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もっつぁれらさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 542
性別 男性

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21.  ザッツ・エンタテインメント 《ネタバレ》 
MGMが自分の好みでない映画を作っていることがわかったある意味自分にとってありがたい映画。 これで、観なくて済む映画が増えたのは助かる(笑)。 この映画の立ち位置的には、MGMの創設50周年記念に作られた作品で、今までの軌跡を振り返ってみようという内容。MGMミュージカルのダイジェストムービーの様相です。 他の映画から借りてきて貼り合わせたフィルムだからストーリーらしきものは当然ないですし、感動とか興味を引くものがあったとしても、それはこの映画だからそう感じるわけではなく、オリジナルのそれにこそそういった評価をするべきで、もしこの映画で評価するところがあるとすれば、ゲストの方々の語りの部分や個々の映画を繋ぎ合わせる編集のテクニックにあると思います。 自分のこの映画の評価が低いのは、そのどちらにも良いところが見出せなかったし、ミュージカルの一つ一つを見ても、とにかく大袈裟で極端にオーバーな演出ばかりなのが受け付けられませんでした。 お客さんのために作られた映画という感じもしませんし、映画のための映画とでも言うべきでしょうか。もっと言ってしまえば、映画で映画の宣伝を行っているというひねくれた考えも浮かんできてしまい、とにかく自分にとっては良い部分が見つからない映画でした。 
[映画館(字幕)] 5点(2011-02-12 18:30:52)
22.  好奇心 《ネタバレ》 
幼少期や小学生くらいの子供を描いた映画には今までに何本も出会ってきていましたが、中学生ほどの性に目覚めたくらいの少年を描いた作品はこれが初めてのような気がします。 描き方がリアルとしか言いようがなく、親の目を盗んで騒いだり、煙草や酒に手を出したり、パンツを脱いで長さを測ったりとか、慰めることに罪悪感を感じていたりとか、いろいろなタブーに触れる快感を知った年頃の少年を上手に描いているなと思いました。 さらに、映画の序盤から垣間見られる息子と母親との親子愛の描き方がとても良く、親子間の愛情をしっかりと描きながらも、そのうち関係を持ってしまうんじゃないかという予感を感じさせないバランス感が絶妙。 終盤になると、ついにその場が訪れてしまうのですが、母親の服と下着を脱がし、いよいよという時のあの尋常でないカット割りの速さ!それまでのゆったりとしたストーリーからは考えられないほどのテンポの速いカット割りによって、母親と関係を持ってしまうというストーリー上の出来事が映画のヤマになっているだけでなく、そのように映像を工夫することによってもここがヤマなんだなとわかる映画作りのセンスに脱帽してしまいます。 また、最後の父親のクローズアップも非常に効果的で、それまでは「放任が成長を促す」とか言って、子供と距離を置き教育に無関心な態度をとっていただけに、このラストはある意味、ドンデン返しを食らった感じがして面白かったです。 このルイ・マルという人の作品は「ブラック~」と「ルシアン~」に続いて3作目なのですが、面白い撮り方をする人なんだなと思い、もっと多くの作品に触れてみたくなりました。
[映画館(字幕)] 6点(2011-01-23 23:21:16)
23.  ブラック・ムーン 《ネタバレ》 
ひとことで言うと、幻覚を見ているような映画。 意味不明な事だらけだし、当然意味なんか求めるもんじゃない。 誰にでも当てはまると思いますが、こういう妄想系の作品って完全にフィーリングの相性ですので、監督によって合う合わないが決まってくるものだと思います。 例えば自分ですと、ゴダールなんかだと面白く感じたりもする一方、シャブロルやこの映画だと特に何かを感じたりというのはなかったです。 ヒロインのパンツがスルスルと脱げてしまったり、目覚まし時計を窓から何個も投げるところが面白くて、ちょっとコメディの雰囲気も出ていたような感じがありました。 たまに現れるユニコーンと、ピアノの鍵盤の上を歩いていた猫が名演。冒頭の穴熊もそうですし蛇やムカデなど、動物を自由自在に操っている映画って、それだけで不思議な感覚が倍増するような気がします。 それと、若干ブニュエルの影響を受けているような箇所もありましたね。
[映画館(字幕)] 4点(2011-01-16 22:42:15)
24.  私のように美しい娘 《ネタバレ》 
親父に蹴り上げられて吹っ飛ぶシーンがワイヤーで引っ張られてるのがミエミエだとか、飛び降りるシーンを偶然子供がカメラに収めていたのは出来過ぎだとか、主人公の女は何で囚人服を着てないんだろうとか、そんなことはどうでもいいんです。コメディだから。スカートはいて脚を出さなければストーリーが成り立ちませんので。 にしても、あれだけスタイルが良ければどんな男だってイチコロだし、本能のままに生きてるから寄って来る男も当然のように本能をさらけ出す。何でもオープンなもんだから、ちょっと騙してすぐヤれちゃいそう・・・って考えてる俺も含めて、出てくる男はみんな馬鹿。 よくよく見てみると、梯子もないのに飛び降りたり、自ら車に轢かれたり、塔の上から飛び降りたりと、何故か周りの男を不幸にしてしまう。まるで、あれよあれよと難を逃れていつの間にかハッピーエンドに辿り着くチャップリンやキートンのようで、見ていて次第に楽しくなってきます。 ストーリー的には、「私のように美しい娘」の唄の後がやや冗長だったのと、途中まで見てこの社会学者が最後に餌食になるんだろうなという予感があったにもかかわらず、その予想を裏切ることが出来ないままにエンディングが来てしまったのが残念でした。 しかし、やはり主演女優の存在感は言うまでもなく、部屋から出て歩きながらスカートのファスナーを上げるのもトリュフォーらしい感じですし、トリュフォー映画の定番アイテム長銃も出てきたりと、楽しさもいろいろと見られる映画でした。
[映画館(字幕)] 7点(2011-01-01 16:53:07)
25.  フレンジー 《ネタバレ》 
これは良い意味で期待を裏切られた作品。 ヒッチコックの晩年の作品はあまり良いイメージがなく、主人公らしき人物には華がないばかりか、オープニングのテーマ曲もダメとくれば期待するものも全くないままで見たのですが、結婚相談所の殺害シーンをきっかけに見る目が変わっていったと思います。 主人公の友人ラスクが結婚相談所に来た時点では何の疑いも持たずに見ていたのですが、途中から徐々に様子がおかしくなり異常な性癖を現し始め、そしてついに正体を現したときの背筋が凍るような恐怖感。無意識から疑惑、確信へと移行する一連の流れが秀逸でした。 女友達のバーテンがラスクの家に入っていった時のカメラが後退していくシーンでは、「ロープ」(1948)をやっていましたが、実はその前に、ホテルで彼女が主人公と同じベッドで寝ているシーンでもその手法が使われているのを知った時には嬉しくなってしまいました。 最後は、主人公にあの刑事の奥さんの料理を食べさせてあげたかったですね。ムショ明けの人間には“スープ・ド・ポワゾン”はやはり美味しく感じられるのだろうか???(ポワゾン=poison←毒) [追記]ポワゾンはフランス語のpoisson(魚)で、“魚のスープ”ということ。毒などという意味じゃなかったです。失礼!
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-12-31 18:13:34)(良:1票)
26.  オルエットの方へ 《ネタバレ》 
まるで日記を書き連ねるようなストーリー。起きた出来事をそのままフィルムに収めただけというような、とにかく自由闊達な映画。ストーリーの起伏を求めてはいけないようです。 映画の大半はバカンスの出来事をただ綴るだけで、大して面白いことをしているわけでもないのに女たちの笑い声がこだまし、たまに戸外で変な音がしてその原因を突き止めても、それによって変化が生じてくるわけでもない。 1人が静寂を求めて別行動をしたり、行きずりの男と海に出たりするものの、単調さを打開するには至らず。150分過ぎにようやく男が吐露する場面が出てくるも時すでに遅し。 いきなり、カメラ目線で喋ったのも特に意味はなかったし、登場人物のアップになって心情が語られると思いきや、それも特になし。このような思わせぶりなカメラワーク多く、拍子抜けさせられる事が多々あったような気がします。 映画にストーリー的な面白さは必ずしも必要ないとは思いますが、さすがにこれはもう少し工夫があってもいいのではという気がします。 ラスト、バカンスから帰ってきてカフェでの別の女と会話を聞くと、この男はシチリアにバカンスに出かけても、また同じような過ごし方をするのだろう。たぶん、これはそういう映画なのかもしれない。 欧米人は日本人と違い、一日中パラソルの下で本当に何もしないでくつろいでいられる人種だから、この映画もきっと心地良い感じに映るのだろう、と考えると少し納得できる気がします。 まぁ自分は、この映画1本で十分です。
[映画館(字幕)] 6点(2010-11-11 01:30:05)
27.  スティング 《ネタバレ》 
フッカーという名の人物が人を騙すというのが、何かもう、いかがわしさがプンプン漂ってくるのですが、こんな緩い設定と、何と言ってもこの有名すぎるテーマ曲が相まって実にいい味出してると思います。この曲は当然知っていましたが、改めて聴くと本当にいいですね。 ストーリーが進むにつれて段々とコトが大きくなっていき、金を巻き上げるためにわざわざ賭博場そのものを作ってしまうという大胆な展開は見ていて楽しいのですが、それまでに様々なペテンを見てきてしまったせいで、どうも銃で撃たれて倒れている姿を見ても、実はまだ生きているんじゃないかという疑惑の念が心の片隅から消えないんですよね。 自分が思うに、最後は賭博場の存在そのものがウソだったという締め方で良かったんじゃないかなという気がします。 この映画に限らずよく言われるのが、この手のパターンは後世のあらゆる映画で使われ尽くされてしまって、オリジナルであるこの映画を観てもいまいち感動が湧いてこないなどということですが、自分はこの映画の製作年よりも前の時代に作られた映画の方が観た本数が多いにもかかわらず、何故か驚きも感動もありませんでした。 恐らく、ストーリーを完全に理解してない部分も十分にあると思いますが、再度鑑賞してみて完全に理解できたとしても点数は変わらないと思います。
[映画館(字幕)] 6点(2010-10-17 23:25:06)
28.  過去と現在 昔の恋、今の恋 《ネタバレ》 
今から約40年前の映画ですが、オリヴェイラ監督の2000年以降のここ数年に作られた作品と似たような作風で、特に室内の映像での派手さを抑えた重厚な雰囲気(上手く説明できない)や、登場人物の息遣いまで伝わってくるかのような撮り方(本当に説明下手でスミマセン)が出ていて、映像を見ているだけでも満足してしまいそうです。 一つ一つのシーンを見るとカットを割る回数が少なく、ワンシーンワンショットまではいかないにしても3~5くらいのカット数で一つの場面を作っているため、非常にゆったりとしたテンポで進行していたのがいかにもオリヴェイラらしいといった感じで、映画全体のこのスローな雰囲気が自分は好きです。 問題はストーリーなのですが、最初の方で主人公のヴァルダが前夫リカルド(交通事故以前)と結婚していた時もそれ以前に亡くした夫のことを崇拝していた、ということが語られるシーンがあったため、映画後半でリカルドと“再婚”した後も同じことが繰り返されるだろうという事は容易に想像できてしまうので、その過去の事実を明かす会話さえなければ良かったのにと思いましたが、再婚するたびに亡くなった前夫を愛することを繰り返すというアイディア自体は悪くないと思います。 また、この頃のオリヴェイラは人の死を茶化すのが好きだったのでしょうか? 夫が飛び降り自殺を図る際、庭師に飛び降りるのを見られてしまい窓の上淵を触ってごまかすシーンの直後に本当に飛び降りてしまうというシーンがあり、笑いと死が隣り合わさってしまったこの有り得なさに、驚きと笑いの両方が同時に込み上げてくるという何か異様な感情が自分の中に出てきてしまいました。 他にも「もう死んだ?」「いや、まだ。」といった会話が廊下ですれ違いざまにサラッと交わされていたり、生きてるうちに棺桶を用意して、しかもそれをビリヤード台に斜めに立て掛けて置いておくという非常にアブノーマルなシーンがあったりと、脚本から映像からあらゆる方法でブラックな笑いを仕掛けてきて、いろんな意味で面白い映画でした。
[映画館(字幕)] 7点(2010-09-26 23:22:19)
29.  激突!<TVM> 《ネタバレ》 
切り裂くようなBGMと日常で起きてしまった恐怖、そして得体の知れないものに襲われる焦燥感・・・これはもう、ヒッチコックの影響を受けているのは明白でしょう。 ストーリーは単純でありながら斬新で、もし仮に名声を得たような映画監督がこのような低予算の映画を作ろうものならば、あらゆる方面からバッシングを受けることは容易に想像がつくだけに、出世作ならではの瑞々しさ溢れるストーリーだなぁと、そのアイディアに感心させられます。 更に凄いのは、駆け出しであるにもかかわらず、映像面では早くも熟練の技法をもってカメラを回していることでしょう。 普通、どんな映画監督でも初期の頃の作品を観ると、どこかしらに実験的な技法が用いられることが多く、試行錯誤だったりチャレンジしたりという形跡が見受けられたりして、それも映画を観る楽しみであったりするのですが、そのような箇所がほとんど見られないところが凄いと思いました。 恐らく、監督業を始めた今作の頃にはもう既にテクニックが確立されていて、自信を持って撮影に臨んだような印象を画面から感じ取りました。 本作の主題は、日常で起こりうる恐怖による不条理劇ですが、この類の映画が楽しめる(恐怖を感じられる)かどうかのポイントは、襲われる側と襲う側の人物像をどのように描くかで決まると思います。 襲われる方はしっかりと人物像と境遇を描いて人物描写をするのが重要であるという一方、襲う方は出来るだけ情報を与えずに“誰が襲うのか”と“なぜ襲うのか”を徹底的に見せないで物語を進めていくのがベター。まるで視界に入ったからというだけの理由で猛獣に追いかけられているかのような教科書通りの描き方が観ていて非常に心地良いです。 最後の方で、トラックが上り坂でスピードダウンしてせっかくの突き放すチャンスでありながら、同じタイミングで逃げる方の車もだんだん遅くなってしまうという、定番ではあるけども観る側をやきもきさせる演出なども観ていて面白く、ストーリー・カメラワーク・演出の全てに監督の力量を感じました。
[映画館(字幕)] 7点(2010-08-21 09:44:18)
30.  モン・パリ 《ネタバレ》 
♪人類が月へ降り立ち、月面を歩いたという衝撃的なニュースより、もっと大事な事がある♪それは、私とあなたが手と手を取り合って同じ道を歩いたという事♪ この映画のテーマソングですが、ちょっとクサいけど、いかにもフランス映画っぽくて何か好き。やがてオープニングの歌が終わり、画面に出て来たのは何とオーバーオール姿のカトリーヌ・ドヌーヴ!!これには驚いた。昼顔やロバと王女など上品な印象が強く、しかもこの映画はドヌーヴが30の時に撮ったもの。30でオーバーオールって・・・。 対するマルチェロ・マストロヤンニは、あのお腹はどうやら画面を見る限り本物っぽい。よくあそこまで体つくったなぁと感心してしまいます。それに、本来二枚目俳優なのにコメディをやらせてもサマになっちゃうところはさすが一流俳優。 ストーリーは、見る前に解説とかを読んだときはアメリカンコメディっぽいイメージで臨んだけど、実際はジャック・ドゥミが手掛けたというだけあって、やっぱりフレンチカラーが強いです。 自分が一番気になったのは、すでに二人の間には子供がいるのにまだ結婚していなくて、三人で同棲(?)しているというちょっと変わった設定。 後から考えると、最後に結婚式のシーンを入れたくてこの設定にしたのかもしれないけど、そのおかげでいいエンディングを迎えられたので、結果オーライですね。 夫婦共働きで主夫をする人が増えつつある現代、“妊夫”を描いたこの作品は、時代を先見した映画といえるでしょう(笑)。
[映画館(字幕)] 7点(2009-12-31 01:04:33)
31.  ヒッチコックの ファミリー・プロット 《ネタバレ》 
晩年のヒッチコックの作品ということで観る前から全然期待していなかったのですが、DVDのメニュー画面を見ると早くも駄作オーラがプンプンと・・・。 登場人物も知らない人ばかりだし、会話も下ネタに走ってるし、観始まってから更にトーンダウン。 けど、ストーリーはよく練られていてなかなか面白いです。しかも、最後の方の家に忍び込むシーンなんて「サイコ」の終盤で感じたようなドキドキ感が味わえて、このシーンは特に良かったと思います。 自分はコメディの要素は余り感じられなくて、むしろその方が良かったような気がしました。 ちなみに他の方のレビューにある「ステーキばかり・・・」というセリフはDVDにはなかったです。
[DVD(字幕)] 6点(2008-08-25 01:50:43)
32.  逃げ去る恋 《ネタバレ》 
アントワーヌ・ドワネルもの第5作目にしていよいよ完結作。タイトルは「逃げ去る恋」。 これまでのドワネル君を見ていれば、“逃げ去”ってしまうのも無理ないなぁと思ってはいましたが、映画が始まって目に飛び込んできたのは、またしても見たことのない女。このシリーズも最終作になり、女に対してのだらしなさは以前にも増して磨きがかかった模様。前作のラストではラブラブな夫婦だったのに、いきなりのドンデン返しから映画はスタート・・・って、いきなり浮気かよ!!さらに見ていくと、クリスティーヌとは既に離婚の話が大分進行していた様で、早くも起承転結の“転”が来てしまったような感じにみえます。 クリスティーヌと別れてからのストーリーはというと、「二十歳の恋」で劇場で出会った人と偶然の再会や、破けた写真を繋ぎ合わせて本人を突き止める話が出てきますが、こんな出来事トリュフォーの身に本当にあったの?というくらいの、まるで“映画”のような話なので、もし自身の実話をもとに作ったとしたならば、やや誇張しすぎなような気がします。どちらかというと、この映画、“逃げ去る”恋ではなく“逃げ去”ってからの恋がメインになっているのが非常にもったいなく、もう少しクリスティーヌとの別れを丹念に描いた方が良かったのではと思います。 写真を繋ぎ合わせて女を追跡するストーリーは面白いと思うし、本当は好きなので、もう少し話を膨らませれば、単体の映画として一本映画が出来ただろうと思うと、かなり惜しい作品ですね。せっかく、夫婦生活がうまくいってたのに、別れ話でドワネルと一緒になって涙したかった・・・。そういう意味でも惜しい映画でした。
[映画館(字幕)] 7点(2007-12-24 23:55:26)
33.  家庭 《ネタバレ》 
アントワーヌ・ドワネルもの第4作目。この時代のフランス映画の色調はかなり好き。ストーリーも、大きな起伏がなく平凡で、これはこれでまたいい。 二人の結婚生活はとても幸せそうで、近所付き合いも良好。しかし、すべてが上手くいっているにもかかわらず、アントワーヌの気持ちは何故か横道にそれてしまう。 アントワーヌが他の女性に気移りする理由が描かれていないようだが、もちろんそれは意図的なものによるもので、それは、駅のホームの赤ちゃんの看板を見て子供を作るのを思い立ったりといった行き当たりばったり的なドワネルの生き方みたいな感じ。 一方のクリスティーヌの方は、ドワネルの浮気が発覚した時は涙を流すほどに怒ったけど、しばらく経てば落ち着いて対処していてドワネルを手玉に取っているよう。実に良く出来た奥さんである。和服を着て化けてでてきた時はゾッとしたけど、世の中の旦那に浮気された女性の気持ちというのは、まさにあのような気持ちなんだろうなぁ~。 若干、無駄な脇役が多かったのと、オープニングのテーマ曲がミスマッチだったのを除けばさらにいい。ハッピーエンドで上手く締めくくったけど、次作は・・・“逃げ去”っちゃうの??  [追記]解釈を間違えてました。看板を見て子供を作ったのではなく、あれは、クリスティーヌが「服飾デザイナー・婦人科医・公訟人」のビルにそれとなく入り、ドワネルが看板を見て初めて子供ができたことに気づくという尺だそうです。DVDの特典にて発見。
[DVD(字幕)] 8点(2007-12-22 18:41:35)
34.  O侯爵夫人 《ネタバレ》 
うーん・・・ちょっと入り込めませんでした。 自分の感覚で言うと、見に覚えのない妊娠をして苦しんでいる娘がいたら助けてあげるのが家族ってもんなんじゃないの?って思う訳なんですが、時代背景を考えると名誉とか体裁とかを重んじるのはしょうがないのでしょうね。 母親が策を謀ったとき、侯爵夫人は伯爵のことを肯定的に見ていたのに、いざ当日になって伯爵が現れた途端、悪魔だと罵って拒絶するあたりの皮肉っぽさは面白いと思いましたが。 後から考えると、伯爵が結婚を急いだのは、自分の悪事を隠そうという不純な動機があったからなんですよね。「遅かったか・・」とか言ったりして、相当なワルですぜこの男は。
[映画館(字幕)] 5点(2007-01-05 22:29:41)
35.  愛の昼下がり 《ネタバレ》 
エリック・ロメールの「六つの教訓物語」シリーズ第6作にして、いよいよ最終作。 この邦題「愛の昼下がり」は原題「L'amour l'apres-midi」の直訳だと思われるのだが、(原題・邦題共に)これがまた、何と素晴らしいタイトルであろうか。これ以上に相応しいタイトルは思いつかないと思えるくらいの見事なタイトルだと思う。 今回のストーリーは、やや存在意義の不明なシークエンスがいくつかあると思うのだが、例えば、冒頭で服を買うシーンだとか、田舎の生活に不満を感じていて都会の空気が好きだ、というくだりなどはあまり本題に直結しないような気がする。店員に勧められて買ったシャツが伏線になるのかも、と期待して観てたのだが、特にそのような結びつきは見つからなかったように思う。 この映画の主題となる、家庭を持った男が独身女性に魅かれていくというストーリーは結構ありがちなんだけど、この主人公は家庭に不満もなく、他の女性になびく理由がないというのと、クロエという女が会社に押しかけてきたり、主人公を誘惑したり、子供が欲しいだのと言ったりする、自己中心的な神経に腹が立った。 最後に奥さんのところに駆けつけたとき、夫の浮気に密かに胸を痛めていたのか、抱きしめられて涙がぽろぽろ出て震えるシーンにはグッときた。 本作はシリーズのラストを飾る作品だけに、いつも以上にエスプリの効いたエンディングを期待していたのだが、そんな小洒落たオチもなくあっさりしたエンディングだったので少々物足りなさを感じた。夫婦が愛を確かめ合ってハッピーエンドというのは確かに悪くないんだけど、このシリーズでそれをやられるのは、ちょっと不満。単体の映画として見れば7点だけど、シリーズものであることを考慮して評価すれば、6点。
[映画館(字幕)] 7点(2006-12-28 01:39:53)
36.  クレールの膝 《ネタバレ》 
エリック・ロメールの「六つの教訓物語」シリーズ第5作。 今回の話は、40前の結婚を目前に控えた男が17歳の少女のミニスカートから見える若々しい膝に魅かれてしまう・・・という話(一部パンフから引用)。←ここまで読むとちょっとエロい話かなぁ~なんて思ってしまいそうですが、全くそんなことはない、湖畔の美しい風景と少女の肢体とがハーモニーを奏でているようで、この映像の美しさは筆舌に尽くし難い。その反面、やや会話が多いところが玉にきずであるような気もしますが、脚本がまた、とてもよく出来ている。特に、16歳の少女が話す内容とは思えないくらいのローラのあのマセっぷり!映画の前半はずっと笑いを堪えながら観てました。 ストーリー中ほどになってクレールが出てくるのですが、ローラは16歳にして自我が確立されていて凄く大人の女性なのに、姉のクレールはちょっと男の言いなりになってしまったり相手に流されるというような性格という印象で、この対照的な人物設定は悪くないのですが、ローラもクレールも肝腎の膝の形にさほど違いが感じられず、何でローラではなくクレールの膝に魅力を感じたのだろう?というのが不思議なところです。 クレールの怯えた表情にもお構いなしに膝を触る主人公を見ると、女性にとっては嫌悪感を抱くでしょうが、ラストの主人公の勘違いっぷりが面白くて、このオチを見れば主人公に嫌悪感を抱いていた女性の観客もシッカリ納得して家路に着くことが出来ることでしょう(^_^)
[映画館(字幕)] 8点(2006-12-25 22:25:40)
37.  ベニスに死す 《ネタバレ》 
今の日本って、いやーな世の中だなぁと思う。なぜなら、“ストーカー”って言葉があるから。 レビューを書く前に全てのレビューを読みましたが、【映画小僧】さんの仰る通り、教授のあの行為は“「美」への愛”なのだと思う。少年を欲しているのではなく、完璧な「美」を追求し、あこがれ、それを手に入れようともがき続けた初老の男の切ない物語だと思う。 台詞が極端に少ない展開も良い。サイレントのように音を出せないのと、この映画のように音を出さないのとでは意味合いも違ってくる。ヴィジュアル的に物語を語ろうとしているのではなく、言葉を使う必要がないから使わない、それだけの事のように思える。 ただ、ペストが流行っていることをストーリーに組み込む際の唐突さがちょっと気になった。ペストを流行らせなければこの物語は成立しないのだけど、起承転結の“転”にもう少しスムーズに入れなかったかなぁと思う。 ラストで夕陽の中に佇む少年が左手の下にマルを作ったあのサインは一体何だったのだろうか・・・。 本当は高得点を付けたかったところだけど、自分の年齢を考えると・・・・・6点にしときます(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2006-11-29 19:03:35)
38.  内なる傷痕 《ネタバレ》 
寝そべっている女を連れ去る男。白一色の荒野に「息ができない」と、もがき苦しむ女。四方全てが雪の中、苦しみながらも彷徨い続け、そのまま倒れてしまう・・・。 この映画のただならぬ雰囲気に一気に引き込まれた。 ストーリーはあってないようなものであり、意味を求めるのはナンセンス。劇中の風景・台詞・歌・人物の行動など、全てが説話的であり神々しさを感じる。 何年たってもこの映画を理解出来るとは思わないが、とにかく強烈に印象に残る作品だった。
[映画館(字幕)] 7点(2006-11-16 17:52:37)
39.  恋人たちのメロディー 《ネタバレ》 
この映画は、全ての役者が実際の名前のまま演じている。と言うことは、シャルルのおっさんも普段の性格はちょっと図々しくて陽気な感じで、フランシス・レイもどことなく寡黙な感じの人なのでしょうかね。紅一点のカトリーヌ・アレグレは、飾り気のない素朴な印象(結婚式の衣装もすごく地味)でしたが、それがまたこの映画の雰囲気にマッチしてて、私は結構好きです。 一日に200フランも稼ぐアコーディオン弾きのフランシスが、100フランで雇われて旅に同行したり、新婚夫婦の新居がスゴ~く小さい家(撮影角度を変えて小ささを強調している)だったりという“ほのぼの感”がこの映画の一番の魅力でしょう。 一番面白かったのが、サントロペのレストランで食事をした時に領収書を回してみんなで見てた時。特に、一番手前の人が領収書を見たときの驚き方に笑わされました。
[地上波(字幕)] 6点(2006-10-25 22:33:20)
40.  男と女の詩 《ネタバレ》 
完全に読み違えてました。冒頭の映画のシーンからカラーの映像に変わるまでがずっと一つの回顧シーンだと思って見てしまいました(>_<) で、フランソワーズ・ファビアンの昔を演じてたのがアヌーク・エーメなのかな?とか・・・。 タイトルからしてラブストーリーなのかなと思っていたら意外と渋めな感じで、しかもフィルム・ノワールの一面もあってちょっと予想外な内容でした。 リノ・ヴァンチュラの素と老人の演技は良かったけど、宝石店の強盗シーンも結構マヌケな捕まり方だし、エンディングも凄く微妙でうまく言葉にできません。恐らく、きれいに片付けられてた中にも他の男の存在を察していたような感じですが・・・。 最初の、レストランでの会話の「部屋はある?」で、オシャレな映画のイメージを抱いてしまいましたが、今の自分には見るにはまだ早すぎる、難しい大人の恋愛映画でした。
[地上波(字幕)] 6点(2006-10-16 21:28:22)
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