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K-Youngさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 80
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メールアドレス wakasa@hf.rim.or.jp
自己紹介 映画って本当に良いですね、晴郎さんが言っていた。忠夫さんが熱く語っていた。荻さんは斜めに座って、ちと難しめな解説をしていた。土曜日には、テレビの前のあなたとお会いしましょうと、約束され、日曜日の夜には、さよならを、それも三回言われてしまう。その時まだ小中学生。今、その人達と同じ年齢になり、私も同じような事を言い始めている。追いつけたのか?それがこのレビュー。

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21.  グランド・マスター 《ネタバレ》 
美術館なら、こちらが動かなきゃいけないが、こちらは、絵の方が変わってくれる、そんな美術鑑賞したという感想。西洋絵画、浅い知識しかない私ですが、レンブラントとかフェルメールとか、光と影、構図とか、監督は意識していらっしゃるのでは?役者が動かない、ってシーンが多いけど、そういうことでしょ。アップが多いのもそういうことでしょ。雪振る花の樹の庭は、東洋風でしたが。アクションシーンはどこかにあるようなスタイリッシュ系で普通ですけども。この映像が好きか嫌いか、の映画でしょ。私は好きだな、美しいシネマトグラフィ。美術鑑賞のように、動かぬスクリーンから、人の心や時代の空気や哲学を読め、ってね。映画も、横か縦かしかないならば、私はこの映画は「縦」でした。
[映画館(字幕)] 8点(2013-06-02 18:29:05)
22.  ラスト、コーション 《ネタバレ》 
過激な性描写は、「ラスト・タンゴ・イン・パリ」への挑戦ではないのか、と感じています。見ている方は、主人公が死ぬのは予想されるのですが、最後をどう決着つけるか、という興味を観る者を最後まで引っ張っていきます。原題の通り、色と戒、で揺れる主人公の気持ちがよく分かる演出が素晴らしい。ベッドでの目線、ダイヤを見た時の表情、車中苦悩を語る男への眼差し……特に素晴らしいのは、娼婦をさせられるのが分かっていて、自分の気持ちを歌で伝えるシーン。そして、最後、「逃げて」という台詞が出る説得力。殺す相手を好きになるとは古典的なストーリーだが、恋愛というコンセプトのユニバーサルは大道「死と同価の恋」をアジアのテーストで大展開している気合い。「ラスト・タンゴ・イン・パリ」と「覇王別姫」への挑戦。ラストシーン、愛欲のシーツへ頭の影が映るのも、上手でした。
[DVD(字幕)] 8点(2013-05-12 12:14:13)
23.  ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 《ネタバレ》 
虎の方が作られた話でしょう。心の痛みを忘れるための彼の想像。虎の話が本当ならば、もう一つの話を想像する理由がない。CG3Dで作られた映像の美しさ(特に水中の浮遊感の驚き)、虎という作られた話、それに、神という作られた超越。作られたモノの中にある、不思議なリアリティ。幻惑的人工美。それがこの映画の魅力なんでしょう。でも、どこかそれが少し欠点にも思えてしまう。ヒューマニズム的人間臭さの不在。人間臭さが、ドラマの中にも、作り人の側にも見えるのが映画だと思う。虎がCGでなければ、違ったかな?……それよりも、3Dの映像、私も船酔いしました。
[映画館(吹替)] 8点(2013-02-02 19:58:01)
24.  デリカテッセン 《ネタバレ》 
悪趣味、悪夢、悪食、のアートな絵巻。細部まで徹底している。ダークな色調に閉塞感(縦方向しかない)。カニバリズムのタブーの戦慄があるが、死の意味の軽薄化と変人のオンパレードで喜劇を演出している。そして、水のイメージで不快な湿気感も与えている。どこまでもが、作った側のセンス。見る者はそれを楽しめるかどうか、だ。一度でも、自分なりに悪夢の意味を考えて、それを空想でも実際でもいいが、イメージしてみたことがある人は、そして、自分の想像力の無さに失望した人なら、この監督を天才と評価すると思う。
[DVD(字幕)] 8点(2012-06-02 17:02:39)
25.  リバティ・バランスを射った男 《ネタバレ》 
「シェーン」と同じテーマですね。西部の、無法の終焉とガンマンの終焉。西部の時代は、伝説として存在すると、ラストは語る。Jimmy は Jimmy らしく、「誠実」な男、the Duke は the Duke らしく、「強い」男、二大俳優を楽しむ。その他の登場人物も細かな性格分けがしてあって、酒ありギャンブルあり馬あり鉄火肌の女性あり拳銃の早抜きあり投げ縄ありと西部劇アイテムをも並べる、そして、白黒映画の美しさを引き出す、「サボテンの花」、フォード監督の余裕のさばき。モニュメントバレーがないだけですね。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2011-01-03 14:36:41)
26.  バベル 《ネタバレ》 
四つの話が、密接に繋がってないところがミソで、そうなるとどこか作って「お話」的になってしまう。ほんの少し掠る程度で、繋がっていることで、四つの話を一つの話に入れる契機としているだけ。この監督は、「不可避的、運命的出来事に押しつぶされる人間とそこからの再生の可能性」を歌っている。テーマを一般化するために、四つの話を並べているだけである。「バベル」というタイトルを付けたのも、言語は違うけど、人間同じなんだ、という人間の性を一般化したい監督の意図が伺える。最後のうまさは、見ている人は、「女の子」死ぬんだと思わせて(彼女は死に場所死に方を探していたのでしょう。その前に、アレを、ってことですね、最後に分かります)、実は、「救いの手」を差し伸べた点、ある意味、どんでん返し。監督の人間性を信じる姿を感じる。メキシコのおばさんが救われないのもワザとらしくなくていい。むしろ、ラストのどんでん返しの布石になっている。刑事さんの手紙は、きっと「私、死ぬのを辞めます」だったはずだ。
[DVD(字幕)] 8点(2011-01-02 19:58:59)(良:1票)
27.  スラムドッグ$ミリオネア 《ネタバレ》 
スラムの話を語るのに、クイズ番組を通してっ、というアイデアが良くて、それでOKじゃないですか。暴力に偏ると、やーい、あのブラジル映画の二番煎じだ、って言われますからね。二点ほどコメントを。トイレの「あの」中に落ちるというシーンに笑いましたが、後で映画のデータを見ると、「トレインスポッティング」の監督さんなのね、まぁ、やれやれ、また、って思いました。もう一点、ラストの方の、作る側と見る側の駆け引き、が面白かったという点。お兄さんが携帯を渡した所で、見る方はもう「これはライフライン、来るな」と予感させて、ま、その通りになって、でも彼女が「私も知らない」と来て、見る方はヒックリ返ってしまう。作る側の思惑通り。で、問題が「三銃士」に関して、実は、これ、多くの人が誤解している問題ではないのですかね。だいたい、ダルタニャンという名前が有名で、もう三銃士の一人は彼だっと思っている人が多いはず。で、彼が選んだ、選択がA、でした。そうじゃないだろう、と多くが突っ込んだ。でも、「正解でした!」と来る。また、ヒックリ返って、ね。作る側の思惑通り。そして、映画が終わって、踊る、という、えっ、という映画でした。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2009-05-11 20:29:30)
28.  ダンサー・イン・ザ・ダーク 《ネタバレ》 
意味がわからない、とのコメントが多いですが……そうでもないんじゃないかな、そういうコメントを書きましょう。これ、見ていたら、アンデルセンの「マッチ売りの少女」と同じだなぁ、と思いました。不幸の中での一瞬の幸福、その瞬間の喜びと対比される生きる辛さ、同じテーマですよね。方やマッチ、これはリズムを刻む音。主人公の理不尽なまでに不幸な様子に、救いようがない、とのご意見が多いですが、救いようがない不幸を用意しているのです。この映画に救いようがないからどうかしろ、と言うのは、マッチ売りの少女を助けないからつまらない作品だ、と言っているのと同じようなこと。私たちは不幸の中にこそ人生の真実の断面を感じます。結末は見えたようなもの、ただ興味は最後のマッチはどういうマッチかということ、自分の心臓の音とは!参りました。調べてみると、この監督、デンマーク出身とか。アンデルセンの国です。
[DVD(字幕)] 8点(2009-05-05 17:32:36)
29.  桜桃の味 《ネタバレ》 
おじさんが道を教える。荒れ地の道と人生の道と。見ている方はその二つの意味にああそうだなとか単純に思う。そう世の中には美しいものがあるから生きるんだよね、とそんな映画だと思わせる。最後の月とか雷とか、そんなこと言ってるんだろうとか感じさせる。ところがどっこい、最後には、「なーんちゃって、たかだか映画、ちょっとシリアスに考えた、はははは」という、すっごい肩すかしが待っている。あれっと、思いつつも、でも、やっぱりおじさんの桜桃の味の話をみんなに聞かせたいんだと思う。そう、真面目すぎたこと言ったもんで、照れてるんですよ、監督は。
[ビデオ(字幕)] 8点(2009-04-07 22:29:06)
30.  HANA-BI 《ネタバレ》 
子供を失った悲しみ、これが映画の底流にあって、その胸を裂くような辛さを感じなければ、この映画の味わいは分からない。あとの不幸は、追加。花火を見上げる親子の絵、絵自体がいかにも子供のお絵かき、マンションにとめてあった三輪車、それを片付ける元刑事、しかし、小さな子供の靴はちらっと見るだけ。お寺の鐘に来た子供、元刑事は妻が思い出して辛い思いをするのだろうなとわざとオチャラケて鐘を鳴らす。最後の凧揚げの女の子は、二人が本当に見たかった光景。元刑事も傷ついてはいるが、妻の方は絶望している。その絶望を埋めるべく、静かに(妻がいないところで)荒れ狂い、妻に優しくする夫。夫の心を知っている妻。だから、「ありがとう、ごめんね」と言う。私達は二人の愛の形を静かに味わうしかない
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2009-04-05 12:03:56)(良:2票)
31.  初恋のきた道 《ネタバレ》 
「もうお父さんと会えないんだよ」と老婆が泣きながら言う。この単純な言葉に心を動かされなければ、退屈な映画かもしれない。老いた後、そんな言葉言ってみたい、言われてみたい……だから、この映画はお伽噺、恋のお伽噺、きれいな絵がついたお伽噺。話を盛り上げるドラマはほとんどなし。ただ、人を思う恋心があるだけ。そんな単純じゃないよと言う現実的な方もおられましょうが、だから、お伽噺と言うのです。一方、途中から主人公が涙したら、涙し、嬉しかったら嬉しく思うくらい感情移入した方も多いはず。私もそう。「初恋のきた道」っていい題だなぁ、あの村への道のことかもしれないけど、でも、道の終わりに「もうお父さんと会えないんだよ」と悲しむ、悲しむことができる人生を指しているんだろうなぁとか思っている。
[DVD(字幕)] 8点(2009-04-04 18:19:19)
32.  暴力脱獄 《ネタバレ》 
いろいろと映像的なメタファーがあって、いろいろと想像するとおもしろい。並んだパーキングメーターの頭を落とすのは、どこかのグループの仲間を一掃したのではないか。車掃除のおねぇさんのシーン、ホースはもう男性器の象徴、ルークがぶら下げた栓抜きは、十字架を茶化したもの、最後の教会への「神の救いの無さ」へと繋がり、サングラスは非人間、卵50個喰いは囚人50人の数とかけて、彼がその場のトップに立つことの象徴……などと見るとニューマンのニヒルな演技とあわせれば、この映画が名作といわれるのも分かるのではないでしょうか。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2009-01-25 12:12:02)
33.  ヒート 《ネタバレ》 
この映画の良さはみなさんが書いてある通り、主人公を始め、登場人物の公私それぞれの苦闘苦悶を、渋く描いたところでしょう。それよりも、気になったのがゴッドファーザー2でも主役を張った二人はこの英語で共演とはいえ、同じ撮影の場に立ち会わなかったのではないか、というのが気になって気になって。コーヒーショップのシーンもどうにもパッチワーク、ラストもどうにも後ろ姿が代役……なんだか、大物二人の関係の緊迫感を感じて、こっちのつばぜり合いの方が、ヒート!だと思いました。、
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2009-01-25 11:58:15)
34.  ゼア・ウィル・ビー・ブラッド 《ネタバレ》 
赤茶けた荒涼とした土地に「石油」が眠っている。ブラッド…見えない所に熱く堪り、事があれば吹き出す石油への比喩。日焼けで赤茶けてざらざらしたオイルマンの顔、その下にも「血」が流れている。石油と血、というどろどろした液体のメタファーで、潤いの無い大地と人間性の欠片もない人間を繋げ、二重映しでドラマは進む。結末は悲劇になるより他はない。ただし、インチキ宗教家をやり込めるラストは予想外。人間の少しはあるはずの良心/宗教心(インチキ宗教家をいいように捉えての提示)を完膚無きまでに蹂躙して終わる。だからといって救いがないのではない。救いの無い人間を描くのは、ヒューマニズムを信じたい事の裏返し。「血があるのだ」と最後にタイトルが出る。制作者の裏返った願いがこもる。人によってはボギー主演の「黄金」の人間の強欲の虚しさを思うだろう。結末に「ジャイアンツ」のJ・ディーンの末路と重ねるだろう。心の闇とその転落のドラマに「市民ケーン」を見る人もいるだろう。市民ケーンの幼少の傷は、このオイルマンでは無神論/物欲主義として、摺り合わせてみるのも面白いかもしれない。
[映画館(字幕)] 8点(2008-05-19 19:51:17)
35.  ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ 《ネタバレ》 
笑った、笑った。それに、何だかいろんな映画を連想しちゃった。冒頭は「フーテンの寅さん」? いかさまの映画かと「スティング」? 音楽と映像とブリティッシュが「トレインスポッティング」? 軽口叩くギャングといろんな人間がでてくるのが「パルプフィクション」? このタランティーノ繋がりで双方全滅は「トルゥー・ロマンス」? そのオルゴールの音楽は「続夕陽のガンマン」の決闘シーン、んんん、三角決闘へのオマージュ? その親子二人は「子連れ狼」? 四人組は「ロード・オブ・ザ・リング」やビートルズ以来イギリスの伝統?それに、新喜劇のポコポコヘッドのおじさん、顔も声も似てるんだ!とまぁ、あれやこれやを考えてしまいました。
[DVD(字幕)] 8点(2008-03-16 22:49:00)
36.  ラブ・アクチュアリー 《ネタバレ》 
ロックスターの本当の恋に嬉しく思い、少年の走りに声援を送り、その父の悲しみの立ち直りに安心し、夫婦の危機で妻の心が痛く分かり、首相の恋は王子様物語のように夢を見させ、アメリカへの妄想兄ちゃんの成功に苦笑いし、言葉を越えて愛が成り立つ事を再認し、仮の愛が本物になる裸の二人にくすりと笑い、身内を優先させて恋を駄目にした彼女に自分を重ね合わせ、紙芝居で語る男に一番かっこいい失恋を見る。Love acutally is all round. 「愛は実に周りにあふれてるではないか」そう映画は言う。たくさんの愛の形を揃えて、そう映画は言う。愛の素晴らしさを心の宝物のように大事にしている人は、幸福感で胸が一杯になったことでしょう。個人的には紙芝居の兄ちゃんの台詞 Enough. は一番心にしみたなぁ。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2008-03-05 23:36:48)(良:1票)
37.  ワンダとダイヤと優しい奴ら 《ネタバレ》 
笑いました。イギリスのすました顔して裏では捻くれていじけた悪趣味のユーモアとアメリカの裏も表も無い分かりやすい馬鹿ジョークとの激突。むしろ、うまい混ざり具合。生理的に気持ち悪いところを責めるイギリス、言葉で、パンチラインで、相手をねじ伏せるアメリカ。一番良い例は、熱帯魚を食べて、口を割らせるシーン、「緑はまだ熟してない」と来た。他にも、弁護士の家での隠れん坊、突然のスパイ活動「イギリスはソ連の一部」、窓から逆さ吊りの謝罪、ロシア語を言いながら、洋服を脱ぐ男。お婆さん殺しと犬の犠牲、法廷でおかしくなっていく弁護士、などなど可笑しい所が次々。アメリカの男のシーンは全部おかしい。でも、私の一番は、ロケットのチェーンを食べるところ。たまらなかったなぁ。ジェントルマンが完全な馬鹿になった瞬間。イギリス人はやっぱり自虐的なところで笑いをとるなぁ。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2008-02-24 15:44:40)(良:1票)
38.  散り行く花 《ネタバレ》 
何と健気で、儚い乙女。演じるは、20歳も半ばの、リリアン嬢。もうそこが凄いね。ナボコフが「ロリータ」を書かなければ、美少女乙女路線は、リリアンコンプレックスになっていたかもしれない。指で口の端をにって上げて、息絶えるシーン、これは公開後、幾百千万の(男の)心を捕らえてきたことでしょう。永遠の乙女のイコン。グリフィス監督はここでサイレントの映画のテクニックを全て完成させた、とは映画史の語るところ。さらに、映画史は付け加える。クローズアップが出現したのは、同監督がリリアン嬢を可愛らしく撮るために近づいたことによる、と。なるほどなぁ。……また、この映画の、中国人の描かれ方に、人種差別の事は避けて通れないが、とはいえ、勉強不足でコメントの寄せようもない。ただ、当時の一番進歩的なものではないか、と想像している。例えば、長澤まさみ嬢の相手役が、日本人韓国人中国人西洋人以外の人種だとしたらどうだろうか。イランでもスーダンでもイヌイットでもいいが、それぐらいのものではあるまいか。また、仏教の浮き世と枯れる運命の花と儚い乙女との組み合わせで生きる脆さを故意に表しているならば、キリスト教を越えて、思想的にも進歩的でありそうだ。
[DVD(字幕)] 8点(2008-02-17 16:17:46)
39.  イル・ポスティーノ 《ネタバレ》 
自然と歴史。人間の力が抗い用もないこの二つに、小さな人間は時には従順に時には抵抗し、生きる。海の綺麗な漁村、共産主義運動の高まり……二人の交流は言葉であった。郵便配達人は言葉が書いてある手紙を運ぶ。詩人は詩という言葉を配達人に教える。貧富名声地位国籍を越えた、一つの魂と一つの魂の交流。海と空は二人には何も語らず、むしろ、二人がそこに何かを見つける。時代が二人を引き寄せ、二人を離す。最後、時代は彼を死に追いやる。残された者はその思い出をその変わらぬ風景の中懐かしむ……フェリーニの「道」もそうだが、途中経過を飛ばしたいきなりの主人公の死、イタリア映画は時に反則だ。見る者の眼から涙を絞り取る。
[DVD(字幕)] 8点(2008-02-11 14:25:56)
40.  カリガリ博士 《ネタバレ》 
これ、1921年制作です。日本では大正10年です。大正デモクラシーとかいっています。でも、遠いドイツでは、この映画です。狂人の映画です。セットが曲がっています。話も曲がっています。メイクも変です。字幕の文字も尋常ではありません。狂人の見る世界を私達が見ます。現代の私達だから、あれやこれやの批判もできる。ドイツにはすでに、狂人の夢を語る映画を作る人がいる、見る人がいる。文化の進化度が分かります。ドイツ表現主義。ヨーロッパでは絵画にキュビズムが出た時代。夢を語る、精神分析の影響の強いシュールレアリスムの夜明け。日本は夢野久作の「ドグラ・マグラ」が出るのをあと10数年待たねばなりません。
[DVD(字幕)] 8点(2008-02-11 14:07:55)(良:1票)
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