Menu
 > レビュワー
 > 黒猫クック さんの口コミ一覧。2ページ目
黒猫クックさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 791
性別
自己紹介 猫と一緒に映画を見ていると、ヤツらは私より先にコイツはクソ映画だというのを察知します。ストーリー展開や伏線回収が怪しくなってくると席を立ってしまうのです。だけどそんなおっちょこちょいな映画にだって良いところはいっぱいあるんですよ。
猫のヤツらは冷酷です。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順12345678910111213141516
投稿日付順12345678910111213141516
変更日付順12345678910111213141516
>> カレンダー表示
>> 通常表示
21.  エネミー・ライン 《ネタバレ》 
 色々理由つけても人様の財産撃墜しちゃダメだろ!オイオイ!4500万ドルだぞ。冒頭、びっくりである。アメリカなら撃っちゃえば?で嫌米なひとは納得、米軍好きはズンズン撃て、むしろ撃墜する位で丁度良いで納得だろ。な作りにドギモ、度肝引っこ抜いとけ。   イヤイヤイヤ、あのタイプのSAMに数秒以上の推進力は無いし。あれは最大戦速Mach2。最大戦速Mach1.6、高度50,000ftまで空戦可能な艦載機に相対速度140メートル毎秒しかない。「オイミサイルかせよ」とかジャージが格好付けてるその時間に有効射程からするする逃げていくに違いない。そもそも米軍機墜とせる手持ちのSAMなんか無ええだろ!  あの年代のアクティブ誘導方式はフレアの欺瞞を判別できないから。大丈夫だし。よしんばすり抜けても、米軍機の旋回力と訓練された回避運動の前には絶対当たりません。大・丈・夫!   が、待て待て。このまま空母に帰っちゃったらあんた。ジーン・ハックマンの役割がなくなるから落ち着け。ジャージの出番もなくなっちゃうだろ。いやいや待て待て。ハリウッド補正だ。逆御都合主義。これしかない。主人公が撃たれて死ぬと怒る客と弾が当たらなくて切れる客は同一人物だ気をつけろ。そうだ、落ち着け。  って。ゴファーさん(手提げミサイル先生)燃料無尽蔵やがな。これはアカン。フレア全然ガリガリ無視してもうとる。撃墜されてまう!アッー!!!   すばらしい冒頭に大満足です。ありがとうございました。  今も支援を続ける国連とNATOと米軍の尽力に敬礼であります。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2013-06-21 23:21:36)
22.  沈黙の追撃 《ネタバレ》 
 僕らのセガールはとうとうやや複雑なシナリオに手を出し始めたせいで、普段よりの微妙な味わいがいよいよ珍妙な味わいへと昇華することによって見る物を当惑の渦に巻き込んだであろう事は疑いようが無く、セガール自身もアクションをすることを忘れてしまったという結論に至った。   いくら何でもそれは無い、と思ってしまう軍事ファンには申し訳ないのだが、これはもうどうしようも無くセガールで有り、セガール側の平行宇宙にはこうした軍隊が存在するのであると言う事を分かって頂きたい。   ただ、役者の無駄遣いだけは何とかして欲しかった。ヴィニー・ジョーンズがきわめて勿体なく、それに見合ったアクションをセガール様自身も用意するべきだったのでは無いだろうかと思うが、もう高齢のセガールがそのトラディショナルな武芸を映画で見せてくれるならそれだけで、ま、いいかと思ってしまうからファン心理という物は手がつけられない。
[地上波(吹替)] 6点(2013-05-21 21:17:38)
23.  THE 有頂天ホテル 《ネタバレ》 
 バラバラで着地していないため、感想に行き着かない。テレビ局のお祭りだったのだろうか。内輪でやればと思う。 けど、見られないほどひどくは無いという。
[地上波(邦画)] 3点(2013-05-11 15:36:35)
24.  フィッシュストーリー 《ネタバレ》 
 二つ分の原作小説を読んでしまったのがいけなかったか。シーズンが終わった後にクリーニングし忘れたコートから五百円出てきた様な爽やかさは得られなかった。でも何となく良い話になったな、と思えるのはもう片方の話がグッドエンドしたからだろう。  もちろんあの終末を味わい深く見つめるのだって心地よさがあったのだけれど、こんな風に大風呂敷を広げて、たたんでみせるのも悪くない。   あと、多部未華子って良い名前だなぁ。見た目はすんごく普通なのに、それと相まって古風な良い名前に感じられる。不思議。
[DVD(邦画)] 7点(2013-05-09 20:34:18)
25.  南極料理人 《ネタバレ》 
「食べ物を粗末にするんじゃ無い」  爺さんは僕にいった。なんて事をするんだお前は、と、大好物の鶏を猫に与える孫をにらみつけた。人間様の食べ物は人間様が食べるのであって、猫様には猫様にふさわしい食べ物がある。彼の言いたいことはしまいには大義名分になって、僕の棒々鶏は取り上げられてしまった。脇の甘いところを見せた孫に一発良いのを入れられたことで、なにやら上機嫌でもある。  いやだって猫も時々は美味しいものを食べたいんじゃないでしょうかと言い返すも、テレビに見入ってしまった彼は全く聞いておらず、そうだねーうん、などと一モルも理解していない生返事をよこした。   南極で辛苦を共にする八人の隊員は、自分の仕事を大切にし、誠実に向かい合いつつも観測所での食事を楽しみにしていた。食事に見せる変な、他の言葉に何となく置き換えたくない、変な執着が耐えがたい極寒をイベント程度の日常に変えてしまっているかのようで見ているこちらは楽しくもあったのである。  事件らしい事件が起きない随筆の様なこの映画で、八人が起こした最大の凶行に僕の目は釘付けになってしまった。伊勢エビ。豪華食材である伊勢エビを、身では無く殻に風味が詰まった高級魚介をよりによってフライにしてしまった彼らは、やりきれない食卓の上で転がらない会話を無理にでも放り投げていた。   あのさ爺さん、「棒々鶏だけどさ、ほんの少し僕の分をニャン吉にあげて僕はその分は食べたつもりになって満足で、ニャン吉も満足なのでは?」どうよ、と次の日にもう一度訊ねる。 「そうなの?」まるで覚えていないが、あああのことね程度に孫の相手をする。 「いや、そうではないんだ。戦争中は敵地で食べ物というもののありがたみがあった。戦争が終わったら今度はありがたい食べ物そのものが無いんだ。物理的に手に入らない。戦争中の方がましなくらいだ」なにやらまじめに答える祖父に、意外性すら感じた。  だから、満足がではないんだと言う。お膳に上がったものだけじゃ無くて、お膳に上がる前の食べ物にだって礼儀を払いなさい、と。  伊勢エビを見て、ただ大きいからやりたいと言うだけでフライにしたがる大の大人たちはこの言葉を思い出させた。   が、そう言えば祖父は海軍学校でタダ飯を喰い、終戦直前に軍服を着て写真を撮ったら戦争が終わっていたなどと舌長であった。油断ならない男である。
[地上波(邦画)] 8点(2013-05-09 20:20:32)(良:1票)
26.  CHiLDREN チルドレン 《ネタバレ》 
 映画は映画、本は本。いつもそうは思っているのだが、やはり本の方を読んでしまっていると驚きや意外さというものは半減してしまうことが多い。これは当たり前なのだが、やはり本がおもしろかったりするとどうしても映画も観てみたくなるのは人情では無いだろうか。  で、この話もそうだったのかというと必ずしもそうではなく。本の方はびっくりするほどおもしろかったと言うほどでは無く、微妙な味わいだったと私は感じた。要注意であるが、私は感じた、と言うだけであって万人が微妙だったと感じるかどうかは微妙である。これの前に同じ作家の「砂漠」という小説を読んでいて、これが大層おもしろかったからである。始めにこちらのチルドレンを読んでいれば大層おもしろかった可能性は高い。   そういう訳で、映像化されたらとんでもなく面白くなってしまうかもしれない期待をしつつDVDを借りてきた訳だが、非常にこぢんまりとまとまっていて凄く面白い二時間ドラマくらいの感じかなと思ったら、実際にそうだったらしい。   静かに演じる俳優たちが、実に味わい深くて見終わるのが何となく惜しいと思わせる感覚は原作作家の味わいそのままで、何となくウキウキしてしまった。
[DVD(邦画)] 6点(2013-05-07 20:44:18)
27.  ザ・コア 《ネタバレ》 
 どこから突っ込んで良いのか分からないほどの穴が満載されていて、覚悟を決める必要がある。時間が無さ過ぎて、展開が早すぎて、突っ込みきれないからだ。  地球のコアが止まった、出撃だ、掘るぜ掘るぜーってどっかで見たような気がしないでも無いのだが、もうちょっとさ、何とかしようよ。   これも別の監督が撮ったら良かったのにな。僕らの閣下が撮ってくれればもうちょっと何とかなった等と思ってしまう。
[地上波(字幕)] 5点(2013-04-30 04:26:31)
28.  崖の上のポニョ
 公開初日の事だ。ポップコーンを頬ばりながら、何度も足を組み替える。  しばらくすると後ろの方から 「つまんないー、まだー?」と数組の家族がうるさい。母親は顕名に子供を黙らせようとするが止まない。父親の動作がガサガサと伝わる。声を出したらまずい事は分かっているらしい。  彼らだけが感じた事では無いだろうが本当にお話として面白いのだろうか。   それでも主題歌やポニョの絵的かわいらしさを、テレビでまずは子どもにすり込んでから何となく本編を映画館で見させるような作戦が効いたらしい。  何週か遅れて見に行った友人が言うには、 「エンディングでいきなり大合唱だった」  公開から夏の間、テレビを点けるとやたら女の子が歌っていたがこれが大変重いボディブローだったようで、子ども達は見事にはまってしまっていたらしい。   公開初日の午前中のあの子ども達。実は彼らの本性では無いだろうか。  あの満員の劇場でつまんないと大声で自己顕示して見せた子らも、お行儀よく早く終んねーかなと待ち構えていた子ども達も、きっとテレビに染まらない時点での正直な気持ちだった。終わった後、出口に向かうバイアスの掛かっていない家族連れは皆一様に 「微妙だったね」  と当惑していた。子供が万が一にも楽しんでいたかもしてないと、遠慮していたのは間違いない空気だった。   今思うとテレビの後方支援は大正解、まさに神算鬼謀である。子どもが嬉しそうに主題歌を歌っているのが可愛ければそのほうが良いし、鬼のようなネタバレ後でもポニョが変身するだけのことや最後の主題歌を楽しみにすればこそ、満席の劇場で大声でつまらない事を主張しないですむ。  だったら刷り込みくらい有った方が良い。子どもが喜ぶのを楽しみにして、朝、大張り切りで劇場に向かったであろう若い夫婦の事を考えるとそれしか無い。   その後地上波放送を観てみると、意外とその年のアリエッティよりは面白かった。それでも 「面白いのか、これは」と悩むのだ。   母親をリサーと呼ぶ子ども。しんちゃんとかそうすけは30歳になってもミサエーとかリサーとか自分の母親を呼ぶのだろうか。受け止められることも大事かもしれない。けど、子供には銀河鉄道の夜で楽しんでもらった方が健全だと思うのは古くさいのだろうか。
[映画館(邦画)] 6点(2013-04-25 03:17:40)
29.  ジェイン・オースティン/秘められた恋 《ネタバレ》 
 絵的な雰囲気は重厚でなかなか惹き込ます手腕に長けた話だった。しかし、なんであれで惚れちゃうんだろう。んーよく分からないけどま、いいか。  最後くっつかなかったけど、なんか永遠の愛みたいな終わり方で盤石のオチで安心した。
[地上波(吹替)] 7点(2013-04-24 20:51:20)
30.  ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー 《ネタバレ》 
昔、教室にハエが大発生したことがあった。 何故教室に夥しい害虫が発生したかはあまり問題では無く、いかにして退治するかに皆が夢中になったのだ。 俺は空手の師匠に教わったと、飛んでいる彼らを箸で摘もうとするクラスメイトや、ジャッキーならこれで一発だとボボボと珍妙な構えで効果音を発する者まで現れた。  事態を重く見た新任の担任教師は、どう言うわけか宮城さん禁止とジャッキー禁止をクラスに言い渡して他の捕獲方法を考えなさいと言い始めたので有る。私達少年少女は勿論ツッコミどころを間違えて、それでは鍛錬にならないだとか、あと少しでジャッキーだったのにとか皆で一丸となり勘違いの渦でおぼれたのだった。  しかし、この映画にはこの何が何だかサッパリ意味不明な楽しみが希薄で、あまり面白がれないのが本当のところだった。何かこう大人の都合が見え隠れするのが良くない。なぜ割り切ったコスプレがないのか、何故バイソンが力自慢のバズーカさんなのか。乗り切れない。  あの担任の先生。まあ今でも結構若くて綺麗なんだろう彼女のあの絶妙の采配。ただ注意をそらして禁止するのでは無く、宮城さんとジャッキーを禁じて注意を引きつけてから話し合い、一方的にキンチョールをドスンと教卓においた時のあの興奮とよくわから無いけど得意顔は今でも忘れられない。 あの馬鹿馬鹿しさの中の花のような曇りないもう少し馬鹿馬鹿しいと言う、そう言うのがなくて残念だったのだ。 
[地上波(字幕)] 5点(2013-03-03 17:21:02)
31.  がんばれ、リアム 《ネタバレ》 
 耐える事しか出来無い相手を、執拗に虐げる。振り上げた暴力が、間違ったところに落ちていく。それで非は受け入れられ無い。どれだけ他人を痛めつけても、それによって自分の価値が変わる事は無い。低い人間で有るという事実がそこに有るだけだ。  この父親を見ていると、本物のクズとはこう言うものかと、感心しながらみてしまう。彼は豊かなら貧しい人を虐げて、豊かでも貧しくも無ければ毒ばかり吐き、貧しければこの様な事をする。どこかで観た事が有るようなタイプだ。   社会だとか、貧しさだとか、信仰だとか民族であるとか。そんなことが重罪の許可証になるわけが無い。この様に重大な犯罪をやってのける気質を持った人間の後押しをする事はあるが、誰も同情も許す事もしない。  完全にいかれた人間の生き様をみて背中がシャンとなるのだった。良い映画だ。
[DVD(字幕)] 8点(2013-02-01 17:31:27)
32.  スパイダーマン2
 主人公のピーター・パーカーがぐちぐちと悩む。正直、結構秀才なんじゃ無いのかあんたはと言う位の科学者の卵だったりしながら、彼女が出来て金持ちの友人が居て、夜な夜なこっそりNYを護っている。そう言う彼がぐちぐち悩んでいるから面白い。  普通の人は、上司が馬鹿で悩んだり、自信のなさに悩んだり、成績で悩んだり、彼女が居なくて悩んだり、友達が居なくて悩んだりとか。とにかくぐちぐち悩んで当たり前というか、悩んで当たり前なのを日々何となく小さな喜びで前進していったりするのだ。   何でもありでも凄く人間的に色々ややこしくて、見ていて不思議と感情移入できてしまうヒーローっていうのがなんともアメコミで、痛々しいスパイダーマン。  いちいち悩むな、とかついつい突っ込んでしまうのだが、仮に彼が全然悩まなかったらはっきり言って私らは完全敗北な訳で、ちょっとIT企業の役員さんなんかに居酒屋で出くわしたくらいのことで敗北を禁じ得ないでいる普通人にとっては、丁度良いダメさを纏ってくれているのだったりする。   なるほど、受け手に優しい痛々しさな訳である。MJがブスなのも、これがもの凄く可愛かったりして見ると突然脇の甘さがなくなってしまって大変だ。ピーターが悩まない、大学生活をエンジョイしてNYでブイブイ活躍してその上可愛い彼女が存在したあげく、金持ちの友達と上手くやれてしまっていたら学年に一人位は居る、勝ち目の無いイケメンで秀才で金持ちになってしまう。コイツの成功談話を聞きたくないから同窓会が嫌だな的な、そんな勢いが付いてしまうから気をつけたい。   色々考えると、ヘンテコで古くさいモチーフを使い回さないといけない老舗アメコミで、アメコミ必殺のめんどくさい主人公で、どうでも良いような事で皆が争って。これで良いんだよな。日常の痛みを彼らも戦ってるような気がして、なんか妙に等身大なんだ。  ここがスーパーマンとの最大の違いか。良く、大雑把で、超能力で何でも解決できて御都合主義でと言うのがアメコミの様に捉えられている節があるけど、それは極端かもしれないが古代の単体スーパーマンというマンガだけだろう。アメコミは世界で一番ぐちぐちと悩むマンガだ。最近はスーパーマンでさえバットマンと言い争いをしてぐちぐちと悩むらしい。  そう言う訳で、この映画は非常にアメコミ然として良い雰囲気で、結構好きだったりする。
[DVD(吹替)] 7点(2013-01-28 05:19:19)
33.  インクレディブル・ハルク(2008) 《ネタバレ》 
 待っていては何も始まらないのが現実世界だ。周りだけが動き出して、自分はタイムマシンに乗って未来の世界に連れて行かれてしまう。気がつくと進歩しているのは周りの人間が作り出した世の中とガジェットで、自分だけが骨董品になっている。煤けても、動きが悪くなっても動かなければならない。表面だけ磨いて、油を差して、見かけ上の姿をごまかすようにそれらインフラとガジェットとを利用して、古い自分に鞭を打つ。   それでも、ハルクほどじゃない。彼は待つ場所も時間もない。全て無くして、自分というアイデンティティもどこかに行ってしまった。怪物であるという、記号性だけを埋め込まれたあと、彼はとにかく逃げるしかなかった。  一縷の望みをたぐって帰って来た彼は、それが幻想でしかない事を知っていながらもそれに縋った。そうやって起こった惨劇は、彼が戻ろうとした過去と、現在と、未来をさんざんに壊してしまったし、そこに生きてきてこれからも生きていくはずだった沢山の生活も壊してしまった。  だから、彼はずっと逃げるしか無いのだと決まっているのだ。もう、立ち止まる事も出来ない。   って所までは良いけど、技名絶叫(見開き)はねーだろ。車田正美かと思うよ。ねえよな。うん、ない。とってつけたようなアイアンマンのひととか無い。番宣ですか?そうですか。
[地上波(吹替)] 7点(2013-01-27 06:07:20)
34.  スパイダーマン(2002)
 スペシウム光線だとか、ギャラクティカマグナムだとか、サイコフレームだとか。もうね、作者がつよくなるんだぞっつってんだから納得しろよ。っていうものっていっぱいある。スパイダーマンの糸だって言ってみればそう言う物の一種だ。場合によっては不二子ちゃんだって絶世の美女?そうなの?って事だって無いことも無い。   学校一の人気者だったMJがブスなのはもう10年以上語り継がれているが、もうとっくにその事に言及しておくべきだったと今になって激しく後悔している。だけど、実はその事も10年の間に自分の中で消化できてしまっているのも事実だ。  結構面白かったなーとか思っていた10年前、その後ででもなぁMJブスだから説得力全然ねーよ、なんて笑っていたのだが実際は説得力が無いのはMJがブスだったからだろうか。  彼女がブスな位で説得力を失うんじゃストーリーとしてはあんまりだ。はっきりとブスと分かる彼女と付き合っているイケメンの男だっていくらでも居る。彼らだってラブロマンスの中心にいる。   何がおかしいんだろうか。というのは実は08年になってから判明する。ダークナイトが公開され全く弱点の無い脚本だ、と座ってる劇場の椅子に激震が走った。このヒロインのレイチョーがどう見ても、主人公が追い求める美女って感じでは無く、むしろ霊長的な……。という訳で、ブスでも脚本と演技力が合わさる事でとんでもない説得力を生む事がまざまざと証明されたわけだ。  つまり。MJがブスな事はそれ程重要なわけでは無く、脚本の練り込み不足と演技の説得力が不足していたと言う事なんだろう。  そう言うわけで、練り込めなかった最後の1ピースが、ほころびとなって出て来る場所が面白くないとかそう言う事では無く別の所だった、と言う事だった。  そこそこ面白く、革新的なCGIが乗っかって冒険活劇と悩みを併せ持つヒーローが結構まともに出てきたら、リービッヒの桶に空いていた穴はそう、MJだった。という訳だ。
[映画館(字幕)] 7点(2013-01-26 23:55:54)
35.  釣りバカ日誌19 ようこそ!鈴木建設御一行様 《ネタバレ》 
 2008年ですか。北京オリンピックのバブルが日本にも波及していて、もの凄い時代だった。私もその流れに上手く乗って非常に豊かな生活を享受していたりしたのが懐かしい。派遣社員の人たちもキラキラとした目で遅くまで働いて、皆が皆幸せだった。  が、そんなの一部地域の一部産業だけだ。あたかも派遣社員が良いものだから私は誇りを持って続けますよ、みたいな流れが今となってはもの凄く空恐ろしい。未来を見ないで今だけ楽しもうという様な。  だけど、今考えても異常な数年だった。月に十万も二十万も出かける暇を惜しんでAmazonで買い物し、一日に何度も宅急便のおじさんが来る。家の中はあのクソでかい段ボールだらけになり、物で溢れ返っているのだった。  今は本当にあの景気はなんだったの?とがらんとした部屋で、あの時無数に購入したものの見る時間も無かった映画をのんびり消化している。   この映画はそんなことは無く、地方の問題や格差の問題を取り上げつつも高度に派遣会社への配慮をするなど何でもありでも良く出来て居た。  しかし、佐藤浩市である。嫌いな人も多いだろうが、すっかり大物に成り、なかなかの演技をこなしシリアスとコミカルを軽妙に織り交ぜる日本屈指の俳優といえる。  息子に追い越され、年齢的な衰えからむしろスーさんの方がゲストと言っても良い位実力に差があるのに、良く親子ででるもんだと妙に感心したものだ。  だが、その同じ職業を同じ映画で分かち合う画に妙に感動してしまったりもする。それにしても演技の鬼だった父と、傑出した演技力の息子。凄い親子だ。   こんな事を思っていると、西田敏行が盤石の好演で締めるのだった。なんか普通の話だななどと思っていたが、何気なく非常に楽しんでいる自分に気がつく。楽しんでいる事を意識もさせないなんていう空気みたいな作品だった。19作も続いているのにこう言う物が作れるとは、作っている人たちをちょっと尊敬してしまう。
[地上波(邦画)] 7点(2013-01-26 20:48:29)
36.  ハイジ(2005) 《ネタバレ》 
「頭は悪くないようじゃ」  藁をまき散らしながらフフフウフフフグフゲヘと高笑いを続ける少女をそっと見つめて、老人はつぶやいた。  それが、ハイジだ。この頭がどうかしてしまったとしか思えない女の子がハイジであり、私の中のアルムの原体験である。そして加減を知らないあの口調に週一でイライラするのだ。低燃費車の宣伝にでてくる彼女と、食品劇場のアホ少女は実際、等価である。   一方思う様陰惨で、いやな性格のペーターが作中白眉である。鉛筆をガジガジかじりながら、 「俺は勉強なんかしねえから」  と嘯く彼の堂々たる様は水晶体で逆さまに写し取られて、脳内で電波を発し始めた。「羊飼いに文字は必要ない」と吐き出す彼の姿はまるで、「人殺しに家庭はいらねえ」と呟く暗殺者だ。  正直、風景や建築様式や美術の美しさなんて目じゃない。古くて新しいハイジは二一世紀に生まれ変わっていたのである。   そういうどうかしちゃったの?なハイジとは違う、原作小説のエッセンスをより投影したであろう二〇〇五年版ハイジは盤石の純粋少女であった。  TokyoMXのカッティングも相まって少し早足で進みすぎるきらいもあったが、十分に感動作だ。  旧12チャン,TVK、MXの映画チョイスはヤバい。ものすごい手腕である。開始三十分(CM込みである)でババアが連れ戻しにきたときは、まだ早すぎて腐ってるぞと思わないでもなかったが、各局要チェックだ。
[地上波(吹替)] 7点(2013-01-21 02:04:15)
37.  潜水服は蝶の夢を見る 《ネタバレ》 
 夢を見ているのだろう。今私はいつまで続くのか分からない生死の分かれ目を漂っている。正確には、漂っているのは間違いないのだが足下の状況は数十センチのスペースをステップしながら、あっちに行ったりこっちに行ったりしている危険な立場、である。  私は今飛んでいて、その飛行はぎりぎりよりもやや飛べていないという外観がふさわしく、五〇メートルも飛ぶと都合よく現れる次の足場で蹴りあげなければ落ちてしまう。落ちたらどうなるのか、それを考えたらあまり意味のない無限回廊に入り込んで、少なくとも飛べている今を失ってしまう。それは私の望むところではない。   私はもう三人いる仲間と一緒に目的地に向かって飛んでいる途中なのだが、彼らはこのとんちの効いたコスチュームや私たちに指令を下すボスのかっこわるい乗り物に何の疑問も持っていないのだろうか。   潜水服は蝶の夢を見るか、見るんだろう。夢を見ていれば何とか逃げ続けられるのだから。閉息感と拘束を感じながらも、飛ぶ術を与えられたこの世界に放り込まれたのはこの映画を見たからなんだろうか。私自身の影響を受けやすい安っぽさが夢の中にある。    いや、だからってこの夢を終わらせる理由にはならない。目が覚めてしまえばこの飛行体験は終わりを告げて、現実の私と向き合わなければならない朝がきてしまう。だから私は必死に足を地面に蹴りつけて飛び続けるのだ。
[DVD(字幕)] 8点(2013-01-19 03:32:08)
38.  パンズ・ラビリンス 《ネタバレ》 
 この不愉快な独創性にやられた。何から何まで不愉快で、込められたテーマも噴飯物であるのだが、思う壺の中で思う様振られてるのが私なんだろう。
[DVD(字幕)] 7点(2013-01-14 02:04:02)
39.  メン・イン・ブラック2 《ネタバレ》 
 三人の仲間はすっかり大きなお友達になってしまったが、放課後に「ムー」を囲んでギャーギャーと探偵団を作っていたあの頃と脳内年齢はあまり変わっていなかった。免許を取り立てだった僕は海岸から黒い車を北に繰り出して、厚木基地に向かった。タッチアンドゴーを懸命にこなすF/A18には興味は無く、米軍がエイリアンと共同で作り出した未知のテクノロジーが詰め込まれたUFOを追っているのだった。   もし米軍に見つかって黒い服の男達に記憶をけされたらどうするかとか、サングラスを必ず持って行った方が良いだとか、頭の痛いお兄さん達である事は間違いないのだが本人達は知ってか知らずか、いや分かっているけどやめられないのだが、とりあえずは真夏の夜中にキャンプ座間の付近で落ち合う事にした。   この日中、猫を探して欲しいとか何とか言う幼なじみの言う事に付き合って、町内の隅々までニャーニャー言いながら二人練り歩いたのだが、その夜の計画を彼女に打ち明けると思う様腹を抱えて笑う彼女に、 「バーカバーカ、絶対やばいんだからな。いつか誘拐されるぞ」  とか半ばそんなはずは無いだろうという事を言い放ったり、馬鹿馬鹿しい話をした。  そうなんだ、僕も僕の仲間も彼女もとっくに宇宙人なんか信じていなかったのだけれど、何となくモラトリアムの中で楽しい記憶にすがっていたかった。そんな最後の子供の頃だった。   この夜、僕らは日本からはもうグレイを使った実験は引き上げているだとか、新型の飛行物体が厚木に埋まっているだのファミレスで話し合いながら夜更けを過ごした。到来して間もなかったインターネット社会はこの後容赦なくステルス戦闘機の存在を誰でも調べられる日常にしてしまったし、UFOなんていないと言う事もしぶしぶながら受け入れさせてしまう事になる。だけど、世紀末のあの空気は21世紀の今ではもう触れる事の出来ない宝物だった。   数年後、ふとあの頃の事を思い出して見たメンインブラック2はドットコムバブルの残滓のような映画だった。世紀末の異世界も新しい世界観を作り出す事も無く、単なる題材だけ借りた映画だった。だけど、一種のノスタルジーを僕に喚起させたのも本当の事だったりして、華やかな雰囲気が妙に寒々しく感じられたりもするのだった。
[映画館(字幕)] 5点(2013-01-07 03:41:07)
40.  おくりびと 《ネタバレ》 
 寒いさなかに、一人で山道を走る。軽自動車の上げるエンジンの音は悲鳴のようだった。だけど、捉えようのない気持ちを三つのピストンがたたきつぶしてくれる。喪失感は車が坂道を上っていくにしたがって別の何かに置き換えられ、心を埋めていく。ようやくたどり着いた高台に車を止めて街を見下ろすと、何となく止まっていた時間が動き出すのを感じた。  バッグの中から小さな魔法瓶を取り出して、コーヒーを紙コップに注いだ。コーヒーの苦さで色々な辛さが澱のように重なり、段々と、もう死んでしまったあの人の声がよみがえった。   その日偶然見たおくりびとの作中、大悟は大切な物を失ってしまった。その大切さに気付く頃、もう手に入らない様々なものをどうして良いのか咀嚼できないままに納棺師になる彼を見ていると、胸の痛みは耐えられないほど大きくなっていった。  彼はわだかまりの大きさと、生きていく方法の少なさを受け入れることが出来た。それを暖かく溶かして再び柔らかく作り直す事が出来た彼を見て僕は、どうやっても涙を止める事が出来なかった。想いが込められた石は大悟の個性を形作るためにずっと側に居たという事実を彼は知る事が出来、僕も安堵を覚えた。   その夜、何となく見下ろした街の灯の中にも、僕の居場所があるのかとため息を吐き出しながらじっと座り続けた。何時間にも感じられた時間は本当は長くも短くもなかったけど、永遠に繰り返し続ける堂々巡りの中にも答えの気配を感じる手がかりのような物を感じた。  記憶に残された様々な言葉は傷つける対象を求めて蜷局を撒いている。いつだって変わる事はないかもしれない。それでも少し割り切れる事もあるのだろうかと気持ちが固まると、僕は何となくサイドブレーキを下ろして、街の光に混ざり込む事にした。
[地上波(邦画)] 9点(2013-01-07 02:35:27)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS