21. 天気の子
《ネタバレ》 圧倒的に美しい映像美とそこに包み込まれる中二病感、そしてスパイスのように散りばめられている70~90年代日本映画のエッセンス。若者世代だけでなくその親以上の世代にも受け入れられるように見事に作りこまれています。今年の長梅雨の気候にドはまりしているのも、やはり旬の監督だけあって「もってる」感じですね。 [映画館(邦画)] 8点(2019-07-21 17:25:47) |
22. 希望のかなた
現在の欧州の社会状況を風景画のように描いた作品。 前作のような寓話すら既に作れなくなるような難しい状況に陥っていることがわかります [DVD(吹替)] 6点(2019-06-02 09:36:48) |
23. プーと大人になった僕
《ネタバレ》 仕事で精神的に疲れがたまった時にじんわりと効くような作品です。しかしまあ、舞台はイギリスですが、内容はまさに「This is アメリカ」というような展開でしたね。ファンタジーと現実をうまく結びつけています。 [DVD(吹替)] 8点(2019-05-25 23:52:08) |
24. 焼肉ドラゴン
《ネタバレ》 予想以上に素晴らしい作品でした。 在日版「三丁目の夕日」といった感じです。韓国人俳優は韓国映画的な演技、日本人俳優は日本映画的な演技で、その違いを上手く使い、在日1世の両親や韓国から渡航してきた「直輸入」な韓国人と、日本育ちの在日2世たちのギャップを見事に表現しているように感じました。 まあ、内容的にはドロドロと悲痛さが入り混じった家族のドラマなのですが、それを感じさせないのはキャスティングの妙なんでしょうね。どこかユーモラスな両親と大泉洋らダメ男たち、そして3姉妹の美しさが現実の醜さを覆い隠してしまっている感があります。 もう少しリアリティを追求すれば「血と骨」のようになってしまうのでしょうけれども、そこは在日版「三丁目の夕日」ということで、すこしファンタジーを加えているようにおもいます。 その後の彼らがどうなったのかが本当に気になります。 [DVD(邦画)] 8点(2019-03-04 00:05:01) |
25. カメラを止めるな!
《ネタバレ》 まず、まだ見てない人は、余計な情報は入れずにまず見てください。そして、どんなに自分に合わないと思っても、途中で止めずに我慢して観てください。 (以下ネタバレありの感想) まあ、最初は「なんじゃこりゃ」としか思えなかったのですが、後半からはまさに映画業界版「下町ロケット」もしくはジョン・ウォーターズ「セシルB」日本版のような展開で、映画製作に関わる人たちの情熱を感じることができ、本当に面白かったです。 あと、この作品の秀逸なところは、構成ですね。だから、ネタバレをちょっとでも見てしまうと面白さや感動が半減してしまいます。 [DVD(邦画)] 8点(2019-02-09 23:05:04) |
26. ラビット・ホール
《ネタバレ》 深い闇の中からの再生を静かにそして繊細に描いています。内容的にはドロドロで決してきれいごとだけではない物語なのですが、不思議と癒される作品でした。 [地上波(字幕)] 7点(2019-02-06 01:24:57) |
27. 女は二度決断する
《ネタバレ》 ダイアン・クルーガーの熱演が光っているが、それを引き出すためにか、ファティ・アキン監督の作品としては平凡な出来になっているように感じました。(あくまでも、監督作品としてはです) 主人公が武士のタトゥーを入れたり、最後の主人公の行動など、内容的には日本人好みの内容になっているのですが、この映画が取り上げている問題を、ハリウッド映画のように「わかりやすく」描いてしまっていることに、正直疑問を持っています。【ファティ・アキン】監督の力量であれば、もっと生々しく、そして我々の心に訴えかけてくる作品が作れたのではないか・・・ 今後、同じようなテーマで作品を撮ってくれることを期待しています。 [DVD(字幕)] 6点(2019-02-03 22:49:56) |
28. ボヘミアン・ラプソディ
《ネタバレ》 フレディ・マーキュリーという人物が、なぜあそこまでロックスターたりえたのかが良くわかる作品でした。 人種、宗教、セクシャリティ、そして音楽業界の中での存在・・・そのすべてがマイノリティであった彼だからこそ、我々が縛られているすべてのしがらみから脱却し、なりたい自分である「フレディ・マーキュリー」という存在にまで到達できたのだなと痛感しました。 そして、その彼の周りに、ロック界では異端児とも言えるメンバーが集まり「クイーン」というバンドが生まれたこともまた「フレディ・マーキュリー」という稀代のロックアイコンを生み出した奇跡であったのだなと感じました。 あとは、クイーンファンにはたまらない小ネタもふんだんにもりこまれているのも良かったです。 [映画館(字幕)] 8点(2018-12-04 00:06:11)(良:1票) |
29. 探偵はBARにいる3
《ネタバレ》 もう平成も終わりに近づいている今、往年の東映セントラルフィルム作品を彷彿とさせるガチなプログラムピクチャーを観ることができる喜び。冬の札幌もかつての東京を思い出させ、味わいを感じます。 何よりも、このシリーズに流れる乾いた虚無感が、「やはり日本映画はこうだよな・・・」と思わせてくれます。 あとは、北川景子の存在感が素晴らしかったです。 [DVD(邦画)] 7点(2018-11-17 23:17:27) |
30. アウトレイジ 最終章
《ネタバレ》 タイトル通り、まさに「最終章」と言える作品 その後の事務所云々の騒動が大友の生き様とリンクしていて、いろいろな意味でこの作品は北野武監督なりのケジメの付け方だったのかと思わせる内容でした。 [DVD(邦画)] 9点(2018-10-07 01:33:11) |
31. アウトレイジ ビヨンド
《ネタバレ》 前作よりも更にパワーアップして面白くなっています。とにかく、なんらかの組織に属している方であれば、見ていて「あるある」と頷いたり、登場人物を知り合いにあてはめたりして楽しめる作品です。 これは単なるヤクザ映画ではなく、日本社会そのものをヤクザ社会に投影して描いた映画ですね。とにかく、北野監督の冷徹なまでの人間観察力、虚無感、ユーモア等々が全てマックスレベルで投入されています。 そして、「本当の敵は誰なのか」を明確にしたラストの素晴らしさ。まさに満点の映画でした。 [DVD(邦画)] 10点(2018-10-07 00:48:45) |
32. サンドラの週末
《ネタバレ》 ただただ、会社のクソっぷりに腹が立ちました。と言っても主人公に一方的に肩入れしているわけでもありません・・・。 では、何に腹が立っているのかというと、経営者の覚悟のなさ加減です。会社経営はきれいごとだけでは出来るものではありませんから、利益が出ない厳しい状況であれば倒産を避けるために人員整理や給与削減はやむを得ないと思います。 ただ、それをなぜ経営者が決断せず、社員の投票で決めさせるのか。これは民主的で社員の意思を尊重しているようで、実は、自らが描いたシナリオに社員をのせて、さも社員たちが自らの意思でその結果を決めたと思わせる卑劣極まりないやり方でしかなく、しかもそのシナリオが投票結果がどちらに転んでも良いときており、怒りを感じます。 おまけに最後のやり取りも最低極まりなく、心の病から立ち直ったばかりの主人公を再び奈落に落とし込むような仕打ちは目もあてられません。 しかしながら、その最低ぶりが主人公を逆に前向きにさせる一因でもあって皮肉なものだなとも思いました。 [DVD(字幕)] 7点(2018-08-30 22:10:36) |
33. オン・ザ・ミルキー・ロード
《ネタバレ》 戦争なんて格好良くもないし、ドラマティックでもない、ただ殺戮行為と死体がそこにあるだけという事実。クストリッツァは、それを、自分の作風を使って、うまく表現させています。 美人女優の起用、魅力的な登場人物たちの設定を作って恋愛ドラマを繰り広げるかのように見せながら、戦争がその展開をぶち壊してしまい、途中からひたすらドラマ性の全くない逃亡劇がひたすら画面に映し出されるだけになってしまっているのに、何とか映画として成立させてしまう技術はまさに天才としかいいようがありません。そしてクストリッツァ作品でおなじみの動物たちの使い方も、これまでと同じようで全く違っていて、大した大義もなく、人類全体で考えると非常にくだらない理由で、簡単に命を奪われる戦争の犠牲者たちの象徴のように描かれています。 まあ、最初に見終わった後は、魅力的な登場人物たちがあっけなく退場したり、動物たちがファンタジックでなくグロテスクに使われているのを見て「なんだこれは、ちょっと破綻しているな」と感じたのですが、時間が経つにつれ、その破綻こそが戦争の破壊性を表していることに気づき、改めてクストリッツァの凄さを思い知りました。 [DVD(字幕)] 8点(2018-08-05 00:45:55) |
34. 半次郎
《ネタバレ》 半次郎の生きざまを伝えるのに2時間はあまりに短かすぎますね。榎木孝明は熱演。 [地上波(邦画)] 6点(2018-05-04 11:56:41) |
35. 続・深夜食堂
自分もここの食堂に座って話を聞いているようなくつろぎ感を味わえました。更なる続編を希望します。 [DVD(邦画)] 7点(2018-05-04 11:54:31) |
36. パレードへようこそ
《ネタバレ》 一見、いい話のように思えますが、なんか腑に落ちないモヤモヤが残る作品でした。80年代のイギリス社会の様々な面を見ることができて興味深かったのですが、なんというか綺麗にまとめすぎているような・・・・。 [DVD(字幕)] 6点(2018-02-28 00:37:03) |
37. 皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ
《ネタバレ》 「持てる者は持たざる者に分け与えよ。」こんな言葉が見終わった後思い浮かびました。 「持たざる者」が「持てる者」になる力を得た時に、「持てる者」となるのか「持たざる者」のままでいるのか・・・・。極論すればそこが人間社会にとっての善悪(犯罪かどうかではなく道徳的な意味で)の分岐点になるのかなと感じました。まあ、今の社会は「持てる者」が「私はまだまだ持たざる者です」と騙り、真の「持たざる者」を努力不足と切り捨てる傾向にありますから、そこを正してくれるのが、今のスーパーヒーローなんでしょうね。 主人公が同年代なので、なんとなく等身大に感じられ、心に沁みてくる作品でした。 [DVD(字幕)] 9点(2018-01-21 10:19:12) |
38. わたしは、ダニエル・ブレイク
《ネタバレ》 この作品には、強者は出てきません。システムと規則の奴隷と化し、「情」を奪われた弱者と、「尊厳」を奪われた更なる社会的弱者がお互いぶつかり合っているだけです。人々に利便を与えるためのシステムだった筈なのに、今では人々がシステムの利便のために不便を強いられてしまっている現状、そして、その現状を、惰性で受け入れている私たちにケン・ローチは「それで良いのか?」と問いかけてきます。「わたしはダニエルブレイク(I,Daniel Blake)」という何てことのないタイトルが、観終った後に非常に重く感じました [DVD(字幕)] 8点(2018-01-18 19:08:17) |
39. T2 トレインスポッティング
《ネタバレ》 登場人物と同世代なので、まるで同窓会に参加しているような気分になりました。彼らも自分もしょうもない人生を歩んできていて、ほっとするような哀しくなるような・・・・。でも、それも含めて愛おしい作品。まだまだ若いつもりでいるけど、時代に取り残されてというかズレてきていて、でもそれは認めたくなくて・・・という彼らに自己を投影してしまいました。 [DVD(字幕)] 10点(2018-01-13 22:42:56) |
40. 言の葉の庭
《ネタバレ》 多分、新海誠監督は、今「東京」という街を世界一魅力的に描ける人だと思う。東京五輪の演出に絶対かかわらせるべきだと思います! しかしまあ、ストーリーは、本当に腹が立つくらいツボを押さえた絶妙な設定のラブストーリーでありながら、その世界に浸れる世界をわずか50分弱に抑えてしまうという、なんともまあ意地の悪い作品です。続編をぜひ見たい! [地上波(邦画)] 10点(2018-01-04 01:38:11)(良:1票) |