な音楽の使い方は良い。
[ビデオ(字幕)] 4点(2006-08-23 23:40:02)
362.  自殺サークル 《ネタバレ》 
序盤のインパクトや雰囲気は最高。病院でのエピソードまでなら傑作と言っても良い。  しかし、その後ローリーが歌を歌い始めたところから様子がおかしくなる(笑)。一瞬、「すわ、「発狂する唇」の再来か!?」と身構えた。まあ、あそこまでデタラメではなかったが、結果的に破綻する事に違いはない。  安易な自殺を通して、現代の若者の病理を描いたつもりだろうが、スタイルだけで中身がスカスカ。ミステリーっぽい伏線も、まともな説明がないまま放り出してある。ラストの子供達も露骨に「エヴァンゲリオン」のパクリ。こういう上っ面だけをパクるから、エヴァまで同列に見られてしまう。ファンとして迷惑。「破綻していそうで、破綻していない」のがエヴァ。「破綻していそうで、やっぱり破綻している」のがこの作品。似て非なるもの。  とりあえずテーマだけは深いので、もう少しまともな撮り方をすれば傑作になった可能性があるだけに惜しい。
[ビデオ(邦画)] 4点(2006-08-23 22:12:27)(良:1票)
363.  ブレア・ウィッチ・プロジェクト 《ネタバレ》 
色々なメディアを取り込んでゼロからブームを作り上げた宣伝手法や、低予算を逆手に取ったアイデアは商売としては評価できる部分もある。  しかし「擬似ドキュメンタリー」という手法はリアルである事が前提である分、ドキュメンタリー的な演出を強調するほどに、逆に「作り事」である白々しさが目立つという難しさがある。  特にこの作品はリアリティを優先し過ぎて、肝心の観客の期待や心理を考えていない部分がある。臨場感を出すための手持ちカメラによる映像の激しいブレや、編集していない事が前提のダラダラとした展開、魔女の正体が不明なまま終わる手抜きなオチなど、娯楽映画としては最低な出来。  擬似ドキュメンタリーである事とエンターティメント性を両立させる事は出来たはず(最近の作品では「ノロイ」が擬似ドキュメンタリーホラーとしては完成度が高い)。  それが出来ていないのでは、この手の方法論は低予算の手抜きと言われても仕方ないだろう。
[ビデオ(字幕)] 2点(2006-08-23 22:04:45)
364.  RETURNER リターナー 《ネタバレ》 
確かに邦画のSFアクション映画としてはそれなりに見られるものにはなっている。  ただ、とてつもなく薄っぺらい事は間違いない。何がって、作品としての「志」が。  古今東西、新旧の既存の作品群から設定や演出パターンを拝借する事は必ずしも悪い事ではないと思うが、そうである以上、より作品として高い所を目差すのが、足掛かりにした作品に対する最低限の礼儀だと思う。  しかし、この作品からはそんな気概はまるで感じられない。過去の様々な作品の「おいしいとこ取り」をしているだけで、一般大衆受けを狙った最大公約数的な「ツギハギ作品」にしかなっていない。パクリ:オマージュで言えば、8:2でパクリ。  そういう姿勢の作品を「エンターティメント」とは呼べないし、呼びたくない。意図的にやっているのだからなおさら。  主役ふたりの演技力の低さもひどい。金城武のセリフ棒読みに、鈴木杏の不満を表明するのに口を尖らせて喋るという記号的な演技や、自然さを出そうとして返ってオーバーアクションになる身振り、不自然な顔や声の表情など、見るに堪えない。溝口も狡猾なのか頭が悪いのか、強いのか弱いのか分からないキャラ。暴走っぷりも戦い方も中途半端で、悪役として魅力薄。  とにかく既存作品のパクリ方が露骨すぎる。こんな事を平気でやっているから、いつまでも日本人はオリジナリティが無いなんて評価されるんじゃない?
[ビデオ(邦画)] 2点(2006-08-22 23:45:18)(良:1票)
365.  ダークシティ 《ネタバレ》 
SF+サスペンス+アクション=中途半端、の典型的な作品。「自分達の信じていた世界が作り物かも知れない」という、ありがちな世界観に加え、なんと導入で「異星人が人間の記憶やら何やらを改変している」というオチをバラしてしまうという太っ腹(笑)。そのため「記憶喪失」とか「死体」という、せっかくのミステリアスな伏線が無意味になっている。  そもそもこの異星人は何がやりたいのか分からない。「人間にはそれぞれに魂があるが、我々はひとつの魂を共有している」という、無理やりな心身二元論が当然のように前提になっているのも疑問。  人間を理解するのにあんな大掛かりで手間隙のかかる作業をする必要があるのだろうか。仮に理解したとして、どうするつもりだったのか?ラストで主人公の魂とひとつになる、みたいな部分も、「記憶」と「魂」をごっちゃにしていて実にいい加減(第一、それまでは主人公を殺そうとしてたんじゃなかったっけ?)。  それに突っ込み所として、「記憶」を薬で他者に移植することは原理的に無理。ひとりひとり、脳の神経回路の構造が違うんだから、ある人の記憶を物理的に取り出せたとしても、移植先の人間がまったく同じ構成の脳内神経回路を持たない限り、その記憶はまったく意味を成さない。  超能力の設定も空を飛んだり人を眠らせたり、好きな所に「どこでもドア」を作れたりと、何でもありなので、逆につまらない。この手の設定は、ある程度制約があるからこそ、色々と工夫や駆け引きが生まれて面白くなるもの。何でも出来たら、それはご都合主義ってだけでしょ。  人間達の普段の生活サイクルや、記憶改竄の必然性、宇宙空間との仕切がただのコンクリートの壁一枚だけとか(主人公も飛んでった刑事を超能力で助けてやれよ!)、世界観の細部が練りこまれておらず、突っ込み出したらキリが無い。  ラストの超能力バトルもアクション演出にセンスが無い上に、今までの世界観にまるで合っていないし、この手のバトルは実写にすると途端に安っぽくなる。  全体の作り自体は丁寧で好感が持てるが、とにかく設定が悪い意味でB級で中途半端過ぎる。  
[ビデオ(字幕)] 3点(2006-08-22 21:31:51)(良:1票)
366.  4thフロアー 《ネタバレ》 
サスペンスとしては設定もストーリー展開も、そしてバレバレのオチも含めて、よくあるパターンではあるものの、全体的にはきちっとまとまっていて、テンポも良い作品。  実際、隣近所の騒音問題などは、誰の身にも起こり得る現実的な問題なだけに、感情移入もしやすいし、恐怖感も伝わりやすい。  ただ逆に言えば、この手の設定(新生活、怪しげな隣人、無理解な周囲の人間、崩れていく平穏な日常、誰も自分の言う事を聞いてくれない等)が既にあまりにもありがちで新鮮味が無いのは確か。一番親切で身近な人間が犯人とするオチも黄金パターン(と言うか、無関係な人間が犯人では作品としてつまらない以上、そういうパターンにならざるを得ないけど)。出来れば何かひとつでも目新しい設定があればサスペンスとしては傑作になった可能性があるだけに残念。3点以下を付けるほどの駄作ではないが、8点以上の傑作でもない。まさにここの平均点が妥当。  サスペンスやミステリー慣れしている人には物足りないけど、普段あまりこの手のジャンルを見ない人にならお奨め出来る。
[ビデオ(字幕)] 6点(2006-08-22 20:58:22)
367.  雲のむこう、約束の場所 《ネタバレ》 
前作「ほしのこえ」同様、監督が今まで見てきた好きなアニメや漫画から得た影響のみで作り上げたであろうパッチワーク作品ではあるが、ここで酷評されているほどにはヒドい作品ではない。  その製作姿勢は基本的に同人誌の延長であり、監督の自己満足が先にあるものだが、取りあえず、何とか商品として金を取れるレベルに仕上げてある点は評価できる。  確かに「並行世界」という陳腐なSF設定も近未来の世界観も、あくまでイメージ優先で、小難しい単語を使いまわしているだけで中身は薄っぺらく、独自の着想も皆無。「戦争」、「幼なじみの少女」、「並行世界」、「飛行機」、などなど、すべてが「イメージ表現」のために用意されたギミックでしかないし、主人公たちのやっている事や言ってる事も青臭く、やたら感傷的で自己陶酔的だが、その「青さ」も含めて、青春恋愛アニメとしてのテーマは押さえてある。  まあこれが普通の劇場版として、どこかのスタジオが集団作業で作ったというなら間違いなく駄作ではあるが、ほとんど一人でこれだけのものを作ったというなら、それなりの評価には値する(必要な機材を与えられても自分ひとりではとても出来ないし)。  あくまでイメージ優先のジュブナイルアニメであって、それ以上でも以下でもない作品。今はまだ「技術はあるが独創性は皆無」というオタク作家の典型だが、もう少しクリエイターとしての視野を広げて、オリジナリティの高いしっかりとした脚本作りが出来るようになれば、あるいは…。  PS.この作品はともかくとしても、今やハリウッド映画やディズニーアニメのスタッフにも日本の漫画やアニメの影響を受けていない人間はほとんど皆無という時代に、未だにアニメや漫画に偏見持っている日本人がいるというのが嘆かわしい…。 
[DVD(邦画)] 5点(2006-08-21 23:27:21)(良:1票)
368.  ジェイソンX 13日の金曜日 《ネタバレ》 
まあ、この作品にはホラー映画の「男はつらいよ」をめざして欲しい。  ラスト付近での「もう、いいって」というセリフや、大気圏に火だるまになりながら突っ込んでいくシーンや、それを地上で見ていたバカップルが「あ、流れ星」と言ったりと、完全に「分かってやっている」確信犯。  それを理解した上でなら、笑えます。ただ、どうせやるなら、もっとハデに、かつバカにやっても欲しかった。  エスカレートするのを望んで、次回作は「ジェイソンvsターミネーター」でお願いします。不死身度で言えば5:5。攻撃能力では4:6でターミネーター有利かな。でも良い勝負になりそうで期待は膨らむね。
[ビデオ(字幕)] 5点(2006-08-21 18:59:44)(笑:2票)
369.  ザ・コア 《ネタバレ》 
災害パニック映画として基本的かつ王道かつ凡庸な作り。  基本設定やストーリー展開の大枠は、まさに「アルマゲドン・地下版」。  序盤に起こる異常事態の数々はまさに嵐の前の静けさって感じで、先の展開に興味を持たせるが、地中に潜る船を作るあたりから、ほとんど科学公証無視の非現実的なSF映画に転落。  さらに地中に潜ってからのご都合主義的な展開の連続は、いっそ気持ち良いほど。途中の乗組員たちのやりとりや、用意されたシナリオに沿って行儀良く一人一人が死んでいく「泣かせる」展開に至っては失笑を禁じ得ない。日本の漫画などでは、こういう分かりやすい展開を「死亡フラグが立つ」と表現しますw。  娯楽映画としての割り切りは見えるが、どうにもハジけっぷりが中途半端。はっきり言って、二度見られる内容ではない。クジラの「歌」がラストの伏線になっていたのは良かったので+1点。
[ビデオ(字幕)] 4点(2006-08-21 18:07:02)
370.  フィアー・ドット・コム 《ネタバレ》 
これまた大ハズレ。  何となく内容の予想はついたけど、ここまでつまらないとは思わなかった。怖い、怖くない以前に「つまらない」。それなりに映像も凝っているのに、どうしてこんなに駄作になるんだろう?  設定は陳腐だし、展開はタルいし、殺人鬼のドクターには、な~んの魅力も感じないし、犯人に迫る面白い謎解きもない。早くから犯人が分かっているのに、ダラダラと同じような展開が続くのには、見ていてウンザリした。  ラストで刑事が撃たれるのも、不用心すぎるだろ。犯人のアジトに踏み込む時は防弾チョッキくらい着ていかないか、普通?  おまけに、殺された人達の怨念がドクターを殺すという、これまた安っぽい終わり方。そのままドンデン返しも無いままに終了。  結局、古今東西のホラーやサスペンス、ミステリーに使われた設定をツギハギするような安易な作り方と、そういう姿勢の製作サイドに問題がある。  作品内の死体よりも無残な作品。見るだけ時間の無駄。こういう駄作には今後容赦なく0点を付けていく。
[ビデオ(字幕)] 0点(2006-08-20 04:36:11)
371.  ROCK YOU! ロック・ユー!
中世の町並みや小道具類は作りこまれているから当時の雰囲気はよく出ているけど、話自体は感動を狙いすぎと言うか、素直に見るにはちょっと都合が良すぎる展開が多い印象を受ける。  また「中世とロック」というミスマッチの良さを活かせていない中途半端な音楽の使い方にも疑問。それこそ、もっとコンサート会場のようなハイテンションなノリがあっても良かったと思う。  決闘のシーンも単に槍で突き合うだけで、迫力やスピード感が無いし、同じ事を繰り返すので非常に単調で退屈。今の戦いでなぜこちらが勝つのか、あちらが負けるのかという点での説得力が画面から見えてこない。自分の欲しい絵が無いと言うか、戦いの「高揚感」や盛り上がりが感じられない。  色々な意味で全体的に盛り上がりどころが少ない作品だった。   好きな人には申し訳ないけど、個人的にはイマイチ。
[地上波(吹替)] 4点(2006-08-19 23:24:13)(良:1票)
372.  ディープシャーク 《ネタバレ》 
一見、サメに襲われるパニック映画として、割りと真面目に作っている感じだけど、実際に見てみると唖然とする程のつまらなさ。この「マジに作っているのにつまらない」という痛さは、他の映画で言えば「エイリアンX」に通じるものがあるw。既に「エイリアン」や「ジョーズ」という完成された超有名作品があるのに、平気で同じ素材を使い、事も無げに劣化コピー品を作れる、この厚顔無恥さ、ずうずうしさ、無神経っぷり。ある意味羨ましいw。  要するに問題は、監督を始め脚本家や演出家にセンスが無いにも関わらず、本人たちがそれに気付いておらず、プロとして商用映画とは何かを理解していない事だろう。  まず、「サメに襲われる」というネタは「平凡であるがゆえに難しい」という事に気付いていない。案の定そのサメの見せ方(襲わせ方)に工夫が無いので、まったく恐怖感やパニックも演出できていない。そして何より全体のシナリオ構成が稚拙で、序盤からテンポが悪い事に加え、ことごとく展開の予想がついてしまうので非常に退屈etc.etc...。  具体的に言えば「沈没船の財宝を狙う悪党」を出した地点で、オチまでの展開が確定してしまうのだ。この設定を聞けば、素人でも「主人公が捕まって危険な財宝探索をさせられる→悪党連中がサメに襲われる→結果的に主人公だけ助かってハッピーエンド」という展開を容易に予想できるし、事実そのまんまの展開。  それなりにセンスのあるクリエイターなら最初からこんな凡庸なプロットは採用しないし、そもそも感性的に出来ない。あえてありがちな設定で勝負するなら、いかに演出面で工夫して面白く魅せるかに神経を使うはずだし、プロなら使わなければならない。  しかし残念ながらこの監督は「素人が何気に作ってしまうような工夫の無いシナリオを、金を取るプロがやってちゃダメ」って事にすら気付いていない。ここが「センスが無い」人間の痛いところ。
[インターネット(字幕)] 0点(2006-08-18 11:00:29)
373.  ハサミ男 《ネタバレ》 
※※※↓完全にネタバレレビューです↓※※※  だいぶ以前に原作を読んだけど、この作品は世間の評価ほど面白いとは思わなかった。  映像化が難しい作品をあえて選択した勇気は評価したいが、誤解を恐れずに言えば、基本的に「叙述ミステリー」は、ストーリーとは無関係に「読者を混乱させる事」が目的化している部分があるので、騙され方に好き嫌いがはっきり出るタイプ。  トリックに関わる部分は、わざと大胆に扱うという事で上手く処理してあるが、ミステリーの見せ方としてはルール違反ギリギリ。また「シックスセンス」以降、同じような表現パターンは既に他の作品にも見られるありきたりなものになっていて、サプライズのためだけにある叙述トリックによるオチが、ほとんど効果を上げていないのが残念なところ。  「少女の首にハサミを突き立てるハサミ男が、自分の手口と同じ方法で殺された死体を発見してしまい、殺人鬼が殺人鬼を探すハメに」という、この序盤に提示される謎は最高に魅力的で、先の展開を期待させるが、ミステリーの醍醐味である、「フーダニット」、「ホワイダニット」という謎掛けの魅力に比して、真相がありきたりで、つまらなさが際立ってしまっているのが何とも残念。  つまり、その叙述トリックの部分が、「キャリア警視の便乗殺人だった」という、「もう一つの真相」とストーリー的にも、トリック的にもほとんどシンクロしていないという点が問題。警視にしてみれば、どの殺人事件に便乗しても良い訳で、ミステリー的な関連性という意味において、「ハサミ男が多重人格者でなければならない必然性」が無い。  それに加え「世間に公表されていない情報を知っている」という地点で、「真犯人は警察関係者なのでは?」と容易に予想もついてしまうので、中盤辺りまで来れば、多少この手の作品を見慣れている人にとっては、事件の全体像はバレバレ。そのため余計に「多重人格オチ」の弱さが際立ち、メインの謎の真相としてはインパクトに欠けたものに感じられてしまう。  ラスト辺りのダラダラ感もマイナスだし、終始鳴り続けているワンパターンなBGMも耳障り。麻生久美子の破滅的な殺人鬼の演技はなかなか魅力的だったのでおまけで5点献上。
[DVD(邦画)] 5点(2006-08-13 14:12:51)(良:1票)
374.  リプリー
実はオリジナルを見た事が無いので、比較は出来ないけど、人間ドラマとしては秀逸な作品だと思う。  リプリーの行動には無理があるし、計画らしい計画も無く、すべてが行き当たりばったりだけど、それだけに妙なリアリティがある。  特に今作は、オリジナルの「持つ者と持たざる者」というテーマよりも、お互いの「相手に対する想いの温度差」が招く悲劇という普遍性をクローズアップしている点が重要。そこに感情移入できない人は、この作品の本質も理解できないと思う。  こういう相手との温度差は、友人関係、恋人関係に拘らず、どんな人間関係でも日常的によく感じる事だろう。実際、自分も親しい友人に裏切られた経験がある。ところが、相手は自分を裏切ったと言う意識すら無かったようで、むしろ、その相手の自分に対する「無関心」こそがショックだった。憎悪や裏切りは、まだ相手に対する感情の発露ゆえに、少なくとも無関心ではない。よく言われる事だが、「愛情」の対義語は「憎悪」ではなく「無関心」なのだ。  この作品でも、結局、リプリーの存在はディッキーにとって「どうでもいい」程度の事でしかなかった。言わば、始めに相手の存在を「抹殺」したのはディッキーであり、その冷酷で非人間的な感覚の前では、リプリーの絶望感や憎悪の発露は当然であり、むしろ人間的なものだろう。  ただ、惜しむらくは、ディッキーを殺してからが長過ぎるところ。本来は「ディッキー殺し」こそが最大の山のはず。その後をダラダラと続けてしまったために、本来のテーマが霞んでいる。惜しい。  
[ビデオ(吹替)] 8点(2006-08-12 23:32:43)
375.  妖怪大戦争(2005) 《ネタバレ》 
はっきり言って「子供向け」じゃなく、「子供だまし」映画。現代の子供を嘗めてるね。  悪い意味での邦画特有の垢抜けなさ、センスの無さが目立つ。安っぽいCG、安っぽいセット、安っぽいギミック、やたらスケールだけ大仰な幼稚なストーリー、どっちつかずのギャグとシリアスのせいで、妖怪の恐怖感も、お祭りの盛り上がり感も無いショボい展開、豪華な顔ぶれなだけでヘタクソな演技の出演者etc.etc。  あと、これは監督の演技指導に問題があるが、神木くんの演技が一本調子すぎる。特に叫び声が「うわっ」「うわわわ~」「う~わ~」と記号的なテンションばかりで、それに加え、子供特有の甲高い声のせいで非常に耳障り。聞いていてイライラさせられた。   小学校低学年以下には話が分かりにくいだろうし、高学年以上にとっては話もアクションも幼稚すぎる。今どき、大人はもちろん、日本のレベルの高い漫画やアニメを見慣れている現代の子供にこんなお粗末な映画は通用しないでしょ。 漫画は進化しているのに、邦画は退化してると言うしかないね。
[地上波(邦画)] 1点(2006-08-12 23:20:35)(良:1票)
376.  チャーリーとチョコレート工場 《ネタバレ》 
高評価が多いけど、個人的には子供にこそ見せたくない作品。申し訳ないけど酷評です。  どうも、この監督さんとは「シザーハンズ」以来、イマイチ相性が合わないなあ~。この作品も「オレって、夢のある世界も作れるけど、それだけじゃなくて、ちょいと現実の厳しさや皮肉なんかも盛り込めるんだゼ」と言わんばかりの斜に構えた露骨な狙いがヒシヒシと伝わってきて、見ていて鼻白む。  現代のおとぎ話を気取っているのかも知れないけど、もともと昔話や童話は毒を含んでいるものだし、幻想的な世界観とコメディタッチなノリとのギャップによる「寓意の強調」という演出もよくあるものでしょ。  だいたい主人公の少年が拾った金をネコババし、それでチョコを買うという「外し方」が露骨すぎ。「現実世界では必ずしも正直者じゃなくても幸せになっちゃうよ」ってか。原作ではお金を拾う事の葛藤があるそうだが、ネコババした事には変わりない。  そのくせラストはお定まりの家族愛でハッピーエンド。実に偽善的。たかが一日、一緒に工場見学して、親父と再会しましたってだけで、お互いの何が分かるの?ましてジジイたちとは直接会ってもないじゃん。そんな事で家族のように振舞える事自体が自己欺瞞で気色悪い。おまけに歯医者の親父は最後の食事会の場にいないという中途半端さ。  現代社会において理想的な家族像が崩壊しつつある根本原因の追究や代案も無いままに、「家族は大事」などと締めくくられてもねえ…。
[DVD(字幕)] 3点(2006-08-09 22:55:30)(良:1票)
377.  スケルトン・キー 《ネタバレ》 
「憑依」とか「人格転移」というネタは、ホラーに限らず、SFでも、ミステリーでも、もちろん漫画でも、割りとあちこちで使われるものだから、オチとしての驚きや意外性はそれほど無かった。  全体的には無理なくまとまっている良作だけど、中盤までの途中経過がダラダラとしていて、ホラーとしての緊張感や恐怖感に乏しいのが欠点。ちょっとストーリー展開が「状況説明」的になり過ぎている感がある。個人的には、もう少し歯ごたえのある謎解き要素も欲しかった。  呪術の効果に説得力を持たせる上で、サスペンスやミステリーとして論理的な解釈を導入するか、オカルトとして不可知論で落とすか、という部分において葛藤がある感じで、そのため、どっちつかずで中途半端な印象になっている。  思いっきり後味の悪い終わり方も賛否両論。  傑作までには、あと一歩「何か」が足りてない。
[DVD(字幕)] 6点(2006-08-08 09:11:11)(良:1票)
378.  ルパン三世 天使の策略 ~夢のカケラは殺しの香り~<TVM> 《ネタバレ》 
もともと低レベルな作品が多いTV映画シリーズの中でも、さらに一段落ちる。  とにかく敵のキャラ設定もストーリー展開もアクション演出も、何もかもがお粗末で薄っぺらい。  敵は何故か女だけのテロ集団。フェミニズムの狂信的伝道者かと思えば、目的は割りと普通(?)のテロリストで、「女でなければならない必然性」がまったく語られていない。敵キャラの「魅力」の背景として描くべき彼女たちの素性や行動理念が曖昧すぎる。  キャラデザやアクション演出のノリは、臆面も無く「キル・ビル」や「チャーリーズ・エンジェル」辺りのパクリ。そのプライドも創造性も無い製作姿勢には呆れ果てる。仮にも天下のルパンシリーズ最新作なんだから、もっと気合を入れて作って、「さすが日本のアニメは違う!」というところを見せて欲しかった。  ストーリー展開も後半は、「未知の金属」と言う初期設定は完全に二の次。あれでは盗むものが「核爆弾」だろうが、「宝石」だろうが、何でも一緒。  中盤、意味ありげに香水のエピソードが出る地点でボスの正体もバレバレ。おまけに正体判明後のボスのキ○ガイっぷりは、もはや意外性とか違和感を通り越して、「なんだこりゃ?」としか思えない。二重人格キャラとしてインパクトを出したつもりかも知れないが完全に失敗している。何故なら既述したようにキャラの背景描写が無いから、「二重人格でなければならないストーリー展開上の必然性」も無いからである。  まあ、各キャラにそれなりに活躍の場があった点だけは評価。と言うか、そんなもんあって当然なんだけど。  出てくるキャラが「ルパン」だからこそ辛うじて見ていられるけど、ストーリーやキャラ設定はお粗末の極み。新たにワースト3に入る駄作(・1位「生きていた魔術師」。・2位「DEAD OR ALIVE」・3位「天使の策略」)。  
[地上波(字幕)] 2点(2006-08-07 10:17:35)
379.  ヘルレイザー リターン・オブ・ナイトメア 《ネタバレ》 
元々このシリーズの欠点でもあるんだけど、基本的なアイデアを生かしきれていないと言うか、「4人の使者」の目的や行動が中途半端で意味不明すぎるよな~。結局、何がやりたいのかさっぱり分からない。演出の問題でもあると思うけど、「目的不明の恐怖」を感じないのよね。回を重ねる毎に「超常の存在」としての凄味も薄れていく一方w。  見せ場である「登場シーン」にも演出面での迫力や工夫が無い。例えば針灸医院(?)のシーンでは、無数の針が人体模型に突き刺さり、その模型が実体化してピンヘッドに転生するとかさあ。もっとカッコ怖い見せ方はあるでしょうに。出現シーンはこの作品の「売り」のはず。こういう所にセンスって出るよね。  また今作に限って言えば、作品全体の雰囲気やストーリー展開がほとんど「ジェイコブス・ラダー」のパクリ。そのくせ「生と死」「現実と幻覚」と言った「境界世界」の表現が中途半端なので、自己存在を揺らがされるような恐怖感も感じない。そういう脚本構成なので、ますます「4人の使者」の存在理由が分からなくなっているw。特にピンヘッド以外は、まるっきり出番が無い。  まあ、いつも思う事だけど、やはりこういうのを見ると、この作品からアイデアを拝借したものの、オリジナルがいつまでもこんな幼稚なB級ホラーに止まっている間に、独自の世界観やキャラ(「ゴッド・ハンド」)を確立してしまった、漫画「ベルセルク」の演出センスの高さを再認識する。例えば、精神世界の存在は、現実世界に出現するのに必要な肉体として「受肉」しなければならないとか、「生贄」の必要性とか、出現シーンにも色々とインパクトのある演出や工夫が見られる。  やはり、映画に限らず、こと演出センスやアイデアの改良・発展に関して言えば、もはや日本の漫画が圧倒的に先を行っていると感じるのみ。
[ビデオ(字幕)] 3点(2006-08-05 19:24:01)
380.  海猿 ウミザル
<原作未読・映画版のみの評価>  すべてが予定調和ありきの典型的ドラマ。  原作をニ時間前後に手堅くまとめた事を評価するべきかも知れないけど、あまりにもキャラ設定やストーリー展開の脚本構成が、この手のドラマのパターンにはまり過ぎている。  前半、ちょっとした友情や恋愛ドラマ、コメディ要素などを入れつつ、一通り舞台とメインキャラを描いた後は、中盤、仲間の死や恋愛、仕事の破綻と言ったお定まりの「トラブル要素」を与えて物語を引き締め、後半、その悲劇を乗り越えさせることで人間としての「成長」と「感動」を描き、ハッピーエンド、という、あまりにもドラマとして定型化された作りに苦笑してしまうほど。  そのまるでマニュアル化されたような脚本構成は、定番と言うより、もはやワンパターンと言った方が適切(だいたい「海難救助の潜水士を目指す若者たちの物語」と聞いた地点で、全体のストーリー展開や終わり方の見当がつくし、今作もまさにその通りの展開だった)。「潜水士」という単語を変えればいくらでも同じような「感動ドラマ」が作れる。  作家養成学校の教材用としては分かりやすい「教科書」ではあるかも知れないが、こんな形式化された演出パターンが見え見えのドラマで感動することは出来ない。
[地上波(字幕)] 4点(2006-08-02 16:59:27)
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2647.49%
312514.64%
416319.09%
514516.98%
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7758.78%
8495.74%
9303.51%
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