361. この道は母へとつづく
《ネタバレ》 PG12指定だったので構えて観ていたがさほど強烈なシーンはなく、むしろ主人公の孤児が旅の途中で出会う見知らぬ大人の優しさに心温まる描写が多く、小学生ぐらいなら親子で観るのもアリかと。陳腐な演出をせずにまとめたラストが良い。地味だが良作。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-03-18 02:19:29) |
362. プロジェクトBB
十数年ぶりにジャッキー映画を見たが全然老けていないのでビックリ。というか昔から老けていて変わらないのかも。ストーリーは単純だが安心して子供と一緒に観られるアクション映画としては秀逸。肝心の赤ちゃんは私がこれまで観た映画の中では文句なく一番可愛い子役ちゃんで、リアルで反抗期まっただ中の育児をしている身には思わぬ癒し効果があった。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2009-03-18 02:07:30) |
363. 転々
《ネタバレ》 東京人にはロケ地のそれぞれに自分なりの思い出もあったりするので、このゆるいストーリー展開の合間にふと遠い目になったりして、一粒で2度おいしい映画(笑)。お堀端を歩くと目と鼻の先に警視庁があることを知っている者にとっては、そこを歩く二人の姿に「あ~あ、ついにここまで来ちゃったのか」という別れの予感を切なく感じとれるわけだが、知らない人には最後の別れがやたら唐突に思えたのではないかと思う。イケメン役をさせると妙にダサいのに、こういう役をすると俄然良い味出してくるオダギリジョーの不思議。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-03-13 13:05:01)(良:1票) |
364. 厨房で逢いましょう
この作品で何より注目すべきは、主人公を含め、物言わずして料理を評する人々の名演ぶり。本当に美味なる物は人を黙らせるというが、見事にそれを体現していた。味を表現する語彙の多さを競うかのように、やたらとしゃべりまくるテレビのグルメ番組のリポーターに見せてやりたい。残念なのは、主人公が私が一番嫌いなタイプの鈍感で図々しく男に媚びまくる女だった為、全く感情移入できなかったこと。観ててほんとイライラしました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-03-13 12:48:21) |
365. 忘れられない人
結構好評価なんだ~!とびっくり。多分、役者陣が私の好みに合わなかったのだと思う。そう思いたいぐらいつまらなかった。いくら窮地を救ってくれた恩人でも、いきなり寝てる間に不法侵入されて寝室にクリスマスツリー飾られたら喜ぶより怖いだろ!同じダイナー職場恋愛ものの「恋のためらい」と比べるとあまりのチープさガキっぽさにかなり退屈してしまいました。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2008-09-13 09:36:40) |
366. 猟奇的な彼女
《ネタバレ》 猟奇的というより単なる暴力女。(猟奇的っつーのはベティ・ブルーのベティみたいな女のことを言うのでは?)過ぎたことを持ち出していきなり本気殴りするなんてDV夫みたい。同じことを「猟奇的な彼氏」がしたなら非難囂々だろう。むりやりハイヒール履かせて連れ回すような苦痛と屈辱を与えて喜んでいるのは単なるサディストに見える。一方キョヌの方もあそこまでされても縁を切らないのは相当なマゾ気があるはずで、お似合いのSMカップルがハッピーエンドとなってめでたしめでたしだが自分には到底感情移入できなかった。 [DVD(字幕)] 2点(2008-09-13 09:33:29) |
367. 象の背中
《ネタバレ》 好き勝手して生きてきた「勝ち組」男が余命宣告をされたらこういう展開が理想的、という中年男の幻想を映像化したおめでたい話。本当に余命数ヶ月でスネに傷持つ男性には最高の癒し映画なので、ホスピスに常備すべき。物わかりの良すぎる妻、思春期なのにやたら素直で従順な子供たち、とことん男にとって都合の良い理想的な愛人、理解ある上司や同僚…どこまでも主人公にとって都合の良すぎる展開。真っ先に初恋の人、喧嘩別れした親友に会いに行き、聞かれてもいないのに自分はガンで余命数ヶ月だと触れ回っていちいち同情を買うのが情けない。「死ぬまでにしたい10のこと」の主人公アンとえらい違いだ。さらに自分が破滅させた男に謝りにいき数回蹴りを入れられて「許してくれたんだ」と勝手に解釈、懺悔完了。修羅場は華麗に切り抜け、誰からも憎まれず、経済的な心配も無く、家族の愛に包まれて旅立つ幸せな主人公。嘘くさ~!!死期が近づくにつれガリガリに痩せていき、本気で苦しそうな役所広司の瀕死演技に2点献上。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2008-09-13 09:28:01) |
368. ハッピー フィート
《ネタバレ》 もともとCG向きのペンギンだから、ダンスをさせてもあまり違和感が無く、ダンスシーンは純粋に楽しめた。選曲もなかなか良かったし、いっそダンスにテーマを絞った青春映画(?)で良かったのに、余計なメッセージ性を持たせようとする強引さが鼻についた。後半のあからさまなハリウッド的ご都合主義の展開には苦笑い。これで子供にエコを説こうだなんて、マトモな大人なら恥ずかしくて出来ません。ちなみに雛ペンギンは可愛いが、大人ペンギンは造作がリアルすぎてやや不気味。鳥やウサギ等、一見可愛いけれど実物は視線が合わず何考えているか分からん動物の不気味さがリアルに再現されてます(笑)。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-08-14 15:22:23) |
369. ウルトラヴァイオレット(2006)
人間離れしたミラの美貌を愛でる90分。長岡秀星の「迷宮のアンドローラ」を思い出しました(笑)。綺麗なもの好きの方に。映画好きの方には・・おすすめしません。子役(かわいげは無いけど)の演技力に+1点献上。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2008-08-14 14:38:18) |
370. パフューム/ある人殺しの物語
《ネタバレ》 まあ確かにグロい表現が多いので万人には勧められないが、予想外に面白い話だった。臭い・匂いを映像で表現する演出が秀逸。人生の目的が自分の天分を全うすることだとしたら、主人公はその僥倖を得た勝者とも言える。罪悪感なんて全く感じることなく、動物が本能のまま獲物を狩るように、目的のために淡々と人を殺していくグルヌイユ。ナレーションがまた妙に淡々としているのが主人公に欠けた人間性を象徴しているようで面白かった。たぶん、罪悪感や倫理観以前に、突き抜けた天才には本人にしか分からない至上命題のようなものがあって、それに気が付いた瞬間からもうその宿命から逃れようがないのかも知れない。つまり、いい年こいて自分探しだの生きがいだのウダウダと優柔不断なことを言っていられるのは凡人の証拠(笑) [CS・衛星(字幕)] 8点(2008-07-25 22:13:28)(良:1票) |
371. フライトプラン
サスペンスにしてはあまりに雑な作りでツッコミどころ満載。まるで自分のプロモーションビデオみたいな薄っぺらい作品に何故フォスターが出演をOKしたのか疑問に思ったが、マンフロントさんのレビューを読んで納得。モンスターペアレントの暴走になぞらえて米国のお家芸「我こそは正義」の滑稽さと危うさを表現しているのだとしたら、フォスター演じる主人公の誇張された「強い母」像にもうなづける。レビューを読んでいて、自分の正義を全うする為ならどれだけ他人を侮辱し恐怖に陥れようともお咎め無しの主人公に疑問を感じる人がこれだけいるということに、日本人としてちょっとホッとした。あえて駄作を作った制作陣の真意を信じて8点献上。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2008-07-21 13:33:59) |
372. あおげば尊し
テリー伊藤が意外にもはまり役だったと思う。芸能界のジャンクな部分の象徴のような彼が、こういう静謐な演技を見せるとは意外だったが、妙にリアルな存在感があった。ざっと流し見した後、小学校高学年の子供と一緒に改めて観た。大人には若干退屈かも知れないが、この年頃の子向けの道徳の教材としては秀逸だと思う。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-07-21 08:38:33) |
373. ヒューマンネイチュア
洋楽のPVでお馴染みのゴンドリー監督。映画のようなPVを撮る監督ならではの、PVのようなテンポの良い展開を期待していたがやはり冗長気味だった。人の違和感を逆手にとって惹きつけるゴンドリー氏の作風は、やはり短編でこそ活きるような気がする。でも、食卓でマナーを学ぶネズミたちの様子は異様にリアルに出来ている一方、類人猿になりきる人間のほうはどこか作り物っぽくてその滑稽さが際だっているあたりに、職人芸を感じた。人間はなんとバカで情けない生き物かと、笑いながら冷や汗をかく、そんな映画。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-07-18 13:45:33) |
374. 無花果の顔
役者としての桃井かおりが好きなので観てみたものの、最後まで主題がなんなのかもよく分からなかった。色々とこだわりがあるのはひしひしと伝わってくるが、一つの作品としてのまとまりがなく、動画版「桃井語録」のような印象。女優としての桃井かおりのイメージは、年齢不詳で侮れないオトナの女、というものだったが、その本人が脚本・監督を手がけた作品を観たことで、実際の彼女がその役柄以上に不思議ちゃんであることが伺えてしまって、映画を撮るということは、その人の本質を露呈してしまうことなのだな~としみじみ感じた。その好例ということで3点献上。ちなみに、山田花子はけっこう良い役者だという意外な発見があった。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2008-07-17 14:36:32) |
375. 不都合な真実
単純に面白さと洗練度合いで言うならば、APPLE社CEOスティーブ・ジョブズのドリームスピーチ>>>>>>>超えられない壁>>>>>>>アル・ゴア氏の大金をかけたハリウッド風味のプレゼン映画。それでも、彼のような立場の人間が地球環境問題について、とりわけ米国の政治とその関連について声をあげたことには大きな意義があると思う。ただしアメリカさんの誠実さにはかなり懐疑的な私としては、フランスかイギリスあたりの人がこの映画のパロディを作ってくれたら面白いのにと思ってしまう。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-06-30 12:00:55) |
376. 居酒屋ゆうれい
主要キャストの3人が非常に魅力的。みなそれぞれにワガママ勝手だけれど、人間らしく憎めない。室井滋と山口智子はタイプ全然違うけど、どちらも恋女房としてはかなりいい女だと思う。女の魅力は深いね。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-06-30 11:13:21) |
377. フィッシャー・キング
露悪的に描き出される主人公ジャックの利己心・卑しさと対照的なバリーの純粋さ。お互いの個性を際だたせていてストーリーに艶を与えている。ギリアム作品だと、どんなに非現実的な展開になろうと「そーいうもんだ」と安心して(?)観てしまう。ストーリーの完成度うんぬんより何よりも印象に残ったのがM・ジェッター演じるオカマ歌手のオフィスでの絶唱シーンだというのも、ギリアム作品だから、それでいいのだ。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2008-06-06 11:24:10) |
378. Dear Friends ディア フレンズ
頑張って最後まで見たけれど、主要な登場人物の全てが見事に不愉快なキャラクターで、よほどこの映画の制作陣とはセンスが合わないのだろうと思った。ヒロインの演技力に1点献上。もっと良い作品に出て頑張って欲しい。 [CS・衛星(邦画)] 1点(2008-06-05 11:13:02) |
379. スキャナー・ダークリー
ディック作品×ジャンキーもの、という意味では原作者ファンとしては違和感のない(というか、想定内の違和感のある)作品に仕上がっていたと思う。映像の処理はなかなか凝っていて面白い。ただ、オチの不親切さというか肩すかし感というかほっとかれ感はいかにもディックなんだけど、映像がちょっとポップ過ぎて重厚感が足りない感じがした。鈍い頭痛と吐き気がするようなあの読後感がないのは物足りない。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-05-30 22:34:10) |
380. 告発の行方
私は女性だが主人公のキャラクターには全く感情移入できなかった。それだけ愚かな汚れ役を演じきったフォスターに拍手。主人公には自業自得と言われても仕方がない面もあったと思うが、人間誰しもヤケになってバカをやってしまうことはあるのに、弱者が墓穴を掘った場合にはその立場が弱いほど代償が大きくなると言う社会の仕組みに人間の冷たさ・いやらしさを感じた。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-05-30 22:17:57) |